ついに先日、ジークアクスのキットを買うことができました…!
これから暑くなりますが、体調管理をより一層気を付けていきたいと思います!
海人族の少女を保護したハジメとシアは、下水道から地上に脱出。
人目につかないよう物陰に隠れたハジメは、アーティファクトの鏡を取り出すと、組み込んでいた念話石を使い、イルワに通信をする。
「すいません、イルワさん…実は…」
事態を聞いたイルワは少し考えるそぶりを見せると、ハジメに指示を出す。
「わかった。なら西の水門を管理する小屋に行くといい。あそこはギルドの管理している建物で、高ランク冒険者の君なら問題なく通れるはずだ」
イルワからの許可をもらい、ハジメは通信を切ると今度は念話石のブレスレットを使い、『ある人物』に連絡を取るのだった…
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少女は夢を見ていた。
まだ母がいて、綺麗な海の街で住んでいた頃を。
物心つく頃に父親はおらず、聞いた話だと父は自分がまだ母親のおなかの中にいる頃に仲間を助けようとして行方知れずになったらしい。
寂しくはあったが、少女にとって母と一緒にいるこの日々は何物にも代えられないほど楽しく、温かかった。
だが、ある時町に現れた誘拐犯達によって自分は捕まり、母は足に魔法を受けて倒れてしまう。
「………ん?」
ふと、少女は自分がいる場所がさっきまでの暗く臭い場所ではないことに気が付いた。
温かく、ホッとするような場所…
「あ、気が付きました?」
少女が振り返るとそこにはウサギの耳がついたお姉さん…シアがいた。
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小屋の一角に即席だが浴槽を作ったハジメはシアに少女の入浴を任せ、少女のために準備していた『たまご雑炊』を作っていた。
「お待たせ南雲。頼まれてた服、買ってきたわよ」
すると扉が開き、子供服の入った紙袋を持った優花が入ってきた。
その後ろには奈々や妙子、優翔もいる。
「わざわざごめんね、男一人で女の子の服買うのはちょっと抵抗あったし…お詫びとしてみんなのお昼もとりあえず一緒に作るから」
簡単なものだけど…と呟いたハジメは一緒に焼いていたパティと残った玉子で目玉焼きを作る。
「じゃあこの服、お風呂場に置いてくればいいの?」
「お願い奈々。私は南雲と一緒にご飯の準備するから」
奈々が脱衣所に向かい、妙子と優翔が埃の積もったテーブルを掃除。
そうして4人でハジメと優花の手作りしたハンバーガーを食べていると…
「おまたせしました、ハジメさん、みなさん」
デートの時の服装から一転、いつもの服に着替えたシアとワンピースを着た少女が入ってきた。
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よほど空腹だったのか、雑炊をあっというまに平らげた少女。
とりあえず分かったのは『ミュウ』という彼女の名前だけで、いまだにハジメ達を警戒しているのか口を開こうとしない。
すると、震えるミュウの手を優翔が握る。
「大丈夫だよ。お姉ちゃんもハジメ兄ちゃんも、絶対助けてくれる。それにハジメ兄ちゃんは最強の金ランク冒険者なんだから!」
自分より年下のミュウを励まそうと動いた優翔に、ミュウはわずかに警戒心を薄れさせる。
そうしてミュウが語ったのは、自身の身に起きた不幸の一部始終。
ミュウの話した内容はハジメ達の予想とほぼ同じものであった。ある日、海岸線の近くを母親と共に泳いでいたらはぐれてしまい、突然出くわしたガラの悪そうな人間族の男達によって誘拐されてしまったらしい。
誘拐されてから幼子には辛い長旅をさせられ、この町に来てからは下水道内部にある薄暗い牢屋の中に閉じ込められた。
牢獄の中には自分以外にも多くの人間族の幼子がおり、毎日数人ずつ連れ出されて帰ってくることはなかった。そこにいた年上の少年いわく「自分達は見世物になって客に値段をつけられて売られるんだ」とのことらしい。
やがてミュウが売られる番が来たのだが、その日は偶然にも下水道の整備をしていたために地下水路への扉が開いており、懐かしい水音を聞いた彼女は一か八か勇気を出して飛び込んだ。大人でも顔を顰めるような汚水という劣悪な環境を我慢して懸命に泳ぎ、逃げ切ることができた。
だが…慣れない長旅に加えて誘拐されたことによる過度なストレス、ほぼ与えられないうえ貰えても腐ったような不味い食料、そして汚水に飛び込むという無茶がとどめとなり、彼女は限界を迎えて汚水の中で気絶してしまったのだ。
「…噂になってた裏の奴隷オークションか。海人族の…ましてや子供を売る時点でろくでもないとは思ってたけど」
「これからどうするの、南雲?」
泣きそうなミュウを抱き寄せながら優花が尋ねる。
「今回のことは僕らの一存でなんとかできるかわからない…公に保護を受けてる海人族を勝手に連れて歩けば、僕らのほうが犯罪者になりかねないよ」
「で、でもハジメさんの金ランクの権限を使ってイルワさんに話を通せば…!」
シアが声を上げるが、ハジメは首を振る。
「シアさん。僕らが挑むのはこの世界で最も危険な七大迷宮だ。僕たちの周りには危険がいっぱいで、なにより優翔のようなチートステータスで身を守ることだってできない。だったらここの保安署に事情を説明して保護してもらうことが何より適切なんだ」
「う………」
シアも理屈ではわかっている。だが、同じ亜人族の…この世界で虐げられる立場の子供が苦しんでいるのを見過ごせなかったのだろう
「悠長なことを言ってるのはわかってる。でも、ここで僕達が勝手に動くことで向こうの組織に動きがばれて状況が悪化するかもしれない。もしそれで取り逃がしてしまえば犯罪組織が痕跡を消し、保安署やギルドによる捜査が難航する可能性がある。そうなれば逃げられるだけでなく、他の組織にとっては新たな犯罪を起こすチャンスになりかねないんだ」
そこまで言うと、ようやくシアも落ち着きを取り戻した。
「………南雲っちの言うことも一理ある。少なくとも、私はそう思うけど」
「妙子?」
ふと口を開いたのは、これまであまり喋らなかった菅原。
「警察…こっちでは保安署か。そっちの人に任せればミュウちゃんは安全かもしれないし、時間はかかるだろうけどお母さんのところに帰れるだろうけどさ…」
「でも、ミュウちゃんはシアちゃんや南雲っちに助けを求めたんでしょ?」
どこか緩い雰囲気は鳴りを潜め、真剣な表情で語る菅原。
「うまく言えないけど…私達だって家族から引き剝がされてこの世界にいるわけだし、ちょっとはミュウちゃんのつらい気持ちが伝わるっていうか…」
「でも、私達とミュウちゃんの違いは一つ。ミュウちゃんのそばには、よく知った人が一人もいなかった」
続けて優花が喋り、ハジメはさすがにばつの悪そうな顔をする。
そしてハジメはミュウに向き直る。
「ミュウちゃん、これから僕らは保安署のところまで行く。君のことはそこで相談することになる」
「……お兄ちゃん達はどうするの?」
「分からない……行ってみないことには……でも、優花お姉ちゃん達と優翔が少しだけそばにいるから」
イルワに話を通さない限りそこでお別れの可能性しかあり得ないのだが、イルワとの話し合いが終わるまでに駄々をこねられても困るのであえてぼかしておく。
そして保安署までミュウを連れてきた6人。ハジメから事情説明を受けた保安員は険しい表情をすると、今後の捜査やミュウの送還手続きに本人が必要であり、ミュウを手厚く保護して署で預かる旨を申し出た。どうやら、すぐにでも組織からミュウを逃がすために明日には出発するらしい。
しかしミュウは……
「やっ! お兄ちゃんとお姉ちゃん達がいいの!ゆうくんとも一緒にいるの!」
案の定、駄々をこねてしまい、優翔に抱き着いて離れようともしない。窮地を脱した先で奇跡的に出会えた信頼できる相手から離れたくないのだろう。しかし、ルールはルールなので説得を試みる。
「ミュウちゃん…わかった。ならお兄ちゃんが少しこの町の偉い人とお話ししてくるよ」
「…ほんとに?」
「ああ。ミュウちゃんを一緒に連れていけるかどうか頼んでくる。だから、それまでここで優花おねえちゃん達や保安署のお兄さん達のいう通り、いい子でいられるかな?」
顔を伏せるが、やがてミュウはうなずいた。
「よし、いい子だ」
ハジメは優花に視線を送り、優花もそれにうなずく。
やがてハジメとシアはギルドを目指して歩き出す。
「ハジメさん…イルワさんを説得って、できます?」
「正直わかんないね…今回のことはあの人個人でどうにかなるか怪しいから。いくら多少の要望を通せても、あまり無茶はできない」
それでも、一縷の望みにかけてギルドに歩を進めるが…
突然背後で爆発が起き、振り返ると保安署から黒煙が上がっていた。
「優花さん!みんな!」
タイミング的に最悪の事態が脳裏をよぎった。ミュウを拐った犯罪組織が、証拠隠滅とミュウを奪い返すために保安署を爆破するという暴挙に出た可能性を。
二人が保安署にたどり着くと、建物の扉や窓ガラスが吹き飛んで表通りに散乱していた。警戒しつつ踏み込んでみれば何人もの保安員が倒れこんでおり、その中には先ほど対応してくれた職員も、そして優花達もいた。
「優花さん!いったい何が…」
「ごめん南雲…私、しくじった…」
優花の話によると、突然の爆発で大勢の怪我人が出て混乱していたところに謎の集団が突入してきてミュウを拐っていったのだという。
「戦おうとしたけどさ…人に武器を向けるのって…殺そうとするって考えると足がすくんで…ごめんなさい南雲…私、肝心な時に…」
対人戦を行った経験のない優花達は攻撃ができず、ミュウを連れていかれたということらしい。
「ハジメさん、この紙を見てください!」
ふと、壁に貼ってある紙をシアが見つける。
そこに書いてあったのは、ミュウを死なせたくなければシアや優花達を連れて指定した場所に来いという旨の内容で、要するにミュウを利用してシア達を手に入れようとしているのだ。
「僕らがすぐ来たから、優花さん達を連れていけなかったのか…」
「ハジメさん! 私!」
「分かっている。でもまずは…」
ハジメの雰囲気が変わり、念話石のペンダントを取り出すとミネルバクルー全員に連絡を取る。
「ミネルバクルー総員に緊急連絡!ミネルバクルー総員に緊急連絡!僕とシアさんが保護した海人族の少女がこの町に潜む犯罪組織に誘拐、その過程で保安署が爆破され、園部優花さん、宮崎奈々さん、菅原妙子さん、園部優翔が犯罪組織の攻撃にあい負傷!相手の要求は僕らクルーの女性陣の引き渡しだ!」
「相手はこのフューレンに子供を集めて裏のオークションで奴隷として売りさばく犯罪集団!これより僕らミネルバクルーで………
組織のメンバーを制圧し、敵の壊滅を行う!直ちにクルー一同はミネルバに戻り、戦闘準備に入れ!!」
次回予告
奴らは触れた。決して触れてはならない禁忌に。
命のやり取りは、少年達に自分の選んだ道の現実を見せていく。
次回、機動戦士ガンダムForce
第4話 『罪人と少女』
幼き未来を守るため…天空を舞え、AGE-2!
SEED FREEDOMの設定を反映してもいいか?
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反映に賛成!
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無しでいい