東方庄屋三   作:痛み

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 初投稿です。


イナゴと次期庄屋

 当たり前だが夏というのは暑い。

 

 今は七月末、太陽が本気を出してくる午前、今日もきょうとて自分は畑仕事。我ら農民に休みなど無い。それは米や野菜は人間と違って非常に仕事に熱心だからだろう。

 

 いつも近くで視てきた身としては彼らに少しぐらい休んでもいいとおもう、特にこんな日差しの暑くカンカンとした日は。

 

 夏至を過ぎたはずなのに暑さが増していく現状に今日もまた、ここだけは冬にして欲しいと考えている。冬は雪が積もり外でのと雪かきが嫌で嫌で夏に早く来ないものかといつも心に思っていたが。

 

 とにかくお天道様が仕事熱心なのがいけないのだ、もっとも仕事相手の田畑は喜んでいるだろうが稲が病気にかかってないか等々を調べるため、家の広すぎる田畑を毎日チェックするこっちの身にもなって欲しい。

 

 そう文句を擬人化した田んぼに垂れてるとその田んぼさんの一部が不自然に揺れた。

 

 おおかた実を奪いにきた雀かそれを狙う小動物が潜んでいるのかと考えていたが、揺れた所から大きく飛び出してきた。

 

 それは体長が自分の片腕ほどあり、全身が稲に溶け込むような緑をしており、機械的生物的な関節、面長な顔で大きな複眼、つまりデカイイナゴだった。

 

 ちなみにイナゴというのはバッタという大きなグループに含まれており両者の間に大きな違いは少ないらしい。

 

 あえて知識人の説明を借りるなら喉に突起があるとか、蝗と書いてイナゴと読むが蝗害を起こさないとか、興味深いが農民には関係の少ない話だろう。閑話休題。

 

 さて、田をよくよく見れば大イナゴの他にも通常サイズのイナゴが5匹....10匹....30匹.. ええぃ!蝗害をしないとはなんだったのか。どうせあの大イナゴが連れてきたのだろう、あいつさえ捕まえてしまえば統率も崩れてしまうだろう。

 

 あのサイズだ捕まえるのは簡単だとおもって田に踏み込むと、イナゴ達は一斉飛び立ち、田を離れ近くの雑木林に逃げ込んでしまった。

 

 たぶん罠だ。けれども放っておいて田んぼが全滅してしまってはなんて親に説明すればいいのか。そう思い野菜に水をあげるために用意していたひしゃくを持って薄暗い雑木林に入って行く。

 

 

 

 

 

「誘われたな人間!今度は私達蟲がお前らを罠に嵌める側になったんだよ!」

 

 薄暗い雑木林を進んでいくとそう言われた。声のする方を見ると薄暗い中でもはっきりとしたショートの緑色の髪、シャツのような白い洋服に対比するような黒い羽根。

 

 そして特徴的な触覚。前世の記憶が正しければ、たしか蛍の妖怪リグル..だったはず。虫共の親玉なのでイナゴも操れるだろうが今回は大イナゴと協力しているらしい。

 

 ....その証拠に大イナゴが

『やっちゃってくだせえ姐さん!』と言わんばかりに飛び跳ねている。お前妖怪かよ。

 

 よくよく見ればイナゴ達の横に蜘蛛、百足、蜂、毛虫、蚊...等々害虫のパレードだ。他にもダニやらなんやらが既に自分の周りを包囲しているのだろう。

 

「はっはっは!敵は我々だけだと思うな!実はお前の周りをすでに蟲達で固めている!」

 

「....それ言わなかった方が良かったのでは?」

 

 彼女は「はっ しまった!」と言っているが、包囲が確定した以上なんとも絶望的な状況だ。

 

「....さて、物量で負けている相手に勝つ場合にはどうする?」

 

 相手さんはどうやらこんな状況下なのに余裕こいた自分の様子に「?」を浮かべ頭を傾げているようだ。

 

「....どうしたの?頭大丈夫?」

 

 うーん心配までされてしまったようだ。

 

「答えはこう!」

 

 そう言い放なった自分は彼女に向かって勢いよく踏み出した。相手さんも咄嗟に踏み込んで来た自分を捕まえようと体勢を取ったが。

 

 自分は持っていたひしゃくでおもいっきり相手の頭を殴った。

 

 カッ と痛そうな音がしたが流石は妖怪。体力が人間より多いのかすぐさま立て直した。

 

 けれども一瞬の隙があれば後ろに回れる。

また殴る。

 

「ちょ、ちょっとまっt」またまた殴る。

 

「痛い!痛いって!」またまたまた殴る。

 

「う、後ろか!」横から殴る。

 

「よこ!?」前から殴る。

 

そうして殴り続けた。

 

 

 

 

 

「ずびばぜんでじだ....」

 

「わかればよろしい。」

 

 三十分後の姿である。

 

 答えはいたって簡単、速攻で指揮系統から潰すだ。

 

 虫というのは人間と歩みの幅が違うので人間が素早く動けば基本的に着いてくることはない。

 蜂や素早い虫は継続的に攻撃を加え命令をさせないことでカバー。

 腕を掴まれ手や足から虫が入らないようにひしゃくで距離をもうける。

 

 完璧だ。あとは心が折れるのを待つだけ。

 

 終わった後には虫達も自分の意志で行動し初めたのかもう姿もなくなっている。

 

「さて、もう一人の元凶も処罰しなくては。」

 

 もちろん大イナゴくんである。虫達が帰り初めてから「あ、やべ」とこっそり逃げようとしていたのでひしゃくで軽く殴ったら。虫のくせに脳震盪でも起こしたのかそこで伸びている。

 

「無難に素揚げか、いやここまで身が大きいならしゃぶしゃぶにも出来そうだ。」

 

 イナゴは田を荒らすため捕まえるが、それだけではない、農民の貴重なたんぱく質としてよく食べられているのだ。

 

「ちょっと待ってください、初犯なんです。命だけは、命だけは。」

 

 少女はいまにも泣きだしそうに助命を頼んでくるがここまで大きいイナゴなら食いでがあるだろう。

 

 ここは時代から逃れる土地、幻想郷。

 

 農民にとってイナゴもバッタも腹に入れば一緒なのだ。

 

 




 大イナゴ

 生きてる、生きてるよぉ....
 正体は長く生きたイナゴ、そのなかで人間をかじったのが妖怪化のトリガー、最近妖怪になったばかりで妖怪界隈での『手を出してはいけない場所』に蟲妖怪仲間のリグル・ナイトメアに協力を頼んだのが今回の話。
 生まれたばかりで力も弱いがあえて程度の能力を付けるなら「イナゴを従える程度の能力」。
 なお主人公以外なら問答無用でむしゃむしゃされてた。
 人型になれるまであと200年、強く生きて!



 リグル・ナイトメア

 被害者。いや、加害者だ。 
 『手を出してはいけない場所』だとは知っていたけど珍しい蟲後輩に頼まれ、おだてられ、つい手伝ってしまった。
 きっと「手伝って!お姉ちゃん!」
    「しょ、しょうがないな~」
 みたいなことがあったのだろう。良い。
 本来の予定では大イナゴが襲撃を繰り返し、
人間が追いかけてきた所で囲って......。という油断もしてない完璧な作戦だったが相手が悪かったのだ。



 主人公

 少女を三十分殴り続けて泣かせた鬼畜野郎。
 容赦ない。でもさすがに少女を殴り続けるのは気が滅入ったのかイナゴを許している。
 こんな効果もあるし一番最初に少女の姿になった妖怪って天才やな....え、イナゴちゃん?....強く生きて。
 やはりというか程度の能力ともいえるものを持ってる。『一人当千を行う程度の能力』
 詳しくはちょっとずつ御披露目する。



 いやー....一話目にしては日常描写だけだな。
絶対誤字脱字あるし解釈違いはあるから生暖かい目で許して。
 一話目は主人公の日常を表現したかったからキャラクターの掴みがいまいちになちゃった。次の話で主人公について自分語りさせる予定だよ。
 まだまだ文章書く力もないから不定期になっちゃうかもだけんど。読んでくれ。
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