さいどらいかん
なぜ、初日からいきなりメッセージを送られたのか、モモさんの話をまとめると、ナーベラルが思った以上に人間嫌いであったと。
で、アルベドに相談しようとメッセージを送ったら、アルベドも同じような感性の持ち主で頭を抱えていたらしい。
オレっちは確認も兼ねて現状整理を行う。
(んで、冒険者登録自体はもう済んでるんだっけ?)
(ええ、思ったより早く済んで、今は組合に紹介された宿屋に居ます。本格的に依頼を受けるのは明日からですね。)
(しっかし冒険者ねぇ〜、モモさんくらい強けりゃいきなり一番上とかなれないん?)
(いや、最初は誰でも一番下の銅のプレートかららしいです。一番上、つまりアダマンタイト級はこの国でも2チームしかいないとか。)
(ほーん、先輩の顔を立てろってことかね。にしても2チームって、もしかしたらどっちかのチームにユグドラシルの元プレイヤーがいるかも知れんね。)
(まあ、望み薄かもしれませんが。)
(望みゼロよりは良いじゃんよ。)
(それもそうなんですが…。)
(なに?他にも悩みがあるん?ついに出先でもアルベドから愛のメッセージが飛んでくるようになったとか?)
(……面白いものを期待しているならすみませんけどそれは無いですね。)
ま、仕事とプライベートは分けるタイプみたいだしなぁ彼女。
基本モモさん絡まなきゃ優秀だし、守護者総括に相応しい実力だってある。
だからこそナザリック地下大墳墓からあまり離れられないってのもあるんだが。
(まぁせっかくの外なんだし、楽しんだ方がモチベも上がるんでない?ローマは一日にして成らずって言うし、何をするにも焦ったってしゃーないでしょ。)
なんてモモさんみたいな慎重派に言っても釈迦に説法かもしれないが。
ただ冒険と聞いてワクワクする感覚はきっと誰もが持つものだ。モモさんもそうなんじゃないかなんて勝手に推測する。違ったら怒られるだろうけど。「そこまで子供っぽくありませんよ」なんて。
(そう言うものですかね。)
(そーそー、案外気楽に考えたほうが上手くいくこともあるって。じゃ、おやすみ〜。)
(ええ、おやすみなさい。)
オレっちはメッセージを切ると、キセルをふかしながら自室のソファーに腰掛ける。
義手と義足は手入れしたばかりでピカピカだ。
ついでに部屋にもゴミどころかチリ一つ落ちていない。ほんと、メイド様様やねぇ。
そんなことを考えた数秒後、オレっちは影のように近くにいたルプスレギナに驚かせられたのだった。