「んで、カジっちゃんとこに行くってどうすんの?」
「コレを使う。」
らいかんが取り出したのは、燻んだ色のぱっと見よくある水晶のネックレスだ。
「何それ。」
「説明するより見てもらった方が早いやね。」
そう言うや、らいかんはネックレスを装着する。
すると、らいかんの姿はンフィーレアのものへと変化した。
「
とは言っても、その幻術は第四位階相当であることや、他にも人間種は着けられないなどのデメリットはあるがそれは今回は関係ないので割愛。
そもそも前者は漆黒の剣からの情報で、この世界では第三位階が人類の限界とされることを知っているため、そこまで破られるデメリットでも無いと考えるのが妥当なのだろうが。
「これでンフィーレア少年を連れてった体にすれば問題ないんじゃない?これから駆けつけるだろう凄腕の冒険者には口裏あわせてもらうよう言っとくからさ。ンフィーレア少年自身には保護という名目でしばらく出てこないよう言い含めてもらって世間には連れ去られたことにすれば良い。」
聞けば、彼もまた祖母に似てポーション作りに熱意を燃やす少年であるという。
ならば、レシピの一部を明かす事を条件にすれば否とは言うまい。
言いふらすような不誠実な人物でないことも分かっているし漏洩の恐れもあるまい。
それに、この世界の素材でもユグドラシルのポーションができるかどうかと言うのも興味がある。
すでに身バレしている人間がいると、こういう時便利なのだなとらいかんは思う。
無論、細心の注意を払うのは忘れてはいけないが。
そして、クレマンティーヌはそういえばと
「っていうかー、けっこー時間経ってるけど全然来ないのはなんでー?」
「あぁ、それは内外での時間差を生む結界を張ってるからやね。」
ウチの子の能力なんだーと自慢げにらいかんが言うと、「なんだそれなんでもありか」と、もう観念したのかめんどくさくなったのか、叡者の額冠やアジトについて話すクレマンティーヌ。
「なるほど。装備者に高位魔法を使えるようにする代わりにその自我を奪うのか。しかも無理に外せば発狂…出来ればコレクションしたいが、それだけ危険極まるなら破壊が妥当やね。」
何よりそれだけ強制力が強いだろうアイテム、我が子たる水晶獣に使おうものならどんなデメリットがあったか分かったものじゃない。
「でもさー、アンタ第七位階魔法なんて使えんのー?適合もしてない、タレントも無い奴がただ頭に載っけるだけじゃー効果なんてないんだけど。」
正直、流石の法国の秘宝たる叡者の額冠とは言え、効果が得られなければただのガラクタである。
せいぜい散りばめられている宝石を売ればそれなりの額にはなるだろうが、それだけだ。
「そこはほら、キミらもよく知るアイテムの力を借りるのさ。」
そうしてらいかんが取り出したのは魔封じの水晶であった。
らいかんはメッセージをアインズに送り、アジトの場所を告げる。
クレマンティーヌはもうどうにでもなれと諦めムード全開なのであった。