突如動き出したアルベドにとりあえず
「しばし待て!!」
と、指示を出し、ロウを連れて転移したモモンガだった。
モモンガが思うに、ロウ…らいかんというプレイヤーは良くも悪くも火薬のような男だ。
普段は工房に閉じこもり、時たまキセルをふかしながら武具の調整やらアイテム開発をしている。
ギルメンが皆レベル100になってやることも無くなったり、イベントの無い期間などは彼の言う素材集めだったり、要望を言ってアイテムを作ってもらったりしてて、関係性は割とwin-winだったと記憶している。
そしてそのアイテムの数々が、防衛戦に於いて事態を有利に運ぶピースの役割を果たしたことも決して少なくない。
蛇足であるが、その時敵陣営のプレイヤーがその性能を見て「変態かよ!」と叫んだのは今でも忘れられない。
現にそれでかつて押し寄せて来た、1500人の大連合を相手取った時、その妙な嫌がらせ能力に助けられ、大勝をおさめられた実績だってある。
しかし、一度導火線に火がつくとめんどくさくなる一面もあるのだ。
見た目の格好良さに対するこだわりがあるが故に色々と試作して、いつのまにか素材を使い切ってしまう事も多く、採集用アーティファクトに注入するためと、魔力の無心をされた事もある(フォローしておくと、もともと肉弾戦ビルドで、途中から興味を持った工匠関係を伸ばしたためにらいかん自身の魔力の総量はあまり多くはないのだ)。
「いやだってしょうがないでしょ。オレっちは作業に集中してて、素材取って来てくれる人いなくなったんだから、その内取っといた分も尽きるでしょ。
あと、誓って言うけど流石にガチャ産だったり、課金アイテムは貰ってないからね。コモンとアンコモンとあとはイベントのハズレアくらいしか。」
「結構持ってってるじゃないですか!!」
「いやぁ、オオカミだからー。」
「オオカミ関係ないでしょ。」
「オオカミだからー。」テレ
「何故照れるんです?
っていうか、アナタ自己評価どうなってんです?」
「寡黙で朴訥な職人気質?」
あー、確かに作業中の彼はそんな感じだ。
ぱっと見無骨そうで、表情の表現もアイコンだけだったことから、尚更そう思えても不思議ではない。
そして、ログインしているほとんどの時間作業に割り当てているから間違っちゃいない。
「っていうか、結構話せますよね?」
「ん〜まぁ、話しかけてもらえりゃあ、ね。流石に無反応は失礼だと思うやね。まぁ作業中は生返事になっちまうが。」
「勝手に人のアイテムを持ってくのは失礼と思わないんですか?」
「いやぁ、悪りぃとは思ってたんよ?
でもまぁ、流石にるしくんみたいにレア素材使うんは憚られるし、ただ、本人もいらねーって言ってたやつだし。」
「イヤ、ウチきっての問題児と比較しないで下さいよ。」
「まぁ〜すまんね。最終日だったし、ちとハメ外し過ぎちまった。」
それを聞いてモモンガは呆れたように、というか呆れて額に手を置き、はぁー、とため息をこぼす。
「分かりました。今回は煙に巻かれてあげます。」
で、と続けるモモンガであるが、そう言えば、とらいかんが何となしに告げる。
「アルベド喋ってたな。」
「そうですね。喋ってましたね。」
「っていうか今オレら普通に会話できてない?口も動いてるし。」
「…………。」
「…………。」
何とも言えない沈黙。そしてその意味を両者が理解した瞬間。
「「え〜〜〜〜〜〜!!!!!」」
モモンガの私室にそれはそれは大きな成人男性二人の声がこだました。
あ、なんか光った。
決まった曜日に出すのがいいのか
思いつき次第投下すべきか、結構悩みますね。
だからなんだって話ですけど。