「しっかし、不思議な感じがすんねぇ。普通にしゃべれるしコンソールは開けんし、おまけにNPCが話しかけてくるとは驚いた。」
らいかんは腰にさしたキセルを抜き、左手でそれをくるくると弄び、右腕を肩からぐるぐると回したり、手のひらを開いて閉じてを繰り返しながら呟く。
というのも、彼は元々義手義足などしていなかったにも関わらず、その動かし方がなんとなく理解できていたのだ。特に不安だった痛みだったり、ヘンな感覚もない。少なくとも普通にしている分には本物の腕のように扱えるのは幸いだった。
しかし、仕込んだカルバリン砲の撃ち方だったり、ギミックの使い方がイマイチわからない。
(動作確認のためにも後で闘技場連れてってもらうか。六階層だっけ。)
これまではコンソールにあるボタンいくつかをピッと押せば自然とそうなったのに、それが開けないため、後で試行錯誤が必要になりそうである。
因みにらいかんはモモンガのネガティブタッチで少しダメージをもらった。
「と、取り敢えず戻りましょう。NPCたちを心配させたり、不安を覚えているかも知れません。」
会社で言えば、上役二人がいきなり秘密の話をするためにわざわざ席を外したようなものだ。
ヒラや、他の役員(この場合は守護者達や、他NPC達がそれに当たるだろうが)、彼らからすれば不安で仕方ないだろう。
「まぁ、そうさな。ついでにどうだい。格好をつけて登場するってのは。」
「……具体的には?」
「こう、黒い霧を纏って雷鳴と共にドーンみたいな…。」
「却下です。」
「なしてよ?」
「自分とこの拠点でそこまでする人います?普通にリングオブアインズウールゴウンでワープすれば良いじゃないですか。」
「ま、そういうもんかいね。んじゃぁ、もうちょい示し合わせてから行こうや。」
「そうですね。」
〜同時刻玉座の間〜
守護者統括アルベドは困惑を隠せずにいた。
「モモンガ様もらいかん・す・ろうぷ様も一体どうされたのかしら?」
そしてそれは、プレアデス達も同様であったようで、皆一様に何かしら粗相をしてしまったのではと顔色を赤くしたり、青くしたりしていた。
パンパン。とセバスが手を鳴らすと、静かになったので、そのまま発言する。
「落ち着いて下さい。それでも映えあるナザリック地下大墳墓にお仕えするシモベですか。原因が何にせよ、至高の御方々が席を外されている以上、お二方が戻って来られるまで、お待ちしているよりありません。お叱りを受けるにせよ、そうでないにせよ、平静でいなければナザリックの恥となりましょう。」
それでようやっと得心がいったのか、騒ぎはやがて小さくなっていった。
そして、丁度その時
「待たせたな。」
と、自分たちの主の声が聞こえてきたのだった。
恋愛要素は未だ検討中。
するとしたらルプーかな。
何故なら一番好きだから。