さいどシモベ達
偉大なる方々が戻って来られる。
それだけで、玉座の間は大いに盛り上がった。
片や、アインズウールゴウンの歴史そのものと言っても過言では無い、最強の魔法詠唱者にして、至高の御方を率いたるモモンガ様。
片や、モモンガ様の盟友であり、その膂力と叡智との双方にてナザリックを守護なされた
元狂戦士にして、その気になればゴッズクラス相当のアーティファクトさえ作り出せるという、ユグドラシル最高峰の工匠であらせられるらいかん・す・ろうぷ様。
いずれも百人力、いや万人力に値するお二人であると。
我々は片膝をついてその方々をお待ちする。
「いやぁ、諸君待たせてすまんね。それと面を上げてくれ。」
まず姿を現されたのは、らいかん・す・ろうぷ様。
種族は人狼であるが、人間形態よりも、獣形態を好み基本的にそちらでいることが多いため自らを狼人と呼称される。
そのお姿はまず、オリハルコン製の見事な義手義足が目を引き、ついで同じくオリハルコン製の巨大なハンマーを持つ。
白銀の体毛はまさに月の如き美しさと筋肉質な力強さが同居した、正しく強者のありようといえる、
その周りには、かの御方がお造りになられたであろう。四角い箱のようなアーティファクトが3つ漂っている。
その雰囲気は逞しくも知的な印象を持たせ、優しい声音は我々を安心させて下さる気遣いに満ちていた。
「なにぶん異常事態だったのでな。話を詰めるのに時間がかかった。詳しくはギルド長から聞いてくれ。」
場が少しざわつくが、そうするのと、ほぼ同時にもうお一方現れた。
黒い靄の中からズズズと現れるお姿は恐ろしくも、深き叡智を感じる。
ローブを纏った骸骨の容姿でいながら、とてつもない威厳と、支配者の絶対を現すようで、その手に巨大な杖を持ち、こちらを睥睨するように光る赤い目がなんとも神々しい。
そのまま玉座に腰掛けられると
「皆、先程のらいかん・す・ろうぷの言葉はまことである。故に。」
モモンガ様はチラリと戦闘メイド、プレアデスリーダーのセバスに目を向けられる。
「セバス。」
「はっ。」
「外に出て、ナザリック周辺の地形を確認するように。」
「畏まりました。モモンガ様。」
「プレアデスにはどうしてもらうんだい?」
らいかん様がそう言うと、
「そうだな。」
とモモンガ様は少し顎に手を当てて続ける。
「侵入者の警戒に当たってもらう。9階層に上がり、そこを見廻るように」
「承りました。」
とプレアデス副リーダーにして、長女のデュラハンがそう答え、退室する。
「では、ワタクシはどうしましょう?」
「アルベドか。では、今より1時間後6階層の円形闘技場に守護者を集めてもらえるか?」
「かしこまりました。」
さいどアウト
「いやぁ、モモさんカッコよかったよ〜。
あと、結局黒い霧の下り使ってたね。
雷鳴のとこは、やんなかったけど。
でもまぁ、威厳ある統治者ってのも疲れるもんやね。」
「全くです。らいかんさんはNPC達に対しても普段と全く変わらないから驚きましたよ。あと霧じゃ無くてモヤですけど。」
「まぁ、ユグドラシルのときは彼らとはあんま接点なかったしなぁ。あまのまひとつさんのお下がりで工房も、労せず手にできたし、イベントは基本外出てたし。あとゲーム内でのデカい外出はその杖作る時か。みんなモモさんに喜んで欲しかったんやね。」
「そっ、そうですか。」
おっ、照れてる。
「NPCは基本、プレイヤーの指示なしに拠点外に出ることはないしな。部屋に篭るか遠出してるかしか無いんなら接点も減るってもんやね。」
「そういえばロウさんは自分のNPCって、作りたがりませんでしたよね。」
「ん〜、まぁ知識なかったしな。言えば手伝ってくれる人は居たかもだけど。」
そう、NPC達は皆、プレイヤーによって創造され、そうあれと願われた通りに動く。
そして、彼らは一様に己の親たるプレイヤーを慕う。
だがしかし、らいかん・す・ろうぷの創造したNPCはいない。
ちょっと興味はあったが、そもそもの知識がなかった。
コンピューターや携帯機器を使えるとは言え、それもあくまで利用者の側としての話。
だが、先程の言葉の通り、頼めば手伝ってくれるメンバーもいたろうが、当時の彼は、特に必要性を感じなかったし。そして今は浪漫を追い続けるのに心を燃やしている。
まぁ、それはそれとして
「そういやモモさん。色々と試したいことあるんで、ちょいっと早ぇけど闘技場行かねぇかい?主にアーティファクトとか仕掛け武器関係で。」
「あ〜。それはしといたほうがいいですね。オレもスタッフオブアインズウールゴウンの実験しときたいですし。」
そう言って、二人は玉座の間より、姿を消した。
らいかんくんのステータスって載せといたほうがいいんでしょうか?