9 海辺の町
ポケモン達と別れを済まして、砂浜に上がった私達は、歩いてすぐの町へと足を運ぶ。
マキュリは水の泡に乗って、ぷかぷか浮いてついてくる。
「これを想定して、オニシズクモから水泡をぶんどってきて正解だったわ。自分で作る事も出来るが、やっぱりこっちの方が楽だ〜。」
…随分と酷いことを言っているが、それよりも本来、湖などにいることの多いオニシズクモが、どうして海にいるのかが疑問だ。
…まぁ、そんな事を話す時間も無いぐらい短距離だった為、適当な相槌を返しておく。
ーーー
そして、町へと着いた。
そこまで大きくなく、村と言う小ささでもない。
本当に「町」と言う表現が合う所だ。
入り口らしき門を通ろうとした時、看板が目に入る。足を止め、そこに書いてある物を見ようとすると、文字が目に入る。
海辺の町 ハンジシ
…どうやら、此処はハンジシという町らしい。幸い、文字が読める為、言語は同じと思って良いだろう。
そうして、看板を見ていると、不思議そうな声色で、マキュリが話しかけてきた。
「なんだ、木の板を見つめて。何か、面白いものでも見つけたのか?」
そう問いかけてきたのに驚き、そして、彼女との会話がテレパシーでできている事を思い出す。
…たった数時間の間に、これぐらいの事すら忘れてしまい、文字がわかる前提の気持ちでいた自分が、少し恥ずかしい。
そんな気持ちを噛みつつも、此れには文字が刻まれており、町の名前が刻まれてあった、と言い、更に、言語が同じということも伝えた。
「ほー、文字か。そのような単語を、聞いた事がないが、成る程、言語を視覚化するのか…。まぁ、私達には必要のないものだったからな。知らなくて当然だろう。それと、言語が同じで良かったな。誰でもテレパシー出来る訳ではないからな。」
知らない事に出会ったせいか、やや早口で言われた。目を光らせ、実に楽しげに話す。
思わずその事を指摘すると、やや頬を染め、さっさと町に入れ、と言われた。
気持ちが分からないという訳ではない為、町に入る事にした。
ーーー
町の中は、しっとりとしたベージュ色を基調としている、落ち着いた感じになっていた。
ゆったりとした雰囲気が漂っており、マキュリを連れていてもジロジロ見られることもなく、チラリと見られるだけに止まっていた。
どうやら、穏やかな気風らしい。そんなものだから、観光をして見ようと、マキュリに言われた。
そして、町を周り、中央あたりにきた時、時計がついた建物が目に入った。
時間を確認する為時計を見ると、今丁度16:00を指している。
もう少しで暗くなり始める時間であり、どこか泊まる場所を探さなければいけないことを、頭にチラつかせるには十分な時間だ。
その事をマキュリに話すと、微妙な表情をする。そりゃ、何も頼れるところのない二人だからな。情報収集すらも、落ち着いてできるものじゃないからな。
悩んだ顔を合わせていると、後ろから声が掛かってきた。
「なんか、困ってる様子だね」
その声に思わず振り向く。
そこにいたのは、一人の女性であった。
女性は、振り向いた私達に、続けて話しかけてくる。
「私に出来ることはないかい?」
私達は、展開が急すぎて、びっくりしたままだったが、女性は、それが警戒しての物だと思ったのか、続けて言葉を発する。
「…、ああ、警戒する必要はないさ。この町は子供が少ないからね。直ぐに他所の子供だってことがわかったんだよ。
だから、困っていたら助けようって思っていたんだ。
…まぁこんなところで話していても、海風がきて寒いだけだろうし、うちにでも来るかい?」
女性は、少し恥ずかしそうにそう言った。
主人公の性別は?
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男性
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女性
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お前ら人間じゃねぇ!