日も傾きかけているし、善意を断る理由もない為、女性についていく事にした。
女性は、私達に手招きしてから、ゆっくり歩き出した。
町を歩きながら、女性は私達に問いかけてくる。
「こんな辺境に、ようやって来たもんだ。隣町から、ドビーアにでも入って来たのかい?」
どうやら、観光を目的として来たのだと間違われているらしい。
…確かに、此処は良い雰囲気だし、観光客だと思っても違和感が無いが、
びしょ濡れでいる私を観光客だと間違えているこの女性は、少しずれているのかもしれない。
「いや、海からこの町に来たのだ。私も、元々海のポケモンだしな。」
そんな女性に、マキュリが返答する。
すると、余程驚いたのか、足を止めて振り返り、目を丸くしながらこちらを見る。
そして私の姿を見て、合点がいったのか、また歩を進める。
暫く会話が無いまま進み、ある程度来たところで、女性はまた口を開く。
「…、色々事情はあるかもしれないけども、まぁ安心しな。私は何も言わないよ。
…という話は家でしたほうがよかったかね。ほら、ここが家だよ。
そして、会話を弾ませるために、衆中で踏み入った事を話して悪かったね…。」
女性はそう言うと、石造の家の扉を開けて、手招きしながら家に入る。
私達もそれに続く。
ーーー
中は木で出来ており、石造りの建物とは思えない、非常に居心地の良さそうな家であった。
ただし、窓は無く、閉鎖的ではあった。
…潮風のせいか?
そして入って直ぐの所に丸い木のテーブルがあり、そこを中心の部屋が広がっている。
女性は丸い木のテーブルの周りにある椅子に、自分達を招いている。
私達も、椅子へと向かい、腰をかける。
そこでようやく、話を再開する。ぎくしゃくした雰囲気ではあったが。
「…さて、色々話すことがあるけど…、そうだね。まずは………よくこの時期に、海からこの町に来れたね。
今の時期,パールクールが現れるから、海は危ないんだ。
他所の人は、パールクールのことを知らずに刺激してしまうことが多いから、海からくることが少なくてね。
お嬢ちゃんみたいな訳ありか、相当な実力を持ったものじゃ無いと、あの原初の海から来た、なんて言えないんだ。まぁ、だから…、よく頑張ったね。まずは、それだね。」
女性はそう一息に言うと、優しげに微笑みかけてくる。
…どうやら、私達が抜けて来た海は『原初の海』と言うらしい。
それに、パールクールという、危険なポケモンがいるそうだ。
…まぁ、皆んなのおかげか、会いもしなかったが。
そして何より、何故かこの女性が、私達に好意的だと言うことが不思議だ。
明らかに、他所の子供に接する言動では無いことと、不自然な配慮。何かがあるのは一目瞭然だ。
「…そして、何に困っていたか、だね。こんな所に連れ出して悪いけど、力になれる事があれば、なんでも言ってくれ。」
しかし、彼女側から何も無いならば、詰める必要も無かろう。
そして優しくそんな事を言っている彼女に言うことは…、
「まずは、名前を教えてもらえるか?」
名前を教えてもらう事だろう。名前を知らずには、なんと呼べば良いか分からないからな。
「…え?名前言ってなかったかい?そりゃあ悪い事をした。私はサブリア、ただの町人さ。
大層な身分でも無いし、呼び捨てで読んで欲しいな。
…そして悪いんだけれども、お嬢ちゃん達の名前、教えてもらえると嬉しいな。」
そう彼女は名を告げる。サブリア…、私達をよくしてくれる人の名前。よく記憶しておこう。
そして、彼女、サブリアは、私達の名前を聞いて来たため、私達も名前を教える。
彼女は、私達の名前を聞くと、何処か噛み締めるように、私たちの名前を呟く。
「マキュリ…、と『ロンリー』、か。良い名前だね。」
何か大事な物を仕舞い込むかのような表情をして…、それを瞬時に元の笑顔に戻す。
因みに、マキュリは、そういえばお前の名前を初めて聞いた…、とぼやいていた。
笑顔を戻したサブリアは、再度、何に困っているかを聞いて来た。
頼れる人(ポケモン)が一人しかいない為、彼女を頼る他無いと考え、ここに至る経緯を全て話す事にした。
マキュリを交えて、信憑性を上げながら、話をしてみる。
そして、やんわりと、この辺りの地理ことや、自分が遭遇した状況についての情報を求めた。
ーーー
…全てを静聴し終わると、サブリアは話し始める。
「…、そんな事だったのかい。それは…、良く生きれたね。なんか、現実とは思えない事だけれども、良く、ここまで来れたね。
…それと、ここの地理についてか。マキュリちゃんと、ロンリー、ちゃん?が居たところは『原初の海』と言われていて、全ての海のポケモンが集う海なんだ。
世界のポケモンがここから広がった、なんて言われているね。
そして、ここは『グランド地方』様々なポケモン達が集い、様々な生き方をしている、自由な地方さ。
…此処からは、憶測の域を出ないけれども、ロンリーちゃんをこの地方に連れて来たのは、たぶん、『ドビーア』だと思うんだ。
『ドビーア』は、私たちの生活を支えてくれる、移動手段として活躍してくれるんだけども、好奇心旺盛で、直ぐに好奇心を満たそうとする奴らでもあるんだ。
だから、此処に連れて来たのはドビーアだと思うんだ…、まぁ、普通のドビーアは地方の移動なんてできた物じゃ無いんだけれどもね。
それこそ、伝説上の、『無限のドビーア』じゃなければ、そんな事をすることはできないよ。
…だって、少しの移動と、異空間に繋がるだけがドビーアだからね。」
長い話を、質問を交えながらする。
それだけで、かなりの情報が集まっていた。
しかし、肝心の帰る為の情報が無い。別に帰る必要がある訳では無いが、あそこには、私が居た方が、侵されずに済むだろう。
それに、入らせない為の引き継ぎすらもしてない為、システムもダメダメ…。だから、一回は帰ったほうがいいだろう。
その為に、『無限のドビーア』の情報を求める。
「…ん?無限のドビーアについてかい?
帰る為に情報が少しでも欲しい…か。
うーん、どうだっけな。少し思い出しながら話すよ…。
…えーっと、たしか…
ある所に、『無限のドビーア』というポケモンがいました。
『無限のドビーア』は、ものすごい力を持っていました。
『無限のドビーア』はその力で、世界中をまわり、いろいろな物を移動させて、好奇心を満たします。
でも、物じゃ飽きたらず、ポケモンや人間までも移動させ始めます。
しかし、そんなのでは、苦情がいっぱい出ます。
それを見かねた偉いポケモンは、『無限のドビーア』を封印します。
『無限のドビーア』は反省して、封印が解かれた後、偉いポケモンに仕えましたとさ。
めでたし、めでたし。
…と言うのが、言い伝えさ。これ以上の情報は、残念ながら知り得ないよ。
でも、もし仮に、言い伝え通りなら、ロンリーちゃんは、『何か』を期待されてるって事だね。
つまり、『何か』をすると、元に戻してくれるかもしれない、って事だと思う。それを私は知ら無いけども。」
彼女は、そう言うと一息吐き、椅子に深く腰掛ける。
…もしも、『何か』を期待されているのならば、それに答えないといけないが、それは無理な話だ。
私は、自分にできることしかやらないからな。
…それにこんな私では、成し遂げることなど無理だろう。
そんな事をぼんやりと考え、現実を味わっていたが、そんな私に、サブリアは、提案をしてくる。
「…悩んでるようだったら、取り敢えず、ジムバッチでも集めるのはどうだい?力も示せるし、身分の証明にもなるからね。近くの街にジムがあるし、そこに行けるドビーアもこの町にあるよ。」
それを、聞くと、途端にマキュリは目を輝かせ、ジムに行ってみよう!と私を見てくる。
私も身分の証明をするものが欲しかった為、取り敢えず提案に乗る事にした。
そして、立ち上がって出て行こうとすると、マキュリに肩を掴まれ、
サブリアからは、優しい声色で、
「もう、外に出るのはやめたらどうだい?もう暗いぞ?泊めてあげるから、明日になってから出たら?」
と言われた。
ー開けかけた扉から、寒い潮風が舞い込む。
すこしほてった頬を撫でて、後ろに抜けていった。
遅くてごめんなさい。ちょっと、事情があって…、次回からちゃんとポケモンします。
後、ポケモン募集を少しかえました。欲しい条件のポケモンを別の活動報告として募集します。出来れば、其方にも入れてもらえると嬉しいです。
主人公の性別は?
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男性
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女性
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お前ら人間じゃねぇ!