今回は前置きです。
部屋に戻り、ジムリーダーに向けて、対策を練り始めた。
まずは技の確認。今のところバブルこうせんしか見ていない。
基本的に、覚える技は四つだ。まぁ、練度によって数は多少変わるが。
ポケモンは強大な力を使う故に、一つ一つの技を強いものにしなければならない。
その為、色々な技を覚えていると、一つ一つの技の威力が使い物にならなくなってしまう。無論、伝説のポケモンなどは別だが。
そして、技が少ないほど練度も高くなり、威力も強くなる…が、
小回りが効かなくなるため、技が少ないのはとっておきを使うポケモンぐらいだ。
そしてそれを理解しなければならないのが私だ。
その為、マキュリに技を教えて貰う。
「んー?技か?そうだな、私が覚えているのは、『ハイドロポンプ』『オーシャンソング』『アクアブレイク』『バブルこうせん』だ。
自分でも、バランスが悪いとは思っている。部族の中に、『ふぶき』を覚えている奴がいたが…どうする?」
心配そうにマキュリが言ってくるが、別にそんな顔をするほどでもない。
最初はお試しだ。最初は。
どうやら、ジョーイさんの口ぶりからするとかなりジムリーダーに至るのは難しいらしい。だからこそ、連携だけ試すのだ。
そう伝えると納得して、戦略を建てよう、と言ってくるマキュリ。
「…まず、ハイドロポンプ。ひこうタイプの翼を狙えば、水圧でぐらつかせることができるだろう。積極的に翼を狙ってくれ。
オーシャンソング。ねむり状態にする事と、アクアフィールドにするのは強いな。こちらの盤面にすることができる。
…しかし、ねむり対策をしていると考えても良い。アクアフィールドが主目的だ。
アクアブレイク。これは近接だな。
だが、力はそこまで強くないと言っていたから、受け流す事を主軸にする様にしよう。
ブレイクと言えども、水だからな。
バブルこうせん。これがジョーカーだ。威力の弱い技だと油断しているところに、翼を濡らす。機動力を下げて、ハイドロポンプを当てる。
…これぐらいか。」
私達はマキュリの能力を確認しながら策を立てた。
取り敢えず、今の最善を尽くすと、こんな感じのものが出来上がる。
外を見ても、日が照っている為、ジムに行っても良いだろう。
腰を上げ、マキュリを連れて、ジムへと向かう。
…道中迷ったが無事にたどり着けた。
ーーー
ジムは、ネイティオの様な姿勢のとりポケモンの形をしていた。
腰あたりから、地下へ入るらしい。
入り口をくぐり周りを確認する。しかし、内装も特に無く、人もいない。しかし、奥に進むしかない為、奥に進んで行く。
そうして少し歩くと、鞍をつけられたフェニレイドが目の前にいた。
フェニレイドは、こちらを見ると一鳴きして、看板の方を向いた。
その看板によると、フェニレイドに乗ってジムのところまで来い、と言う事らしい。フェニレイド自体、かなり珍しいポケモンなのだが、タクシー代わりにしても良いものか…。
しかし、それしか無いらしく、二人で鞍に跨り、飛んでもらう。
翼をバタバタとはためかせ、少し伸びをしてから、ふわっと浮き始める。背中は逞しく、それでいて柔らかい羽毛が心地よい。
…そんな風に、初めてのライドに心を躍らせていた、次の瞬間。
空に飛び出す。
グングン上がって、滑空して、またはためいて。
背中からしか見えないけれども、その様相は舞の様。
実に楽しそうに飛んでおり、こちらも楽しくなってくる。
しかし、風圧がすごい為、目も半開きに、口も開けない。
それでも、しかと、空の色を感じていた。
そんな感情に浸っていると、途端に減速する。
地上が近づいて、はためきの音が小さくなる。風圧ももう無くなった。
その事に少し残念がっていたが、マキュリを見るとそんな考えは吹っ飛んだ。
「…………」
騒ぐ事もなく、じーーっと空を見ている。目はキラリとひかり、口元は緩んでいる。
…何が有ったのかは聞かないでおくが、いい感情の変化をもらえたのであろう。
そんな彼女に声をかけて、フェニレイドが向かった方向へ急ぐ。
ー向かい風を忘れて。
次回 ジムリーダー戦