扉から舞い込む新風   作:ケイオース

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遅くなりました…。
しかも、会話の文が文を占めています。

次からは、見所を増やしますので…。


15 仄暗き香り

あの後、無事マキュリは回復した。

最初は、実力不足ですまなかった、などの戯言を言っていたが、此方が謝り倒したら、そんな事も無くなった。

 

 

今も横でピンピンしている。

そして、真剣な顔をしながら、エアームドと戦った感じやダメージ、力量差を教えてもらっている。

 

 

そして、聞いたところ、相当な実力差があったらしい。

万全の状態だとしても、雷で弱体化させた後のエアームドを倒せるビジョンが見えなかったと言う。

…実力差を見間違えるなんて、本当に笑えるな。

 

 

…私は、最後の『かりのまい』。あれが本気の一撃だと思う。

マキュリは疲弊して分からなかった、と言っていたが、目の前からエアームドが消えた様に見えるほど、高速の一撃であった。

 

 

あれ以上が有るならば、もう無理だろう。だから無いと考えたい。

…しかし、マキュリは、まだ上がある可能性を考えた方がいい、と言ってきた。

 

 

…正直、ここまで過酷な物を想定してなかった。

一気に部屋の空気が沈む。

 

 

 

 

 

 

そんな中、ノック音が響く。

扉の外に、何か用か、と問う。

 

すると、ジョーイさんの声がかかってきた。

 

「んー、ほら、さっき物凄く消沈していたから、一応声をかけにきたのよ。…出来れば、部屋の中に入れてもらえると嬉しいわ。」

 

その声に、思わずマキュリと目を合わせる。

だが、断る理由を持っていない為、扉を開ける事にした。

 

 

扉を開くと、心配そうに眉を寄せたジョーイさんがいた。

そして、私の隣に座り込んでくる。

息を吐いて、こちらを見つめる。

 

 

その瞳には、一瞬、迷いが見えた。

しかし、それでも意を決して話かけてきた。

 

「…えっとね、君たちみたいに、ジムチャレンジに負けて、あまりの実力差に止める子も多いの。

 

でも、君たちは…、いや、君だね。君は実力差に絶望してるだけじゃなくて、もっと重い表情をしていたの。

 

思わずここにきてしまうぐらい。

…深くは聞かないわ。

 

 

 

 

でも、独り言を言いたくなっちゃったなー。

うるさいけどごめんねー。

 

…ジムリーダーのポケモンは3体で、ジムトレーナーも3体。

ジムトレーナーは問答無用で3体。ジムリーダーはポケモンの数に応じて変わるんだよねー対策しておかないとすぐやられちゃうんだよー。

 

しかもこの旅宿には、裏ショップがあって、技マシンが低額で売ってるんだー。

裏ショップは会員制で、誘われなければ会員証を貰えないんだけど、あー、落とし物しちゃったー。

 

それにー、岩蜘蛛の洞窟までいける地図も落としちゃった。

一応採掘セットも無くしちゃうー。

 

でもー、いらない物だしいいや!見つけた人の物でよし!」

 

一息に言葉を吐いてくる。あまりの怒涛の展開に、私達は唖然とするしか無い。

 

 

目の前に落とされる会員証・地図・採掘セット。

それらは皆苦労しなければ手に入れられない物だろう。

どうして私達に振るってくれるのか、さっぱりわからない。

 

「…何故、そんな物を私達に渡してくれるのですか?何も返せませんし、過ぎた物です。」

 

そんな事を言っても、表情を崩す事なく返答される。

 

「何故、って、それは君が酷い表情をしていたからだよ。子供がそんな顔したままじゃ、大人の名折れよ。

それに、半端に余った物を渡しているだけだし。しかも、これは落とし物だよ?

 

私はいらないし、貴方達の部屋に落ちていたから、返品禁止ね!

 

倉庫も無限って訳じゃ無いのよ。戻されると迷惑だから!

しっかりと受け取ってね!」

 

そう返されて、今までの事とで目の前が霞む。

 

 

横からも啜るような声がする。

…本当に、暖かいな、この人達は。見ず知らずの人に、ここまで優しくしてくれるとは、どこまで…。

 

「…あり…が…とうござ、います。」

 

しゃくり上げながら、感謝を伝える。自分でも、顔がぐしゃぐしゃになっている事を分かってしまう。

 

 

そして、いきなり…

 

 

 

 

 

ぎゅううううう

 

 

 

 

抱きしめられた。まるで、あくる日の母の様で、思わず抱き返してしまう。右には、低い体温も感じる。

 

 

ぐずりながら、顔を押し当てる。

 

「…辛かったね。でも大丈夫。支えてくれる人がいるさ。子供のうちに、一杯泣いちゃいな。大人になると、聞いてくれる人もいなくなるから…。」

 

優しい言葉が体を撫でる。それだけで、ぬるま湯に浸かった様な安心感が私達を占める。

 

 

そして、そうしていると、瞼が重くなり始める。

ヒック、という声を上げながらも、ジョーイさんにしなだれかかる。

 

 

そのまま安心しきって、意識を手放した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識は闇に飲まれる




何を呑んでも尚、そこに闇は確かにあった
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