扉から舞い込む新風   作:ケイオース

21 / 34
失踪仕掛けてすみません…。自分の文に納得できなくて投げやりになっていました…。

一応、リハビリという事で、上手くいって無いところもありますが、そこのところを配慮していただけると幸いです。


18 毛高き悪辣なエージェント

目の前に存在する一羽の鳥は、一度鼻を鳴らし、こちらに向かってくる。

 

「マキュリ、バブルこうせん!」

 

泡沫を放たせるが、強引に距離を詰められる。水一滴すらも浴びていない。

 

 

…特性『うみかえ』。いくら初撃が聞かないとはいえ、産み代えしている素振りすら見えなかった。

 

『主』の風格で吹き飛ばしたとも考えたが、割れた卵を捨て去ったカンスイコウを見れば、身代わりとして卵を使ったのがわかる。

 

そして、勢いつけてつばさを叩き付けてくる。

 

 

思わず、反撃を命じてしまう。

 

「、ふぶきだ!」

 

マキュリは、私の声で反射的にふぶきを打つ。

 

しかし、相手はそれを読んだかのように背部に回って叩いてくる。

重くは無いが、軽くもない一撃。それはダウンするには事足りないが、吹っ飛ばすには十分だ。

 

…このポケモンは、思っていた以上に狡賢い。トレーナーを意識させない為、距離を空けさせるとは。

 

 

しかし、そんな事で挫けてはいない。

 

「バブルこうせん!下地を整えろ!」

 

一周回って冷静になった私は、作戦を思い返し、指示を下す。

そして、マキュリもそれを聞き、ダメージを堪えながら俊敏に技を出す。

 

ふいうちを決めようにも、泡が邪魔で動けない。

強引に突破しようとすれば、隙を晒してしまう。それがバブルこうせんの強さ。

そして、これを決めたら、打ってくる技は一つ。

 

 

おいかぜ。ジムリーダー戦でお世話になった技だ。

 

 

だからこそ、意識していなくて対応が出来ない、という事はない。

逆に、隙をつける。

 

 

翼をはためかせ、気流を作り出したカンスイコウは、明らかに隙だらけ。泡で視界も不安定な為、此方が何をしているかあまりわからないだろう。

 

今、腕に力を込めて水をチャージしているマキュリの姿も。

 

泡を盾にして、力を振り絞り、一撃必殺となる技を用意する。これがジャイアントキリングのための策。

 

 

そして、限界まで貯めた技、「ハイドロポンプ」は、泡達を弾け飛ばし、カンスイコウへと降り注ぐ。

 

うめき声を上げながら一瞬、抵抗するものの、圧倒的水量により、後ろの岩まで吹っ飛んで行く。

 

衝撃で、爆竹のような凄まじい音が鳴った。

相手には申し訳ないが、オーバーキルも甚だしい。

 

マキュリをつれて、岩蜘蛛の洞窟の方へと向かう。

 

 

 

 

 

…しかし、相手はそれを許さなかった。

高音の鳴き声を上げながら、こちらへ突進してくる。

 

「…!こっちへ!」

 

私ではなく、隣にいる、マキュリの方へ向かってきた為、腕を引っ張り、洞窟の方へと足を急がせる。

 

 

本来、他のとりポケモンとも戦わなければいけないのだろう。

だが、物凄い剣幕で此方へと向かってくる、カンスイコウにおじけついたのか、一向にこちらに来ない。

 

それを確認してから、共に洞窟へと転がり込み、とにかく走る。

 

幸い、洞窟内は入り組んでいた為、相手を巻くのは簡単であった。

ある程度進み、うろの中にしゃがんで入る。

 

 

 

ーーー

 

暫く、そうしていると、

 

段々とこちらへ近付いてくる足音が聞こえてきた。

それは、今まで聞いていた勢いのある物ではなかった。

 

どうやら、フラフラとしているようであり、疲れが溜まったのだろうと予測ができる。

 

私達も、正確な情報があるわけでは無いが、おそらく入り口へと向かっているようである。

 

そういう事を、考えながらも、マキュリの事を引き寄せ、ぐっ、と抱き締める。

 

マキュリは、少し驚いた表情をしながらも、どこか納得した顔で、それを受け入れてくれた。

 

 

暫く、そうして身を寄せ合っていたら、羽ばたきが音響し、遠ざかって行くのが聞こえた。

 

それで、気が抜けてしまった。

 

一気にへたりこんでしまう。隣にいるマキュリもそうだ。

けれども、その顔には自然と笑顔が浮かんでいた。

 

 

まるで…悪戯が成功した子供のように。

 

 

その顔を見て、私も声を上げて笑ってしまった。

次第に、マキュリも声を上げて笑った。

 

 

洞窟に、笑い声が響く。

 

 

ひとしきり笑った後、腰を上げて、うろから出る。伸びをして、体の様子を確かめて、洞窟の奥へと向かう。

 

…後ろの紫煙には気づかずに。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。