本っ当っに、心配させてすみません!
これから色々慎重に進めます。疾走はします。でも、失踪はしません。
ですので…これからもよしなにしてくれると嬉しいです。
洞窟の奥へと向かっていくと、徐々に広くなって行き、壁の突起が増えてきた。
一つ一つの突起がイワパレスなのだろうけども、活動的な様子は見せない。先程のカンスイコウが起こした騒ぎにより、閉鎖的になっているのだろう。
無理矢理起こして捕まえるほど、人間が出来ていない訳じゃない。
なので、他のポケモンを探す。
目撃例がイワパレスしか無かったが、探せば他のポケモンがいるだろう。
そう思って、声控えめにマキュリと話しながら足を進める。途中、別れ道を何度か通る必要があったが、直感で選んだ。
そうして下っていくと、次第に洞穴が広がっていく。
鉱石らしき光も辺りに広がり始めた。
イワパレスらしき突起も無くなり、それどころか穴ぼこだらけになってくる。
よくよく目を凝らすと、ヤミラミやノッグランなどの、鉱石を生活に要するポケモンが見える。
どちらかと言うと、岩寄りのポケモンが増えてきた。
しかし、彼らは、余り物音を立てずに行動している。いわタイプは騒がしいイメージがあるが…。
…いや、ここまでカンスイコウが来て、暴れたせいでこうなったのかも知れない。
それなら余計、捕まえるのが忍びなくなってくる。しかし、何らかの戦力強化は必要だ。更に奥に行って、活動的なポケモンを探さなければ。
そうして、更に奥に進んだ。
進むごとに穴ぼこやポケモンは減り、ある所を目処にめっきり無くなってしまった。
…その際、むしのしらせのような物を感じたが、無視して奥へと進む。
そして、あっさりと奥へと着いた。
奥には大きい空洞があり、その空洞には…
多くの骨が転がっていた。
確実に何かの死体。死を思い起こすかの様な風景。
そして、それを助長するかの様に、壁は宝石が散らばった地層である。
その宝石一つ一つがギラリと光り輝いていて、悪趣味な部屋であった。
明確な死を思わせる骨に、嫌な光を放つ宝石。ポケモンが寄り付かないのも納得だ。
…普通はこんなところからすぐ帰ろうとするだろう。しかし、そんな事はしない。何故かって?それは…
も う 逃 げ ら れ な い か ら
背後から紫煙が舞い込む。その刹那、マキュリを押し倒し、地に伏させる。
そうした瞬間、紫煙が爆炎へと変わり、先程までいた場所の空気を弾け飛ばした。
もはや、何の技かすらもわからないが、生き延びる事はできた。そして、隣の手を引き、マキュリと一緒に距離を取る。
取り敢えず、敵を視認するが…
それは、
まさしく、王である。
巨大な骨の体、隙間から滲み出る紫煙、冠のような骨…そして、風格。
名前は…、スカウルス、だったか。詳細すらも、対してわかっていない。
アンドリラーの時は、ある程度情報があったし、皆んながいてくれた。しかし、今回は二人だけ。だから、戦略が全てだ。
紫煙の攻撃すらも理解してない。だからこそ、時間を稼いで技を見なければ。
「マキュリ、バブルこうせんで視界を惑わせ、技を避けろ!」
その言葉で、意図を察したのか、前よりか多くのバブルこうせんを放つ。
そして、スカウルスが、体の紫煙を撒き散らしてくる。
…一つ、誤算だったのは、調子に乗っていた事。
最近、幸運が重なって、知識を使えた事で、自分の知識の範疇に収まる物だと、相手を無意識に侮っていた事だ。
泡に紫煙が染みる。泡が紫根染の様に、紫に染まる。
そして…
ボッ
ーーー
…体がいたい。
目が霞み、耳奥に音が響き、肺は、息をするのを忘れている。
ゴボッ、という音が自分から音が自分から軋み鳴る。
かろうじて、生きてはいる。前にいたマキュリを咄嗟に庇ったが、果たして護れたのだろうか。
…だが、そう遠く無い未来に、葬り去られる未来が見える。この、体では、そうなる他ないだろう。今までは、本当に運が良かっただけだ。
ゆっくりと口を開け、紫に染まる破壊の光が、淀んだ目にチラつく。
せめてマキュリは、と想い、自然に口が動いた。
『ロンリー は たすけを 求めた』
『しかし』
『だ れ も こ な か っ た』
人生に、助けは無い。
でも、光は、確かにそこにあった。