1 あくる日
ー風が凪いでいる。
自分を追い立てるかのように。
そこまで急がなくとも と、私は思う。周りのことなど、どうでもいい。
ーただ、自分と、ポケモンがいれば、それでいい。
しかし、周りは私のことを離しちゃくれない。家族がいるトレーナーがいる。チャンピオンがいる。面白いやつもいる。どんなに離れたって、しっかり脳裏に刻んでくるんだ、自分の存在を。世界のどこにいてもな。
そんなんだから、誰もがトレーナーになる。自分も、記憶に刻まれたいと。
誰もが憧れる。頂点に。
だからこそ、風は凪ぐ。そこに意味はなけれど、自分が意味をつけるんだ。
新しい、旅より。
ーーー
ー今日はとてもいい日だ。暑さが控えめで、尚且つ太陽が眩しい。こんな日などなかなか見れない。
絶好の……
昼寝日和だな。ポケモンとのびのび昼寝をする時が、一番生を実感する。やはり、夏はこれに限るな、
私はそうぼやいた。
ー風が凪ぐ
ーーー
いつもの場所に、森の奥に来た。
木漏れ日が照り、新緑が辺りに充満している。
この心地よい空間は、私の一番のお気に入りだ。
何もかもが、美しい。
その美しさに惹かれたものが、ここへとやってくる。
例えば、あのくさポケモン達とか。
カリキリや、コロボーシ、ムックルなど、言葉だけで表せるほどのものでは無く、本当に、本当に沢山のポケモンがいる。
そんな、美しい一時を味わっている、が、
異色なものが紛れ込む。
「…珍しい、オカラム達がいる。」
オカラムは、かなり特徴的なポケモンで、その特徴故か、そこまで好かれてはいないポケモンだ。
流石に、胞子を撒き散らすポケモンは好かれない。例え、綺麗であっても。
事実、前に来た時に、追い出されていた。
ーそんなポケモンがいるのはいささかおかしい。そう考えていると、
おもむろに、オカラム達が頭をころがし始めた。
他のポケモン達は最初は酷く迷惑そうに睨みつけていたが…
しばらくすると、目にとろみがついてきた。
そこでようやく、オカラム達の習性などを思い出し始めた。
そして、辺りに目を凝らす。
ーどうやら、胞子が飛んでいるようだ。技であるキノコのほうしは、くさタイプにはききもしないが、これは技として打っているのでは無く、このポケモンそのものの胞子のようだ。
これは、持論なのだが、ポケモンには個体の優というのがある。
たとえば、ゴウカザルがずつきをしたとしよう。
ずつきはノーワルタイプだが、ゴウカザルは頭が燃えているポケモン。その為、普通のすつきよりかはこおりタイプなどに効果が大きい。
ー無論効果抜群とまではいかないが。
それが、オカラムとどういう関係があるかと言うと…
ーくさタイプのポケモンでさえも眠らすことができるということだ。
ようやく認識した危機から逃げる為に、私は動き出そうとする。
しかし、
崩れる。
「ぇ」
当たり前だ。くさタイプのポケモンでさえも眠そうにしているこの中、人間が耐えられるはずもない。
そんな事を考えたが最後、私の意識は闇に落ちた…
ーそれでも、風は凪いでいる。
主人公の性別は?
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男性
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女性
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お前ら人間じゃねぇ!