扉から舞い込む新風   作:ケイオース

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色々とありまして、更新が遅れましたが、それでも投稿できました。

完結なんてまだまだですが、それでも、完結まで進めます。
これは自分との約束。だから、遅れても…また見てくれると嬉しいです。




28 井の中の蛙 大空を知らず

「お前に足りない物を、教えてやるよ。」

 

バランに跨られていたスルワーレは、空中でアクロバティックにバランを振り解く。バランはこれまたアクロバティックに着地を決める。

 

そしてバランの指示により、スルワーレがこちらへ飛来してくる。

 

「相棒、ブレイブバード。わからせてやれ。」

 

空中から一気に急降下、超低空飛行をして、マキュリへと突撃しようと向かってくる。

 

しかし、それぐらいの単調な攻撃、見飽きた。

 

「マキュリ、薙ぎ払え。」

 

スワルーレが弾き返される。

その身に水を滴らせて。

 

 

マキュリも、単調な動きには慣れた様だ。

目の前のポケモンよりか、はるかに強いスカウルスと言う奴と戦ったのだ。タイミングを分かっている。

 

「…ほぅ、単調な攻撃すら受け切れないと思ったが…。そうか、それならば、本気で潰しにかかるか。」

 

動揺の一つもせずに、落ち着いて対応をするバラン。

そしてスワルーレに次の指示を出す。

 

「スワルーレ、とんぼがえり。」

 

こちらが避ける暇も無いほどに速い一撃をマキュリに入れ、これまた速くボールへ戻る。

 

そして、バランは別のボールを手にして、出てきたのは…

 

「お前がピッタリだ、オッシャベリーナ。」

 

カラフルなとりポケモンだった。スタイリッシュで、一見ムクホークに見えなくも無い。

 

だが、耳のような部位がイヤーマフの様に膨らんでいる。

 

そして、それから連想したのは…ペラップ。

基本能力は低いが、おしゃべりという技でチャンピオンまで上り詰めることのできるポケモン。

 

使い手によっては、恐ろしく強い性能を持つ。

 

 

 

そして、ペラップは音技を使う。このポケモンは耳当てをしている。しかも、よくよく見ればカラフルな色も似ている。

 

…本当にコイツがペラップの進化系統だったらまずい。

 

「…考えるのもいいが、此方は攻めるぞ?…大人だからな。」

 

バランはそう言い、私の思考を打ち消す。

 

心配そうに見ているマキュリを見て、そんなはずは無いと首を振る。

 

「マキュリ、ハイドロポンプ!」

 

そして、1番打点のある技を指示する。

…この技で、不安も流してくれると信じて。

 

 

 

 

 

 

 

…まぁ、そんな上手くいったら苦労しない。

 

「そんな大技に何度も当たるかよ。ばくおんぱ。」

 

赤い嘴から放たれる大音声。

思わず耳を手で押さえてしまうほどの凶声が、私達を襲う。

 

「っが」

 

マキュリが足元まで吹き飛ばされてくる。

表面だった傷は無いが、内部へのダメージが大きい事はわかる。

 

しかし、かなり苦しい表情をしながらも、起き上がる。

 

「…ロンリー。そんな顔をするな。確かに、私は弱い。でも、相手一人は道連れに出来るさ。」

 

彼女はそう言い、私に耳打ちする。

 

はっきり言ってその作戦は荒唐無稽だったが、彼女を、マキュリを信じてみる。

 

「…もういい、攻めろオッシャベリーナ。ばくおんぱ。」

 

待ち切れんとばかりの攻め。その音技を前にすれば大体のものが破壊されるだろう。

 

 

 

…では逆に破壊されないものはなんだろうか。

音波で破壊する原理は、内部のものを振動させる事で、互いの分子を離れさせる。

 

だが、元々分子が離れているものがある。

それは液体だ。常々形態が変化している。

 

そしてマキュリは水を操る事ができる。

 

つまり…

 

「こういう風にドーム状に水を張れば、やり過ごす事ができる。」

 

多少音は聞こえるし水は弾け飛んでしまうが、防ぐ事が出来る。

これで、読み合いに持ち込む事が出来る。

 

バランはかなり頭が切れると見た。

そんな彼は、水が飛び散る事を目眩しと捉えるだろう。

 

つまり、ばくおんぱはノーリスクの行動では無くなる。

 

 

これは一種の賭けだったが…どうやら勝ったようだ。

 

「…チッ、上手く考えたもんだ。お前らは井の中のニョロモだが、考える力はあるようだな。」

 

顔を顰めながら、こちらを見てくる。

そして少しの間睨み合った後、オッシャベリーナに次の指示を出す。

 

「…だがな、まだお前たちはちっさい空しか知らないんだ。でかい空を見せてやる。」

 

「オッシャベリーナ、とくせいなんて超えろ。ブレイブバード!」

 

とくせい:のどじまんの効果で命中も威力も低くなった攻撃だが、そのブレイブバードには妙な迫力があった。

 

咄嗟に、避けるように命令する。

 

「…!マキュリ、避けろ!」

 

それを聞いたマキュリは、迎え撃とうと貯めた水を放棄し、回避行動を取った。

 

 

 

そして、その直後…爆音が響いた。

 

登る土煙がチラチラと舞っており、そこの周りが高温になっている事がわかる。

 

その土煙が晴れていくと…。

そこにはクレーターがあった。

 

その中で、翼についた土を払っているオッシャベリーナが健在していた。

 

 

私達はその光景に絶句した。

 

「…はっ、これぐらいで驚くなよ。チャレンジャー。俺は踏み台なんだぜ?思いっきり踏んでくれないと困るな。」

 

そして、口角を上げたバランを見て、頭に浮かんだ考えを振り解く。

 

その考えは、こちらの地方に来てから、ポケモンバトルを始めてからいつも出てしまうもの。

 

 

でも、今回は失礼とも言える。

だって…

 

 

 

あんなにも、悲しそうな目をしているのだから。

 

少なくとも、私は勝たなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、風同士はぶつかる。

定められた闘いは、果たして…

 

どちらの手に?

 

 

 

 

 

 




これを更新できたのは、応援してくれた人のおかげです。
誠に…感謝します。

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