扉から舞い込む新風   作:ケイオース

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本当の三十話目、達成〜
実感はないけど…これから頑張っていく気概を出せる称号だと思…う?

あと評価が増えてうれちい。
投票してくれたって事はこれからに期待してるか、興味を持ってくれたって事だし、評価して貰えるだけ幸せ者だな私は。

文も構成もガバガバだけど、そんな中待ってくれて、読んでくれる読者さん…好き(告白)





30 定石なんて既に消えた

本気になった彼らの姿は、自由。その一言に尽きる。

ウズマッドとバランは、縦横無尽に戦場を駆け巡り、技を当ててくる。

 

「なーに考え事してんだアホ、お前はそんなタマじゃ無いんだろ?」

 

口角を上げながら、マッドショットを確実に当てられる。

本来ここで思考など、しない方が良いだろう。

 

だが、彼らは何にも囚われていない。

 

こちらも、囚われる必要はない。

 

 

…取り敢えず、マキュリでの突破は無理そうだ。

ふぶきなんてもっての外。バブルこうせんだって掠りもしないだろう。

 

マキュリには悪いが…行動に慣れるための犠牲となってもらうしか無いようだ。

 

「…すまないが、マキュリ。」

 

私の声に反応して、泥だらけの顔を振り向かせる。

その顔には覚悟の決まった瞳が並んでいた。

 

「なんだ、今更だな。私から付いてきたのだから、心配する事はないさ。好きなだけこき使ってくれ!」

 

そうマキュリが言い放つ。それと同時に、いつの間にか見守ってくれていたウズマッドが鳴く。

 

「…相棒と、勝利への契りを終わらせたか?…礼はいい、もう一度…はじめようか!」

 

言い終わると臨戦態勢を解き、そのまま地面を抉り、マッドショットを撃ち出す。

 

泥により素早さはさらに下がり、度重なるダメージで動きが鈍くなる。

それでもなお、マキュリは立っていた。

 

「まだ、立っていられるか。…長く苦しめる趣味は無い。一撃で決める。」

 

飛べない小さな羽を光らせ、力を溜めている。

今攻撃しても、泥の鎧によって攻撃が受け切られてしまう。

 

それと同時にこちらが隙を晒すため、この時間は甘んじて受け入れるしか無いようだ。

 

「…はぁ、攻撃無しか。せっかくだから、カウンターみたいな事を決めたかったんだがな。まぁいい。ウズマッド…いや、相棒。チャージは十分だ、いけ!」

 

バランが声を上げ、ウズマッドが応える…そこには理想の関係があった。

2人の間には、信頼が有った。確かにそこに。

 

…だが、こちらも負けていられない。たとえ足掻きだとわかっていても、私達は抵抗する。

 

「ゴッドバード!」

 

目に捉える事すら出来ない素早さで、ウズマッドが飛来してくる。

瞬きした後には、既に当たる直前。

 

出そうと思っていた命令を出す間もなく、マキュリに蒼く輝く翼が命中する。

 

 

 

…しかし、マキュリ確かに、私に応えてくれた。

 

「…なんだと?!」

 

ウズマッドの翼が当たる寸前、多重に命中するバブルこうせんを手元に出し、まさにカウンターの様な攻撃を決めたのだ!

 

そして水が付着し、泥が崩れ、泥の濃度が低くなった。

これは、泥の鎧の硬度を下げる事が出来たと見ていいだろう。

 

 

とてつもない大活躍だが、ゴッドバードをモロに食らってしまったマキュリは…

 

「………ぐっ。」

 

苦悶の声を一つあげて、地に倒れ伏した。

それを見て、心を締め付けられる…が、私はここで終われない。

 

ここまでマキュリが託してくれたのだ。私がオタオタしてたら格好がつかないだろう。

 

「…ありがとう、マキュリ。休んでくれ。」

 

ポケモンセンターで買った、借り捕獲用モンスターボールにマキュリを戻す。

特殊なボールだが、ゆっくり休んで欲しい。

 

 

 

そして、次に私が出すポケモンは…

 

 

 

やれやれといった顔で起き上がってきた、ブウル。

自分から来てくれるならば、頼る他ない。

 

実力は未知数だが、後2回進化を残している事は知っている。

それでもそれが弱いかといえば、そうでは無いだろう。

 

 

…そんな期待をかけて、ブウルを見つめる。

 

正直、技もわかっていない。

でも、それでもトレーナーなら信じるべきだ。

 

「…何故、とは聞かない。…助けてくれてありがとう。」

 

そう語りかけると、荒い鼻息で返された。

尻尾を振り払い、酷く不機嫌そうな顔をしてこちらを一瞥する。

 

そして、眉をひそめたかの様な表情しゆっくりと前を向く。

…血のような紅く暗い目で相手を睨む。

 

 

その仕草は、一流のハンターのものだった。

獲物に狙いを定め、今にも襲いかかる様な、そんな仕草。

 

トレーナーの私ですら怖気付いてしまう、あまさにもおぞましいものだった…が。

 

 

 

相手は、そんなの見飽きていたのだろう。

 

言動を少し振り返るだけでわかる。彼らがどれだけ壁に当たったのか。それを超える時にどれだけの傷を負ったのかを。

 

その際に受けた恐怖など、今の比では無いだろう。

 

「…いいぜ、その根性。それが無いと格上には勝てないさ。

(…ああ、そうか。これが…こっち側の、モノか)」

 

ひどく満足そうに、懐かしそうにこちらへ笑いかけてくる。

その姿は戦う前の彼とは違った。

 

彼を縛っているものは、何も無い。

 

そんな姿を見て、私も胸が軽くなる。

これでもう、私を縛るものはない。

 

最後の縛りは無くなり…

 

 

 

私は自由になった。

 

「ブウル、あくのはどう!」

 

「相棒!マッドピラー!」

 

思考するのをやめ、意識を落とす。

そこには、確かに彼らとの繋がりがあった。

 

私は、それを大事に握りしめる。

…かすかに、いや…確固たる意志で、それに応えたくれた。

 

「ブウル!あくのはどう、きゅうけつ!その次にらみつけて怯ませろ!」

 

「相棒、特殊技を正面から突破!牙を流して、マッドショットで目潰しだ!」

 

私と彼との間にあった壁は、既に無い。

感覚が混じり合い、私達は一つになった。

 

言葉を出さ無くとも、指示がわかる。

口頭に出したもの、それは飾り。私達を美しく飾るための物。

 

「みがわりを盾に、相手の喉元へ食らいつけぇぇぇえ!」

 

「断固として拒否する!相棒、マッドピラーをトラップに!来たらはがねのつばさだぁぁぁあ!」

 

私達は吠えた。

相手へ、一心に向かう。

 

目の前に土色のトゲが生えかろうと、鋼色の翼が振り払われようと、私は、我は、止まらん!

 

「いけぇぇぇぇぇぇぇえ!」

 

「くらいやがれぇぇぇえ!」

 

絶叫が戦場に響く。

はや過ぎるこの戦いの、勝者に導かれたのは…。

 

「…!勝っ、た?勝った。…勝ったぞ!勝ったぞー!」

 

一瞬の間かち合い、通り過ぎた時に倒れ伏したのはウズマッド。

それを見て、強い喜びが込み上げてくる。今まで勝った2回よりか、遥かに大きい達成感が湧いた。

 

まるで自分が倒したかのように、ブウルと全身で喜びを表した。

 

腰につけたマキュリのボールも、心なしか震えている。

肩に乗っているハルキメアーもテレパシーで喜びの声を上げている。

 

「…ああ。俺、負けたのか。」

 

低い声が荒野に響く。

仲間を見ていた私は振り向き、バランの方を見る。

 

…その時、風が私の横顔を凪いだ。

それは、暑さを孕んだ風では無く、台風一過の様な澄んで清涼な風であった。

 

「…でも、今までとは違って…そう、やりきれない思いが湧いてくることはない。」

 

バランは遥か遠くの空を見上げていた。

瞳には、蒼が輝いていて。

 

「…俺たち、やり直そう。目指したものは…この風だ、空だ。それを忘れて…何がジムトレーナーだ。」

 

くすりと笑い、目を細める。

言葉をとうとうと吐き出す彼は、一寸の迷いもなく次の言葉を心からさらけだす。

 

「また、旅へ出ようか。俺たちを見つけ直そう。在り方を。」

 

そこまで言って、バランは息をゆっくり吐いた。

それと同時に目を閉じて…また開く。

 

「それを教えてくれるきっかけになったのは、少なくとも君たちだ。…その事について、本当にありがとう。」

 

綺麗なお辞儀を私達へ向け、腰を折る。

あげた顔は少し照れていた。

 

「…君達に、色々と礼を言いたいが…チャレンジャーに押し付けるのも酷だ。だから、一つのアドバイス。…と言ってもいらんかもしれないがな。」

 

「君は、風だ。自由に生きて、自由に世界を回る。そして、この世界を回すんだ。

この地方にとって、君は新風だ。凝り固まった、この土地にとって。

ここには、俺みたいなヤツが沢山いる。

だから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで止まるな。何を言われても。君は風なんだ、世界を回すんだ。澱むな、風よ。」

 

私の目を見つめ、語りかけてくる。

 

「君は自由なんだ。何にも縛られる必要はないさ。君は…『風だから』。」

 

 

 

 

どれの方がいい?

  • 小説のみ執筆
  • 小説時々私独自のオリポケ作成
  • 小説ほどほど私独自のオリポケガッツリ
  • テキトーでいいわ(ハナホジ)
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