全部出したいけど、腕が言う事を聞いてくれない…。
ー暫く、海を見ていた。
海は知らなけれど、海上を跳ねるポケモンは見知ったポケモンばかりだ。
コイキング、キバニア、ヨワシ、ホエルコ…
…ヤドリル?あのポケモンは、私のいた地方でしか見つかってないポケモンなはずだ。
オカラム等と同じく、いきなり見つかった種ではあるけど、確かにうちの地方でしか発見例が無かった。
…ここは私がいた、あの地方なのか?それとも、別なのか?
ますます、頭を悩ます要素が増えた。
ため息をつき、自分の不運を呪う。
「…私は、『自分』と、ポケモン達の幸せを願っただけだぞ。それの何がいけない…。」
そんな私を嘲笑うかの様に、目の前でジャベマリンが跳ねる。
着水とともに、水が押し寄せ、再度ずぶ濡れになる。
…体は暖かったが、これでは心も、体も寒い。
体を意識してしまい、情け無い気持ちになる。しかも、ぐー、と腹から音が鳴る。
…嫌な気持ちばかりが溜まる。
さっさと、切り換えない無いと。
そう思い、辛抱強く待つ。
ーーー
ーしばらくすると、水音が響き、ジャポリと音をたて、彼女?が上がってきた。
そして、大きな水の玉に下半身を浸している。
もしや、これを取ってくるために時間をかけていたのか。確かに、これを取るのは手間がかかりそうだ。
と一人納得する。
「なぁ、おぬし、これで言葉がわかるか?」
突然、声が聞こえる。しかし、耳からというより、頭の中で響く様な声だ。しかも、かなりの美声かつ女性の声である。
彼女を目の前に見据え、声をかける。
「貴女が声を掛けたのか?」
そう、私が聞か返すと、彼女は、満足げに頷き、
続けて声を発する。
「そうだ。私が声を掛けたのだ。待たせてすまなかったな。言語を調整するのに手間がかかったのだ。…後、やつから泡をぶんどるにもな。」
そう彼女は言う。どうやら、彼女は私たちの言語を理解しているらしい。(声帯を振う様子は見えない為、恐らくテレパシーなどだろう。)
それならば、助けてくれた事に理由がつく。人間を知っていたのだろう。
「成る程、助けてくれて感謝する。対価は何をすれば良い?」
そう言うと、つまらなそうな表情になった。
何か機嫌を損ねたのか?
「おぬしは少しも私と話してくれんのか?急ぎの用事があるならしょうがないが。でも、急いではなさそうだがな?」
…微妙にあっていた。
話をしない理由も無いため、謝罪を告げ、急いではいないと告げる。
「それはよかった。では早速だが、おぬしが何故、町から離れたこの海にいたのだ?いくら陸に近かろうと、ここは凶暴なポケモンもいるのだぞ?」
少し機嫌を良くして、問いかけてきてくれた。
ーどうやら、この海に居たのが疑問だったらしい。
それと、街から遠かったみたいだ。…それでも、私が知っているモノとは、あまりにも海の毛色が違う。
少なくとも、私が居たところでは無いだろう。
…取り敢えずことのあらましを話すことから始めた。
ーーー
彼女は私の話を聞くと、悩ましげにヒレをバタバタと動かす。
「うーむ、成る程。やけに深い傷を負っていたのはそのせいか。きのみがあってよかったな。
…それと、何故ここにきたのかは分からん。が、町ならば、情報を仕入れられるかもしれないぞ。…どうだ?行かないか?」
そう言われた事に困惑する。何故彼女がここまでしてくれるのかに。
私の表情に感情が出ていたのか、彼女は楽しげに笑い、自分が刺激に飢えていた事を伝えてくる。
そして、それからしばらくの間、どれだけ自分たちの種族が温厚かを語ってきた。
…正直長かった。
が、それそろ終わりだろう。
「…はぁ、はぁ、本当におかしいだろう?だから、私は群れを抜け出してきたのだ!…まぁ、それでも、刺激はあまり無かったがな。お前が来るまでは。」
長く喋っていたせいか、息切れ激しいままだったが、深呼吸を取って息を落ち着かせる。
そして、何かを決めたかの様に頷く。
こちらを見て、彼女はくるっと体を回転させ、堂々たる格好で、高らかに声を上げる。
「改めて名乗ろう、私はオーシャング族のマキュリ!お前と共に歩む者だ!」
ー風が、渦巻く。
やっばい、書き終わるのおっそ。
追記:マキュリは、オーシャングというポケモンであり、個体名がマキュリです。
でも名乗りとして、オーシャングのマキュリ、というのが不自然だったので、オーシャング族のマキュリ、となっております。
主人公の性別は?
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男性
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女性
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お前ら人間じゃねぇ!