扉から舞い込む新風   作:ケイオース

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6 なみのり

彼女の、いやマキュリ着いていく宣言に驚いたものの、刺激の足りない毎日に退屈していた彼女にとって、私は、手軽に刺激を得られるものらしい。

 

少しでも着いて行って、楽しむことが目的。それを止める意味も無かった為、素直に案内されようとした。

 

 

が、

 

 

マキュリの移動方法は、スリットで海水を押し出し、まるで海を滑るかの様に動く事だ。

 

一応、水を貯めた泡を使えば、地上を泳げないこともないのだが、遅いらしく、これ一択らしい。

 

 

しかし、私はそんなことができない。

けれども彼女はこれが一番の移動方であり、地上では遅すぎるし、距離もある為、野宿をしなければならない。

 

当然、野宿等、やった試しがない為、無理だ。

 

…となると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっはっは!海上を泳ぐのは久しぶりだ!海中より、スピードを感じられるぞ!」

 

…海を渡ることになる。彼女の背中に捕まって。

彼女はポケモンである為、これぐらいの重さ、何ともないらしい。

 

それに、ヨーギラスを持ち上げる人間もいるらしいし、大した事じゃない、と彼女は笑う。

…伝説上ではあるが。

 

 

それでも、等身大の物を背負ってスピードを出す事ができるのはさすがポケモンと言うしかない。

 

こう言う体験が出来るのは極めて貴重だ。サメハダーなどにサドルをつける所もあるらしいが、鍛えた人でないと、かかるGに耐えられない。

 

 

しかし人型ならばその様なことはない。私の様な一般人でも高速移動に耐えられると言う訳だ。

 

 

その様な物凄い速さで海を横断しているから当然、風切り音や水切り音などが発生する。それに釣られたのか、ポケモン達が集まって来る。

 

 

ニーダーツが跳ね、キャモメがやってきて、ギャラドスがはかいこうせんを空砲させ、サメハダーと並走し、プレッシーが目を回す。

…心無しか、陽気な音楽が遠くから聞こえる。

 

「ふふん、雰囲気につられてポケモン達がきたぞ!あやつらにすこし触れてみたらどうだ?こんな辺境に、人間等なかなか来ないからな、興味津々だぞ?」

 

楽しげに話すマキュリ。相当気分がいいのか、鼻歌を口ずさんでいる。

 

そして、彼女に言われるとおり、周りのポケモン達は、期待している目で私を見ている。

 

 

おずおずと手を出すと、直ぐにキャモメが止まる。

他のポケモン達も、距離をより近づけた様だ。

 

 

そして、あの一番は俺だ!と言わんばかりに、ニーダーツが海の上で加速する。

 

あれは…、アクアジェットか?ポケモンバトルを見たことがない為、正確には分からないが、物凄い勢いで駆け抜けていたのでその様な気がする。

 

 

 

Uターンして戻ってきたニーダーツは、褒めて褒めて!と体から伝わるほど、こちらを見つめる。

初めて見た技だった為、素直にすごいと褒めると、まるで矢の様に海の中に潜って、飛び出した。

 

 

それを見た皆も、今度は俺の番!と言わんばかりに技を披露する。

 

 

海の上だし、それに少し寒いけれども、自然と心があったかくなった。

 

 

 

ーーー

 

しかし、そんな事をしていると、当然騒がしくなる。

そうすると、やはり怒る者も、当然現れる。

 

 

 

 

ー辺りに、金属音が響き渡る

 

 

 

 

海中から金属質な殻を纏ったポケモンが出現する。

 

 

…アンドリラー、か?不味いな。

 

 

アンドリラーは、海中ではかなり危険な部類に当たる。

 

地上での戦闘を推奨され、海中での戦闘が困難なポケモンだ。縄張り意識が強い為、縄張りを侵すものに容赦しない…。

 

…奴の図体が大きい事を視認する。

それ即ち、縄張りが大きい事を示す。

 

 

…このまま、逃げる事は出来ないか。

 

覚悟を決めて、周りを見渡す。そこに居たみんなは、強弱関係なく自分を力強く見ている。

 

…ああ、ここまで。

この短い間に、私と一緒に戦ってくれる程、私を信じてくれて。

 

 

ーそして最後に彼女の、マキュリの背中を見つめる。

 

「…ふふっ、まさかここまで、世界は明るかったのか。ここまで心が躍ることがあるのか。…、ああ、戦うかどうかか?

戦うに決まっているだろう!そして、お前がリーダーだ!」

 

彼女が叫ぶ。

ポケモン達も叫ぶ。

 

本当にポケモン達には、いつも助けられる。

 

本当にポケモンは…

 

 

 

 

 

良い、隣人だ。

 

「全匹、突撃!」

 

アンドリラー戦fight!

 

 

 

 

 

 

 

ー闘いの音頭が風に運ばれている

主人公の性別は?

  • 男性
  • 女性
  • お前ら人間じゃねぇ!
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