石ミコ妄想小説   作:iron鉄

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お久しぶりです。


石上優は看病したい

伊井野ミコが学校を休んだ。

 

朝一番に担任から聞くなりすぐに連絡をしたが、ただの風邪だと聞いて一安心したが、同時にもうひとつの懸念点が浮かぶ。

 

伊井野ミコの両親は仕事が忙しくて家にほとんどおらず、週何回かお手伝いさんが来て掃除や洗濯、炊事などをしてくれるが、それ以外の日には大抵1人なのだ。

 

運悪く、今日はお手伝いさんが来ない日だった。

 

伊井野ミコの彼氏もとい、石上優は心配で授業にも身が入らず、一日中気が気ではなかった。

 

そんな日の生徒会で四宮先輩が

 

「石上君、伊井野さんのお見舞いに行ってくれませんか?」

 

と言い出した。

 

いきなりどうしたんだろうと思い、一瞬警戒したが、次の言葉で全てを納得した。

 

「今日は藤原さんも部活でいませんし、生徒会の仕事も”私と会長の2人”で大丈夫ですので、私たちの代表として行っていただきたいのですが。」

 

...なるほど、要するに四宮先輩は会長と2人きりになる口実が作りたいんだと分かった。

 

こちらとしてもその方がありがたいが、自分が代表で大丈夫なのだろうか。

 

「僕が代表で大丈夫なんですか?」

 

と聞いて見ると、白銀会長が

 

「そうだな。今回は石神の方が適任だ。頼めるか?」

 

と言った。会長が了承したのなら断る道理は無いな。

 

「分かりました。僕が代表として行ってきます。」

 

すると先輩達が

 

「悪いな。石上。」

 

「お願いしますね。石上君。」

 

と言った。会長達もイチャイチャしたくてウズウズしてるんだろう。

 

早めに出発するとするか。

 

ミコの家に行く前に薬局でスポーツドリンクやゼリーなどを買っていくことにした。

 

「これでいいかな。あとは...ん?」

商品を見てまわっていると、”ある商品”の前で固まってしまった。その商品とは...

 

(..........避妊具か...........)

 

その商品を手に取って見ながら考えていた。

 

(一応僕達も付き合ってるわけだし、お互い高校生だし、そういう空気になることもあるだろうし...........でも、こんなの持ってるって知られたら引かれないかな...........)

 

と頭をフル回転させて考えていると、後ろの方から

 

「何かお探しですか?」

 

と、従業員の人が話しかけてきた。

 

僕は慌てて”その箱”をカゴの中に隠し、

 

「え?い、いや、なんでもないです。大丈夫です。」

 

と、逃げるようにその場を離れた。

 

少し離れたところで自分が慌ててカゴに入れたことを思い出した。

 

戻しに行こうとも一瞬考えたが、タイミング悪く、ちょうど同級生数人がが薬局に入ってきた

こんなものを持っているところを見られるなんてあってはならない。

 

仕方が無いので、結局買うことにした。

 

(あくまでこれは俺の意思じゃない...........仕方が無いので買っただけだ...........)

 

と自分に言い聞かせたが、レジの店員にその商品を見られたに、自分の方を見ながらニヤついていたのを見て、顔が真っ赤になった。

 

 

「確か此処であってるよな...」

 

ミコの家のマンションには何度か来たことがあるが、大抵は2人で1緒に来たり、駅まで迎えに来てくれるので一人で来るのは案外初めてで迷いかけたが、何とか着くことが出来た。

 

しかし、ひとつの問題が発生してしまう。

 

(ミコの家の番号なんだっけ?)

 

普段は2人で一緒に来るから部屋の番号を覚えておらず、入口の前で立ち往生してしまった。

 

(このままだと不審者だと思われるよな...でも、部屋の番号分からないから入れないし...)

 

などと考えていると、後ろから声をかけられた。

 

「あなた、もしかして秀知院学園の石上優さんですか?」

 

びっくりして後ろを振り返ると、40代頃の上品な女性がこちらを見ていた。

 

いきなり声をかけられて、しかも名前を知られてるとなると誰であろうと警戒してしまうだろう。

 

「...そうですがなんで名前を知ってるのですか。」

 

警戒心をむき出しにして聞いてみると、意外な方向で裏切られてしまう。

 

「申し遅れました。私は伊井野様御一家に使えています鏡野と申します。」

 

なんと、ミコの家のお手伝いさんだったのだ。

 

「お手伝いさんでしたか。怪しんでしてしまってすいません。」

 

警戒を解いて一応謝っておく。

 

「いえいえ。こちらがいきなり話しかけたので、警戒なさるのも無理はないでしょう。」

 

なるほど。ミコの両親に仕えるだけあってすごく丁寧な人だ。

 

少し安心すると、ふとした疑問が浮かび上がってくる。

 

「そういえば、何故自分のことが分かったんですか?」

 

このお手伝いさんとは初対面なはずなのに、外見と名前までこの人は知っていた。聞いてみると、

 

「伊井野様の家へお仕事をしに行った日のミコ様との話題のほとんどがあなた様の話題をされるからでございます。」

 

驚いた。家でも僕のことを話してるなんて...ちょっと照れるな...

 

「なるほど。今日はお手伝いさんが来ない日と聞いていたんですけど、どうしたんですか?」

 

と聞くと、

 

「ミコ様が風邪を引かれたと聞き、急いで来たのですが...この様子だと要らなかったみたいですね。」

 

「?」

 

「家の予備キーを渡しておきますので、鍵はミコ様にお返しください。家の番号は〇〇〇番です。冷蔵庫の中の物は自由に使って良いので。では、よろしくお願い致します。」

 

「は、はぁ...........」

 

鍵を渡すと、お手伝いさんは行ってしまった。

 

つまり、鍵貸してあげるから看病してあげてねってことだろう。

 

....................え?

 

 

「〇〇〇番はここだよな。」

 

こんなはずじゃなかったんだけどな...

 

まあ、ちゃんと食べれてるかも心配だし、ご飯くらいは作ってやるか。

 

渡された鍵を使い、家のドアを開ける。

 

何度か来たことがあるから家の構造は何となく分かる。

 

寝ているかどうかを確認しにミコの部屋へと向かう。

 

「ミコ...起きてるか?」

 

ゆっくりとドアを開けながら小さな声で聞いてみる。

 

「....................」

 

返事がない。

 

寝ているだけだと思うが、一応近くで確認しようと思い部屋へ入る。

 

近くで見てみると、ずっと布団に入っていたからだろうが、若干汗ばんでおり、顔もやや赤くなっていた。

 

「......................」

 

やばい、なんか色っぽい。

 

「...って、違うよな。」

 

危ない危ない。思考が別の方向に持っていかれるところだった。

 

とりあえず、このままだと汗が冷えてさらに悪化する恐れがあるので着替えてもらうためにミコを1度起こす。

 

「おーい。ミコ。大丈夫か?」

 

軽く肩を揺さぶる。

 

「...........うーん ...あれ、優?」

 

ミコが瞼を開いた。

 

「なんでこんなとこにいんの?」

 

と聞かれる。ここは正直に、

 

「なんでって、お見舞いに来た。」

 

と伝える。

 

「鍵はどうしたの?」

 

「それならお手伝いさんに半ば強制的に渡された。」

 

「そ、そう。」

 

と、少しびっくりしたようにしている。

まあ、目が覚めたら家の中に彼氏がいたらそりゃあ驚くよな。

 

「ほら。風邪薬とスポーツドリンクだ。」

 

「あ、ありがとう。」

 

この様子だと、ろくに食べれていないのだろう。

 

「なんか食べたいものあるか?あるなら僕の作れる範囲なんで作るけど。」

 

と提案してみる。すると、

 

「じゃ、じゃあ、雑炊作って欲しいかな。」

 

とリクエストされた。

 

「雑炊だな。わかった。冷蔵庫にあるもの使っても大丈夫か?」

 

「大丈夫。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

冷蔵庫にあった昨日余ったであろう白ご飯と卵、青ネギを使った簡単な雑炊を作った。

 

作った雑炊をミコの待っている寝室へと持っていく。

 

「ほら。出来たぞ。」

 

「ありがとう。」

 

雑炊の入っているお茶碗とスプーンを手渡す。

 

「......................」

 

受け取ったものの、何故か口に運ばない。どうしたのだろうか。

 

「どうした?もしかしてネギ苦手だったか?」

 

「え?い、いや、そういうわけじゃない...けど...」

 

「ならなんで食べないんだ?」

 

「えっと、その..............べ......せて.....しい。」

 

「ごめん聞こえない。なんて言った?」

 

「た、食べさせてほしい。」

 

「?!」

 

いきなりのことで驚いてしまった。

 

普段はあまり人に頼ろうとしないミコが、まさか僕に食べさせてほしいって言い出すなんて。

 

家で1人だと寂しいだろうし、彼女であるミコの頼みとあらば断る訳にも行かない。

 

「お、おう。分かった。」

 

「ありがとう。」

 

ミコが笑顔を見せる。

 

雑炊を1口サイズにすくってミコの口元へと運ぶ。

 

「ほら。あーん。」

 

「あ、あーん。」

 

ミコが雑炊を口に入れる。

 

「美味しいよ。優。」

 

ふにゃっとした笑みをこちらに見せてくる。

 

クソ、可愛い。

 

こんなに可愛い笑顔を僕だけが独占できるって考えてきたら気持ちが緩んでしまう。

 

「どうしたの?ニヤニヤなんかしちゃって。」

 

案の定、表情に出てしまっていたようだ。

 

「いや、なんでもないよ。」

 

悟られないように表情を元に戻す。

 

そのまま食べ進め、結局作った分を全てミコが食べ尽くしてしまった。

 

風邪なのに全部食べきるなんてやっぱりすげーな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふー。皿洗い終わりっと。」

 

雑炊で使っで鍋やお茶碗を洗い終わり、一息つく

「今日は何から何までありがとね。優。」

 

ミコが寝室から出てきた。

 

「いいよいいよ。こっちが勝手にしている事だし。明日は学校行けそうか?」

 

「うん。看病してくれたおかげでかなり良くなったから明日には行けそう。」

 

「そうか。良かった。.........っと、もうこんな時間か。そろそろ帰るわ。」

 

窓から外を見てみると外は薄暗くなり、街灯もつきはじめている。

 

「そうね。下まで送ろうか?」

 

「大丈夫だよ。しっかり休んどいて。」

 

「わかったわ。じゃあ、玄関まで送るね。」

 

「ありがとう。」

 

2人で一緒に玄関へと向かう

 

「じゃあ、帰るわ。買ってきたもの机に置いてるから自由に使ってくれ。」

 

「何から何までありがとね。じゃあ、明日学校で。おやすみ。優」

 

「おやすみ。ミコ」

 

僕はミコに別れを告げ、家への帰路へとつく。

 

「...あれ、何か忘れてるような...ま、いっか。」

 

何か大事なことを忘れている気がしたが、時間も遅いので考えることはせずに、急いで自宅へと向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「...........これね。優が買ってきてくれたものは。」

 

優が買ってきてくれた袋の中を確認してみる。

 

「スポーツドリンクと風邪薬と...........?これは何かしら...?」

 

袋から風邪薬とは違う四角い箱が出てきた。

 

ミコにはその箱の正体がわかってしまった。

 

「...........これはもしかして...........避妊具?」

 

 

これが後のいざこざやあんなことになるなんてこの時は2人とも思っていなかった...........

            続く?




改めまして、ironと申します。

前回から時間が空いてしまったのはネタが見つからなかったとかじゃなく、純粋にリアルが忙しすぎて書く時間を確保出来なかったからです。決してアンケート結果に頭を悩ませて挫折していたとかではないです。ハイ。

今回も前回と同様に石ミコ派の自分の妄想を書き連ねたただの駄作なので、それでも大丈夫という方は楽しんでくださると幸いです。

次回からはアンケート結果をもとに頑張って話を作っていこうと思います。

どれが見てみたい?(全体的に糖分高め)

  • 1.お家デート
  • 2.下校デート
  • 3.看病系(健全Ver.)
  • 4.看護系(センシティブVer.)
  • 5.海デート
  • 6.渋谷のパパ活おじさん if
  • 7.白かぐをもっと見せろ
  • 8.トラックから好きな人を庇ったら
  • 一緒に転生しちゃった件について
  • 9.石ミコ〇〇年後
  • 10.✩ドキドキ✩藤原書記のお悩み相談
  • 11.石ミコ初夜
  • 12.脳が破壊されるやつ

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