あまり接点のない二人ですが、二人きりにしたらどうなっちゃうんだろう?を書きました。
生暖かく見守ってあげてください。
放課後の部室。絵里は珍しく生徒会の仕事がなかったので、先に来て皆を待っていた。
ガラッと元気よく部室を開けたのは、凛だった。
「やほー、あ、絵里ちゃんだにゃ」
「やほー、凛」
「みんなはまだ来てないのー?」
「そうみたいね」
二人だけの部室。何となくぎこちない空気。
やっぱり三年生と一年生では中々話も進まない。
凛が話しかけにくいことを察した絵里は自分から話しかけた。
「この組み合わせはあまりないわね」
「絵里ちゃんと二人で話したことなかったかもー?」
「だっていつも花陽と一緒じゃない?」
「にゃはは、凛はかよちんのこと大好きだからね」
花陽の話になると、凛はご機嫌だ。
絵里はその流れで凛に質問した。
「そういえば、前から気になってたんだけど……」
「なになにー?」
「凛は私のモノマネが得意だって聞いたわ」
「え゛」
「どんなマネなの?ちょっとやってみてくれない?」
「で、できないにゃ!いったい誰がそんなウソを絵里ちゃんに」
「えっ、みんな言ってたわよ?」
「み、みんな嘘つきなんだにゃ!」
「ホントはできるんでしょ?」
「う……うん」
「見せられないモノマネなの?」
「そそそ、そんなことないよ!」
「まぁいいわ」
どうやらできない理由があるみたいね。
何だか悪い気がするし、それ以上追求するのはよくないわね。
「やるよ!」
「えっ?」
絵里ちゃんのお願いを断るわけにはいかないにゃ。
それに、いずれどういう真似をしていたか、バレちゃうし。
今やってみせてもおんなじにゃ!!
「いくにゃ!」
……
『学校の許可ァ?認められないワ』
まさにあの時、まだ絵里がμ'sに加入していない時にやったままの完全再現。
自分でやっておいてなんだが、あまり絵里に似ていないと凛は思っていた。
「……」
「どうかにゃ〜……?」
「ごめんね……ごめんね凛……」
急に泣き始める絵里。
過去の事であっても、絵里にとってμ'sに申し訳なく思っている部分。
絵里の半ば忘れかけていた当時の記憶と、今の大好きなμ'sが重なって波紋が大きくなり、それが外にあふれてしまった。
「どうしたの、絵里ちゃん!」
「今はみんなのことが大好きなのよ。もちろん凛のことも」
「凛も絵里ちゃんのこと大好きだにゃ!だから泣かないで」
思ってもいなかった絵里のリアクションに多少焦りつつも、一生懸命慰める凛。
「ありがとう、凛は優しいわね」
「ミューズのみんなも優しいよ!」
「そうね」
ガラッと部室のドアが開く。凛が振り向くとそこには穂乃果がいた。
「ごきげんよう! あれ?」
「穂乃果ちゃん!やほー!」
「えっ……凛ちゃんが絵里ちゃんを泣かしてる……!?」
「ち、違うにゃ!」
「海未ちゃーん!ことりちゃーん!」
「まってー!」
勘違いだにゃー! いや半分はあっているけど……、私がイジメて泣かしたって解釈をしているに違いないにゃ!
続々と集まってくるμ'sメンバー。
とりあえず、二人別々に隔離して話を聞こう!と穂乃果が提案。
部室には、穂乃果、海未、ことり、希、にこが残った。
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部室
海未は怪訝な顔色を浮かばせていた。
「凛が絵里を泣かせたとはにわかに信じがたいのですが……」
「仲良くしなきゃダメだよ、ね、仲直り!」
「うちは許さんよ?何でえりちが泣かされるん?」
ことりは兎に角、場を収めなければならないと思ったのだろう。
だが、希は怒りが有頂天に達していた。親友である絵里を泣かした凛を許せないのだ。
にこはそんなに大したことないといった風で言った。
「別に気にすることないんじゃないの?」
「とりあえず、謝ったほうがいいよ、凛ちゃん!」
穂乃果もことりと同様、すぐに場を収めたい気持ちだった。
しかし、希は場を収める気などなかった。
「えりちはめったなことじゃ泣かないんよ? どうしてくれるん?!」
「ごめんなさい…ごめんなさいにゃぁあぁ!」
希の怒りに驚いて泣き始める凛。もう何が何だか凛の中でわからなくなった。
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別の部屋
絵里は椅子に座り、その隣に花陽が座り、真姫は壁に寄りかかって髪をいじっていた。
「ごめんね絵里ちゃん、凛ちゃん思ったことすぐ言っちゃうから傷ついちゃったんだよね」
「……?」
状況を把握できない絵里。真姫は視線を窓の外に向けながら落ち着いた口調で話す。
「穂乃果や凛と付き合うならあまり言われたこと気にしないほうがいいわ、じゃないと疲れると思うし」
「ちょっと待って? 今どうなってるの?」
真姫に聞き返す。確かに凛に真似されて泣いてしまったけれど、もうそれは過ぎたこと。
凛と仲直りしたにも関わらず事が大きくなっている気がする絵里。
「どうって、凛に何か言われたんでしょ?」
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部室
絵里達が部室に戻ってくる。
そこには凄まじい形相で睨みつける希と大泣きしている凛がいた。
「ごめんなさいにゃ〜! 許してほしいにゃぁあぁあ!」
「えりち本人に謝れ!」
「わかったにゃぁあぁ!」
なぜ凛が大泣きいるのか? 絵里は希が原因なのではと察した。
「どういうことなの? 希」
「ごめんなさいにゃあぁあ絵里ぢゃあぁん」
「泣かなくていいのよ。なんであやまってるの、凛」
「だって……だって〜!」
「えりち、これで仲直りやね」
ドヤ顔で絵里を見る希。これでえりちからの私の評価アップ間違いなしや!そんな感じの表情。
その希を見て絵里の疑問が確信にかわる。
「……希」
パーンッ!!! 叩く音が部屋に響く。
一瞬、部室の時が凍ったように静かになった。
絵里が希の頬を勢いよく叩いたのだ。
部員皆が驚きの表情を見せていた。そして希も。
「な、なにするん?!」
「なにもかにもないわよ! 何勝手に早とちりしてるの!」
「早とちり……?」
「そうよ!」
ことの一部始終を把握すると、穂乃果は軽い口調で言った。
「なーんだ、そういうことだったんだね〜」
「『なーんだ』じゃないですよ、穂乃果!」
「えへへへ……ごめん」
元はといえば穂乃果が事を大きくしたのが発端。海未はいつもの穂乃果に仕方ないと思いつつも叱りつける。
真姫は呆れた感じで言った。
「この空気、どうすんのよ」
「あ、あはははは……」
重い空気が流れる。
と、そこに――
「にっこにっこにー!やだーみんなそんな顔してどうしたのー? みんなも一緒にやるわよ! にっこにっこにー!」
「にこちゃん……!」
にこの突然のアピールにことりが感動する。今回はグッドタイミングだよ。にこちゃん!
続いて海未がにこを真似る。
「にっこにっこにー!……こうですか?」
「海未ちゃん……」
普段やらなそうな海未ちゃんが一番にやってくれるなんて、凛感激にゃ……。
「違うわ、こうよ! にっこにっこにー!」
にっこにっこにー!にっこにっこにー!
μ's皆でにっこにっこにーをやっていた。
「ありがとう、にこ」
目が潤む絵里。凛の言うとおりね。皆優しいわ。
「別に絵里の為じゃないんだから、いつも通りしただけよ」
「あー!にこちゃんが絵里ちゃん泣かしてるー!?」
「穂乃果!」
「穂乃果ちゃん!」
その後、海未とことりにこっぴどく叱られた穂乃果であった。
とりあえずにっこにっこにーしていれば平和が導けるってことだよ!!
な、なんだってー?!(AA略