【完結】殺生丸はメイドラゴンと再会し、現代を行く 作:妖怪もやし
『トールさまへ。 せっしょーまるたちといっしょに遊びに行ってきます。 明日にはもどります』
カンナのメモ書きを前に、トールは頬を膨らませている。
「むっす~…」
「まぁ、機嫌を直しなよ、トール」
「そんな簡単に直せません! カンナは、なんであのアホ犬と…」
「私も行きたかった…」
「イルルも羨ましがら無いでください!」
カンナはメモ書きの通り、翌日には小林さんちに戻って来た。
「ただいま。 これ、お土産」
カンナが渡したのは、北の大地のお土産のテンプレのような品々。
甘いモノが多めだ。
「明日は学校だし、才川たちにもあげる。 出来たてのチョコを試食させて貰ったりした」
「おー。 それは良かったな、カンナ」
「うん。 あと、鹿が多かったから食べてきた」
「えっ…」
「せっしょーまる、髪を一本、プツンと抜いて投げて仕留めてた。 焼いて食べてた。 美味しそうだった」
「野生児だねぇ…」
その姿を想像した小林さんは、嘆息する。
確かに、様になって居そうだ。
翌日、小林さんが職場に行くと、お菓子を皆に配っているエルマの姿が。
「これ、どうしたの?」
「聞いてくれ! 昨日、北海道まで行ってきたぞ!」
「一人で?」
「殺生丸たちとだ! お菓子がどれも美味くて、天国だった!」
目を輝かせて語るエルマ。
確かに、お菓子に目が無い彼女にとっては、この上ない場所だっただろう。
同時に、合点がいく小林さん。
「そっか。 エルマには身分証があるからね。 お菓子工場とかにも、それで入れたんだ」
「ああ! これは色々な場所で役に立つものだな!」
お菓子工場の見学を楽しみ、試食などをする殺生丸とカンナとエルマを想い、物思いにふける小林さん。
その日は家に帰ると、家族の前で提案した。
「ねぇ、今度また、みんなで旅行に行かない?」
「あ、それ良いですね!」
「カンナもさんせー」
「私も勿論いく!」
皆の反応を見て、にっこりと笑う小林さん。
そんな彼女を、トールもまた笑って見ていた。
今日も今日とて、阿吽と邪見を連れて国内を放浪する殺生丸。
そんな彼は、以前訪れた島のことを思い出していた
蓬莱島。
四闘神といわれる妖怪たちが支配し、半妖を生贄としていた島。
殺生丸はかつての因縁から蓬莱島に赴き、自らの敵を討伐した。
彼の弟である犬夜叉と、その仲間たちの奮戦により、蓬莱島は妖怪の支配から解放されて、二度とその姿を見ることは無くなった。
消滅した島は戻らない。
だが、日本国内に島はいくらでもある。
殺生丸は耳千里という妖怪の元を訪ね、人が住めない状態の島の場所を教えられた。
「そういうコトなら任せてよ~」
どこからともなく現れたケツァルコアトルに教わり、殺生丸たちは島を花畑と変えた。
認識阻害を使用しているので、普通に見れば岩だらけの、使い道がない島にしか見えない。
殺生丸たちはそこに定住するようになり、気が向けばファフニール達の元へと赴くようになったのであった。
おわり