レジェンズのヒーローアカデミア   作:HR-H HR-E

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※こちらのタイトルはヒーロー志望の方のセリフです。


No.10 君を殺す事になるかもしれないパスファインダーだ!

 第2種目の騎馬戦が終わったあと、ひとまず午前の部が終わり午後の部が始まるまで昼休みの時間となった。

 そこで俺は緑谷と轟が2人揃ってスタジアムの学校関係者専用の通路に向かって行くのが見えた。なんか気になるな……

 俺はそんな小さな好奇心で2人にバレないように2人の死角で話を聞こうとしたが…なんか先に爆豪が居た。

 こいつも隅に置けないな、人の話を盗み聞きとはな!もしかして俺がクラスや個性把握テストで連出堕の個性を話した時も実は帰るフリして何処かに隠れて聞いてたのか?

 俺はニヤニヤしながら爆豪を見つめるが、爆豪は特に反抗したり声を荒らげてキレる様な事はせず、緑谷と轟の話に耳を傾けていた。

 そんな気になる話してんのか?あの二人。

 俺も2人の話に耳を傾ける。

 

「俺の親父はエンデヴァー、万年No.2ヒーローだ。知ってるよな」

 

「っ!?」

 

 最初に届いたのは轟の言葉、おいおいマジかよ。轟の親父ってエンデヴァーなのか!?世界でオールマイトに次ぐプロヒーロー。ヴィランを捕まえた数、撃退数ならオールマイトよりも上を行くかも知れない炎系最強のプロヒーローだ。なるほど、轟がそこまで強い理由は分かったぜ。というか飯田の兄がインゲニウムで轟の親父はエンデヴァー…探せばそのうちミルコの妹弟とかヨロイムシャの孫とか居るんじゃねぇか?

 というか待てよ…なんで轟は氷の個性なんだ…?いや、一応氷を熱で溶かしているから炎の個性は受け継いでるんだろうが…

 

 そこまで考えたところで、轟は話の続きを話していた。

 それは個性婚の話。個性が発現してから少し立ったある時期に流行った倫理観の問題。自身の個性をより強く後世に残す為に配偶者を個性で選ぶという種としては間違ってないが人としては間違っている発想。なんとあのエンデヴァーはその個性婚に基づいて氷の個性を持つ轟の母を配偶者としたのだ。金や実績で轟の母方の親戚を丸め込んで…

 より強い個性を持つ子供を作るための配偶者だ。そこに愛なんてある訳も無く、轟の母は気を病んでしまい、轟の左側…つまりは赤い髪…熱を出す方だな…左側が憎いと煮え湯を浴びせたという。あの轟の左の赤い模様って火傷のあとなのか…個性の影響かと思ってた。

 轟はエンデヴァーの力…左を使わずに右の力…母の力だけで1位になるという事で、エンデヴァーを完全に否定する為に……

 

 エンデヴァー………特別好きなヒーローでは無かったが…それでも敬意は評していた。しかし…あまりにも轟が可哀想だな。

 個性にコンプレックスや問題を抱えて本人に何らかの問題や弊害が起こってしまうのは少なくはない。連出堕だってそうだ、俺達個性が発現さえしなければこいつは無理にヒーローにならずとも自由に未来を選んで自由に暮らせるはずだったからな。

 轟も轟の母も個性による被害者だな…

 

 …戻るか。

 

_________A P E X_________

 

 

 昼休みが終わり、午後の部。第3種目…最終種目の発表がされる事となった。

が…その前に…

 

「なあ八百万、耳郎。なんでチアリーダーの服装してんだ?」

 

 俺は近くに居たチアリーダー服のA組女子に話しかけた。

 

「…聞かないで下さい……!」

「上鳴と峰田のアホが…!」

 

 何かよく分からんがとりあえず上鳴と峰田が悪いって事は分かった。

 さて、そんな事よりも最終種目が発表された。最終種目はトーナメント形式の1対1のガチバトルだそうだ。これ体育祭だよな?なんでそんな武術大会みたいな事をしないといけないんだ?確かにヒーローには戦闘能力は必要だが…レスキュー能力とかをアピールする種目は用意しなくていいのか?

 盛り上がればそれでいいのか、もしくは個性をよりアピールしやすい争い事にしたのか。どちらにせよ俺達レジェンドの得意分野だから文句は言わないでおこう。

 あと、なんか尾白猿夫とB組のチビデブが辞退した。理由はなんか記憶が無いらしい。どういう事か分からないがミッドナイト先生がその2人の辞退を認めて、代わりにB組から全身が鉄みたいな男子生徒と髪の毛が茨の女子生徒が繰り上がりで最終種目に参戦だそうだ。

 今更なんだが…16名中13名がA組って偏りすぎじゃないか?あのUSJで本物のヴィランとの戦闘があったおかげでそれ程までにA組とB組で差が生まれたのか……もしくはB組がヒーロー科の落ちこぼれが集まるクラスなのか知らないが…B組のヒーロー科生徒の個性もよく見て見たかったな。今のところ、地面をドロドロにする奴とダミー人形とダークシャドウに潜り込む個性しか知らないぜ。

 

 っと、そこでミッドナイト先生から組み合わせが発表された。俺の初戦の相手は……飯田!?おいおい最初から中々の強敵だな。負ける気は無いが…爆豪や轟、緑谷じゃなくて良かったぜ。

 ほかの組み合わせを見ると…八百万と常闇が初戦でぶつかる。これはラッキーだな、厄介な奴らが初戦で潰しあってくれる。あとは轟と緑谷はどちらか片方しか俺とぶつからない。あちらも潰し合う。爆豪は…麗日と!?おいおい麗日可哀想だな。

 

「連出堕くん、共に全力で戦おう」

 

 飯田が話しかけてきた。何気に1対1で話すの久しぶりだな。

 

「もちろんだ、スピードでは俺はお前に適わないが戦闘なら別だ。俺達は全力でお前を倒す。」

 

 俺は飯田と握手して宣戦布告をする。ああ、最高だな。さっきこのガチバトルトーナメントに少し不満をもたらしたが共に歩んできた仲間、好敵手と戦えるなら最高の最終種目だ。少しエンデヴァーの話で落ち込んでいた心が少し軽くなったぜ。

 ひとまず、この後は予選敗退者が活躍する為のレクリエーションがあるらしい。最終種目に参加する予選突破者の参加、不参加は自由だそうだが…俺は不参加だ。レクリエーションはあくまでお遊戯、そこで個性を見せびらかしてもあまり注目されないし、手の内を最終種目前に広めるのは得策じゃない。俺は控え室で連出堕と他のレジェンド達と作戦会議に入るとするかね。

 

 

 

 そして…レクリエーションはあっという間に終わり、最終種目が始まりを告げた。俺は第4試合からだから第3試合直前までは試合を見学する事にした。

 第1回戦第1試合は緑谷対心操。辞退した尾白曰くあいつは人を洗脳する個性らしい。なるほど、尾白が記憶が無いって言ってたのはアイツに洗脳されたからなんだな。しかし、洗脳か…俺が洗脳されたらどうなるんだ?連出堕が洗脳されるのか、俺だけが洗脳されるのかレジェンド含む全員洗脳されるのか…とにかく洗脳されたらレジェンドの切り替えは封じられそうだから危険な個性だな。

 この試合は緑谷が勝った。なんか知らないけど自力で指を破壊して洗脳を解いて心操を場外へ投げ飛ばした。

 

 そんで第2試合。これは凄かったな。

 轟対瀬呂範太。どうせ轟が勝つだろうと思っていた。その通りではあったんだが…轟がとんでもない出力で氷を作り出して瀬呂を凍らせたのだ。とんでもない出力の氷ってのは……今俺達が居るスタジアムの半分くらいの大きさの氷を一瞬で作り出しちまった。

 はっきりと言わせてもらうぜ、化け物だ。

 15歳でこの大きさの氷を一瞬で作り出すなんてありえねぇ、何トンという大きさの氷だぜ?ありえねぇ。

 っと、とりあえずこれで第2試合が終わって次は第3試合だ。第4試合の俺は控え室に向かう。第3試合は上鳴電気対B組の茨髪の女子生徒だが…まあ上鳴電気の圧勝だろう。これは見るまでも無いと俺はその場からあとにした。

 

 

 しかしその後、第4試合でスタジアムに向かう途中の廊下で俺は救急ロボットに搬送されるアホ面の上鳴電気を見かけた。どうやら負けたらしい。 

 

「嘘だろ…?」

 

 上鳴電気は強い。確かに俺達レジェンドや轟、爆豪よりは弱いと思うがそれでも触れた相手に130万ボルト程の電撃を流し込める個性は恐ろしく強い。触れなければならないが逆に触れれば勝てると言っても過言では無い個性だ。そんな上鳴が負けた…

 訂正しよう、B組は落ちこぼれの集まりなんかじゃねぇな。ちゃんと強い。

 

「油断は出来ねぇな。元からするつもりなんて無いが…」

 

 俺は準備運動をする。もしかしたら俺の出番は無いかもだが雰囲気作りだ。そして俺はパスファインダーと入れ替わった。

 

 

_________A P E X_________

 

 

 

 第4試合。飯田天哉対連出堕苑葛の試合。今のところ、飯田はインゲニウムの弟として話題を集め、連出堕はその様々な姿、様々な個性で臨機応変に対応する個性が話題を呼んでいた。両者に対する評価はどちらも高かった。だからどちらにも期待していたしどちらが勝ってもおかしくなかった。

 

《さァー! 次の試合に行くぜ!》

 

 プレゼント・マイクの選手紹介が始まる。

 

《ザ・中堅って感じ!? ヒーロー科飯田天哉! VS なんでもありなビックリ箱! 同じくヒーロー科の連出堕苑葛!》

 

 雄英の教師であり、プロヒーローでもあるセメントスが己の個性で作ったコンクリートの闘技場の上に飯田とパスファインダーは上がる。

 最初からパスファインダーに切り替わってるのは試合前に個性を既に使用してるのと同義であるがどれが連出堕として判断するか曖昧なのか審判も実況も誰も文句は言わない。

 

(…彼は確か、パスファインダー…だったか。腕からフックを飛ばす個性、そして身体は金属製のロボット…下手に殴り合い等に持ち込めば痛い目を見るな)

 

 飯田はパスファインダーとなっている連出堕をよく観察している。ここで知らない姿で現れる事を想定して、何百通りのデモンストレーションを行ったが、杞憂に終わったようだ。しかしだからといって油断はしない。個性の切り替えが自由な連出堕であるから試合の最中に知らない個性を使うかも知れない。

 

(…最速で終わらせる!)

 

 そう飯田は判断した。使われる前に終わらせる。飯田の個性だから為せる事を行うのだ。

 

「両者、用意!」

 

 ミッドナイトが鞭を振り上げる。飯田は少し姿勢を低くしていつでも最高速度を即座に出せるようにする。パスファインダーは両手をグーにして構え、まるでボクシング選手の様な構えだ。

 

「START!」

 

 審判のミッドナイトが鞭を振り下ろすと同時に飯田は自身の最高速度を出す為に、後々1分ほど個性のエンジンが使えなくなってしまう諸刃の剣であるレジプロバーストを使用して一気にパスファインダーとの距離を詰める。オクタンですら絶対に出せない速度、連出堕自身が見るのは2度目だが1度見たから対処できるスピードでは無い。

 飯田はそのスピードに任せ、パスファインダーに強力な蹴りを入れる。飯田の予想通り、パスファインダーはそのスピードに対処出来なかったのか、思いっきり後方へと吹き飛ぶ。鉄の塊であるロボットのパスファインダーだが実は思っていたよりもだいぶ軽い。そういう特殊合金で出来ているからだ。それが仇となり、パスファインダーは宙に浮いて場外へと吹っ飛ばされるが…

 

 突然、飯田の身体が()()()()()()

 

 

 パスファインダーのグラップルだ。

 

「しまっ…!」

「君がスピードで決着を決めに来るのはわかっていた事だ。だから利用させて貰うよ」

 

 飯田が個性の強みの問題で、早期決着を望むのは誰でも予想出来る事だ。それも多種多様な個性を持つ連出堕相手に長期戦など不利であるから尚更である。

 そして何事にも本気で望む飯田なら騎馬戦で見せたあのエンストしてしまう超スピードを行うと踏んでいた。そしてエンストすれば飯田はまともに動けない。自慢のスピードもない。

 そこにグラップルを当てて飯田を引っ張ることなんて造作も無い事であった。

 

 飯田は場外空中に居るパスファインダーの方へ引き寄せられ、パスファインダーは場内地面に居る飯田に引き寄せられる。ちょうどその中間地点で2人は殴りあえる距離へとなるが…飯田は空中に引っ張られる経験などした事が勿論無く、ただもがく事しか出来ないが空中機動がお手の物なパスファインダーはその長い金属製の脚で空中ドロップキックを飯田の腹部へと直撃させた。

 

「がはっ…ッ!」

 

 そのままパスファインダーは飯田の上を取り、全体重を飯田に乗せて地面へと叩きつける。

 着地地点は場外判定となる白線ギリギリ、飯田の半身とパスファインダーの半身も場外判定だが、パスファインダーは飯田の上に乗っているため、場外の地面に触れていない。対して飯田は右手や右足が場外の地面へと触れている。

 白線の外、場外でも地面に触れていなければ数秒間はセーフとなる(数秒間セーフの理由は空を飛べる個性で場外の空中にずっと居られたら困るので)

 なのでこの場合は地面に触れていないパスファインダーがセーフ、触れている飯田は場外判定である。

 

「そこまで! 勝者連出堕くん!」

 

 ミッドナイトは鞭を振り上げて連出堕の勝利を宣言する。

 

 そこで、パスファインダーはようやっと飯田の上から退いて、飯田に手を差し伸べる。

 

「ごめんね、痛かったかな?」

「ゲホッ…ゴホッ…い、いや、大丈夫だ。ありがとう。」

 

 飯田は咳き込みながらもパスファインダーの手を受け取り、立ち上がる。腹部にドロップキックをくらい、受け身もまともに取れずに背中からコンクリートの地面に思いっきり叩きつけられたら誰だって激しく咳き込む。むしろまだ立ち上がれる飯田はまだ高校生だと言うのに凄いとしか言いようが無いだろう。

 

「連出堕くん…ゴホッ、全力で戦ってくれて感謝する…」

「どういたしまして!(^^)!」

 

 胸部にある液晶画面に嬉しい顔を表示させながら、パスファインダーは飯田に肩を貸しながら保健室へと向かっていった。念の為、頭をぶつけているかもしれないので検査を受けさせた方が良いからだ。

 

 

 

_________A P E X_________

 

 

 

 飯田は特に脳とかに問題は無かった様だったな。パスファインダーから俺に切り替わり、俺と飯田は観戦席へと向かおうとするが…飯田は控え室へと戻った。どうやら爆豪と当たる麗日お茶子が気掛かりの様だ。確かにな…相手はA組の中で最も暴力的な爆豪だ。命までは取られないだろうが…無事では済まないだろうな。良くて火傷、酷くて四肢欠損とかだろうな。

 あいつの性格上、女だからといって手加減するとは思えない。そこがあいつのいい所ではあるんだが…

 

 おっと、次の第5試合が始まったな。青山優雅と芦戸三奈だ。どちらもA組の中だったら下から数えた方が早いという弱い実力者だが…この試合は芦戸に軍配が上がった。

 そして次の試合は常闇対八百万だ。八百万は女子生徒の中だったら間違いなく最強だろう。常闇も連出堕や轟、爆豪を除けば男子生徒最強だ。というか爆豪や轟は個性の出力が異常に強いのに対して常闇は個性そのものが強すぎる。

 試合結果としては常闇の圧勝。八百万の個性である『創造』をほとんど使わせずに一方的に場外へ押しやった。

 そこで緑谷が麗日の様子を見てくると言って控え室へと移動しようとしていた。

 

「おい、緑谷。せっかくだから爆豪の弱点とか麗日に教えてやったらどうだ? お前爆豪と同じ中学なんだろ?」

「う、うん。かっちゃんとは同じ中学だけど…」

「教えてやりな、別に相手の情報共有や作戦を考える事は卑怯ではない。こういった交友関係も大事だからな」

「うん…だから対かっちゃん用の作戦をこのノートにまとめてみた! 付け焼き刃だけど…麗日さんならきっと勝てる…!」

 

 おお、自分の立てた作戦に自信があるんだな。いや…違うな、それ程までに麗日の実力を信じて評価してるって事か…いいね。

 緑谷は控え室へと向かい。俺は引き続き、次の試合を見る。次は切島とB組の鉄の男子生徒、名前は…鉄哲徹鐵?面白い名前だな。名付け親の顔が見てみたいぜ。

 そいつらの殴り合いだった。2人とも個性が同じ硬化系の個性だからか、中々決着が付かずに引き分け。後々腕相撲で決着を決めるとの事。

 引き分けだと腕相撲なんだな。

 

 そして…第8試合。麗日お茶子対爆豪勝己。

 

 どうやら麗日は緑谷のアドバイスを聞かずに自力で作戦を立てて戦うつもりのようだ。おお、意外と熱い性格してるな。

 試合が始まると、爆豪は右手の大ぶりで躊躇無く麗日に爆撃を入れた。対して麗日は爆撃をもろに食らっても退くこと無く爆豪に個性を発動させようと触れようとしている。

 だが…はっきり言って爆豪は化け物だな。麗日が囮や不意打ちで近づいてもとんでもない反射神経で麗日に爆撃を与えている。無傷の爆豪にボロボロの麗日…こりゃあ勝ち目は無いな…

 

 そう思っていたが…

 

「おっ」

 

 俺はふと、爆豪と麗日の上空に瓦礫が浮いているのに気づいた。なるほど、爆豪の爆撃で産まれた瓦礫に片っ端から触れていたのか…そして爆豪は麗日を警戒していて全く気づいていない。こんな量の瓦礫が降り注いできたのなら…少なくとも連出堕ならジブラルタルのドームシールドかレイスの虚空、ワットソンのパイロン等の守りの個性を使わないとどうしようもなくやられてしまう。つまり…攻撃しか出来ない爆豪の勝ち目は薄いって事だ!

 

 それに気づかず爆豪を女の子をいたぶってる嫌な奴だと判断してブーイングしたプロヒーローは恥ずかしいな。いや、もうプロじゃねぇな。俺達のような生徒ですら気づいたってのによ。

 

 麗日は個性を解除して浮かせていた瓦礫を流星群のように降り注がせる。どう足掻いても避けるのは不可能、そして爆豪が流星群の対処をしているうちに麗日は爆豪に急接近する。なるほど、流星群で倒すんじゃなくてあくまで浮かせて場外へ連れていくつもりか。

 

 

 だか…爆豪は片手で、一撃で流星群を全て粉々にした

 

「……マジかよ」

 

 轟のあの巨大な氷もそうだがどうやってこんなえげつない火力をわずか15歳の身で出しているんだ?これに関してはもうプロヒーローも真っ青の超火力だ…下手すれば戦車よりも火力が出ている。マジモンのバケモンだ。

 もし俺が緑谷または轟を倒して勝ち進めば確実にあいつと当たる事になるだろうな。怖ぇな。

 

 結果、麗日は決死の作戦が打ち破られてもまだ爆豪に向かおうとしたが…蓄積していたダメージと個性の副作用で倒れてしまった。やはり爆豪の勝利となったな。

 これで第1回戦の全試合が終了(切島と鉄哲の腕相撲は切島の勝ちとなった)。第2回戦までは少し休憩の時間だ。

 …あ、そういえば次の俺達の試合。上鳴じゃないんだよな。

 

 茨の髪の毛の個性の少女だったか…茨の髪の毛になるだけの個性か?身体の部位を茨に出来る個性か、または茨の化け物を生み出す個性か…俺はとりあえず上鳴に尋ねてみた。

 

「あの塩崎って茨の女子生徒はどんな個性だった?」

 

「あー…髪の毛の茨を伸縮自在に操る個性だったな。俺の電力を全部防いでぐるぐる巻きにされた」

「何も出来ずにやられててマジで情けなかった…ブフッ!」

「うるせぇ」

 

 どうやら上鳴は完封されたらしいな、耳郎にバカにされても強く言い返せて無い。しかし上鳴の個性を完全無効化して尚且つ伸縮自在か…

 

「まるでシンリンカムイの様な伸縮自在の植物系の個性でリーチは勿論、攻撃や防御に使える。常闇くんのダークシャドウの様に猛攻は出来なくとも炎でもない限りは絶対的な防御力を誇る。しかも伸びるだけじゃなくてその圧倒的な量、質量を無視した……ブツブツブツブツ…」

「お、おい。どうした緑谷?」

「連出堕くんの個性は全部明らかになって無いけどもし炎系の個性が居るのならだいぶ強気に出れるけど下手したら大惨事になりかねない。だからここは会えて炎ではなくグラップルによる拘束、またはあの個性を無効化する攻撃で……ブツブツブツブツ…」

 

 な、なんかよく分からねぇけどすっごい考えてるんだな。うん。まぁ、いいや。

 対策を考えてくれるのはありがたいが、連出堕自身の個性を知るのは連出堕自身。最適解は連出堕本人が出せる。

 リーチと防御力が凄い茨の個性だったな?ならばマザーロードを扱えるヒューズか斬撃を使えるブラッドハウンド辺りだな。シアでも問題なさそうだ。

 

 そうして俺は連出堕に判断を委ねるが………

 

「_______」

 

 連出堕の判断は想像だにしていないものだった。

 

 

はぁ!? 嘘だろ!?

 

 俺は思わずその場に立ち上がって叫ぶ。

 

「え、え? どうしたの連出堕くん!?」

 

 いきなり1人で叫んで立ち上がる俺に緑谷や耳郎達は驚いて引いてるようだった。傍から見たらそうだろうな。

 

「いや、すまねぇ。今連出堕本人と会話をしていたんだ。」

「そうか、連出堕は個性を通じて連出堕本人と会話出来るんだもんな。」

「レジェンド達は連出堕の指示に従うんだっけ?」

「ああ、その通りだ……」

 

 上鳴と耳郎の言葉に適当に相槌を打って、俺は連出堕との会話に戻る。レジェンド同士の会話は口に出さないとだが連出堕本人とレジェンドとの会話に関してはその限りでは無い…俺は無言で空を見つめて連出堕と会話する。まるでテレパシーの様な光景に周りのA組のクラスメイトが何人か顔を輝かせて興味津々だが…

 

 反対に俺の顔色は悪くなってきた。

 

 そして、連出堕との会話を終えて。俺は座席の背もたれに全体重を乗せる。

 

「連出堕くん…大丈夫?」

「連出堕は大丈夫だ。だがこのオクタビオ・シルバ自身はそうでも無いな。」

「な、何があったの?」

「なに…次の試合はとあるレジェンドに任せるってよ。」

 

 心配する緑谷に俺は素っ気なく答える。

 

「もしかして出番が無いからって落ち込んでるんでしょ!」

 

 耳郎はニヤつきながらいたずらっぽく聞いてくる。だがそんなしょうもない理由じゃない。確かに出番は無いのは確かだが…どうでもいい。

 

「いや…次の試合、下手すれば……………いや、何でもない。忘れてくれ」

 

「え!? そこまで言われたら気になるぜ!何があるんだよ!」

 

 これは言うべきじゃないかもな…尋ねてくる上鳴を無視して。俺は空を見つめる。

 ついさっき、連出堕に言われた指示。従うしか無いが…俺は次の試合に当たるまだ会話もしていない、親しくもない、名前もよく知らないB組の茨の女子生徒に同情した。

 

 

_________A P E X_________

 

 ~約1分程前~

 

「おい、連出堕。結局次の試合は誰にするんだ? ヒューズか? ブラッドハウンドか? それとも俺か?」

 

「次の試合は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レヴナント、君だよ。

 

 

「ッ!?」

「レヴナン…!?」

「嘘だろ……?」

「おお! お兄ちゃんなら安心だね!」

「はははっ! おいブラザー、勢い余って殺すんじゃねぇぞ! なーんてな!」

 

 レジェンド達が揃っている連出堕の個性によって出来たレジェンド達の為だけの空間。連出堕の一言で全レジェンドが一斉に空間の最後尾に鎮座する…その存在に目を向けた。

 その存在の選出に驚く者、狼狽える者、激励する者、茶化す者、賛成する者、反対する者、危惧する者。

 

 その存在…『人工の悪夢』は…口を開ける…否、口に当たる部分が少し動く。喋る訳でも無く…

 

フフフ…フファ…フハァゥフハハハハハハハハハァハハ!!!

 

 ただ、悪夢は笑った。

 それだけだった。

 




次回、塩崎茨VSレヴナント
流石に殺しは無しです。安心してください。
それと何気に連出堕くんの初台詞かな?

主人公連出堕の個性&設定。レジェンド達の個性&設定資料を書こうと思うんだけど欲しい?

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