レジェンズのヒーローアカデミア   作:HR-H HR-E

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準決勝。短め。オクタン視点から
タイトルはオクタンの「張り合い」を少し改変したもの。


No.12 そうだ!個性を使ってくれ、その方がおもしろい!

 あれから第2試合は全て終了、ベスト4が揃った。轟、連出堕、常闇、爆豪の4人だ。

 それはそうと席に戻ったらめちゃくちゃドン引きされた。

 仕方ねぇな。あんなもん見せられたらよ。

 

「お前…爆豪よりもヴィランだったぞアレ…」

 

 瀬呂がドン引きした様子で言ってくる。ああ、俺もヴィランだと思うぜ。

 

「俺は女の子に手を出せないから手加減したってのによ…」

 

 上鳴、それは絶対に嘘だろ。

 

「連出堕、お前…そういう趣味(リョナラー)だったのか…!?」

 

 違う…………待て、そういう趣味ってなんだ!?

 

「俺の顔色が悪かった理由が分かっただろ?」

 

 俺は席に腰掛けて、ため息を付く。全く酷い気分だったぜ。未成年の女の子の首を絞めて脅して恐怖に陥れるなんて…まるでキルリーダーになって浮かれた瞬間にクレーバーで頭を撃ち抜かれくらい不愉快だったぜ。

「連出堕くん、あの…骸骨の人の個性って一体? 塩崎さんは個性が使えなくなった様だけど…もしかして相澤先生の様な個性?」

 

 第1回戦で重傷になった緑谷がノートを片手に聞いてくる。よくこんな状況であんな奴の個性聞けるな。それほど勉強熱心なだけか。

 ……答えるの嫌だけど使った以上、こいつらには知る権利は当然あるし教える義務も俺達にはある。

 

「あいつの名前はレヴナント。個性名は決まってない。個性の詳細は…あー死に関する個性。」

「死に関する個性…?」

「ああ、あいつが塩崎に投擲した禍々しい球体は相手の個性因子を一時的に死なせる効果を持つ。だいたい20秒から30秒は個性が使えなくなるけどその後は問題無く普段通りに使える。」

 

 個性因子ってのは…なんかあれだ…人間が個性を使えるきっかけになる細胞だ。この細胞があるから人間は個性が使える。逆に個性がないやつはこの個性因子が無かったり極端に少ない。

 で、サイレンスはその個性因子って細胞を一時的に死なせる。

 

「もう1つ死に関する個性の応用としてあるんだが…詳細を話すとゲロ吐きそうだから大雑把に言うぞ」

「う、うん」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()。つまり死を回避出来る。自分自身にも他者にも。」

 

 その瞬間、俺の話が聞こえる範囲は凍りついた。

 轟も爆豪も驚愕の表情でこちらを見る。

 

「死を…」

「無かった事に…?」

「ああ、だが条件次第だ。そして死と言っても病気や寿命は回避できない。傷ついたりダメージによる死だけだ。」

 

 その条件ってのが…レヴナントが創り出すデストーテムってやつなんだが気持ち悪いから話したくない。

 そんな時、1つ隣の枠の席であるB組ヒーロー科の生徒が居る席に塩崎茨が現れる。目立った怪我は無かったが、ド悪党のヴィラン野郎に首を絞められたから念の為保健室で休んでいたそうだ。

 

「よう、塩崎だっけか。さっきの試合は悪かったな。レヴナントはああ見えて見た目以上に悪いやつで良い奴じゃないんだ。」

「そこ悪いやつじゃないんだ。とか言わないんだ…」

 

 事実だから仕方ないな。連出堕もレヴナントの踏み台にした事は申し訳ないと思っているそうだ。

 レヴナントと戦わせた事は申し訳ないとは思っていないようだがな…だが仕方ねぇ。いつかレヴナントの様なヴィランと戦うんだから…実際A組は既に差異はあるだろうがヴィランと対峙した。今のうちにヴィランと対峙出来たのは貴重だと思うぜ…

 

「気にしないで下さいませ。貴方は全力で挑んでくれた。例え悪しき悪魔であろうとも、それが貴方の個性なら私は悪いとは思いません。個性に罪はありませんので」

 

 塩崎は特に嫌悪感を全く出さず、むしろ敬意を込めて返してきた。良い奴だな。レヴナントの恐怖に最後まで屈しなかったし本当に15歳なのかこいつ?

 

ほう…ならばもう少し強く絞めても問題無さそうだったな…

「ああ! くっそ! 黙れレヴナント! おい連出堕、そいつ二度と喋らせるな!」

 

 突如、レヴナントの最悪な声が辺りに響き、何人か恐怖に怯える。俺はレヴナントを黙らせてさっさと席に着く。

 いくら自身の危険性を先にプロヒーローに伝える為とは言え、こいつはやっぱり間違ってるだろ…!誰も職場体験に呼ばないぞこんなヴィラン!

 

 

_________A P E X_________

 

 

 

 第3回戦、つまりは準決勝。

 

《さァー!行くぜ行くぜ! 準決! 轟焦凍VS連出堕苑葛!》

 

 ベスト4の戦いであり、轟VS連出堕と常闇VS爆豪。まずはその第1試合である轟対連出堕だった。

 今回連出堕はオクタンやパスファインダー、勿論レヴナントではなく。シアで来ていた。

 

(…確か…相手を痺れさせる個性だったか…?いや、個性も一時的に無効化させる効果もあったような…)

 

 USJ事件の時にヴィラン連合の黒霧に対してシアは常に優位に回っていた。その中で黒霧を逃がすまいと常に封じていたのは轟は近くに居たので見ていたが…思い返せば黒霧は個性が使えなくなって苛立っていたような気がする。

 あの個性がどんな個性なのかあくまで見た様子でしか情報が分からないが…

 何かホログラム的な空間を前方に広げてその中に入った物は痺れて個性が使えなくなる。

 そう轟は結論づけた。

 

「両者構えて!」

 

 ミッドナイトが鞭を振り上げると轟の目の色が変わり、シアは戦闘において意味の無さそうな構えを取る。

 

「轟さん…我々は本気で貴方に勝ちます。くれぐれも右だけで勝とう等と思わない様に…」

「ッ!」

 

「START!」

 

 瞬間、闘技場の半分…シアもとい連出堕が立っていた場所が全て氷で覆われた。瀬呂の時に見せた大きな凍結だ。しかし規模は瀬呂よりやや小さい。轟は凍結を使いすぎると身体が悴んで動きが鈍くなる。これで決着が着くならば良いが…付かなかったら動きが鈍くなるのは良くない…それを警戒して敢えて少し凍結を弱めた。

 

 シアこと連出堕は完全に氷の中で轟からは何も見えない。一見決着が付いた様に見えるが…

 

「まだだ…!」

 

我が名はブロスフゥンダル!!!

 

 膨大な氷を一撃で破壊し、ハンティングビースト状態のブラッドハウンドが現れる。ちなみに武器は流石に殺害しかねないので例え個性による武器であっても使用は自ら禁止した。

 つまりは素手で破壊したのだ。

 

 次の一手で右側をブラッドハウンドになった連出堕に向けようとするも、ブラッドハウンドのスピードはその動作を上回った。左手で轟の顔を右手で轟の炎の左側を掴み、そのまま地面へ思いっきり叩きつける。

 おおよそ人とは思えぬ獣のパワーで地面に叩きつけられた轟は地面をバウンドしながら場外へ跳んでいくが…右手が少しでも地面に触れた瞬間、跳ばされる方向に氷の壁を作って場外行きを回避する。

 だが安心する余裕も無い。轟の目の前に鋭い刃物…否、手刀が迫っていた。

 

「くっ…!」

 

 慌てて轟は左へ転がって回避すると先程まで轟が身体を預けていた氷に悪魔が深々と腕を突き刺していた。もし回避が遅れれば…あの氷ごと串刺しにされていた。

 しかしそれよりも…

 

我々は本気だと言ったはずだ。おい、皮付き。いつまでこだわっているつもりだ?

 

 目の前にレヴナントが居た

 

 先程からオクタンが悪態をついていたからもう体育祭では使わないと思っていたが…そんな事は無かった。それほどまでに連出堕は本気なのだ。

 それなのに轟は…

 

「エンデヴァーがなんだ? 左がなんだ? 個性がなんだ? お前の個性は母親のでもましてや父親のでも無い。お前の個性はお前の個性だ。そう深く考えるな。さもければ…死ぬぞ」

 

 レヴナントは轟へ飛びかかる。対して轟は未だに炎を使わずに右手から氷をレヴナントに差し向けて凍結させようとするも…レヴナントは腰から上を90゜綺麗に真横に折り曲げて氷を回避する。そして、轟の首と右手首を掴んで持ち上げる。

 レヴナントは身長が本当に高い。細かく測っては無いがなんとそのおおよその身長はだいたい200cm前後。つまりは2メートルである。

 対して轟は175cm程度。高い身長ではあるが、レヴナントに持ち上げられると足が地面につかない。

 

サイレンスウェーブ

 

 レヴナントの左手からサイレンスボムに流れていた禍々しい電力が少しずつ轟の右側を蝕んで行く。

 そして轟は右側に違和感を覚える。

 

「右から氷、左から炎。部分的に発動する個性ならその部分の個性因子だけ殺してしまえば良い。さて…お前は炎しか使えないがどうする?」

 

 レヴナントは塩崎の時のように轟の首を絞め付ける。そして塩崎よりも強い目でレヴナントを睨み付ける……が、どこかレヴナントでは無く別のものに対して怒りを抱き、強い目をしているようだった。恐らく左側…炎…エンデヴァーに対する憎しみがここでも出ているのだろう。

 

「言っておくが、私のサイレンスウェーブは無尽蔵だ。止まることは無い。お前が左を使うまで、一生このままだ。」

 

 轟は必死に右手で個性を発動させようとしたり、足でレヴナントを蹴るがどれも無意味。ただレヴナントの首を絞める力が少しずつ強くなるだけ。

 

「さあ…使え! 皮付き!」

 

「こ……」

 轟は左手でレヴナントの腕を掴む。そして炎を…

 

 

「降参だ…」

 

 出さなかった。

 

「勝者! 連出堕くん! 決勝進出!」

 ミッドナイトが鞭を振り下ろして勝者を宣言する。レヴナントは轟を無造作に放り投げ、そのまま控え室へと引き返す。後ろで轟が咳き込む声が聞こえるがレヴナントは一切振り返らない。また拍手が起こらないが気にしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの皮付き(緑谷)の様な事は我々には出来ないという事だな、連出堕」

 

 レヴナントは、控室に戻る際にそう連出堕に対して呟いた。

 

 君の力じゃないか!

 あの緑谷の言葉は轟を強くつき動かした…しかし、まだどこか…轟は引っかかっていた。それを取り外す役目を…生半可にヒーローに憧れた連出堕達が行おうとしたが。所詮に彼らには無理な事であった。

 

_________A P E X_________

 

 

 

 

《さァいよいよ決勝戦! この試合で1年の頂点が決まるぜ! 爆豪勝己VS連出堕苑葛!》

 

 轟の作り出した氷が撤去され、常闇と爆豪が準決勝を行うも個性の相性のせいか常闇が負けてしまった。相性が無ければ常闇に軍配が上がっていただろう。

 そして現在、闘技場に2人の男が立つ。爆豪とヒューズ。どちらも爆破に関する個性だ。

 

「両者構えて!」

 

 麗日、切島、常闇と確かな実力者ではあるものの大きくライバル視していた緑谷や轟と結局対決する事は適わなかった爆豪がその事に少し腹が立っている。だが、一方で部分的に何度か負けている連出堕を本気で叩き潰せるこの状況に少し爆豪は楽しみを抱いていた。

 特にあのヴィラン…レヴナント。あれを叩き潰せれば爆豪は文句無しの完膚なきまでの1位になれる。

 

 爆豪はおおよそヒーローとは思えないヴィランの様な笑みを浮かべて、ヒューズは余裕そうな表情で爆豪を見下す。どちらも傲慢不遜。

 

「START!!!」

 

 そんな中、雄英体育祭最終決戦が始まった。

 

 

 




サイレンスウェーブはレヴナントの左手からサイレンスの効果を流し続ける技です。触れている限り、30秒と言った制限無く相手の個性を無効化できますが離した瞬間個性無効化の効力は無くなります。

Q.これ触れ続けている限り個性因子を無力化出来るってこの場合なら葉隠といった異形系の個性にも触れ続けていたら少しずつ元に戻るのでは?
A.レヴナント「(唸り声)」

Q.つまり触れ続けていたら少しずつ葉隠の全裸が!裸!おっpが見えるって事ですよねーーーー!?!?
A.レヴナント「黙れ皮付き」

主人公連出堕の個性&設定。レジェンド達の個性&設定資料を書こうと思うんだけど欲しい?

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