レジェンズのヒーローアカデミア   作:HR-H HR-E

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本編始まります。オクタン視点でスタートです


No. DUO③ 予想外の襲撃

 

 不本意形ではあるが、レヴナントの姿に切り替わってる俺達を先頭に皆とオールマイトが居るであろうパーティ会場に向かう。だが…その途中で音による索敵を行っていた耳郎が不審な音を聞き付けたと警戒し、一時的に階段の途中で全員止まる。

 

「皮付き…何の音か分かるか?」

「…悲鳴、金属音…それに誰かが倒れる音!」

 

 その言葉に少しだけ表情が強ばる。やはり何かが変だ…!警備システムがパーティ参加者に襲いかかってるんじゃねぇか?

 緑谷は立ち上がり、悲鳴を上げた人達を助けようとパーティ会場の扉に近づき、扉を開けようとするが…レヴナントに止められる。

 

待て皮付き。今行くのは得策では無いな。」

 

 レヴナントは片手で緑谷の肩を掴むと耳郎の方に振り返る。

 

「皮付き、足音は何人分だ?」

「えっ、…え、ええっと…5人…だね…」

「心音は?」

「…沢山、少なくとも30人より上。」

「オールマイトの声は?」

「…聞こえない。というか誰も喋ってない。」

「30人以上居るのに歩いてるのは5人だけ、そして誰も喋らない。明らかに怪しい。考え無しに突っ込むのでは無く、様子見をするべきだな」

 

 その言葉に緑谷は納得したのか、扉から離れる。その間にレヴナントやメリッサ達は何か音以外で中を確認する方法は無いか考える…すると、メリッサが何かを思い出したかの様に言う。

 

「そういえば、パーティ会場には吹き抜けの天井があるわ、1つ上の階なら上からパーティ会場を見下ろせるかも」

「それだ」

 

 メリッサの提案に緑谷達は頷き、レヴナントも少しだけ考えてから頷く。

 

「念の為少数精鋭で行った方が良いかも知れねぇ、メリッサさんと緑谷に耳郎、障子に連出堕で良いんじゃねぇか?」

 

 轟が少数精鋭提案を出す。確かに、索敵と案内と戦闘が区分出来ているから悪くない。万が一にも絶対に対応出来るメンツだ。それにここに残るメンバーも轟と常闇に上鳴が居るからこっちも何か起こった時は絶対に大丈夫だろう。

 轟の言う通りのメンバーに別れて、引き続きレヴナントを先頭に階段を掛け上る。そしてパーティ会場の2つ上の階に付くと、扉を開けて室内にそっと侵入する。

 メリッサの言う通り、吹き抜けで2つ下のパーティ会場が見える…が…

 

予想していたよりも楽しそうな状況だな…フフハハ

「言ってる場合か…!」

 

 愉快そうな声を出しやがるレヴナントは無視して、俺達が下を見下ろすとそこには金属の様な拘束具を付けられたオールマイト含むプロヒーロー数名にドレスや正装を着た一般の方も居た。更にそれらを取り囲む様に目出し帽を付けて統一された暗い服に銃火器を持った男が数名立っていたり歩いていた。

 どう考えてもありゃヴィランだな。

 

「ヴィラン…!」

 状況は最悪。まさか…I・アイランドにヴィランがやってくるなんてな、しかもここは主要施設だぞ。

 

「…オールマイトとコンタクトを取ってみる、耳郎さん、イヤホンジャックでオールマイトの声が聞き取れる様にお願い。僕はオールマイトに気づいて貰える様にするから」

 携帯を取り出した緑谷はそう告げると、光の反射でオールマイトの目に光を当てる。すると、オールマイトは少しだけ顔を傾けてだが、こちらを見やり、驚いた表情をする。

 

「オールマイトが気づいた!耳郎さん、イケそう?」

「問題ないよ!」

 

 耳郎がイヤホンジャックを地面に突き刺し、オールマイトの声が聞き取れる様になる。耳郎が返事を聞くと、緑谷は吹き抜け下のオールマイトに向かってジェスチャーで小声で喋るように伝える。するとオールマイトに伝わったのか、オールマイトは小声で何かを地面に喋りかけ…耳郎がそれを全部聞き取った。本当に便利だな、一応シアで出来なくもないが、あいつは少し目立つからな。色々と。

 

 その後、オールマイトの声を聞き取った耳郎は少し焦った様子でオールマイトから聞いた状況を伝える。

 曰く、ヴィラン達がタワーを占拠、警備システムを掌握。この島の住民が全員人質でヒーローも捕らわれたとの事。だから逃げろ。

 その事を聞き、更に待機していた飯田達にも伝える。

 はっきり言うと…やべぇな。本当に詰みじゃねぇか。

「…俺は雄英教師であるオールマイトの言葉に従い、ここから脱出する事を提案する」

 皆が集まる中、飯田はそう提案し、近くの八百万もその意見に賛同した。しかし、ここはあのヒーロー殺しステインが投獄されているタルタロス程の警備システムを誇っている、外からは侵入は勿論、中からも出られない。

「じゃあヒーローが助けに来るまで待つしか無いか…」

 上鳴はそう気落ちし、落ち込んでいたが、そこで話を黙って聴いていた耳郎が立ち上がった。

「上鳴、それでいいわけ?」

「ど、どういう事だよ」

「助けに行こうとか思わないわけ?」

 

 いつもならこんな積極的な意見を言わない耳郎だが…きっと直接自分の目と耳で現場にて囚われる人質の怯える姿や声を聴いた為に彼女の正義感が燃え上がっているんだろうな。

 

『どうする…連出堕?』

「_________」

『そうか…まぁ、お前らしい意見だな…おい、レヴナント』

「聞こえていた…ふん、回りくどい奴だ。私が第二のヴィランに扮してヴィラン共に襲いかかればヴィラン共もヴィラン相手に人質を取るわけも無く、無様に立ち向かって死んでいったものを…そっちの方が単純で簡単だろう?

『ヴィランと言えど、殺しちゃダメだ。たった数ヶ月だが、雄英で習った事だ』

 

 こちらの意見は完全に纏まった。そしてどうやら、緑谷達もある程度意見は固まった様だな。峰田と上鳴が正気を疑う様な顔、八百万と飯田は責任感と心配で表情が少し歪んでるが…彼らも人質を助ける為に、何かしら行動を起こす事にしたようだな。

 

「…システムを元に戻せれば、人質やオールマイトが解放されて状況は一気に逆転するはず…」

「デクくん、行こう! 私達に出来る事があるのに、何もしないで居るのは嫌だ。そんなのヒーローになるならない以前の問題だと思う」

 

 覚悟を決めた麗日の表情と言葉に緑谷、耳郎、轟に常闇や障子も麗日の意見に同意し、立ち上がる。

 その後、飯田と八百万も危険と判断したらすぐに引き返す事を条件に頷き、賛同した。

「連出堕、あんたはどうするの?」

 

 耳郎が俺達に尋ねてくる。ここまで来て反対は無いだろうが…連出堕の意見をレヴナントが伝える。

 

「連出堕は何もせずに待機などするつもりはない…との事だ。つまり、貴様らの意見に賛同したという事だ。」

「分かった」

 

 レヴナントがぶっきらぼうに返答し、これで事実上峰田を除く全員が出来る限りの範囲でヒーローや人質を救出する作戦へと移行する。まあその後峰田も半泣きで作戦に加わったけどな。

 さて、肝心のシステムだが…こっちにはクリプトというハッキングにおいては公安すら出し抜ける可能性がある天才がいる。警備システムも取り返せるが…不測の事態を備えてメリッサも付いてくる様だ。正直、守るべきものが増えて動きづらくなる可能性があるから付いてきて欲しくないのが俺や連出堕の本音なのだが…決心したその瞳を見ると、どうも言いづらいな…

 結局、緑谷はメリッサと共に行くと言い、誰一人として文句は言わなかった。(レヴナントは文句言いかけたが、連出堕が止めた)

 

 

 

 

 

 

 十数分後…

 

 レヴナントからジブラルタルに代わり、一同の先頭として階段を登っていく。ジブラルタルの後ろには飯田と索敵要因の障子が続く。そして轟、八百万、耳郎と続いてく。

 索敵が2人も居る以上、連出堕がシアやブラッドハウンドになるメリットはあまり無ぇ。むしろ突然警備ロボットが飛び出して来て戦闘になる事を考慮して皆の壁になれるジブラルタルになっておいたって事だ。

 最後尾付近には後ろからの迎撃を任せられる常闇と緑谷…なのだが、流石にこの30階まで休まずずっと階段で登った為か最後尾には疲労した峰田とメリッサが居る。

「メリッサさん、最上階までは?」

「ハァ、ハァ…200階よ…」

『なっ!?』

「200階!?」

 メリッサの言葉にミラージュと上鳴はゲッと驚き、峰田は無言で絶望する。俺もびっくりだ。

 しかし、文句を言おうが絶望しようがしょうがない。これ以上にまともな道は存在しないからな。各階は封鎖され、エレベーターも使えない。この非常用階段で地道に登っていくしか方法は残されてないな。

 レイスのポータルを使おうが、せいぜい3階くらいしか楽が出来ない。ヴァルキリーは室内だから論外、ローバは1人用。

 俺達レジェンドは18人居るから疲労を大きく感じても切り変われば済む話だから俺達としては構わないがな。

 

 そう思いながら、40階、50階、60階と続いていき…80階付近となった。ここまで来るとほとんどの者がダウンしかける。ジブラルタルはご覧の通りの肉体派だから顔色何一つとして辛くなさそうだが…飯田や障子、緑谷と言ったA組の近距離型3人も辛い表情になっている。

 

「そろそろまずいな…まだ半分にも到達してないのに、厳しそうだぜ」

 

 ジブラルタルとしては全員抱えて運んでやりたいが、流石に無理がある。シェの姉貴のヒールドローンは疲労に対して効果が薄い、それに万が一の事を考慮してヒールドローンは取っておきたいしな。

 しかし…ここまで疲労が祟ると索敵も疎かになりそうだし戦闘時の際に本領発揮出来ない可能性があるな…

 後方を振り返りながらそう思う俺達だったが…そこで前を向き直るとなんと80階へ続く道がシャッターで閉ざされていた。

「おいおい冗談キツイぜブラザー」

 

 ここまで来ておいて行き止まりとは…とジブラルタルは言葉を零す。ちょうどその時に飯田達もシャッターの存在に気づく。

「どうする? 壊すか?」

 轟がそう言うが、飯田がその意見を否定する。

 

「危険だ。ここまで来ておいてシャッターを破壊なんてしたら警備ロボットが駆けつけて来るだろう」

『そうしたらヴィラン共にも気づかれるな…』

 まずい、ここまで来て道が閉ざされたか…!

 そこで、フロアへ通じる扉を見る。峰田がそれを開けようとしたので緑谷は間一髪で止めた…

 メリッサ曰くフロアへの扉を開けてもヴィランへバレるだろうと。

 

『フロアも駄目、階段も駄目…か…』

 

 どうする…?

 俺達レジェンドの中で会議が行われるが…どう足掻いてもバレる事は必須だ。ならばバレた上での最善策か…?

 飯田や八百万の要求を破る事になるかもしれんが…ここまで来たんだ、許してくれよ。

 とりあえず、俺達の中で出た意見と作戦でジブラルタルから俺に切り替わる。

「なあ、メリッサ……さん。聞きたいことがあるんだが、この80階は何の階だ?」

「え?し、植物プラント…個性による影響を受けた花や植物が飾られてる部屋よ」

「上から下へ通じるエレベーターはあるか?」

「…た、確かあるけど…で、でもエレベーターは認証を受けた人にしか動かせないわ。警備システムを操作してるヴィランが居る限り…」

 

 ほう、()()()()()()…ね。

 

「認証システムさえあれば動かせるんだな?」

「え、ええ…」

「連出堕君、何をする気だ…?」

 よし、思った通り。いや、思った以上にこちらに都合が良いな!

 実行するか…俺が立てた作戦を…!

 

 

 

 

 

 

 

 

『作戦を立てたのはお前じゃないぞ!』(クリプト)

 

 

 




これ実際の映画だと何階スタートか忘れましたけど少なくとも100階以上を非常階段だけで登りきってるんですよね、緑谷達。
肉体どうなってるの?
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