もう評価バーに色が付いてる…!
「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイトとそしてもう一人の先生の三人体制で見ることになった」
水曜日の午後の授業。皆、大好きなヒーロー基礎学の時間でオールマイトでは無く相澤担任がそう告げた。どうやら今日は人命救助訓練だそうだ。そして訓練を行うのはここでは無いらしくバスで移動、戦闘服の着用は自由だと。
あーまた問題が発生したな。でも人命救助訓練だと分かっているなら戦闘服を着る奴らは決まってる。シェのアネキことライフラインとパスファインダーの2人だ!
まずアネキには別の場所で戦闘服に着替えて貰って…その後パスファインダーで男子更衣室にて着替える。これで準備はOKだ。
シェのアネキの個性はヒール。ヒールドローンを召喚して対象の傷を癒すって個性だ。ただ、一日に瀕死の成人男性3人分を完治させるくらいしか癒せない。そして戦闘服を着用するとヒールドローンに医療用具等を持たせる事と癒してる際に前方に薄い壁を展開して敵の追撃を少しの間だけ免れる事が出来る!……これアネキの戦闘服じゃなくてヒールドローンの戦闘服じゃねぇか?
そしてパスファインダーの戦闘服は全身が特殊な氷で纏われている戦闘服だ。これはロボットの苦手な熱やオーバーヒートを無効化する役割と多少のダメージ軽減があるぜ。ちなみにパスファインダーは防水が大丈夫だから溶けても問題無し!溶け始めても轟に助けを求めるか!
「バスの席順でスムーズに行くように2列で並んでくれ!」
っと、飯田がホイッスルを鳴らしながら皆に指示を出しているな。流石委員長。仕事が早いな。
まぁ、その後バスは向かい合うタイプのバスだった上に自由席だったから2列で並んだ意味はまるでなかったがな。ドンマイだ飯田。
と言っても全部が向かい合うタイプでは無かったバスの後方はちゃんと並んで座るタイプだったからな。
俺はせっかくだからそっちに座った。隣は…常闇か。こいつは基本的に無口だから特に話す事無く終わる……かと思いきや突然ブラッドハウンドから変われと言われた。こいつ常闇と感性が似てんな。
「夜のヨルムンガンドを操りしレイヴンよ。そなたの個性を聞いてなかったな」
「…血の猟犬…!」
なんで和訳したんだ?
「自分とは別の人格を持つ生命体を宿す個性…実に興味深いのだ」
「…良いだろう。俺の個性は黒影。伸縮自在のダークシャドウという魔物をその身に宿し、戦闘、索敵、防御、運搬が出来る」
『ヨロシクッ!』
常闇の背中から鳥っぽい形をした真っ黒な影のようなモンスターが出てくる。喋れるのか…ブラッドハウンドの言う通り、なんか連出堕の個性に通ずる所があるな。
「我々はその手のエキスパートがそれぞれ居るが、そなたの個性は1人で汎用性が高く行動が出来る。良い個性だな」
「ふっ、感謝する」
やっぱり感性が似てんなこいつら。
数分後、バスが大きなドーム状の建物に到着した。どうやらここで人命救助訓練を行うらしいな。中に入りゃ、炎に水に岩に倒壊した建物に…なんだこりゃ?いや、恐らく色んな災害を再現したものなんだろうが…金かかってるな…流石雄英だぜ。
「すげぇ! USJみてぇだ!」
周りの環境を見て切島が歓喜の声を上げる。おいおい、USJって…著作権は大丈夫か?
「ここはあらゆる災害を想定して僕が作られた演習場です。その名も
完全に宇宙服みたいな戦闘服を着た雄英の先生でありスペースヒーロー13号がそう言いながらこの施設を説明した。おいおい、マジでUSJかよ最先端だな!ここで敢えてディズn
『シルバ、それ以上余計な事言うと口を縫い合わすよ』
おお、怖ぇ。
「それではまず皆さんに小言を1つ…2つ…3つ…4つ…」
おお、ミラージュみたいに小言が増えるな。
ただ小言と言っても13号先生が言ってる話はとても為になる話だったな。ああ、長くて話が半分抜け落ちちまったけどそれでも為になる話だったな。ようするに…あれだ。個性はその気になれば簡単に人を殺せる。だが個性は人を傷つける為ではなく人命を助けるものだと学んで帰って欲しいと言う話だったな。
感動的でいい話だ。俺達の所にいる毒ガス博士と殺人ふんどしロボットにぜひもっと聞いて欲しいもんだな。
13号先生の為になる話が終わった後、しばらく拍手喝采が続いたが俺達は演説を聞きに来た訳じゃない。すぐに各々が人命救助訓練を始める為に相澤担任が呼びかけようとしたが…
【気をつけて! 貴方達狙われているわ!】
「!」
突如俺の頭の中にレジェンドの1人であるレイスの個性の副次的能力である『虚空の声』が響き渡った。これは自分自身に危険が迫ってると自動的に危険を教えてくれるという便利なもの。そのおかげで俺は誰よりも早く身構え、辺りを警戒した。
「ん? おい、どうした連出堕……ッッ!」
その事を不思議に思った相澤担任が話しかけてくるが少し遅れて相澤担任も気づいた様だ。この大きな悪意に…
「全員一かたまりになって動くな! 13号! 生徒を守れ!」
相澤担任はすぐ様的確な指示を出し、USJにある噴水広場を睨みつける。そこには先程まで誰も居なかったはずだが…突然そこには黒いモヤが大きく広がっていた。そしてモヤからはカメレオンのような男、岩のような男、蜘蛛のような女等明らかにプロヒーローや一般の人間には見えない邪悪な姿をしており…更には脳みそが丸出しの巨漢、全身に手を装着した青年という一際異質な存在が現れた。
緑谷や飯田、切島達は何が何だか分からず間抜けな顔をしているが、そんな緑谷達に相澤は注意する。
「気をつけろ! あれはヴィランだ!」
本物のヴィラン、それに生徒は動揺する。そりゃそうだ。まさかプロヒーローやオールマイトが居る敵本拠地にいきなり突っ込んでくる馬鹿は居ない。だが…相澤担任や13号先生曰く、侵入者用センサーが反応してないとの事。つまり…センサーを無効化してきた。またはそういう個性を持っている奴らが居るかもって事だ。
「バカだがアホじゃねぇ」
轟はそう分析した。
その後、相澤担任は避難する様に指示を出した後1人でヴィランの大群に向かっていった。目で見た者の個性を抹消する個性だから個性に頼りきりのチンピラなんぞに負けるとは思えないから大丈夫だとは思うが…人の身の心配より自分の身の心配をした方が良いかもな。
何故なら13号先生の後に続いてUSJから脱出しようとしたら目の前に突然先程の黒いモヤが現れたからな。
こいつ、誰かの個性によるモヤかと思ったらこのモヤ自体が人間なのかよ!
「はじめまして、我々は敵連合。せんえつながら、この度ヒーローの巣窟である雄英高校に入らせて頂いたのは……平和の象徴であるオールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事です。」
オールマイトを…殺す!?
『何言ってんだ、無理に決まってんだろ』
モヤの丁寧な宣戦布告に対してのミラージュの言葉に俺も納得した。オールマイトはクソ強い。俺達レジェンドが18人がかりで襲いかかっても絶対に勝てないと断言出来る。だが…ここまで用意周到な奴らだ…何か手があるんだろうな。
そう考えているうちに爆豪と切島が黒いモヤに襲いかかるもモヤには何も効果を成してなかった。爆豪の爆発と切島の鋭利な攻撃を受けて無傷…?どうなってやがんだあいつの身体は…恐らくモヤを使ってあの大量のヴィランを連れてきたからポータルの個性?レイスみたいな感じか?
「散らして、嬲り殺す!」
すると突然、モヤはその黒いモヤを大きく広げてA組全員を取り込もうとする。散らす?どういう事は分からないがこのまま好き勝手されてたまるか!
「シア!」
『ベールを外します!』
俺は相手の心音を見極め、更にはマイクロドローンを操り、個性を一時的に遅延させる爆風を起こす個性を持つ男性、シアに切り替わった。
半透明的で電子的な衝撃波を黒いモヤの黄色い目らしき部分に撃ち放ち、黒いモヤを一時的に封じる。
「ぐっ…! 何が…! 個性が…!」
シアの個性により、黒いモヤは少しの間停止する。その為、モヤも辺りから晴れていたが…何人かはモヤの中に取り込まれてその場からいなくなっていた…
『散らす…おいシア!』
散らすという事はもしかしてここでは無い別のところに散らされたのでは無いかと思ってシアに心音を索敵して他の生徒の場所を知ろうとするも…
「静かにしてくださいシルバ…おかしい…心音が多すぎる…? イレイザーヘッドが居る場所以外にも複数の心音があります。明らかにここから居なくなった生徒分より多く居る…?」
『まさか他にもヴィランが!?』
10名ほど居なくなってるから10人分の心音を探せば良いだけかと思いきや。少なくともあと50人分の心音は聴こえたとシアは言っている。まさかまだ相澤担任のところ以外にもヴィランが潜んでいたのか?
【気をつけて! 貴方狙われているわ!】
そんな心音の発生源に集中していた為か、俺達は復活していた黒いモヤのモヤ攻撃に気づかなかった。
_________A P E X_________
「ここは…まだUSJの中ですか?」
『シア! とりあえず俺に変われ、いつでも逃げれるようにするぞ!』
「了解…」
黒いモヤに飲み込まれて、吐き出されたと思ったらどうやらUSJ内の別の場所に飛ばされた様だな。散らすってこういうことか…という事はその後は嬲り殺す…なるほど…シアが大量の心音を拾った理由はこれか。各地にヴィランを配置してその場にバラバラに生徒を送って生徒を嬲り殺すってか…舐められたものだな、おい。
周りを見渡すと明らかに顔や服装からからしてヴィランな奴らが15人くらいは居た。そして後ろには同じくあの黒いモヤに飛ばされて来たのか、八百万、耳郎、上鳴の3人が居る。助かるな、一般人なら邪魔だったがこの3人なら足でまといには絶対にならない。
「連出堕さん、大丈夫ですか?」
「ああ、問題ねぇ。だがこれからだな」
「おいおいおい! 多すぎんだろ! 敵!」
周りのヴィラン共は八百万や耳郎を見て肉欲を抱いたり、個性を使って自由に暴れられる事に楽しみを抱いたり、最高峰の高校に在籍する高学歴に逆恨みを果たせる事を心待ちにしていた様だな。
クズ共が…
「耳郎!」
「えっ、何!?」
「お前、訓練の時にその耳で索敵してたよな!? 頼めるか?」
「で、できるけど」
「なら、今から個性を使って敵味方関係無く視界を真っ白にするから索敵の一部は任せた!」
「え、真っ白…え?」
「頼んだぜ、お姫様!」
『はぁ……私をお姫様って呼ぶのはやめなさい。私は…
大砲よ』
シアとバンガロールが登場。オクタンは一時期バンガロールをお姫様と呼んでたけどなんででしょうね?