レジェンズのヒーローアカデミア   作:HR-H HR-E

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ローバのセリフ、「品定め」です。
今回は騎馬戦の前半戦です。


No.8 私達が釣り合うか見て見ましょう?

 第一種目の障害物競走は1位が緑谷、2位が轟、3位が爆豪、で俺が4位だった。緑谷が先頭に出てから轟と爆豪の追い上げが凄かった。追いつけなかったな。

 ちなみに予選順位は42位までが次の種目に参加出来るとよ。そしてA組、B組のヒーロー科40名は全員突破。残り2名はヒーロー科じゃない奴らだ。

 残った42名はまたグラウンドの真ん中に並ぶ。そして第一種目の時のようにミッドナイト先生が朝礼台の上に立ち、次の種目を紹介する

 

 

「さあ続いての種目はこちらよ! 騎馬戦!」

 

「騎馬戦?」

 

 不思議だな。あれは最低でも3人か4人の競技じゃないのか?

 

「1回戦の上位42人が2~4人が自由にチームを組んで騎馬を作る! そこで先程の第一種目の成績に合わせて1人1人にポイントを割り振らせて貰うわ。42位は5ポイント、41位は10ポイント、42位は15と、1順位上がる事に5ポイント刻みでその生徒の持ち点が増えていくわ!誰と組むかによってそのチームの合計点が変わる!」

 

 ほほう!それは面白いルールだな!という事は点数の高い奴らで徒党を組めば真っ先に狙われる…だから敢えて先の障害物競走でドベだった奴らと組んで点数を抑えるのもありか!

 

「そして第1位の緑谷くんに与えられるポイントは…1000万!」

 

「え?」

「は?」

 

 なん…なんだって?1000?1000万?まてよ?下から5ポイント刻みだよな?…どう考えても1000万にはならないぜミッドナイト先生!?

 

 思わず俺は緑谷の方を見る。すると皆同じ考えなのか皆、緑谷の方を向いていた。驚きだったり、哀れみだったり、ちょうど良いカモを見つけたと言わんばかりの視線など様々。

 実質、1位の緑谷の点数を狙えば確実に勝ち上がれるな。

 

 その後ミッドナイト先生から時間制限とポイントの獲得方法がハチマキ制、騎馬が崩れてもOK(しかし騎馬が崩れた状態で取ったハチマキポイントは無効)。崩し目的の攻撃はアウト(崩しじゃなければOK)。など説明を受けた。

 

「上位4チームのみが次の種目へ進めるわ! さあ! さっそくチーム決め…開始!」

 

 さっそくチーム決めが始まる。と言っても…もうミッドナイト先生の説明の最中にチームは決まっている後はその人が俺達に付いてきてくれるかだが…

 組む気は元から無いが念の為爆豪と轟を見ると、爆豪には切島。轟には八百万や上鳴が行っていた。おっと、八百万は俺の脳内の中で欲しかった選手だが取られちまったか。なら、残り2人を早く取りに行こう。

 そして俺は1人の男に話しかける。ブラッドハウンドに姿を変えてから。

 

「漆黒のヨルムンガンドを従えしものよ。共に行こう」

 

 連出堕の指示のもと、ブラッドハウンドは常闇踏陰に話しかける。ハッキリいってこいつの個性もだいぶ強い。攻撃、防御、索敵が出来る上に騎馬戦は最大4人なのにこいつのダークシャドウって言う個性があれば実質5人分のアドバンテージが出る。18人の個性があっても同時に使えない俺達と違ってこのルールの騎馬戦においては常闇踏陰は強い。

 

「血の猟犬よ。お前に俺達を扱えるか?」

「無論だ、我らはヴァルハラにおいて仲間と狩りを行う。共に戦う事に関しては誰にも負ける事は無い。」

「…いいだろう。よろしく頼む。」

 

 ブラッドハウンドと常闇は握手をする。交渉成立だ。よし、これで有望株は1人ゲットだ。そしてお目当てのもう1人は…おお、いたいた。

 やっぱりチームが組めていないな。そりゃ爆豪や轟と比べて個性を使っていないのに1位になっている。個性が分からなきゃ信用出来るか分からないからな。

 ブラッドハウンドから俺に切り替わり。話しかける。

 

「よぉ、緑谷。組もうぜ」

 

「れ、連出堕くん!? 良いの!?」

 

 緑谷と隣にいた麗日お茶子はまさかの他からのスカウトに驚く。まさか絶対に狙われるであろう1000万の緑谷に話しかけにくるお人好しが居たとは思わなかったのだ。麗日は多分そのお人好しの1人だな。

 

「おう、1000万をかっさらって勝つよりも最初から最後まで1000万を他の全てのチームから守りきった方が目立つしかっこいいだろ? それに奪うのではなく、護るのがヒーローの本質だ。だろ?」

「連出堕の言う通りだな。緑谷、俺もダークシャドウもお前を護る剣となり盾になろう」

 

「連出堕くん! 常闇くん! ありがとう…!」

 

 おいおい泣く事は無いだろ。別にお前の為じゃなくて目立つ為が第一の理由なんだからな。

 

「麗日は緑谷のチームなんだよな?」

「うん…デクくん。色々な人にライバル視されちゃって組む人おらんかったから…」

 

 ああ…飯田か。

 轟のチームを横目に見ると、そこには普段緑谷と仲が良いはずの飯田が居た。仲が良いからこそ超えたいんだろうな。悪くねぇ考えだ。

 さて、チームは終わったし…多分このチームの司令塔は緑谷と連出堕だろう。今のうちに緑谷に教えられるだけ個性を教えておこう___

 

「おっと、ごめんよ!」

 

突然、誰かと肩がぶつかる。振り向くと知らない奴だ。

顔立ちは良いけどそれ以外には特にこれと言った特徴の無い奴だな。多分普通科の奴か?

 

「すまない、中々チームが決まらなくて慌ててたんだ。本当にすまないね。」

 

知らない男子生徒は俺に謝った後にB組の生徒に話しかけていく。B組のさに話しかけてるって事はB組か?いや、チームが決まらなくて焦ってるって事は仲が良いやつが居ない普通科の奴か。

 

まぁ、いいか。とりあえず俺は緑谷にレジェンドの個性を伝える事にしようとしたが…もう試合開始が近いらしい。

 

 

 

 

 

 

「どうだ? コピー出来たか物間?」

「ああ、触れたよ。でも、ここから騎馬を作ったりハチマキが配られたりするから時間切れになっちゃうね…でも警戒心は薄そうだったから隙を見てもう一度試合中に触れるしか無いね」

「1000万の騎馬だぜ? 近づけるのか?」

「だったら触れるのは1000万が取られてからでも良い。とにかくあいつの個性をコピー出来れば良いからね。」

「とりあえずよ…今のうちに個性使ってみたらどうだ? どんな個性か使ってみようぜ!」

「ダメだ、姿と個性が変わる個性みたいだからここで使えば姿が変わった事で警戒される。ぶっつけ本番で使うよ。それに使えない個性だったり、スカだったりしたら使わずに他を触れれば良い。僕達は1000万を狙わない。狙うのは上位4チームだ、いいね?」

「「「おう!」」」

 

 

 

 

俺達のポイントは1000万500ポイントになった。

騎手は緑谷、騎馬は残りの3人だ。

 

そして今回も実況のプレゼント・マイクの合図と共に第二種目、騎馬戦は始まりを告げた。

 

「ま、やっぱりそうだよな。」

 

全騎馬が1000万を狙いにこっちに走ってきたのだ。もちろん、全員が1000万じゃなくてどさくさに紛れて他の騎馬のハチマキを取ろうとしてるんだろうけど…

 

「緑谷、どうする?」

「もちろん逃げの一手!」

 

流石にこの数を全員捌くのは無理がある。緑谷が逃走の意思を表明するととりあえず動こうとするが…足が動かない。

 

「え!? 沈んでる!?」

 

地面が沈んでいやがる。ただの地面なのに沼みてぇだ。こんな強い個性、A組には居ない…という事は…B組か

 

「あの人の個性か!」

 

知らない4人組の騎馬がこちらに近づいている。

 

「連出堕くん! ジェットで抜け出して!」

「了解だ、ヴァルキリー! 交代だ!」

『コピー。』

 

この時間の間に既にヴァルキリーのウルトは使える。ヴァルキリーのジェットパックから安全ベルトが現れ、ややアンバランスになるが、緑谷達3人をがっしりと掴むと…そのまま4人全員で沼から抜け出して上空へと高く飛び上がった。

 

おお、下々の奴ら慌ててるな。耳郎が個性のプラグを伸ばすが全く届かない。さてさて、ヴァルキリーは騎馬戦の想定されたエリアの上空から出ないように上空をゆっくりとぐるぐる回っている。このままやれば地面に着くまでは3分くらい稼げるだろう。制限時間15分の間の3分も安全に稼げるなら御の字だ。

 

 

「調子に乗ってんじゃねぇぞクソデク!!!」

 

っと思ってたがこんな上空でもこいつはお構い無しにやってきたな。

爆豪だ。

 

まさかの騎馬を置いて爆風でこんな上空まで1000万を取りにきやがった。残念ながらウルト中はヴァルキリーは何も出来ない。防御は常闇とダークシャドウに任せる形になるが。

 

「オラオラオラァ!!」

 

ダークシャドウが身を呈して爆豪の爆破から守ってくれているが、爆豪は一向に地面に落ちない。こいつ、攻撃と空中に維持する為の爆破を繰り返して落ちないぞ!化け物か!?

 

「緑谷、ダークシャドウがもう耐えられないぞ!」

 

常闇がそう緑谷へ告げる。騎馬戦が始まる前に少し常闇の個性を教えてもらったが、どうやらダークシャドウは光を食らうと小さくなり、気弱になり、更に攻撃力もかなり低下するそうだ。爆豪が爆破する毎に光が現れる為、ダークシャドウは爆豪の攻撃を食らう度に弱くなっていく。

 

「こうなったら…連出堕くん! 地上へ降りて!」

「コピー。」

 

3分くらい稼ごうとしたがこのままでは危険だと判断し、少し勿体ないが地面をすぐさま降りる事にした。ヴァルキリーは地上へ急降下した後にジェットパックの強さを弱めて地面へゆっくりと降り立つ。地面が一定距離近くなれば地面に脚を着くことが許されない爆豪は騎馬へと戻る。そして自由になったダークシャドウは地上へ着地する俺達へ襲いかかる他の騎馬へ牽制し始める…が…

 

『…!? フミカゲ! 何かオカシイ! 何か俺の中にイル!』

 

突然、常闇のダークシャドウが硬直したり動き始めたりを繰り返し、まるで自分のコントロールが出来ていないようだった。

 

「どうしたダークシャドウ!?」

「常闇くんどうしたの!?」

「分からない…ダークシャドウの様子がおかしい!」

 

暴走しているのかしていないのか分からないが動きが確実におかしくなったダークシャドウは周りの騎馬を追い払ったりはしてくれるが途中で静止したり、こっちに向かって襲いかかって来ようとして止まって他の騎馬へ向かったりとおかしくなっている。

 

とりあえず他の騎馬は近づいてこれないから常闇はダークシャドウの制御に集中しようとするが…そこで俺達はダークシャドウはただ一つの騎馬を牽制しない事に気づいた。そしてその騎馬が、真っ直ぐと…緑谷のハチマキでは無く、連出堕に向かっていた事に…

 

「借りるよ、君の個性。黒色、戻っておいで!」

 

先程の特徴の無いやつがヴァルキリーの肩に触れて、ハチマキも取らずに去っていった。

そしてその瞬間、ダークシャドウから黒色の人間が這い出て来た。

 

「え!?」

「え、何?」

「あいつの個性か!」

 

黒色の人間はダークシャドウから突然出現した後に特徴の無いやつの騎馬に戻り、騎馬を組み立てなおす。

おい、あれ何しに来たんだ?騎手ならともかく、騎馬が離れたらそれは騎馬が崩れている判定。つまりその状態でハチマキを取っても点数にならない…いや、だから緑谷のハチマキを取れたのに取らなかったんだろうが…ヴァルキリーに触れに来た…?そういえばあいつ俺にもぶつかってきたな…なんか借りるって言ってたが…

 

俺はふと麗日お茶子を見て、とんでもない予想をする。

 

「まさか借りるって!?」

 

麗日は触れた相手を無重力状態にする、触れた時に発動する個性。つまりあいつも似た個性である可能性がある。そして個性を借りるという言葉…相澤担任の様に個性に直接何かしらの影響を与える個性もある。

この2つから連想出来る言葉は、個性を奪う…だが1度あいつに触れられたけど個性は奪われていない…連出堕の個性じゃなくて俺の個性が奪われた?じゃあ今の2度目はヴァルキリーの個性を奪った?

 

『ヴァルキリー! 個性は!?』

「…問題無く使える、ジェットパックも動くよ? 奪う個性じゃないんじゃない?」

 

最悪の事を想定したがヴァルキリーは問題無く個性を使える。そして個性を通じて会話が出来るという事は連出堕の個性を奪われていない…つまり…あと借りるという言葉で想像出来るのは…

 

『真似る個性か!?』

「さっきからどうしたん連出堕くん?」

 

触れた相手の個性を使える個性…十分に有り得る。個性を封じる個性があるくらいだ。珍しいがこの雄英なら有り得る。そんな個性が居ても!

 

「個性を真似られたかもしれないってさ。私の個性か、連出堕の個性のどちらを真似られたかは分からないけど…私ならミサイルやジェットパック。連出堕なら…最高18人分の個性が使われる!」

 

「「「え!?」」」

 

ヴァルキリーが代わりに説明してくれたな。あのコピー野郎は俺達を無視して爆豪の騎馬へと向かっていく。どうやら1000万を狙う気は無いのか…もしくは爆豪の個性もコピーしに行ったのか。

どちらにせよあいつが今1番厄介な存在になりやがった!

 

『下等なモルモットが我々の個性を使うなど度し難いな』

『使った瞬間に殺してやるか…その時は変われ』

「な、なんか連出堕くんから凄い物騒な声が聞こえるんだけど…」

 

…今緑谷が恐れた2人の個性、人格を使えば最悪、死人が出る。コピーする個性なんて初めて見るから想像もした事も無いから連出堕の個性をもしも使ったらどうなるか分からない。頼む、ヴァルキリーであってくれ!

 

「さて、じゃあさっそく1位宣言しておきながら1位から程遠いヘドロ事件くんにこの個性を試してみるか。」

 

B組のコピーの個性を持つ、物間寧人はコピーによって手に入れた個性を発動させる。すると、物間寧人の姿形が変わり始める。

 

『最悪だ! 連出堕の個性だ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

爆豪の目の前にはダミー人形が現れた。

 

「あ?」(爆豪)

『え?』(オクタン)

「え?」(緑谷)

《え?》(プレゼント・マイク)

「「「え?」」」(回原、円場、黒色)

「………」(物間)

 

 

その瞬間、俺を含むレジェンド達はきっと人生の中で1番の大笑いをした。

 

『ハハハハハハッ! 見ろよクリプト! こいつぁ傑作だぜ! ハハハハハハハハ!!!』

『…集中しろ…ぷッ、笑ってる場合じゃ…ククッ無い…グフッ』

『凄い! ダミー人形だ! 連出堕くん以外が使うとこうなるんだね!』

『はっはっはっはっはっはっ。所詮ただのモルモットがレジェンドの力を扱うなど無理だったという事だ。しかし実に興味深いな』

『(笑い声)』

『(不気味な笑い声)』

 

くっそwwwあんだけ警戒させておいてダミー人形なんて有り得るかよ!こんな緊迫した空気感だったのによ!

見ろよ!爆豪も目の前にダミー人形を抱えた騎馬が現れて間抜けな顔を晒してるぜ!しかもしかも!あのコピー野郎、意識の存在しないダミー人形になっちまったから元に切り替えられないぜ!どんなに命令に順序なレジェンドでも意識が存在しないダミー人形は切り替わる事が出来ない、考えられないぜ!

何せ双方のレジェンドの合意と連出堕の認証が無いと俺達レジェンドはそう簡単に切り替わる事が出来ない!それがあいつには今出来ないからずっとダミー人形なんだ!

流石に一生ダミー人形は可哀想だから後で元に戻るの手伝ってやるよ。この試合が終わった後でな!ははっ!

 

「おいしっかりしろ物間!」

「何してんだ物間!」

「物間…起きろ…」

 

「…………」

 

 

 




これ普通にホラーですよね。
オクタン達は大爆笑してますけど、これ5分でコピーした個性が無くなる個性じゃなかったら、個性破壊とかでもしない限り一生ダミー人形ですよ。(イレイザーヘッドの抹消、レヴナントのサイレンスでも、切り替えや個性を使えないだけで本来の姿に戻る訳では無い。発動型と異形型の半々なので)

物間くんは5分間、誰も居ないレジェンドの控え部屋で1人で閉じ込められます。5分で元に戻るのは確定だから良いですけど、もしこのまま一生ダミー人形なんじゃないか?って少しでも思った瞬間、精神崩壊は免れませんね。
自分で書いててちょっと怖くなって来ました。こういう一生何も出来ない状態になるお話がなんだかんだ一番怖いですよね。
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