異世界に『APEX Legends』のレジェンドたちと共に転生してしまった   作:ユウキ003

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大変遅くなり申し訳ありませんでした。楽しんで頂ければ幸いです。


第4話

テッドの家を出た俺は、適当な路地裏で休むふりをしてブラッドハウンドたちに通信を繋げた。

 

『こちらレイ。ブラッドハウンド、ヴァルキリー、様子はどう?』

『こちらヴァルキリー、現在ブラッドハウンドと2人、怪しい奴を尾行中だ』

『ッ、怪しい奴?どんな奴?』

 

『見た目は一般市民を装っているが、恐らくは素人だな。あの男に集中しすぎているせいか、気配を殺し切れていない。我らのような狩人には、見つけてくれと言わんばかりだ』

『そう。今はどこに向かってる?』

『馬に乗って郊外の森林地帯へ向かっている。今私はヴァルキリーのアルティメットで共に空を舞い、追跡している』

『分かった。2人はその怪しい奴を引き続き追跡。何かわかったら連絡して』

『了解』

 

さて、あとは2人の追跡してる奴がどこに行くか、だな。とりあえずシアとミラージュにはテッドの家を引き続き監視して貰ってる。問題はヴァルキリー達の追ってる奴がどこへ行くかなんだけど。行き先が判明するまではどうしたもんか、と考えていると……。

 

『こちらジブラルタル。レイ、聞こえるか?』

不意にジブラルタルから通信が届いた。

 

『こちらレイ。兄貴?どうしたの?』

『すまないがちょっと屋敷に来てくれ。レイに客だ』

『え?俺に?』

 

何だろう?と思いつつ、俺は足早に屋敷へと戻った。テッドは上手く中に入れてもらい、今はライフラインたちが監視しているらしい。そしてロバートさんに案内されるまま、応接室へと向かった。

 

するとそこに居たのは……。

 

「ほぅ?あなたが私の宿主、と言う訳ですか」

 

「ッ!?な、何でお前がここにっ!?……『アッシュ』ッ!」

 

それは、俺がよく知る人物だった。

 

初めて彼女の姿を見たのは、エーペックスレジェンズより前の作品。そしてエーペックスと世界観を共有する、ゲームタイトル。タイタンフォール2の中でだ。彼女はキャンペーンの中で、主人公に敵対するボスキャラの1人として登場していた。

 

だが、アッシュは主人公に敗れたあと、紆余曲折を経てエーペックスの時代で復活。確か最近ではアリーナと呼ばれる3対3の戦いのアナウンサー的な事はしていたはずだが……。

 

「あなたが死んでも、物語(ゲーム)は続いている、という事ですよ」

「それはどうい、っ!?」

次の瞬間、俺の頭の中に何かが入り込んできた。突然の情報の流入に戸惑い、その場に膝をついてしまう。

 

やがて、数秒して、理解した。彼女の言う、ゲームが続いているっていうのは、俺の前世でエーペックスがまだ続いているって事。新たなプレイアブルキャラとして追加されたアッシュ。新武器としてタイタンフォールシリーズから追加された、『CAR SMG』。更にアッシュの詳細な経歴まで。

 

彼女は、ホライゾンをブラックホールへと落とした張本人、『アシュレイ・リード』が死にかけたために、機械の体へと精神を移し替えた。かつて、人であったレヴナントのように。彼女もまた、彼と同じ元人間のアンドロイド、シミュラクラムなんだ。現在は変化した記憶であるアッシュが、リード博士の人格を乗っ取る形で表に出てきている、という訳か。

 

そして、これらの情報はレジェンドにも共有されたらしい。何でかって?だって、部屋の隅でホライゾンが今にもウィングマンを抜いてアッシュにぶっぱなしそうな、鬼の形相だからだよ。

 

アッシュのオリジナルであるリード博士とホライゾンは因縁深い関係だ。それを仲間に迎え入れるのは、ホライゾンとしてはあまり許されないだろうけど……。

 

「アッシュ。お前は僕を宿主だって言ったな?」

「えぇ。我々はあなたを介してこの世界に存在しているような物。あなたが死ねば我々も消滅してしまいます」

「……だから宿主、か。俺とアッシュ、君の契約は既に為されているのか?」

「えぇ。それはもう」

「そうか。……だったら分かった。俺は君を受け入れよう」

「ッ!レイっ!こいつはっ!」

 

声を荒らげるホライゾン。しかしそれをジブラルタルが宥める。

   

「ただしっ!俺が宿主である以上、ある程度は力を貸してもらう。良いな?」

「構いません。どうせ、この世界では出来る事も限られていますから。では」

 

そう言うと、アッシュの体が粒子のようになり俺の中へと入り込んでくる。

 

「ちょっとレイッ!本気なのかいっ!そいつはっ!」

「……ごめんホライゾン。……君とアッシュの確執は、さっき俺も理解した。でも今は。やるべき事があるんだ。テッドの家族、妻子が危機に瀕しているんだ。そしてその命は、盗賊の気分次第で今すぐ殺されてしまうかもしれない」

「ッ」

 

ホライゾンは息をのみ、次いで沈痛な面持ちだ。彼女も家族を失う辛さを理解しているからだろう。

 

そんな彼女の肩に俺は手を置く。

「すまない。……時間が出来たら、アッシュとゆっくりケリをつければ良い。でも今はどうか、力を貸してくれ」

「……あぁ、了解だ。レイ」

 

ホライゾンは、真剣なまなざしで頷いた。アッシュの事を許してはいないし、いずれ決着をつけるつもりだろう。だが今は、命に危機に瀕している人たちがいる。そちらを優先すべきって事は分かって貰えたようだ。

 

さて、今後どうするか。一度屋敷に戻った事だし、と考えていると……。

 

『コンコンッ』

「失礼する」

ドアがノックされ、ロバートさんが入って来た。

 

「レイ殿、リランダ様とミレーヌ様があの男、テッドとやらに関してお話をしたいとの事です」

「分かりました」

 

確かに説明は必要か。って事で俺はロバートさんに案内され、2人の待つ部屋へとやってきた。そしてそこで、現状判明している事を説明した。

 

「妻子を人質に取り暗殺を強制した、と言うのですか?」

「なんて酷い事を……っ!」

険しい表情のリランダ様と、驚いた様子のセリーヌ様。

 

「こちらで保護して頂いたテッドの話が本当なら、と言う前提はつきますが」

「そうですね。……それで、レイ殿はあの男の話をどう思いますか?」

「残念ながら俺は人の心理に詳しくないので。傍目には本当の事を言っているようでした。が、それを見せかける事が出来る程の演技上手だとしたら、俺は欺されている可能性はあります。信じるも疑うも、半々と行った所ですね。信じ切るには危険で、かといって否定する証拠も無いのが現状です」

 

生憎俺は、前世は普通のサラリーマンだ。心理学のプロフェッショナルとは違う。テッドは自分の命を賭けるとは行ったが、それを完全に信用するほど俺も甘くはない。

 

「信じる証拠も、否定する証拠も無い、と言う訳ですね」

「はい。なので現在、俺の仲間のヴァルキリーとブラッドハウンドが、テッドの家の周辺に現れた怪しい男を追っています」

「そうですか。それで、その怪しい所はどちらへ?」

 

「えぇっと、少しお待ち下さい」

『ブラッドハウンド、聞こえる?』

『ん?どうした、レイ』

『今2人が追跡している男って、街から見てどの方角に向かってるか分かる?』

『あぁ。分かる。男は馬に乗って、街から北へ向かっている』

『北、か。ありがとうブラッドハウンド。そのまま監視を続けて』

『了解』

 

ブラッドハウンドとの通信を終え、改めてお二人の方へ目を向ける。

「仲間からの報告によれば、男は馬で北を目指しているそうです」

「ん?北へ?」

俺が報告すると、リランダ様が何かに気づいた様子だった。

 

「リランダ様?何か?」

「いえ。この街から北へ行くと、一軒だけ廃墟があったのを思い出しまして」

ッ!?廃墟だってっ!?それも一軒だけって……。隠れ家にぴったりじゃないかっ!

 

「すみませんっ、その辺りの話、もう少し詳しく教えて頂けますかっ!?」

「え?えぇ」

 

俺はすぐにリランダ様に説明を求めた。

 

「かつて、街の北に一軒だけ、商人の屋敷がありました。そこに住んでいたのは、人を疑ってばかりの商人でした。ですので、男に家族や友人と呼べる者はおりませんでした。そしてその男が病で倒れると、瞬く間に屋敷は誰も寄りつかない廃墟になったとか」

「その廃墟に、人が集まるような物はありますか?例えば、その商人が残したお金や貴重な物とかは?」

「それも無いでしょう。聞いた話では、男の死後、男の元で働いていた者達が相続人が居ないからと、勝手に持っていったと聞いています。ですので、人が欲しがるような物は、恐らくもう何も残っていないでしょう」

「では、誰かここ最近屋敷の様子を確認した人はいませんか?或いは、確認をしていそうな人は?」

「それも居ないでしょう。数年前に聞いた話では、もうボロボロで、人が住めるような場所ではないと」

 

「そうですか。……でも、それは逆に、盗賊達にとって絶好の隠れ家、って事か」

「あっ!」

俺の声にセリーヌ様が声を上げる。どうやら彼女も察した様子だ。

 

「もしかして、その廃墟にあの人の妻子がっ!?」

「その可能性は十分にありますね。リランダ様。その屋敷までの距離ってどれくらいですか?」

「えぇっと。人の足だと半日以上。馬なら、飛ばせば1時間。ゆっくりでも2時間と少し、と言った位だったかしら?」

「成程。だったら監視役の拠点としては近すぎず、かといって遠すぎず。それに人の目も引きにくい。隠れ家としては理想的ですね」

「じゃあ、やっぱりそこが盗賊と監視役のアジトなのでしょうか?」

 

「いえ。だからといって断定するのは危険です」

俺はセリーヌ様の言葉をそう言って否定する。

「そう思わせるための、表向きのアジトという可能性もあります。それに今最優先するべきは、黒幕の手先の捕縛とテッドの家族の救出です。今は、ブラッドハウンドとヴァルキリーの報告を待つしかありません」

何事にも慎重に。思い込みは危険だ。

 

だからこそ俺は慎重な意見を言ったのだが……。

「レイ様は、何というか、慎重な方なのですね」

そこに聞こえたセリーヌ様の声。

 

「……まぁ、人命が掛かってますからね。相手に気取られた時点で、テッドの妻子に危険が及ぶ可能性もあります」

 

人によっては臆病と取るかもしれないが、現実はゲームほど甘くない。それに、蛮勇は時に死をもたらす。

 

ゲームのエーペックスでも同じ事。如何に強い武器を持っていても、バカみたいに突進して勝てる程、PvPは甘くない。ましてや、上位者ほどの腕前の無い俺が、正面から撃ち合って勝てる確率なんて高がしれてる。

 

実戦でもそれは同じ。まして今回は他人の命が掛かってる。慎重な索敵と計画が必要だ。それに、俺自身はレジェンド達のように特殊な武器やアビリティがある訳でもないし。

 

などと考えていると……。

 

「ねぇ、レイさん」

「え?はい」

リランダ様から声が掛かった。

 

「こんな時に言うのもあれだけど、あなた。私達に仕えてみる気はない?」

「は?え?」

突然の発言に俺は戸惑った。

 

「それは、どう言う意味でしょうか?」

「そのままの意味です。レイさん自身の観察眼もそうですが、あなたが従える仲間の力もまた強大で、そして超常の物。現に毒の存在を見抜き、私を助けてくれた。更には孫娘まで助けて頂いて。……それに私ももう歳なのかしらね。孫娘であるセリーヌの事が心配になる時があるの。だから、あなたには私とセリーヌの警護として働いて貰えたら。そう思っただけの事です」

 

そう言って微笑むミランダ様。

 

うぅむ。そう言って頂けるのは正直嬉しい。が……。

 

「正直、今すぐその事に返事を返す事は出来ません。何せ俺は今日、冒険者になるために村を出た身です。まして俺は、力を持とうともまだ村の外を何も知らない世間知らず。その、いきなりすぎて、どう返事をして良いか」

流石に返事に困る。

 

俺は冒険者になりたくて村を出た。お誘いはありがたい。だが、それではこの世界を旅したいと言う俺の夢は、もうここで終わる事になるかもしれないのだから。

 

「ふふっ。そうね。ごめんなさい。意地悪なお願いでしたね。……でもどうか忘れないで欲しいの。レイさん。あなたの力はとても強大で、そしてそれは同時に、多くの人を守れる力だと、私は思います」

「ありがとう、ございます。レジェンド達にも、そう伝えておきます」

 

そう言って俺は頭を下げ、部屋を後にした。

 

で、レジェンド達が待機してる部屋に行ってその話をすると、皆盛り上がった。

 

「何だよレイっ!断っちまったのかっ!?もったいないっ!」

「あのねぇジブ。俺は冒険者になるために村を出たんだよ?ここで決まった職についちゃったら、世界を冒険出来ないじゃないか」

「そりゃそうかっ!まっ、決めるのはお前だレイ。俺達はお前の選択に従うぜ」

そう言って豪快に笑うジブラルタル。

 

と、そんなこんなに話をしていると……。

 

≪こちらヴァルキリー、皆ぁ聞こえるか?≫

偵察に出ているヴァルキリーから全員に通信が飛んできた。途端に、俺達皆が表情を引き締めた。

 

「こちらレイ。聞こえてるよ?どうぞ」

≪あの怪しい奴を尾行してたが、たどり着いたぜ。どっかの廃屋だ。街から北に、大体1時間半って所か≫

「廃墟。やっぱりか?」

≪ん?どうした?≫

「あぁいや。リランダ様から、北に少し行った所に廃墟があるってついさっき聞いたから。もしかしたらと思ったけど、そこが敵の根城みたいだね。敵の数とかは分かる?」

 

≪ちょっと待ってな。今ブラッドハウンドが偵察に、ってちょっと待て。戻ってきた。今代わる≫

≪こちらブラッドハウンド。皆、聞こえるか?≫

「うん。聞こえてるよ。状況は?」

 

≪あくまでも外から偵察しただけなので、詳しい事は言えない。だが、少なくとも我々が追っていた男とは別に、盗賊と思われる男が最低でも5人。更に連中のやり取りから何者かを廃墟内部に捕えている可能性がある≫

 

「普通に考えれば、そこにいるのが妻子と考えるべき、か。2人が追っていった男は?」

≪今の所、廃墟を出て行こうとする様子は無い。何か話し合っているみたいだが……≫

 

敵に動きはない。今なら逃げられる前に捕えられる、か?……こんなチャンスが再び来るか分からない。ここは、やるしかないか。

 

≪Aチーム各員へ。今すぐ皆俺の中に戻ってくれ。ただしブラッドハウンドは廃墟の傍で連中の様子を監視。何か動きがあったら俺にすぐ連絡して≫

≪分かった≫

 

「それと、ジブラルタル以下Bチームは引き続き邸宅の護衛を。俺はヴァルキリーが戻り次第、スカイハイダイブで廃墟へと向かう。可能なら敵を全員捕えた上でテッドの家族を救助する」

「了解したぜブラザー。こっちは任せろ。それに、俺の方からあの領主のばあさん達に言っとくぜ」

「頼むよ」

 

と、話している内にヴァルキリー達の存在が俺の中に戻ってくるのを感じる。

 

俺は足早に邸宅の外へと向かう。そして、屋敷の庭に立つとすぐ隣にヴァルキリーが現れる。

 

「ヴァルキリー、行くよ」

「あいよっ!」

 

次の瞬間、ヴァルキリーの背中のスラスターが唸りを上げる。俺は自分のジェットパックからワイヤーを接続しようとした。その時。

 

「レイ様っ!」

屋敷の中からジブラルタルと一緒にセリーヌ様やリランダ様、更にテッドやロバートさん達まで現れた。

 

でも時間が無いから、多くを語ってる暇はない。

 

「テッドの家族が捕らわれていると思わしき場所を発見しました。これから現地へ飛び、敵を制圧し、彼の家族を救出してきます」

 

そう言って俺はワイヤーを繋ぐ。すると……。

 

「レイ様っ!」

 

再びセリーヌ様の声が聞こえてきた。

 

「どうか、ご武運を」

 

心配そうに見つめる彼女に、俺は笑みを浮かべ、サムズアップしながら答える。

 

「行ってきますっ」

 

「よっしゃっ!ヴァルキリー発進っ!!!」

 

次の瞬間、俺を伴ってヴァルキリーが凄まじい勢いで上昇していく。そして最高点まで到達した直後、俺は彼女と一緒に北を目指して飛んでいった。

 

 

その後、数回の着地と再度のスカイハイダイブを繰り返しながら俺とヴァルキリーは廃墟からほど近い場所に着陸した。そして彼女と共にブラッドハウンドと合流するべく急ぎ足で移動する。

 

ブラッドハウンドの弟子として、夜の狩りの経験もあって夜中の山歩きも馴れた物。そうこうしている内に、ブラッドハウンドと廃墟の傍で合流出来た。

 

邸宅だった建物は、確かに廃墟だった。壁には蔦が這い、窓ガラスは完全に割れ、窓も取れている。一部に至っては崩落している。もう何年も人の手が入っていないのは明白だ。

 

だが、場違いな存在が廃墟の前に停まっている。馬、それに馬車だ。一頭の馬と、馬2頭を繋いだ馬車がある。それに部屋の一つの中から、明かりが見える。盗賊連中はあそこか?

 

「ブラッドハウンド、状況は?」

「先ほどと変わらない。我々が尾行していた男は、今も中だ。時折声が聞こえるが、どうやら報酬についての再確認と、もし暗殺が成功した場合の妻子についてだ。……詳しくは聞き取れないが、どうやらその事で少々揉めているようだ」

「で、話し合いは?」

「まだ続いているようだな」

 

成程。だが、連中がまだ中に居るのなら好都合だ。

「Aチームの皆、出て来て」

 

俺がそう言って促すと、すぐさま周囲にクリプト、シア、パスファインダー、レイス、オクタン、ミラージュ、レヴナントが現れる。

 

これで、ここに居るのは俺を含めて10人。丁度良い。

「クリプト、ドローンで慎重に屋敷の周囲を索敵。中には入れそうな場所を探して」

「了解」

 

すぐさまクリプトがドローンを放ち、周囲を索敵する。数分後。

 

「見つけたぞ。表の玄関は使用可能。更に裏手に、裏口があった。どちらも使用は可能だな。それと、扉にトラップらしき細工は無かった」

「了解。だったら、この10人を更に5人の二チームに分けて、一気に突入。敵の拘束と要救助者の保護をする」

 

「了解了解。んで、チーム分けは?」

「第1チームは俺、ヴァルキリー、シア、レヴナント、オクタン。第2チームはクリプト、パスファインダー、レイス、ブラッドハウンド、ミラージュ。第1チームは表玄関から。第2チームは裏口から。繰り返すけど、最優先目標は重要人物の確保及びテッドの妻子の保護だ」

 

『『『『『コクンッ』』』』』

皆が俺の言葉に頷く。

 

「それと各自、これだけは行っておく。敵の中に、黒幕に通じる重要人物がいる。そいつを殺さないために、まずは手足を撃ち抜くなどして無力化に努めてくれ。それと同時に、今の俺達には2人の人間の命が掛かってる。……中でも1人は子供だ。黒幕の下らない思惑のせいで、命を落として良い存在じゃない。だからこそ、皆の力を、その子と母親のために貸してくれ。『伝説(レジェンド)』と呼ばれる皆の力を」

 

「……そうだな。やってやるさ」

俺の言葉にクリプトが頷く。更にレヴナント以外も、皆静かに頷く。レヴは何も言わない。が、彼の場合反論や皮肉が無ければ大体肯定と捉えて良い。

 

「よし。じゃあ、作戦開始だ」

 

 

俺達は静かに、全員がP2020装備のままそれぞれの突入口へと向かった。

 

P2020以外の武器だと、威力も高いから貫通などして思わず誰かを殺してしまうかもしれない。だから皆にこれを持たせた。

 

 

俺と第1チームは玄関に近づく。そして近づき、扉の傍で俺はP2020の薬室に初弾を装填する。他の皆もだ。

 

≪こちらレイ、第1チームは突入準備OK≫

≪こちらクリプト。レイ、こっちも準備OKだ≫

 

これで用意は出来た。気分はまるでFBIかSWATだが、油断は出来ない。なにせ、人命が掛かってるからな。

 

「オクタン、最初は頼むよ」

「あぁ任せろ。ドアを蹴り破ってやるぜ」

ドアを挟んだ反対側のオクタンが小声で頷く。

 

≪クリプト、それに皆も。3、2、1のタイミングで突入する。各自、用意して≫

 

準備は整った。俺は気分を落ち着けようと一度深呼吸をする。そして……。

 

≪じゃあ、行くぞ。3、2、1っ!≫

 

「Goッ!!!!」

 

『『バガンッ!!!!』』

 

オクタンがドアを蹴破り、裏口からもドアを蹴破る音が聞こえる。

 

そして俺達は、暗い屋敷の中へと飛び込んでいった。

 

 

     第4話 END




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