東京都府中にある撮影スタジオ。
そこでは白い勝負服に身を包んだオグリキャップが写真を撮られていた。だが、2つ…今までのオグリキャップと異なる点があったのだ。それはオグリキャップは今まで髪をポニーテールにしてたが、ポニーテールを辞めて下に髪を下ろしている。そしてもう1つは額に着けた髪飾りだ。この髪飾りはオグリキャップの母親が現役時代に着けていた物で、オグリの重賞初勝利を御祝いしてか母親が送ってくれた物だったのだ。
「オグリキャップさん、髪飾り似合ってますよ!!」
「勝負服も似合ってますね」
今日、オグリキャップが此処に居る訳はトゥインクルシーズンの記事が掲載される雑誌 別冊トゥインクルの取材と勝負服公開の為だ。オグリキャップは既にG1レースであり、クラシック戦線の第1皐月賞と第2日本ダービーに出走が決まっている。選ばれた18人の1人であり、他の同級生は未だ審査中と抽選待ち故に既に決まっているオグリキャップだけ一先ず取材を受けたのだ。
「オグリキャップさん。意気込みをお願いします!!」
「見ていてくれ…だが、レースは始まってから終わるまで何が起こるか分からない。だけど、芦毛初の三冠馬を目指してみるさ」
オグリキャップは今までレースを5回走っている。その内、オグリキャップはデビュー戦で2着だったのでシンボリルドルフと同じ無敗の三冠馬は目指せない。だが、それでも三冠馬は目指せるし…メディアもオグリキャップの三冠馬は確実と大々的に報道している。この期待に応えるためにも、是非とも頑張りたい物だ。
そしてセントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン。彼女達は全員、芦毛ではない。オグリキャップが三冠馬に成れば彼女は芦毛初の三冠馬となり歴史に名前を刻むだろう。そして、オグリキャップが三冠馬と成ればミスターシービー以来となるチームリギル以外からの三冠馬の誕生だ。と言うのも、ここ最近は三冠馬もトリプルティアラもチームリギルが独占状態だ。
そのリギルからはサイレンススズカという少女がクラシックに参戦するという情報が有るが、オグリキャップは勝てるのだろうか?
「……花さん。スズカさんの才能を潰すつもりですか?彼女、昔の私と同じですよ?最初からドーンと行く感じの選手何ですけどね。沖野さんと相談しましょうか、これはリギルの理論より沖野さんや私のように選手に合わせる練習の方が伸びますよ。いや、彼女は純粋に先頭を走るのが好きだから沖野さんの放任主義向きですね」
翌日。スポーツ新聞をカフェテリアで読んでいたたづなさん。たづなが本名であるトキノミノルとして現役バリバリの中学生だった頃、カフェテリアは無かったが時代の流れは嬉しいものだ。
牛乳…トキノミノルが中学生だった頃のチームメイトである先輩 テンポイントの影響か飲むように成った飲み物を飲みながら、新聞を捲る。
「たづなちゃん!!おはよう」
と噂をすればゴールドシップ専属トレーナーと成ってしまったチームスピカのトレーナーこと沖野がやって来た。たづなも沖野も教員免許は持っているが、トレセン学園の教師ではなくトレーナーなので生徒が授業を受けている間は暇なのだ。
まあ、でもたづなはこの暇な時間を利用してトレーニングを行っている場合が有るが。
「あら、沖野さん」
「たづなちゃん……ちょっとお願いが有るんだが、今日から暫く…一緒にトレーニングしてくれないか?ゴルシの良い影響が有ると思うんだ」
まさかの沖野からのお願い。それはチームスピカただ1人の部員であるゴールドシップの為に、チームスピカ(実質ゴルシ)とチームオリオンの合同練習の御誘いである。チームメンバーが多少居るオリオンは兎も角、スピカはゴルシだけ。毎日、単独練習ばかりだ。練習は単独でやるより、複数人で行った方が楽しいし効率が良いのだ。
「私は良いですよ」
「いよっしゃー!!」
だが、沖野は未だ知らない。
放課後。
「えー、皆さん。今日から暫くチームスピカの御二人が一緒にトレーニングを行います。仲良くしてくださいね」
「今日からゴルシちゃんが共に走るぜ!!宜しくな!!」
「ゴルシのトレーナーの沖野だ。分からない事が有れば、俺にも聞いてくれよ?力に成るぜ?」
さっそく、チームスピカのコンビがチームオリオンに合流。
「では…折角なので、本日は2人以上のペアに別れて練習しましょう。
私はタキオンさんとペアを組み、中距離のスピード練習を行います。バクシンオーさんはキングさんと組んでマイルのスピード練。ディープ君、オグリさんはゴールドシップさんと一緒に3000mのペース走をお願いします。
タキオンさんのタイムは私が並走しながら測ります。バクシンオーさんとキングさんのタイムはベルノさん、お願いします。3000mペース走のタイムは沖野さんが測ってください。では、今日も1日怪我の無いように」
「「「はい!!」」」
「まかせまえ」
だがチームスピカが練習に合流すると言っても、スピカは練習に参加してもらってる感じなので主導権はオリオンのトレーナーであるたづなが握っている。
「「統率すげぇな…」」
3000mのペース走。500mラップを決められたタイム以内に走ることを目標に3000mを走る練習であり、筋持久力とスピード…どちらも鍛えることが出来る。
「2000mを通過。ペースは落ちてないな、良いぞ。しかしたづなちゃんは見かけによらず…厳しそうだな。
ゴルシならこのペースは普通だが、俺が見た感じオグリキャップは2500迄が強いと見ている。だが、たづなちゃんの教えか…スピードを維持してる。これは本当に三冠馬行けるんじゃないのか?」
スピードウオッチを見ながらラップタイムを計測しつつ、ゴルシとオグリキャップそしてディープインパクトの練習を見守る沖野。G1ウマ娘であるゴールドシップは余裕そうだが、オグリキャップは兎も角して未だ中学一年生のディープインパクトが同じメニューをこなせるのは凄い事だ。沖野はディープインパクトの評価を改めようとした時だった。
「む?」
沖野はディープインパクトの足元を見る。ディープインパクトはオグリキャップやゴールドシップと比べて、普通のウマ娘と違って明らかに走り方…反発が異常だった。
「……なんだ…なんなんだ!?あの反発は!?あのピッチは!?」
ディープインパクトは他のウマ娘と違い、地面に足の裏が着いている時間が殆ど無い。設置した瞬間に、人外染みたバネの力で反発を用いて翔んでいるのだ。そして全身のしなやか過ぎる間接の柔らかさが産み出した股関節の可動域、そしてたづなの指導の元で鍛えたインナーマッスルを用いたピッチの回転。この3つを使うことで、体格以上のストライド、人外染みたバネの反発、インナーマッスルがもたらす高速ピッチ。この3つが合わさって…正に翔ぶような走りを体現してたのだ。しかも、オグリキャップは少し呼吸が乱れてきたが、ディープインパクトは1ミリも呼吸が乱れていない。
「どうなってんだ!?あの少年は!?」
「あら?気付きました?」
たづなの声が聞こえ、沖野の隣にたづなが現れる。スピード練習の為か、もう終わったのだろう。その隣では怪しげなドリンクを持つアグネスタキオンが笑みを浮かべて立っていた。
「たづなちゃん…君はディープインパクトの素質に気付いてたのか!?」
「彼の事は良く知ってますよ。あの子が産まれる前からね。
ディープ君!!オグリさん!!ラスト1キロは好きにしなさい!!」
たづなが大声で言うと…ディープインパクトとオグリキャップは加速する。だが、オグリは未だ練習でしか長距離は走れていない。オグリの専門はマイルから中距離だ、それ故か距離が長いと未だ力を発揮できない。
だが、ディープインパクトは違う。彼は距離が長ければ長い程、力を発揮する(限度有り)。ディープインパクトは他のウマ娘を凌駕する肺活量を誇り、それが産み出す馬鹿げたエネルギー生産能力が有るのだ。
「産まれる前から?」
「あの子の真実を知ってるのは…あの子の御家族。私、テンポイント先輩、ミスターシービーことミスターちゃん。ミスターちゃんの
3000mを走りきったゴルシ、オグリキャップ、ディープインパクト。だが、ディープインパクトは2人と違って呼吸が乱れていない。
「待てよ?あの顔立ち………そうだ、間違いない。目つきが鋭くないから気付かなかった。彼の父親は…」
沖野が導きだした答えを紡ごうとした時、タキオンが何かを差し出す。それはタキオンがプロテインシェイカーに淹れた緑色のドリンクだ。
「私が調合した栄養ドリンクだ。身体に良いぞ」
「そうか…頂き……げぼまず!?」
そのドリンクを飲んだ沖野は一撃で倒れてしまった。そのドリンクはタキオン汁GT。ケール、蜂の子、まむしパウダー、ミドリムシパウダーを混ぜ混ぜした栄養ドリンクである。
そして…
「ディープ、オグリ…飲みたまえ」
「「やだ」」
「ふむ……ではゴールドシップ」
アグネスタキオンはタキオン汁GTをゴールドシップに手渡す。
「くれるのか?頂きまーす!!」
だが、ゴルシはタキオン汁GTを一気に飲み干し、ニヤリと笑みを浮かべてしまった。
「美味いな!!もう1杯!!」
そしてタキオンは誓う。何時の日か、ゴールドシップをギャフンと言わせるタキオン汁を作ることを。
次回……ミスターシービー登場!?此処ではアニメと違って出番あり
「三冠馬に成ってから…思うようにレースに勝てない」
先輩の娘をトキノミノルはどうする!?
ディープインパクトの姉…どうする?
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フジキセキ
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サイレンススズカ
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ブラックタイド(キタちゃんが妹ポジ)
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スペちゃん
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一人っ子