この素晴らしいPaBに祝福を   作:パンナコッタ伯爵

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プロローグ

俺の名前は佐藤カズマ。

三年間引きこも…、自由な生活を謳歌していたのだが、自由には責任が伴うというものらしい。

 

 

俺は・・・

 

18年生まれ育った家を追い出された。

 

 

母さん、父さん…今まで本当にありがとう。

こんな俺を三年間見限らずに見守ってくれてありがとう。

俺、決めたよ。きっと生まれ変わって、母さん達に恩返しをするよ。

神様…どうか、俺に祝福を・・・

 

 

 

 

 

家を追い出された俺は従姉妹を頼って海沿いの町へとやってきた。

海なんて見るのはいつ以来だろうか…

聞こえて来る潮騒と照りつける陽射し、正直長年引きこもってきた俺には辛いものがある。お家に帰りたい…。

 

でも、俺は今後こそ生まれ変わるって決意したんだ!

まだ挫けるには早いだろ!そう、俺は変わってみせる!

今までとは全く違う環境で…俺は…どんな出会いをするのだろう!!!

 

 

 

「アウトォ!」「セーフゥ!」

 

 

 

目の前に広がる地獄絵図を目の当たりにして扉を閉ざしてしまった俺は悪くないと思う。

 

 

 

 

 


俺の名前は佐藤カズマ。18歳。彼女はいない。

三年間引きこもっていた俺を心配した両親は俺の将来を心配して電車で三駅離れた、従姉妹が住む「Grand Blue」というダイビングショップで居候するよう手配してくれた。そればかりか初めは色々と入用だろうと30万円もの大金を渡してくれた。

今日から俺の一年間勉強し、高卒認定試験を受けて近くの大学を受験するという更生計画が始まる。

これからも辛いことはあるだろう。だけど、それ以上に新しい人々との出会いや素晴らしい体験が俺を待っているはず!

 

よし、落ち着いた。

さっきのは夢だ。白昼夢ってやつだ。

扉を開けたら熱苦しい男の裸体が見渡せるなんてあり得ない。

まだ午前だ。潮の香りが秒で消えるような酒臭さが広がる訳がない。

それじゃ…もう一回開けてみるか、よし。

 

 

ガチャッ

 

 

「あっ、よよいっの!よっい!!」

「ふーー!!」「いいぞーやれやれーー!!」

「盛り上がってきたわねー!よーし、じゃあ私も魅せてあげるわ!

ほいっ!花鳥風月〜♪」

「「「「おおおおおぉぉぉぉぉ!!!いいぞーもっとやれー!!」」」」

 

 

 

夢じゃなかった!!

 

「おや、君は…?そっか、君がアクアちゃんが言ってたカズマくんだね?ようこそ、俺の自慢の店へ」

 

あまりの光景に項垂れていると色黒のおじさんから声をかけられた。

 

「あっ、すみません。佐藤カズマです。

今日からお世話になります。」

 

「おお!アクアちゃんの従姉妹っていうからどんな際物が来るかと思ってたけど、礼儀正しいいい子じゃないか!」

 

おじさんはうんうんと頷いて俺の頭を撫でてくれる。頭を撫でられるのは久しぶりすぎて少し恥ずかしい。…というより自己紹介しただけで褒められるっておかしくないか?…何だか嫌な予感が

 

 

「あーー!!

カズマー!来たわね!

久しぶりじゃない!アクアよ!従姉妹のアクア!

丁度、良いわ!皆!コレが私の従兄弟のカズマよ!

良くしてあげてね!!」

 

「おお!君がカズマくんか!宜しく!」「よーし!歓迎するぜ!」「話は聞いてるぜ!アクアの今までの飲み代を立て替えてくれるんだって?」「よーし!歓迎に乾杯だーー!!」「ほら、カズマは…行けそうだな!よーし、とりあえず水でいいぜ!」

「それじゃ・・・“杯を干す”と書いて!」「乾杯と読む!!」

 

「せーっの、かんぱーーい!!」

 

あれよ、あれよと言う間にコップを持たされて乾杯に持って行かれた…が、待てよ!何か途中に変なの聞こえたぞ!?

と、取り敢えず水を飲んだら問いたださねば!

…あれ?この水…なんか熱・・・い?

 

そこからの記憶はあまりない。ただ、妙に楽しい気分になって気付いたら眠ってしまっていたらしい。

 

 

一つ確かなことは朝起きた俺の枕元に

「アクアの飲み代の立て替え金¥280,000-たしかに頂いた。いやー、返ってこないと思って諦めてたけど、良かった良かった!これからも宜しくな!byPaB一同」

と書かれた手紙が残されていたことだ。

 

 

「アクアーーーー!!!!!?????」

 

「おや?カズマくんどうしたんだい?アクアちゃんなら今皆と八次会中じゃないかな?」

 

「あのアマぁ!!戻ってきたら覚えてやがれ!!!」

 

「あー、でも、ああなったアクアちゃんは中々戻ってこないからね…次戻るのはいつになることやら」

 

「おじさん!?おじさんはそれでいいの?娘がいつ戻るか分からないんだよ!?」

 

「アクアちゃんはただの居候でおじさんの娘ではないよ?

いやー、アクアちゃんが家賃代わりに労働力提供するって言ってたからどんな子が来るかって心配してたけど、真面目そうな子で良かったよ!

取り敢えず、彼女の今までの下宿代分…まぁ、一括でとは言わないけど、宜しくね!」

 

 

「・・・は?はぁーーー!!!???」

 

 

父さん、母さん、どうやら神様は僕の事が大っ嫌いみたいです。

このクソッタレな世界に祝福を

 

てか、現代日本でこんなことって許されるの?

え?父さん、母さんも了承済み?

30万はアクアの両親からで内2万は迷惑料?

いやいや、それならアクアの下宿代も払うべきでは?え?当初アクアから手切れ金で貰ってる?で、その分はとっくに底をついた?そっかぁ…てか、アイツ親に勘当食らってるの?

・・・何?この環境、俺を更生させる気あんの?

 

 




次の話まで2年飛びます。
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