「ひ、ひぃ!た、たすけ」ズバッ
人の命は軽い。
数十発殴るだけで。
ナイフで切るだけで。
数発銃で撃つだけで。
やり方を変えれば、自殺に追い込む事も出来る。
それ程までに、軽い。
「終わったぜ。ジイさん。」
『おう林。客にはワシから伝えとくけん、お疲れさん。』
この街は、命を賭けたやり取りが軽く行われる。
人口の約3%が殺し屋の、殺し屋による殺し屋の街。
それが
俺の居場所だ。
「あのバカに、明太子でも買ってくか。」
「マシュ!エミヤ!」
「はい!」
「任せろマスター。」
人の命は軽い。
しかし、それを背負うのは重い。
戦いの中では、命を軽んじている。
それが戦い。されど戦い。
だからこそ、命は美しい。
「状況終了·····お疲れ様です、先輩。」
「うん。マシュもエミヤもありがとう。」
「気にするなマスター。カルデアへ戻るぞ。」
戦いの間際で輝き、呼吸で煌めく命。
ここは命を捧げ、重い命を背負う場所。
それが、
俺の使命だ。
「今日は何食べようかな〜」
「やあ、おかえり藤丸くん。今日もいつものレイシフトだったが、どう?体の具合は。」
「大丈夫、いつも通りです。ダ・ヴィンチちゃん。」
「うんうん。元気が一番だねぇ。まあ、今は人理も不安定な状態だ。今の内に、体を休めておきたまえ。」
「先輩!エミヤさんとタマモキャットさんがスペシャルデザートを作ってくれるそうです!早く行きましょう!」
「ホントに!?すぐ行くよ!」
まだまだ未熟で未来のある少年少女たち。
「若いって、いいねぇ。」
未来の概念すらない英霊、レオナルド・ダ・ヴィンチは呟くのだった。
福岡県 博多市
「ハァ?身内が急に?」
「そうなんよ。アイツら、仕事ほっぽり出しおってどこほっつき歩いとる思っちゃけど、この前、処理屋んとこにソイツらのホトケが送られてきたんや。」
「はあ。随分と偶然なことやね。」
「そんだけならまだ良がったんけんな。死体がどうも不自然だっちゃけん。」
「不自然って?」
「硫酸とも違う、内蔵が溶けたなんてもんでねぇ。外傷があらんのに内蔵が1つだけ溶けてんだ。」
「まさに、『内蔵がないぞう』ってもんやね。」
「つまんねぇよ。バンバカ。」
しかし気になる話だ。殺し屋なら誰でも。
新型の毒?いや内蔵を一つだけ消す毒なんて聞いたことない。
「林ちゃん、気ぃつけときよ。」
「なんで俺なんだよ。ったく··········」
街はいつもと変わらない。だからこそ、これから起きる災厄に、誰も気づかない。
「次のレイシフト先ですか?」
「うん。2011年、日本の福岡県福岡市だ。今回の特異点出発に先立って、伝えておきたいことがある。今回同行できるサーヴァントはアサシンだけだ。」
「え、アサシンだけ?」
「そう。セイバーやアーチャー、アベンジャーやムーンキャンサーは勿論、ルーラーですら侵入できない。何者かの強い意志によってね。幸い市街地だ、戦闘は少ないだろう。霊子反応も薄く、魔術反応もない。それに拠点を構えればこちらからの物資補給も、応援もできるわ。それを踏まえてサーヴァントを考慮したまえ。」
「ルーラーでも顕現できない、か··········」
「この特異点の主は、相当アサシンクラスを可愛がっているようだね。」
カルデアの中に数多くいるアサシンを選ぶのは難しい。陣地制作や魔術に長けた者を探さなければならない。キャスターが補助だとするなら、アサシンは援護。聖杯戦争の黒い部分を補っているのだ。
「アサシンでキャスターみたいな··········」
該当者が1人いた。
「え〜?姫今忙しい〜」
「そんなこと言わないで。暫く働いてないんだから。」
アサシン、刑部姫。
姫路城の元姫。
アサシンの本業ではあまり活躍せず、バフ系の魔法や結界を貼るなどほぼキャスターだ。
「このゲーム終わったら行くから〜」
「おいおい、今プロローグ入ったばっかでしょ。」
「原稿もあるし〜」
「オルタ。」
「完成済みよ。」
「み、未クリアのゼルダが〜」
「姫··········」
「な、なにかな?まーちゃん?」
しかし、マスター藤丸は姫を動かす魔法の言葉を知っている。
「そっか·····じゃあ別の人に頼むよ·····忙しそうだしね·····やめとくよ·····」
「え、いやまーちゃん?」
「姫はゼル○の○説ス○イ○ォー○○ードSwitch版の攻略頑張ってね··········」
「○○ダ○伝○○カ○ウ○○ドソ○○はもうクリア済みだから!だから手伝うからぁ!」
チョロ姫。
「次はセミラミスさんかなぁ··········」
「お、スタメンは決まったかい?」
「野球じゃないんだから。とりあえず俺含め7名、サーヴァントは全員アサシンです。左から刑部姫、両儀式、風魔小太郎、望月千代女改めアサシンパライソ、ジャックちゃん、サンソンです。」
「あら、なかなか難しいメンツだね。どうしてまた?」
「全員現代に紛れ込める性能をもってます。刑部姫、セミラミスで本拠地を作り、小太郎くん千代女ちゃんの忍者コンビで偵察、サンソンは回復役、俺、式さん、ジャックちゃんで表向きに探偵事務所を経営します。そうすれば、怪しまれることも少ないですから。」
「よし、じゃあこちらで身分証と偽名を発行しておくから、みんな覚えておいてね。それじゃ、レイシフト行ってみよう!」
向かう先、福岡県福岡市博多に向けて出発するのであった。
続くかな?