ご注文はレイオニクスですか?   作:金色の怪獣

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 いよいよ第2羽です。
今回、前回存在が確認された「ある3つの組織」が本格的に動き出します…。
そして、光の巨人…、「ウルトラマン」に変身する「少女」の正体は、一体…?
では、本編、どうぞ!


第2羽 闘いの始まりを告げる怪獣王と超古代の光の巨人の咆哮(前編)

ここは、ココアたちの住む宮城県仙台市杜王町…、通称「木組みの家と石畳の街」から遠く離れた、日本の中部地方山間部。

TPCは、相次ぐ怪獣災害の中、対怪獣用の新組織、その拠点となる新基地をここに建設していた。

その新基地…、後に「グランベース」と呼ばれるようになる基地の建設現場を眺めている女性がいた。

その女性は、年齢は20代前半辺りだろうか、腰にまで届く程のやや癖のあるピンク寄りのブラウン色の長髪が特徴的で、身長はおよそ160cm以上あるだろうか、また、スクーターに乗っており、そのバイクには、『Hot Bakery』という文字が印刷されていた。どうやら、パン屋で働いているようであり、おそらく、パンの配達中なのであろう。

そして彼女は、どこかココアを思わる…、いや、完全にココアの上位互換と感じさせる雰囲気を纏っていた。

彼女の名は、保登モカ。ココアの実の姉であり、ココアにバトルナイザーを渡した張本人、そして、レイオニクスでもある。

モカは、ポケットから、お弁当箱のような、スマートフォンのような、電子機器を取り出した。

バトルナイザーである。

モカはバトルナイザーを覗き込む。そのバトルナイザーのスロットの中には、

 

宇宙恐竜 ゼットン

双頭怪獣 パンドン

海獣 キングゲスラ

 

が入っていた。

 

モカは、バトルナイザーが「クローズモード」であることを確認すると、いつもの「日課」…、怪獣たちに餌を与える行為を行う。

そもそも怪獣だって生き物だ、食事をしなければ、空腹…、そして病気になり、いずれは死ぬ運命にある。だからこそ、怪獣との絆を結ぶ為に、餌を与えなければならないのである。

 

モカは、バトルナイザーにある、金色の「必殺技レバー」を押す。すると、ホログラムにて、「クローズメニュー」が表示され、メニューにはそれぞれ、

 

「ステータス」

「エサあげ」

「つうしん」

「オプション」

「なまえ」

「キャンセル」

 

と表示されていた。

迷わず「エサあげ」を選択するモカ。次の瞬間、モカの使役しているゼットン、パンドン、キングゲスラがミニサイズのホログラムとして浮かび上がる。

モカは、キングゲスラに、大好物である「チョコレート」を、パンドンには「カレーパン」を、ゼットンには、「MAXサプリメント」を、それぞれ5つづつ与えた。

 

モカ「はい、ゲスラくん、大好きなチョコレートだよ、お味は…?」

 

キングゲスラ「モカお姉ちゃん、やめてよ。

『種族』としての僕の名前じゃなくて、昔お姉ちゃんが付けてくれた、『チビスケ』って名前で呼んでよ。」

 

モカ「でも、もう『チビ』って言う程の大きさじゃないでしょ。」

 

キングゲスラ「でも、僕にとっては思い入れのある名前なんだよ!だから…、」

 

モカ「それにね、バトルナイザーに入っている怪獣は、『種族名』として呼ばないと反応しないから…、ごめんね。」

 

キングゲスラ「いや、謝る程じゃないよ、モカお姉ちゃん。第一、こんな仕様なのも、全部レイブラッド星人の仕業だから…、ところで、2人とも、調子はどう?」

 

パンドン「問題ないよ、ゲスラ。相変わらず、モカお姉さんの作ったパンは美味しい…、おっ、今日はカレーパンか。うん、美味しい~。」

 

ゼットン「問題はない、我は強者を求める。栄養分はこのMAXサプリメント5つで十分だ。」

 

モカ「コラ!駄目でしょゼットンくん!食事はバランス良く摂らなきゃ、『腹が減っては戦はできぬ』!お姉ちゃんは許しませんよー!」

 

ゼットン「ならばモカ、さっさとHot Bakeryに帰って、昼食を摂った方が良いのではないだろうか、もう正午だぞ。いくらパンの配達中とは言え、何故お弁当を持って来なかった?」

 

グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ~

 

モカ「…、そうだね、じゃあ、帰ろっか。丁度良い具合にお腹が空いてきたし。」

 

キングゲスラ「そうだね、モカお姉ちゃん。」

 

そうしてモカたちはスクーターに乗車する。

スクーターは森の中を走り抜け、徐々にHot Bakeryに向かっていく。

 

キングゲスラ「あ、あとね、チョコレートの味だけど…、美味しいんだけど、なんか砂糖がカカオ本来の味を邪魔しているような感じだな…、まるであの激辛スコーンのように感じるな。」

 

モカ「そっか…、まだまだ改善の余地はありそうだね、お姉ちゃん、頑張るよ!だから、これからも批評頼むよ、チビスケ♪」

 

キングゲスラ「…。うん、ありがとう、モカお姉ちゃん♪それと…、」

 

モカ「なぁに?」

 

キングゲスラ「その…、スクーターでのウィリー走行はやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 

キングゲスラの悲鳴が、森の中に響いた。

 

 

一方その頃

 

ここはココアたちの住む宮城県仙台市杜王町…、通称「木組みの家と石畳の街」。

 

4大怪獣がこの街を襲撃した、「地獄の雛祭り」から、3週間が経過した。

 

その3週間の間に、毎日のように世界各地のどこかで、1体は怪獣が現れるようになった。

 

そしてここ、木組みの街では、2週間前に「ガロガ恐獣 レッドスパーク」、「宇宙怪獣 モグネス」、1週間前に「ブロブタイプビースト ペドレオン」、「大群獣 ネズラ」が出現した。

 

それらの怪獣たちは、ココアの使役するアンギラス(2代目)、キングコング(モンスターバース)…、そして、シン・ゴジラの力により、撃退されてきた…、否、この言い方は正しくないであろう。

 

何故ならば、4()()()()()()()()()と、もう3()()()()()()()も、そこに加わるべきなのだから…。

 

ここはとある喫茶店。ココア達6人が、アフタヌーンティーセットを楽しんでいる。どうやら、先輩としてカッコつけたいココアがチマメ隊にと注文したようだ。

シャロは以前よりこの店の常連なのか、紅茶の一杯無料券をまだ使えるかを店員に訊いていた。

 

ただ、ここに違和感を覚えるとすると…、リゼの不在についてであろう。

 

チノ「いや、本当に良かったですよ、ココアさんの学校でも、卒業式が無事行えて、あんなことがあったのに、よくやれましたね…。って、ココアさん?」

 

ココア「うっ…、うっ…、3年生の卒業式に感動して…。」

 

チノ「…、ココアさんが進級出来るのか、不安になりました。それよりも、リゼさんは今、何処へ…。」

 

シャロ「リゼ先輩は今、実家のある火星にいるそうよ。植物栽培の研究をしているお母さんと、そのお手伝いをしている妹さんと弟さんの所にいるみたい。」

 

チノ「そうなんですか…、しかし、リゼさんに弟と妹がいたとは…、意外な真実ですね。」

 

シャロ「妹さんの名前は「ヒカリ」ちゃんで、弟さんの名前は「ツバサ」くんらしいわよ。」

 

チノ「そうなんですか。今度、会ってみたいですね。」

 

千夜「そ・れ・よ・り・も!聞かせてもらえるかしら?アンギラスくんから聞いたっていう、『知っていること全て』を。」

 

アンギラス「おいおい千夜、そういうのは僕に聞くべきなんじゃ?」

 

千夜「あっ、ごめんなさい!気づいてなかったわ。」

 

アンギラス「酷いなおい!全く…、そんなんだから『鬼畜和菓子』ってクラスメイトから噂されるんだぞ…、本当は『淑女的かつおっとりとした雰囲気を持つ大和撫子そのものな性格』なのに…。まぁ、それじゃあ話すよ、ココアとチマメ隊はこれで2回目かもしれないけど…。」

 

ココア「だいじょーぶ!どんとこーい!」

 

アンギラス「OK。それじゃ、いくぞ。

 

 

 

時は26万年前。

40万年間一度も犯罪が無く、警察は廃止されたとされ、直径が地球の60倍、重力が120倍程もあり、地球から300万光年先…、M78星雲にある惑星、『ウルトラの星』。

 

そこに住んでいる人々は、地球人によく似た姿をしており、地球と同じように、太陽の周囲を回る惑星であった、そう、この日までは…、

 

ある日、ウルトラの星の太陽が大爆発、環境が激変して死の惑星となってしまった。

だが、太陽の爆発によって死の星となったウルトラの星を救うべく、ウルトラ長老…、後のウルトラマンキング達が多くの科学者を率いて総力を結集して作り上げた…、それが、半永久的に続く膨大なエネルギーを持ち、ディファレーター光線によって惑星全体の環境を司る、プラズマスパークコアとタワーによって構成される人工太陽、通称『プラズマスパーク』である。

プラズマスパークの完成に伴い、どうにか惑星は安定したが、ここで予想外の事故が発生する。」

 

 

シャロ「…、ちょっと、なんなのよ、いきなり関係ない話初めて…。」

 

チノ「うるさいですね…、黙って聞いてください、シャロさん…。」

 

アンギラス「中世の世に地球に侵入して、人類に干渉を行い、『より良い方向に導く』と嘯いて支配しようとしていた精神生命体『キリエル人』が、光の力を求め、ウルトラの星にまで干渉してきた…。」

 

千夜「待って、キリエル人は、どのように私達人類に干渉を行ったのかしら?」

 

アンギラス「具体例を挙げるとすれば、かつてアトランティスで高度な文明を築いて人類の祖先を支配しており、ナスカの地上絵、モアイ像、ストーンヘンジ、スフィンクスを作ったそうだ。」

 

千夜「成程…、新メニューの参考に出来そうね。」

 

アンギラス「話を戻すぞ。キリエル人が光の力を求めた結果、プラズマスパークの事故が発生。

2人の技師がディファレーター光線を浴びてしまう。だがこの2人は却って強い肉体になっていた。そこでウルトラ長老らによる、『国民全てにこの光線を浴びせてみよう』という方策の元、光線発射能力や飛行能力等の強大な戦闘力を持った現在の姿…、ウルトラマンになったのだ。

 

そして5万年前。

 

宇宙の歪みからジュダという悪魔のごとき存在が誕生し、全宇宙を我が物とすべく数多の星々を滅したが、ウルトラマンの戦士たち…、ウルトラ戦士たちの活躍により宇宙の歪みが修正された事で封印された。

 

そして5万年前。

 

長らく平和だったウルトラの星だったが、太陽爆発から23万年の時を経て、宇宙征服を目指して支配領域を拡大していたエンペラ星人と、暗黒勢力のα星人の率いる大軍団の侵攻を受ける。ウルトラの父やウルトラマンベリアルが中心となり、総力を挙げて立ち向かうものの、圧倒的戦力の前に敗北寸前に陥る。戦争終盤に完成したウルトラベルの力でエンペラ星人及びα星人の大軍勢は壊滅し、エンペラ星人もケンとの一騎打ちで重症を負い撤退した事で辛くも勝利を収める。

この戦いは、後に、『ウルトラ大戦争』と、呼ばれるようになる。

この戦いを経て、周辺の惑星と提携した宇宙警備隊が設立され、同時に銀十字軍も設立された。

ウルトラの父とウルトラの母もここで知り合い、恋に落ちた。」

 

 

千夜「ウルトラの父とウルトラの母…、『()()()()』のおじいちゃんとおばあちゃんのことね!」

 

アンギラス「その通りだ、千夜。まぁ、話を戻すと、

 

ちょうどこのころ惑星クシアで人工頭脳ギルバリスが製作者であるクシア人に対して反乱を起こし、惑星そのものが乗っ取られる事件が発生。

クシア人たちは最終的に滅ぼされてしまうものの、ギルバリスへの対抗手段として、『ギガバトルナイザー』と『ギガファイナライザー』という2つのアイテムを作り出した。」

 

 

シャロ「あっ、もしや、そのギガバトルナイザーが…。」

 

ココア「そうだよ、シャロちゃん。クシア人さんたちの開発した、『ギガバトルナイザー』の怪獣を使役できる機能を基に、かつて何万年にも渡って宇宙を支配していた、エンペラ星人やジュダ等と並ぶ宇宙の支配者…、レイブラッド星人が開発したのが、怪獣を封印し、使役することができるアイテム、『バトルナイザー』なんだよ。」

 

アンギラス「レイブラッド星人は、肉体は数百年前に既に滅んでいるが、亡霊の身でありながら、現在でも、全宇宙やウルトラ一族に大きな影響を与え続けている存在であり、その実力は現時点でも未知数な部分が多い宇宙人だ。

彼は、自分の新しい肉体となる者を決めるために、宇宙にレイブラッドの遺伝子を撒き、様々な惑星で怪獣使い…、『レイオニクス』を誕生させた。』

 

千夜「と、言うとまさか…、」

 

チノ「その通りです、千夜さん。私とココアさんは同じレイオニクス…、つまり、遠い親戚ということになりますね。」

 

アンギラス「ああ、そういう事だ、話を戻すぞ。

 

ウルトラの父が宇宙警備隊の初代隊長に選ばれた事に嫉妬したベリアルは、ウルトラの父を超える力を得るべくプラズマスパークコアの奪取を試みるが、余りの高エネルギーの為に逆にダメージを負い失敗し、ウルトラの星を追放されてしまう。途方に暮れるベリアルの前に、元の肉体を失っていたレイブラッド星人が現れ、彼に自らの因子を植え付けてレイオニクスに仕立て上げ、ギガバトルナイザーを与えた。

復興中のウルトラの星に舞い戻ったベリアルは、復讐を果たすべくギガバトルナイザーを振り回して大暴れするが、駆けつけたウルトラマンキングによって宇宙牢獄へ封印された。

この戦いは、後に、『ベリアルの乱』と、呼ばれるようになる。

 

そして、エンペラ星人を退けた事で有名になったウルトラの星を侵略しようと、様々な勢力がウルトラの星に攻め込んだが、ガルタン大王やジャッカル大魔王を始め尽く撃退された。

 

そして、1966年。ある平行世界の地球にて、怪獣ベムラーを「怪獣墓場」に移送中だった初代ウルトラマンは、油断を突かれベムラーに逃亡される。ベムラーを追って地球に来た彼は、パトロール中の科学特捜隊のハヤタ隊員の小型ビートルと衝突事故を起こして彼を死なせてしまう。責任を感じた彼はハヤタと一体化する事でなんとか彼を蘇生させ、地球に留まる運びとなる。

こうして地球人とウルトラ戦士たちは出会ったのである。

 

そして1967年。太陽系の公転観測の為に派遣され、地球を訪れていた観測員340号…、ウルトラセブンは、青年薩摩治郎と邂逅しその姿を借り、クール星人事件をきっかけに地球に長期滞在することになり、モロボシ・ダンという一人の地球人として現地の防衛チームであるウルトラ警備隊に入隊し、侵略宇宙人と戦う事となる。

 

彼らがウルトラの星に帰還した3年後、1971年。暫く地球怪獣の出現が無かった地球だが、文明発達による環境破壊や異常気象が多発し、そしてタッコングとザザーンの出現を皮切りに再び怪獣の出現が増加していく。宇宙警備隊はこの時期に正式に地球を保護対象に認定し、ウルトラマンジャックを派遣する。

 

ジャックが去った数か月後、1972年。異次元の悪魔ヤプールが、怪獣以上のパワーを秘めた戦闘兵器「超獣」を引っ提げて突如地球圏の宇宙に現れ、侵攻を開始する。この事態を受け、ウルトラマンエースが地球に派遣される。

 

エースが去った数か月後、1973年。超獣の出現が無くなりつつあった地球だったが、ある時宇宙大怪獣という超獣を凌ぐパワーを秘めた怪獣が出現。ZATの東光太郎と融合した、ウルトラの父とウルトラの母の実子…、ウルトラマンタロウが派遣される。」

 

千夜「ウルトラマンタロウ…、ああ、『()()()()』のお父さんのことね!」

 

アンギラス「その通りだ、千夜。まぁ、話を戻すと、

 

この時期にエンペラ星人が再び暗躍を始めたらしく、配下のテンペラー星人を差し向けたり、復活したヤプールに接触していた。ヤプールは勢力を回復することなく倒されたものの、更に宇宙に大規模な戦争が勃発し、幾多の勢力がしのぎを削っていたらしい。

バルキー星人との戦いを経て、タロウはウルトラマンであることを放棄。地球人・東光太郎として生きることを選択した。

これに伴いタロウは宇宙警備隊を脱退することになり、地球防衛に穴が空くことになった。

 

そして1974年。タロウが抜けた穴を埋めるべく、歴戦のセブンが再び派遣され、ウルトラ警備隊の隊員だった経歴もあってか防衛チームMACの隊長にまでなるが、マグマ星人率いる双子怪獣との戦闘で変身能力を失ってしまう。しかし、かつてマグマ星人に滅ぼされたL77星の王子、ウルトラマンレオとの出会いと共闘を経て、彼を自分の代わりに戦えるよう鍛え上げ、共に地球を守っていく事になる。

 

だが、1975年。ブラックスターの円盤生物第一号によってMACが壊滅。多くの血と狂気に塗れた激戦の末、ブラックスターの勢力はレオに倒され、地球に平和が戻った。レオはしばらく地球を旅した後に正式に宇宙警備隊に合流する。

 

レオが地球を去って数年後の、1980年。マイナスエネルギーによって新たな怪獣が出現することが予期され、ウルトラ兄弟候補生のウルトラマン80が地球に派遣される。この時期、かつてウルトラの星に攻め込んだガルタン大王が、ウルトラの星の王女ユリアンを追って地球に現れる。

80は地球防衛の任務を見事に成し遂げ、無事ウルトラ兄弟への加入を認められる。

 

マーゴドンの出現を最後に、地球では怪獣の出現が停滞し、80とユリアンの帰還後暫くはウルトラ戦士の派遣は無くなった。

また、この時期に、光の国は、東光太郎として地球で暮らしていたタロウを呼び戻した。

 

そして2006年。表立った活動をしていなかったエンペラ星人が、遂に活動を再開する。ウルトラの星への再侵攻前の前座を兼ねてか地球に眼を着け、地球怪獣の活性化や、宇宙怪獣を呼び寄せる時空波の発生装置を地球に送り込む。宇宙警備隊は期待の新人メビウスを派遣し、幾多の戦いと仲間との出会いを経て大きく成長したメビウスは、正体を知られても地球人と共にあり続けるという偉業を初めて成し遂げた。

暗黒四天王やインペライザーといった配下が次々と倒されていったエンペラ星人は、遂に自ら地球を訪れ、滅亡の危機に陥れるものの、地球、ウルトラの星、多くの宇宙人達の結束の前に、遂に滅びを迎え、長きに渡るウルトラの星との因縁に幕を下ろした。

 

それから数千年後…、というか、今から14年前だな。新たな肉体を求めるレイブラッド星人が、自分の新しい肉体となる者を決めるための闘い…、『レイオニクスバトル』を開催する為にブルトンを使い、様々な並行世界を融合させた為、宇宙は後に『ギャラクシークライシス』と呼ばれる大混乱に陥る。しかし、同時にスペクトルマン、流星人間ゾーン、メガロマン、ヒューマン、ミラーマン、グリッドマン、サンダーマスク、マグマ大使、アイアンキングといった平行世界の怪獣と戦うヒーローや防衛チームも来訪し、共同戦線によって事態は収束。他世界の防衛チームとの交流によって多くの技術と情報を提供されたM78スペースの地球は飛躍的な発展を遂げ、大規模怪獣災害に対処する為に設立されたZAPも軍事組織から運び屋へと鞍替えし、大規模な太陽系外惑星開拓・宇宙航路開発に乗り出す。」

 

千夜「あの…、『レイオニクスバトル』の詳細を教えてくれるかしら。何か、とても、嫌な予感がして…。」

 

マヤ「じゃあ、私が説明するよ!レイオニクスバトルってのは、レイブラッド星人があらゆる宇宙中にばら撒いた自分の遺伝子を持つ知的生命体に、血で血を洗う修羅の道へと突き進むために行われるバトルロワイアルをさせて、その勝者の肉体を乗っ取ろうって自作自演のバトルロアイアルのことだよ!

当人の意思に関係なく行われ、また、拒否権もないため、数多くの悲劇が生み出されており、例として、怪獣が全く現れることのなかったこの世界の地球に怪獣が出現するようになり甚大な被害が出た他、予選会場となった惑星ハマーではそこに移住していた地球人の大半が巻き込まれ、多くの死傷者が出る事になったり、代表者になった人物の成長のためだけに生み出された肉親同士で骨肉の争いが起きたり等々の事態やレイオニクスを洗脳し、支配下に置き、それを操って自分たちが宇宙の覇権を握ろうとして失敗したペダン星人の悲劇などが起きる事態へとなってしまっているんだ。

 

代表的なレイオニクスは、地球人のレイオニクス、『レイ』。その姉、『ケイト』。

キール星人のレイオニクス『グランデ』。

他にも、36年後の未来から来た地球人のレイオニクス『御蔵イオ』と『アサマ・アイ』。

36年後の未来から来たキール星人のレイオニクス『ヴィットリオ』って奴らくらいかな?」

 

アンギラス「マヤ、解説ありがとう。」

 

マヤ「どういたしまして。」

 

アンギラス「それじゃ、続きいくぞ。

 

ある時、任務で開拓惑星ボリスを訪れたヒュウガ船長率いるZAPの宇宙船『スペースペンドラゴン』のクルー達は、惑星の荒れ果てた姿と、地球では絶滅したはずの怪獣達が闊歩する光景を目の当たりにし、地球人のレイオニクスである青年レイと出会う。

紆余曲折の末に「怪獣使い」ではなく「人間」としての自我に目覚め、ペンドラゴンクルーの仲間入りを果たしたレイは、教育係であった姉ケイトにレイオニクスバトルで勝利し、レイブラッド星人によって封印されていたウルトラマンを解放する。

ボリスの生き残りを乗せたゴースタードラゴンとペンドラゴンは無事脱出したが、ボリスは人工太陽の衝突によって一瞬にして炎に包まれ、ペンドラゴンをキングジョーブラックから救ったウルトラマンは、爆発に巻き込まれて生死不明となる。

 

その後ZAPの宇宙基地に身を寄せていたクルー達だったが、ペダン星人ダイルの暗躍によって基地は破壊されてしまい、ゴースタードラゴンで脱出したヒュウガとレイはワームホールに吸い込まれ、全宇宙のレイオニクスが集結し殺し合う闘技場である惑星ハマーへと不時着。ペンドラゴンに乗って脱出した残りのメンバーも、ダイルとの邂逅を経てハマーにて二人と落ち合う。

一度はレイオニクスバトルを放棄してハマーを脱出しようとするクルー達だったが、レイブラッドの野望を砕く為に戦い続けるというレイの決意を酌んで共にハマーに残り、彼の戦いと復活したアーマードダークネスに封印されていたウルトラセブンの解放、そしてみたび復活したアーマードダークネスに憑依したレイブラッド星人との直接対決の行方を見届ける。

寄り辺を失ってなおレイを諦めず、巨大な幻影となって崩壊するハマーから脱出しようとするペンドラゴンに襲いかかるレイブラッド星人だったが、再び現れたセブンと、ボリスから無事生還していたウルトラマンに迎撃され、今度こそ完全に滅び去った…、と思われるが、さっきマヤがが言っていた、『36年後の未来から来たレイオニクス』が存在しているからなぁ…。まだ生きているかも知れないんだよ。

 

そして、第二次ベリアルの乱やら

ベリアル銀河帝国やら

魔王獣戦役やら

ダークルギエルの侵略やら

クライシス・インパクトやら

トレギアの侵略やら

復活したウルトラダークキラーやら

『寄生生物 セレブロ』による『文明自滅ゲーム』やら

時間や次元を超えながら、ウルトラマン達を苦しめてきた多数の強敵を並行同位体として復活させて自身の陣営と引き込んでゆく謎の戦士…、『アブソリュートタルタロス』の暗躍やら

 

色々あったんだよ。」

 

メグ「ウン、ソレデネェ、ジャアナンデ、ウルトラマンハチキュウジンヲマモッテクレルノカ、キニナルヒトモオオイデショ?」

 

アンギラス「ああ、そうだな、メグ。その理由は、さっき、ウルトラマンは元々地球人と限りなく近い姿をしていたっていったじゃん。」

 

メグ「ウン。」

 

アンギラス「ウルトラマンの力…、それは決して望んで手に入れた力ではなかった。でも、力を手に入れたということは、果たすべき何かがあるはずだって考えたはずだ。そして彼らは、大昔の自分たちの星をこの地球にダブらせて、地球のために命をかけてくれてたって訳だ。」

 

メグ「ナルホド。」

 

千夜「…、となると、私と共にいる、『()()()()』、『()()()()()』、『()()()()』たちも、そうやって平行世界の人々を守ってきたのね…。」

 

アンギラス「そうだよ、千夜。彼らは、地球の未来を信じ続けているんだ。」

 

シャロ「私も、ゴジラによって家を焼かれたとき、『もう死んでやる!』って思ったけど、声が聞こえたのよ…、『諦めるな』って。そしたら、家も元通りになって…、あの時転んで、また立ち上がった。そして、この『()()()()』の力を得たのね…。」

 

千夜の右腕には、手甲型のアイテム『タイガスパーク』が装着されており、シャロの右手には、小刀型のアイテム『エボルトラスター』が握られていた。

 

チノ「私も…、ココアさんと同じ、力を手に入れました…。見ていてください、お母さん。そして、これからよろしくお願いいたします、『()()()さん』、『()()さん』、『()()()()()さん』。」

 

チノの右手には、『()()()()()()()』が握られており、そのスロットの中には、

 

古代怪獣 ゴモラ

伝説怪獣 ウー

満月超獣 ルナチクス

 

が、入っていた。

 

何故、チノが『()()()()()()()』を所持しているのか、何故、千夜が『()()()()()()()』を所持しているのか、何故、シャロが『()()()()()()()()』を所持しているのか、わからない読者の方々も多いだろう。

そう、これらの謎は、2週間前と、1週間前に起きたことであり、いずれは過去編として、はっきりとわかるであろう。少なくとも、この街を守る、希望の光は、確かに存在しているのだ。

 

メグ「アノ…、ヒトツキキタイコトガ…、サッキ、アンギラスクンノハナシヲキクマエニイッテイタ、イッパンソウタイセイリロントトクシュソウタイセイリロンッテナニガチガウノ?」

 

どうやら、尊敬に値する先輩であるかどうかをアピールするために、ココアたち年上組3人が、無駄なことを口走ったそうだ。

バトルナイザー越しから全てを見ていたアンギラス(2代目)は、

 

アンギラス「調子乗ったばかりに!」

 

と突っ込みを入れていた。




はい、ネタバレの嵐、なんでウルトラマンへの変身や、怪獣の召還ができるのかがわからないままの第2羽です。
まぁ、平成セブンみたいに、過去編として、第3羽、第4羽…、と、真相を明らかにしていくつもりなんですけどね。
もし良かったら、感想、評価、お気に入り、推薦など、宜しくお願いいたします!
ではまた、次回にお会いいたしましょう、それでは♪

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