異世界ストリップ~俺はレアアイテムをコンプリートして世界を手にする!~   作:夏目八尋

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いつも前書きまでご覧くださってありがとうございます!
ここまで読んでくれている、楽しもうとしているって思えて嬉しいです。

読んでくれる人、お気に入りや感想などの評価をくれる人、何より楽しんでくれている人。
そんな人にとってこれがいい物でありますように。

さてさて、11話をお届け!
よろしくお願いします。



第011話 俺、演じる!

 

 

 騒動を起こした場所とは別の路地裏。

 俺はミリエラが救助した、全裸三兄弟に絡まれていた女の子から事情を聴いていた。

 

 

「……つまり、物珍しさからあの兄貴って奴の装備をついジロジロ見てしまい、それが原因で絡まれた、と」

 

「はい。お屋敷ではあのような方、見たことがなくて……」

 

「なるほど、気持ちは分かる。俺もビキニアーマーの美女がいたら目が行くし」

 

「セン君、ビキニアーマーが好みなの?」

 

「レア装備なら大体好きだぞ」

 

「セン君セン君、平然と言ってるけどそれも立派な変態性癖だと思うの」

 

 

 ミリエラからのツッコミをスルーしつつ、俺は助けた女の子に注目する。

 

 

「……?」

 

 

 そこそこ長い緑髪がウェーブ入っててもじゃもじゃしている、ふんわりとした印象を受ける可愛い女の子だ。

 パッと見目に入る薄汚れた外套の内側には、ちょっと仕立てのいいフリル付きのシャツがチラチラと見えた。

 両手に抱える紙袋いっぱいに入っている、実にこの年頃の女の子らしいチョイスの食べ物や、愛らしいデザインの小物たち。

 

 なるほど絡まれやすそうな無防備さだと、少し見ただけでよく分かった。

 おかげで最初に感じた違和感の正体、彼女の事情についても色々とお察しする。

 

 

(これは十中八九、いいところのお嬢さんだな)

 

 

 おそらくは北の貴族街に住んでいる子。

 お忍びで商業区まで足を運んで、初めての冒険にキャッキャとはしゃいでたって辺りか。

 

 8才、冒険したいお年頃だもんな!

 

 

「あの、えっと……」

 

「おっと、ジロジロ見てごめんな」

 

 

 女の子が居心地悪そうにしてたのに気づいて謝罪する。

 だが、謝りながらも俺の頭の中では、まったく別の思考が働いていた。

 

 

(この子、上手いことすればかーなーり俺の役に立ってくれるのでは?)

 

 

 むしゃくしゃしてやった、反省はしていない。というただの八つ当たりのゴロツキいじめ。

 その先でたまたま保護した、身なりのいいお嬢さん。

 

 

(このシチュエーション。利用しない手は、ない!)

 

 

 俺の中のゲーム脳が、これはチャンスだとビンビンに訴えていた。

 

 

(数多のゲームをプレイし、そして配信しまくってた前世の俺のコミュ力よ、覚醒しろ!!)

 

 

 脳内スイッチを切り替える。

 手に入れた情報から最適の仮面を用意して、俺の顔面に張りつける!

 

 

「……どこにも怪我がないかどうか、確かめてたからな」

 

「えっ?」

 

 

 俺は少しだけ身を屈めて、女の子と目線を合わせる。

 心配そうな顔を浮かべてからフッと口元に小さく笑みを作り、そして。

 

 

「でも、無事で何より。女の子に無意味な傷なんて、似合わないだろ?」

 

「……!」

 

 

 さらににっこり微笑めば、ちょっとだけ大人びた、同い年の優しい男の子の完成だ。

 たとえリザたちに「将来的にはそこそこのイケメン、好きな人は好き」と言われる程度のイケメン力しかなくとも、シチュエーションが追い風になる。

 

 

「あ、あの、あの……っ!」

 

 

 女の子が頬を染めあわあわしだしたのを見て、俺はこの路線で合っていることを確信。

 そこからは一気に畳みかける。

 

 

「俺の名前はセンチョウ。みんなにはセンって呼ばれてる。町の外の孤児院の出で、ここには買い物に来てたんだ。よければ俺に、帰り道の護衛をさせてくれないか?」

 

「え、へっ、へぁ!?」

 

「あと、よかったらでいいんだが。名前、教えてくれるか?」

 

「ふえぇぇあ!? か、カレーン、ですっ!」

 

「カレーン。いい名前だな」

 

「なひぃっ! ぽぽぽっ」

 

 

 いちいちいい反応を返す女の子、もとい、カレーンがちょっと面白い。

 っと、いかんいかん。これを顔に出すとせっかくの追い込みが無駄になるな。

 

 ここからは慎重に詰めていく。

 

 

「なぁ、カレーン。これもよかったら、なんだけど」

 

「な、なんでしょう?」

 

「俺と、友達にならないか?」

 

「!?!?」

 

 

 驚くカレーンの前で、俺は悩ましげな表情を作り、目をそらす。

 

 

「ほら、孤児院の奴とは違う、町の友達っていなくてな。もちろん、カレーンが嫌じゃないなら、なんだが……」

 

 

 ついでにほっぺをカリカリ掻いて、照れくささをアピール。

 

 

「あ、あっ、嫌だなんて。そんな! よ、喜んで!!」

 

「………」

 

 

 よし、掛かった。

 

 

「ありがとう。この町に来て初めての友達だ。よろしくな」

 

「~~~~っ!! は、はいっ!」

 

 

 満面の笑みを浮かべ、カレーンの手から袋を片手で奪い取り、もう一方の手を彼女へと差し出す。

 差し出した手は拒まれず、おずおずと伸びてきた手と重なり、静かに握りあった。

 

 

「……ってことでミリエラ。俺はこの子をおうちに送ってから合流するって、ダンデに」

 

「もちろん付いてく。セン君一人じゃ放っておけないもんね?」

 

「そうか」

 

 

 ですよねー!

 

 もう顔が「そうは問屋が卸さないよセン君」ってドヤ顔になってるもんな!

 

 

(とはいえ、これは想定内だ)

 

 

 ミリエラが付いてこようとするのは当然。帰れと言っても無駄に時間を浪費するだけだ。

 むしろ途中で邪魔してこなかった辺りにこそ、ミリエラからの作為を感じる。

 

 こんな時、心を読める魔法とか装備があれば、小説みたいに地の文で読み取れるのにな。

 

 

「カレーンちゃん! わたし、ミリエラ。よかったらわたしともお友達になってくれる?」

 

「えっ、うん! うん! よろしくね!」

 

 

 俺の作り上げた空気を利用して、サクッと自分もお友達になるミリエラ。

 カレーンの反対の手を握り、俺と同じ立場にしっかりと並び立つ。

 

 いや、この辺もミリエラの下着適性で上がった魅力のなせる技かもしれない。

 

 

「さ、カレーンちゃん。暗くならないうちにおうちに帰りましょ?」

 

「は……はいっ! ミリエラ……さん。ぽっ」

 

 

 ってあっれー!? すでにもう仲良し上書きされてないか!?

 

 対人戦でサキュバスって本当にチートだなおい!?

 

 

「どっちに行けばいいか分かるか? カレーン」

 

「あっ、えと。あっち、です。セン様……ぽぽぽっ」

 

「そうか。じゃあ行こう」

 

 

 よし、よし!

 まだ大丈夫。まだ行ける!

 

 

(ここでカレーンの好感度を稼いでおけば、その後ろの貴族さんとお近づきになれる芽が出てくるんだ)

 

 

 貴族。

 俺視点で言えば、お金持ちだ。

 

 金は力だ。

 欲しいお菓子を買うにも道具を揃えるにも必要になる。

 

 そしてなにより、金を持っている存在ならば。

 

 

(レアアイテム入手のツテや、それその物を持っている可能性が高い!)

 

 

 正直行き当たりばったりもいいところだが、ガキの身分に選択肢なんてものはない。

 

 

(おまけに俺には時間もない)

 

 

 降って湧いたこのチャンス。何をもってしても必ずモノにしてみせる!

 

 

(……ふ、ごめんなダンデ。俺は、今は帰れないんだ)

 

 

 中央広場の大鐘が帰って来いと鳴り響くのを背に受けながら、俺は行く。

 

 そうして向かった貴族街。

 カレーンの案内を受けて辿り着いたその場所は。

 

 

「……ここが、私のおうち、です!」

 

 

 連環都市同盟パルパラにおいて一番の邸宅。即ち。

 

 

「……Oh」

 

 

 都市長の家だった。

 

 




浦島太郎から続く伝統芸能。


ここまで読んでくださりありがとうございます!
楽しく読んでもらえたら最高です。

お気に入り、感想、高評価、レビュー等、応援してもらえるととっても嬉しいです。
感想いただけて元気が出ました。

あと、この手のお話が好きな人のところに届くように拡散とか紹介とかしてもらえるとさらにめちゃくちゃ嬉しいです。
嬉しいばっかり言ってますけど実際嬉しいので仕方がない。

お話は転がっていきます。続きもよろしくお願いします!
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