異世界ストリップ~俺はレアアイテムをコンプリートして世界を手にする!~   作:夏目八尋

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うおおおおおお!!
お気に入り100,UA10000,達成出来ました。
ありがとうございます。
オリジナルでもここまで楽しんで貰えるんだと思うと、感動もひとしおです。
応援ありがとうございます!

そんなわけで、63話をお届けです。
今回もよろしくお願いします!


第063話 ドラゴンの財宝!

 

 『竜血水』の温泉での大騒動。

 派手にやらかして疲弊した俺たちは、浴室隣の脱衣所で、結局一晩の足止めを食らった。

 

 

「うぅ……まだ少しポカポカしている気がいたします」

 

「俺もだ」

 

「安心なさい。二人とも発情のバフは解除されているわ」

 

 

 未だに抜けない体の火照りは、どうやら『竜血水』の効果らしい。

 俺たちを視たメリー曰く、今なら山登りも、高所の寒さもヘッチャラだとか。

 

 

「……あー、メリー」

 

「なぁに?」

 

「色々とご迷惑をおかけいたしました」

 

「っ! ま、まぁ! 気にしなくていいのよ。ほんと!」

 

 

 改めて謝罪すると、思った以上にあわあわしながらメリーが応えた。

 

 

「あ、あなたたちがそういう関係だってのも、その、知ってたしね! ほんと、うん!」

 

「面目ない……」

 

「……そう、あれはちょっと盛り上がりすぎただけで……ごにょごにょ」

 

「?」

 

「なんでもないの! いいでしょ! もう!」

 

 

 ついにはそっぽを向かれてしまう。

 

 

「………」

 

 

 完全にやらかしてしまった。

 俺の隣でナナも顔を赤らめて縮こまってしまっている。

 

 

「「………」」

 

 

 気、気まずい……。

 

 

「……財宝」

 

「え?」

 

「ドラゴンの財宝よ! 早く探しに行きましょう!? ほら! シャキッとなさい!!」

 

 

 恥ずかしさに耐えかねて、メリーが俺たちを急かしてくる。

 だがそれが、今の俺たちにはありがたかった。

 

 

「そ、そうだな! 財宝はもう目と鼻の先なんだ! レアアイテム大量ゲットだぜ!」

 

「仰る通りにございます、主様。わたくしたちの使命のためにも、頑張りましょう」

 

「そうそう、その調子よ」

 

 

 よし、少しは気も取り直したな!

 

 じゃ、じゃあ……!

 

 

「『竜血水』……回収してくる」

 

「「………」」

 

 

 “なんでその名を出した”というメリーの視線が俺を射抜く。

 ナナに至ってはさらに縮こまり、なぜかしっぽをフリフリしている。

 

 

(しょうがないだろ!? レアアイテムなんだから!!)

 

 

 『竜血水』はSRアイテムである。

 それに確定高品質である以上、これを逃す手はない。

 

 

「ふ、二人は最終確認しといてくれ! 俺一人で行くから!」

 

 

 地味にあの部屋、湯気も危険だから安定をとって一人で向かう。

 結果、俺は『竜血水』をいくつかの空き瓶に詰めて、無事お宝をゲットと相成った。

 

 

「高品質だと追加効果があるアイテム……なんて」

 

 

 モノワルドのアイテムは、まだまだ奥が深い。

 

 

 

      ※      ※      ※

 

 

 

「――“マナー”確認。通行を許可します」

 

「おっ」

 

 

 いよいよ準備を整えて、俺たちは脱衣所奥のスライドドアから先へと進んだ。

 そこで突如として聞こえた機械っぽい声の内容に、ドキッとさせられる。

 

 

「主様、今のは……?」

 

「ふむ。どうやら、ちゃんとお風呂に入って正解だったみたいだな」

 

 

 どこでどうフラグを管理しているのかはさっぱりだが、俺たちが風呂に入ったことを検知するセンサーみたいなのが扉の向こうにあったんだろう。

 

 これで俺たちの大失態も、ただただ無駄になったわけじゃないとホッと一息だ。

 

 

 

「この先が、いよいよドラゴンの宝物庫なのね」

 

「そうだな」

 

 

 扉の先にあったのは、50mほどの真っ直ぐな通路。

 “開かずの扉”があった神殿に似た造りの道の先には、両開きの大きな扉があって。

 

 

「さ、さすがにここにきて鍵穴要求とかないよな?」

 

 

 『マスター・キー』はありがたいことにまだ俺の手元にあるが!

 

 

「主様、こちらに何かスイッチのようなものがございます」

 

「でかした」

 

 

 ナナは目鼻が利いてとっても偉い!

 俺が何かするより先に動いてくれるから、話が色々と早くなる。

 

 

「どれどれ……って、これは」

 

「私が視ましょうか?」

 

「いや、大丈夫だと思う」

 

 

 メリーの提案を断り、俺はスイッチを迷わずに押した。

 

 

「ちょ、大丈夫なの?」

 

「大丈夫大丈夫……ああ、やっぱり」

 

「主様、扉の向こうから何か音がいたします!」

 

「え、え!? どういうことなの白布!?」

 

 

 慌てふためく二人をよそに、俺はまた、この状況に懐かしさを覚えていた。

 

 

 ガチャンッ。

 

 

「「!?」」

 

「ほら、開くぞ」

 

 

 何かがガッチリと嵌まる音がしてから間もなく、鈴の音とともに両開きの扉が解放される。

 

 

「これは……」

 

「箱部屋、なの?」

 

 

 扉の先にあったのは、綺麗な直方体の空間で。

 

 

「はいはい、GOGO」

 

「わぅっ、あ、あるじさま!?」

 

「ちょ、押さないで! まだちゃんと視てないのに、ぴぃっ!」

 

 

 二人を押して雑に入って中から部屋を見てみれば。

 

 

「お、あったあった」

 

 

 予想通りの、スイッチ群を発見。

 1から8までの数字が刻まれたスイッチと、漢字の“開”と“閉”の文字がそれぞれ刻まれたふたつのスイッチ。

 

 入ってきた扉側の上部を見れば、数字スイッチと同じだけの数字が横並びしていて。

 自分たちが入った場所が“3”であることを示している。

 

 

「これ……この場所自体が移動用の小部屋、なの?」

 

「なんとっ。この空間が丸ごと移動するのでございますか?」

 

 

 少しずつ状況を把握し始めているメリーとナナをよそに観察を続ければ。

 

 

(6のところだけ少し色が違う……ってことは、そこが“当たり”かな?)

 

 

 目的地へのあたりがついて、いよいよあとは、スイッチを押すだけとなる。

 

 

「ナナ、メリー。準備はいいか?」

 

「え? ちょ、ちょっと待って白布!」

 

「わたくしはいつでも、主様のお望みのままに」

 

「なんでこの子はいつも覚悟決まってるのよ!?」

 

「よーし、スイッチオーン!」

 

「ああああ! 待ってって言ったのにーー!!」

 

 

 6のスイッチを押して、さらに閉と書かれたスイッチも押す。

 少しの間をおいてから、ゆっくりと扉が閉まった。

 

 そして。

 

 

「お。おおお……」

 

 

 主に足回りにかかる、懐かしい重みと。

 

 

「ひぎゃああーーーー!?!?」

 

「ふわわわわ!?!?」

 

 

 かわいい二つの叫び声。

 

 

「なになになになになに!?!?」

 

「ああああああるじさま~~!!」

 

「HAHAHA、大丈夫大丈夫。今まさに、上に昇ってるだけだって」

 

 

 しまいには、腰を抜かしそうになった二人にしがみつかれる栄誉を賜って。

 

 俺たちは移動する。

 

 

 

(エレベーター! ちょ~~~~~懐かしい!!)

 

 

 ジャポン人の文明、やるじゃなーい!

 

 

「なに一人で楽しそうにしてるのよ! ばかー!!」

 

「おああああ……あるじさま~!」

 

 

 異世界で触れた懐かしい技術に、俺のテンションはマックス最高潮に高まっていた。

 

 もっとも、その先に見えた景色に、そのテンションはあっさりと更新されてしまうのだが。

 

 

 

      ※      ※      ※

 

 

 

 ガチャンッ。チーンッ!

 

 

 階層への到着を告げる結合音に続いて、扉の開閉を告げる鈴の音が響く。

 

 

「うぇぇ……他人の飛行魔法で無理矢理飛ばされたみたいな感覚だわ……」

 

「わぅ、あるじさまはごぶじにございますか……?」

 

 

 慣れないエレベーターの動きにヘナヘナになってしまった二人の声が、遠くに聞こえる。

 

 なぜなら。

 

 

「……ぱねぇ」

 

 

 エレベーターの扉が開いた、その先は。

 

 

「これが、ドラゴンの宝物庫!!」

 

 

 本当にこんな場所があるのかっていうくらいの、金銀財宝の山脈だった。

 

 

「何よ白布……って、うわ」

 

「これは、絶景……に、ございますね」

 

 

 遅れて二人もこの景色を目にして、口々に感嘆の声を上げる。

 

 

「通路っぽく整理されてる場所が少しだけあって、あとはもう宝の山、山、山じゃない」

 

「小高い丘ほどから、まさしく山と形容するのにふさわしい大きさのものまで、これはあまりにも、圧倒的な風景にございます」

 

「どこかしこもキラッキラしてるが、あれインゴットだけじゃなく、金貨や銀貨、アイテムが混じってるんだな」

 

 

 まずこの出入り口傍の時点で、小石サイズの砂金がうず高く、俺の身長以上に積み上げられている。

 

 

「……っと、ぶねぇ」

 

 

 キラキラに誘われてつい触りそうになったのを、すんでのところで踏みとどまった。

 

 

「これは、国家予算ってものじゃないわね……」

 

 

 《神の目》を通して罠の有無を確かめたメリーが頷き、手頃な金山に手を突っ込み、手の平いっぱいに握り締めれば。

 

 

「はい、数万gゲット」

 

 

 金だけじゃなく、宝石類までその手の中にあり、苦笑する彼女の表情からも、その口が紡いだ金額が嘘じゃないってことを物語る。

 

 ここはもはや、異界だ。

 

 

 

「ああ、なんだか私クラクラしてきた……」

 

「お気を確かに、メリー様」

 

「そうだぞメリー。まだここは入口だ。この奥にはもっと純度の高い宝石や、レアアイテムだって眠ってるはずなんだからな」

 

「えぇ、そうね。私たちの目的を達するために、最善を尽くしましょう」

 

 

 昨日の温泉とは違う意味で頭がおかしくなりそうになる。

 今この瞬間にも、大声をあげて宝の山に飛び込んで、狂ったように金色の海を泳ぎたい。

 

 

(ぜっっっっったい、やらねぇ!!)

 

 

 俺は、忘れてはいない。

 

 

「ここは、ドラゴンの宝物庫なんだ」

 

「はい」

 

「えぇ」

 

 

 俺たちの目的は、ここの財宝を手に入れ、かつ、生存して帰還すること。

 

 

「慎重に参りましょう」

 

 

 ナナの言葉に頷いて、俺たちは宝物庫の探索を開始する。

 

 今このとき、俺たちは間違いなく、命を懸けた綱渡りの最中にいた。

 

 




ドラゴンまんじゅう:ドラゴティップ印(R)
ドラゴンに縁のある土地でよく作られる、ドラゴンの名を冠するまんじゅう。
霊峰アルバのお膝元であるドラゴティップで作られているのがこれ。
中身はイノシシ系モンスター、バリブリボアーの肉を煮込んだ物で、実質豚の角煮。
つまるところ、豚の角煮マン的アイテムである。美味い。


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次回、いよいよドラゴン、登場!
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