異世界ストリップ~俺はレアアイテムをコンプリートして世界を手にする!~ 作:夏目八尋
76話をお届けします!
感想が本当の本当の本当に力になっています!
ありがとうございます!!
うおおおおお! いくぞぉぉぉ!!
「……んん?」
「何も変わって、なくないか?」
“それ”がわからないギャラリーは、口々に疑問の声を上げた。
「……あれは!」
「わたくしにはわかります。主様が、そのお力の一端を開放なされたのだと」
頼れる仲間は、“それ”を見逃さなかった。
そして。
「ラウナベル、何が起こったっていうの?」
「……テトラ。あいつの装備たちをよく目を凝らしてみなさい。魔力を、読み解くのよ」
「え? ……あ!?」
恐るべき魔法《ブレイク》を扱う勇者テトラとその相棒も、“それ”に気がついた。
「あいつ、装備魔法って言ったわよね」
「《イクイップ》《エンチャント》……ヒトに、神が与えた魔法のこと、だよね?」
考察し始めた二人に向かって、俺は自らこの力について説明する。
否、正確には……何が起こったのか、その結果だけを、伝える。
「悪いがもう……俺の装備はあんたらにゃ、どうにもできないぜ!」
「「!?」」
俺の体から、俺の装備しているアイテムたちから、碧緑の輝きが放たれている。
これは、魔力を見る目で見なければ、存在の知覚すらできないうっすらとした光。
そんなか弱い輝きが、しかし、この場の何よりも、強い。
「装備魔法……《メンテナンス・ヴェール》」
財宝神ゴルドバから奪った
「さぁ、勇者魔法《ブレイク》で来い!!」
俺は真正面から身構えて、勇者テトラに手招きをした。
※ ※ ※
「キミが何をしたのかはわからない、けど……!」
俺の挑発に、勇者は見事に乗った。いや、応えてくれた。
「キミの行く先が変わらない限り! ボクはキミを止めてみせる!」
「あっ! 待ちなさい、テトラ!!」
一切回避する素振りを見せない俺に向かって、真正面から突撃し。
「キミの装備を破壊する!! ――《ブレイク》!!」
こちらの望み通り、勇者魔法《ブレイク》を刃に乗せて、振り下ろす!
「白布!!」
「あるじさまーーー!!」
斬撃は確かに俺の肩から胸、そして脇腹を通過し、刃が抜けていく。
だがその刃に一切のダメージを発生させる力はないのか、本当にただ、通過した。
そして。
「……そんなっ!?」
「残念だったな?」
俺の装備は、何一つとして破壊されることはなかった。
(これが、装備魔法《メンテナンス・ヴェール》!)
俺の装備を包む碧緑の輝きの膜は、装備に対するあらゆる理不尽な破壊を許さない。
モノワルドにおいて神が定めた正しい損耗、正しい破壊に従ってしか、これらは壊せなくなる。
(そしてこれは俺だからわかる……今の俺の装備は《ストリップ》でさえ、奪えない)
理不尽な略奪も、許さない。
「装備を絶対に守る魔法……それがこの《メンテナンス・ヴェール》の力だぁ!!」
「くっ、ぅわぁぁ!!」
《ブレイク》の掛かった勇者テトラの剣を、『増魔の剣』で跳ね返す!
「テトラー!」
「勇者様が、押し返された!?」
「いったい何が起こってるんだ!?」
状況が変わる。潮目が変わる。
防戦一方だった俺が反撃に転じたことで、この場の誰もがそれを実感する。
「メリー様! 主様が!」
「はいはい。変なテンションだったのも落ち着いて、いつもの顔になってるじゃない」
「はい。いつも通りの、お力強い、わたくしの主様です……!」
相手の切り札は使わせた。
屈辱の犠牲はあったが……それを俺は、乗り越えた!
「さぁ、ここからが本番だぜ、勇者様!!」
「っ!!」
お仕置きまでのカウントダウン、スタートだ!
※ ※ ※
「うおおおおおっ、行くぞーー!!」
「負けるもんかぁ!!」
真っ向勝負で打ち合う。
剣戟を一合、二合と合わせていけば、相手の力量が見えてくる。
(……なるほど。基本的なスペックは、通常のナナよりちょっと強いくらいなのか)
刃を交えてわかるのは、相手の剣の取り扱い方。
おそらく装備適性はCくらい。Bにも届きそうだがまだ至ってない感じに思う。
「真正面から打ち合ったらダメ! 速度重視のヒット&アウェイよ!」
「わかった! 力を貸して、『風精霊のブーツ』!!」
セコンドの妖精さんの助言を受けて、勇者テトラが例のうねうね歩法で距離を取る。
「装備が破壊できないなら、動けなくなるまで叩くだけだよ!」
「……!!」
《メンテナンス・ヴェール》は装備を守る魔法だ。
つまり、別に俺の防御力が上がったりするわけじゃないし、ダメージは普通に通る。
だから装備者である俺をぶちのめして意識飛ばすのが、大正解!
「さっすが、勇者様賢い!」
「バカにしてぇ!!」
《ブレイク》が通じなかった動揺が後を引いているのか、勇者テトラの攻め方に乱れがある。
それでも鍛え抜かれた技術は冴えを失わず、俺の魔法の狙いから外れ続けているのはさすがの一言だ。
だが、それも今となっては、状況が違う!
「悪いが、変な縛りも出し惜しみも、なしだぜ! 《イクイップ》!」
そもそも受け身になってたのが、間違いだったんだからな!
俺は左手に《光のドラゴンオーブ》を再び掴む。
ここはド派手な方がいい!
「いけない、テトラ! 防御魔法!! ……この場の全員に!!」
「!?」
「そらぁっ! 守ってくれよ、勇者様! 《シャイニングレイン》!!」
天に掲げたオーブから放たれる光の玉が、空中で無数に分裂する。
「うわあぁぁぁぁ!! 勇者魔法! 《エクストラプロテクション》!!」
「どっせぇぇぇぇぇい!!」
勇者の張った『ぎんの手』によく似た広域の障壁に向かい、言葉通りの光の雨が、いつか見た矢の雨と同じ軌道を描いて降り注ぐ!!
「ひぃぃぃぃ!!」
「うわー! だめだー!」
「あの男、頭おかしいんじゃないのぉ!?」
「あるじさまー!」
「ばかばかばかばか、あんぽんたーん!!」
ギャラリーも大はしゃぎで結構!
しっかり意識も上に向いているようで何より!
「さぁ、仕上げだ!」
光の矢の雨が降る中、敵すらまとめて守るでたらめな障壁の下で、俺は動く。
「く、ぅぅ!!」
ターゲットは魔法の維持で手一杯! しっかりと足止めされている!
「!?!? テトラぁぁ!!」
妖精さんが気づいたみたいだが、もう遅い!!
狙いはバッチリ、定まった!!
「お仕置きの時間だ……! 《ストリーーーーーーーーップ》!!」
「!?!?」
魔法発動!
俺の切り札が、勇者の装備を剥ぎ取った。
勇者の下着セット:LDW(SR)
財宝教の技術班が拵えた勇者専用の下着セット。
勇者装備適性D以上の者が装備した場合、通常の下着効果に加えて自然治癒力が向上する。これは、勇者装備適性が高ければ高い程効果が上昇する。
デザインパターンが複数存在し、LDWはLady向けDセットWカラーの略で、純白のブラジャーとパンティはどちらも、天使の羽をイメージした意匠が施されている。
「なお、勇者の下着セットはひとつ手に入れれば図鑑的にはOKでございますが、フルコンプすると実績が手に入りますでございます」(言:アデライード)
ここまで読んでくださりありがとうございます!
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次回、勇者の下着セットを紹介したということは、そういうことです。