さて、転生したおにいさんことマリー・ベーカー(♀)7歳です。
生まれおちたのは現代に近いかな? のイギリスの田舎町でした。
お約束の孤児です。
よく覚えていないのだけど、どうやら私は心霊現象を引き起したんだそうで。
それで両親からポイッとね。
そんな感じらしいんですよね。
国が運営する児童養護施設にいるんでなんも問題感じませんが。
特にいじめなんかもないですし、肌の色で差別ってことも今んとこはないんで。
あ、見てくれですか?
どうも中華系の血が入ってるらしく、モンゴロイド系の肌と顔立ち、ふんわりとした髪の色はくすんだ
チャームポイントはかなり太っとい眉毛。
濃いめです。
当然ロリなので出るとこも出てません、幼児体型…でもなかったり。
これ、実は私の『チート』に関わってます。
我がチートは、
『男塾の知識』
でした。
はっきり言って役立たん。
というのも、この知識、主に戦闘技術、特にあやしい中国拳法に関するもんが多い。
で、この技術なんだけど、はっきり言って『それなりに優秀な才能』程度で習得できるもんが少ないんですよね、これが。
ものすごく身体能力、才能に長けた人が必死になって命の危険のある修行を何年もしてそれで身につけることが出来るものがほとんど。
実際、いくつか修練してみたんだけど、ほとんど習得できてない。
例えば、空を自由に飛びたいな♪ なんて考えて、それが出来そうな奥義を試してみた。
登場人物の経験ごと取り込めるからまだましなんだろうけど、それでもこれ。
いわゆる発勁なんかは出来るようになったけど、それ以上はなかなか。
身軽になる軽身功や身体を固くする堅身功なんかはある程度習得できたんですけどね。
そこから上位の技になるとなかなか…。
さらに言うと、「魁!!男塾』って「男の漫画」なんですよねえ。
登場人物のほとんどが、というか主要キャラクター全部が男。
その為に、『男しか習得できない奥義』なんてのもあるんです。
どうしても男と女とでは体内の「気」のバランスが違うんですよね。
だから、「気」を使うような系列の技ってどうも今の私の体に上手く合わないんです。
使うなら今の自分に合うようにカスタムしないといけない。
でも、まあこれくらいで十分かと。
後は前世で学んだ武術と組み合わせれば結構いけるんじゃないかなあ。
ってことである程度鍛え込んだら「出るところは出てないけどスレンダーで筋肉質な体」の幼女がw
笑うしかねえ。
やっぱ使えねえじゃんチート。
なんて考えて済みませんでした神さま、これむっちゃ使えますやん!!
9歳になった時です。
施設が経営難になりまして。
国営とは言え、独立採算制ってやつを取ってて、昨今の不況のせいで企業が手を引き始めたとか。
これはなんとかせねば、と考えていた時にテレビでアジア方面の貧困に関してやってまして。
そこでごみ山を漁る子どもたちの映像が出たんですね。
私はこれだ! と思いました。
早速郊外にある不法投棄されているジャンクの山にやって来て、貴金属を取りだそうとしたわけですよ。
電化製品の中にある基盤を取りだして、それを貴金属、レアメタルなんかと分離して集める、そう言う事を企んだわけです。
…いや分かりますよ、そんなんそれなりの設備がないと出来んだろって。
じゃあどうやって設備を用意したかって?
えっとですね、作りました。
いや! そこで石投げないで!? 出来ちゃったんだから仕方ないでしょ!
ちゃんと理由ありますから。
というのも、男塾の登場人物の中に、「田沢慎一郎」という奴がいる。
いわゆる賑やかしの1人で、松尾鯛雄、極小路秀麻呂らとつるんでいる眼鏡でごっついという珍しいキャラでして。
こいつは「9×9=88」とかやる頭悪い系なはずなんだけど、ガラクタからロボットとか作るような「マッドサイエンティスト」的なキャラでもあるんすわ。
で、こいつの知識を使って「不安定だけどなんとか使えるレアアース選別機」見たいなのを作った訳ですよ。
まあよく造れたもんだと思うが、この田沢、発想さえあれば機械の類を「感覚的」に作れるようで、それを私という常識人(w)がサポートすることで選別装置を作ることが出来たってわけ。
で、それで施設の運営費をねん出した。
んだけど。
結構やばい所に目を付けられて、私、売り飛ばされましたw
町にある中小企業の社長さんとこに養子に行くことになりまして。
これがまた、どうも犯罪組織とか民族主義組織とかの仲介とかやってるやっばいとこだったんですよ。
私が作った選別機とかで「ゴミから錬金術」って感じでぼろもうけするつもりだったようです。
養子に取られた即日から小突き回されて機械を作るよう強要されました。
さっさとやらないと「施設の兄弟達がどうなるか」みたいなことを言われましてね。
ぷっちん
そして、半年後。
組織を丸々乗っ取りましたw
暫く大人しくしつつ会社の事とか関係組織の事とかの情報収集に専念して。
そっから一気に組織掌握に走りました。
…まあそうですよね、普通そんなことできるはずがありませんわ。
でもできたんです。
なんでかって?
さて、魁!!男塾の中で最大の敵って知ってます?
質問に質問で返すなって? まあ良いですから聞いたくださいって。
それは「藤堂兵衛」。
戦前からずうっと江田島平八と因縁を持ち、戦後はあらゆる悪行を重ね日本有数の財と権力を手中に収めた怪物。
政治や交渉事の汚い面を知り尽くしている悪の中の悪とも言える存在だ。
で、こいつの知識と経験があると、末端のゴロツキみたいな犯罪組織ほど扱い易いもんはなかったんですね。
もう簡単に掌の上ころころと。
もちろん言う事を聞かない聞かん坊ってどこにでもいますし、腕っ節に自信のある連中もいます。
まあそう言うのは私が直接行って締めてましたw
所詮は街の格闘道場上がりのチンピラでしたね。
サバットかボクシング、柔道とか空手あたりでしたが、結局体格だよりの力任せ。
ちょっとは武術の深淵をかじった身からするとちょろいちょろい。
銃を使う奴もいることはいたけど、こちとら「気」の感知は基本中の基本だし、そもそも常に命を狙われるような藤堂兵衛の経験を元にすればどこから狙ってくるか丸わかり。
射程内に近づかれる前にさくっとね、ぬるいぬるい。
その時何が起こったか:ただのチンピラの言
男は民族解放戦線、を名乗る組織のさらに数段下部の組織に所属する自称民族主義者である。
イギリス、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国という国は古来いくつもの小国が存在し、それらが統廃合する形で形成されている。
そして残ったのがイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドでありこれらが連合国家としてあるという事だ。
さて、そうなると「国家として、民族としての独立」を声高に叫ぶ者もいる。
そうした意志は人によっては持続しない。
いつの間にかそれを叫ぶこと自体が目的となり、いつしか思想は腐るということも。
男はそういった「腐った」者の1人だった。
小さな町に巣食い、善良な人たちから金をせしめてクダを巻く、そんな毎日。
それが変わったのはとある少女が彼らの事務所、というよりはアジトと言った方が正しいか、である郊外の倉庫にやって来たことからだった。
それより前から異変はあった。
男の周囲から、ぽつぽつと人がいなくなっていたのだ。
ある者は仕事が見つかったからと別組織に移動していった。
ある者は限界を感じて引退していった、提携している会社が仕事をあっせんしてくれるのだそうだ。
櫛の歯が欠けるように人がいなくなったが、外からより凶暴な連中が入って来るので男は気にしなかった。
組織はより先鋭化し、毎晩酒を飲んでは気を吐くことが続いていった。
それは男の気を大きくし、「ここでいっちょ大きな花火を!」という感じでいつの間にか民族自決のパフォーマンスという名前のテロ行為を行うことが決まっていった。
そうしてダイナマイトや旧式の軍用銃が集まり始めた所で、
「御免下さいな~」
倉庫に押しかけて来たのは小さな女の子。
子どもとしては大柄なのだろうが、倉庫にいるのは暴力自慢の連中で、体も平均に比べるとかなりでかい。
更には決起前で気が立っているの連中がこれを慰み者に、と手を出そうとしたところで、
ごっ!
なにやら凄い音が響いてそいつが棒立ちになり、そのまま地面に倒れた。
周囲の人間は何が起こったか分からない顔。
男は嫌な予感がした。
こういうときの勘はやたらよく当たる。
本来ならば逃げるべきだった。
しかし、男は油断した。
相手は小さな子どもだし、銃を持っている様子もなかった。
油断があった。
子どもは間抜けな顔をして立っていた。
これで目の前に厳つい男が地面に寝転がっていなければなかなかにファンシーな図柄だったろう。
しかし、
「…」
少女が平らな胸の前で腕を交差し、それを上に挙げて行き、顔が隠れ、
「ぬうぁあああ!」
次に見えたその顔は、正しく「悪鬼」。
子どもがここまでの憤怒の表情を浮かべられるのか、と思うほどの「怒り」を表現していた。
そして、
「うわぁ!?」
「ぐえっ!?」
「どわぁ!!」
その「鬼」が小柄な体躯を凄まじい速さで動かし、ゴロツキ達にぶつかる度、まるでダンプに撥ね飛ばしているかのように男どもが宙を舞う。
サバットを自慢していた大男も、モリモリなマッチョも関係ない。
その圧倒的な「力」にゴロツキたちは制圧されていく。
これはダメだ、男はそう考えて懐から拳銃を持ちだした。
こんな町では珍しい、コルトガバメント拳銃の密造銃だ。
45ACP弾はマン・ストッピングパワーに優れ、人を殺すには十分な殺傷能力がある。
声をかけるでもなく、周囲を気にするでもなく、男は銃をぶっ放した。
だが当たらない。
相手が小柄、というのもあるが純粋に速いのだ。
ボクサーのようにサイドステップを踏んで迫る少女は、まるで複数人いるかのような錯覚を覚える。
そして、
「っそがあ!?」
弾丸を撃ちだそうとした銃、それが大きく上に弾き飛ばされた。
投石などはなかった。
目に見えない
少女は男の10歩ほど先で掌を前に突き出して立っている。
少女の攻撃が届くわけがない。
届いたとしたら、
「ははっ…、『ドラゴンボール』かよ…」
次の瞬間、男は少女の飛び蹴りを喰らって気絶した。
今後はまじめに働こう…、そう思いながら。