ホグワーツの凶犬~ハリー・ポッター×男塾~   作:黒羆屋

23 / 32
第22話 クリスマス後の不穏

 クリスマス休暇が終わり、冬のホグワーツでの生活。

 これもまた美しい。

 返って来た時、雪の振り積もったホグワーツ城砦は、もう幻想的でなんて綺麗なんだ、と、つい小舟の上で立ちあがっちゃった。

 マルフォイ君達に引きとめられてけど。

「だからやめろ!」

「冬の湖はやばいって!」

「ここでダイブは死ぬって!」

 いやだから湖にダイブはしないよ!? …多分。

 

 で、帰ってきて。

 …あれ大丈夫か?

 ポッター君、なんか麻薬の禁断症状みたいな顔してんだけど。

 いや、実際にうちで「薬抜き」の施設にいた奴があんな顔してたんだよね。

 裏社会に首突っ込んだ結果、貧民街に蔓延ってた違法ドラッグ排除した結果、薬の禁断症状に苦しむ人が結構出てね。

 あわてて専門家呼んで、ドラッグの更生施設作ったんよ。

 この人達このままにしとくと、また別の裏組織が街に食い込んでくるから。

 で、ポッター君の状態がなんかそんな感じだったもんで、マクゴナガル先生にちょっと聞いてみたんだよね。

 そしたらさ。

「彼については問題ありません、教員(こちら)でも認識してますので。

 しかし、貴方は何故そのような事に詳しいのですか?」

 と逆に聞かれちゃった。

 まあ麻薬とか覚せい剤に詳しい12歳(正確な誕生日分かんないから1月1日が暫定誕生日なのだ)ってのも嫌な話だ。

 これは実家で更生施設を運営してるから、って事にしとこ。

 

 さて、その日の昼食時。

 がっつりご飯を頂いている時に、何人かの子に梟便が届けられていました。

 で、

「げっ!? これ『咆えメール』だ…」

「うわっ、こっちも!!」

「こっちもだ、だれだママに告げ口した奴…」

 絶望的な顔をした双子のウィーズリー先輩とロン・ウィーズリー君。

 すまんねウィーズリー君、告げ口した形になったの、私のせいなんだ。

 ちなみにウィーズリー先輩たちのは明確に告げ口、いつも悪戯の際に過剰に周りを汚して回る事に対する報復ですウケケ。

 悪いことしたからウィーズリー君には後から菓子折り持って謝りに行こう。

 ウィズリー先輩方の分はもちろんなしで、どうせ後から厨房に何かねだりに来るだろうし。

 

「ぶぁっはっはっ、ざまあみろウィーズリー!!」

 という話をフィルチさんにしたらば、大爆笑してました。

 いや、管理人室でお土産のクッキー持って来たんですけどね。

 因みにミセスノリスには高級猫缶。

 で、クリスマス休暇中、なんかありました? って聞いたら。

「それがなぁ…」

 クリスマスから数日、夜になると気配はあれども姿は見えない、そんなのがホグワーツを徘徊してたんだそうで。

 図書館の辺りに頻繁に現れてたんだそうだ。

 それってあれじゃない? 閲覧禁止書庫にある本が目当てだとか。

 3年生くらいになると魔法の技量も上がって来るから、試してみたいとか思って夜に忍び込んだとか、そんなんじゃないの?

 まあスリザリンだと少なそうだけど。

 なにせそういう(・・・・)本を普通に持ってるからね、みんなの家。

 古くからある魔法族の一族には、そういう禁忌の知識とか秘匿してる所もあるだろうし。

 そもそも、10世紀にホグワーツが出来るまでは、魔法の継承は一族での教育か徒弟制度での少数学習だったんだよね。

 いまでも小さな私塾が残っているのはその名残なんだ。

 それに、ホグワーツが本当の意味で稼働し始めたのはそれから何世紀もたってかららしいし。

 そもそも魔法族ってかなり閉鎖的な所があって、12世紀くらいにやっと物々交換を始めたって記述が歴史書にある位。

 それまでは物凄い狭いコミュニティーしかなかったと思われるんだよね。

 ここらへんはカルバート・ビンズ先生の魔法史の授業である程度勉強出来たりした。

 魔法史っていろいろ突っ込んで調べると面白いんだよねえ、マグルの歴史ともリンクしてるし。

 意外な感じだけど、魔法族ってマグルよりも色々進んでる、ってわけでもない。

 むしろ、マグルの技術や文化の発展に便乗して発達してる所があるように思える。

 そうなると今後、マグルの発展のスピードが速くなるにつれ、それに合わせて魔法界も発展しないと置いてかれる事になるんだけど。

 その辺り、ちょいと心配だ。

 まあそれはさておき、フィルチさんにはミセスノリスを連れていくことを勧めました。

 人間とは視点が違うから、フィルチさんには見えない位置からものを見る事が出来るし。

 鼻なんかも人間より敏感だから、臭いで異変を感知できるかもしれないかんね。

 

 さて、そんなことのあった次の日、

「げっ、なんだよスリザリン…」

 嫌そうなロン・ウィーズリー君。

 隣にいるポッター君とグレンジャーちゃんも怪訝な顔。

 まあ、今のところウィーズリーだと先輩方の方が縁があるからね、私。

 とは言え、今回は間違いなくロン・ウィーズリー君の方に用事がある。

「いゃあ、じつは、さ…」

 …

「はあっ!? じゃあ昨日の『咆えメール』って…」

「はい、私のせいです、すいません」

 こう言うときは低頭平身でいかないとね。

「ひどいじゃないか! おかげでママの説教がまだ耳にへばりついてる…」

 うん、すっごい声だったね。

 ほんとにすまん。

 ぺこぺこ頭を下げてると、グレンジャーちゃんが、

「ちょっと、そろそろ図書館に行かないと」

 と、ウィーズリー君をせっついています。

 おや、図書館で勉強ですか。

 まだテストには早いと思うんだけど。

 グレンジャーちゃんはともかく、ウィーズリー君とかポッター君は、ねえ。

「別にそんなんじゃ、早く行こう、ニコラス・フラメルの…」

「ロン! 駄目よ、それは…」

 ニコラス・フラメル? ああ「賢者の石」の。

 と言うと、三人とも驚いた顔をしてます。

 おかしなこと?

 だってダンブルドア校長先生の功績の一つってフラメルとの「賢者の石」の共同研究だし。

 そもそもニコラス・フラメルって錬金術師としてだけじゃなく、マグルの歴史にも出版業者、建築家としても名前が挙がってるよ。

 彼の作った家ってパリでも最も古い建築物として今でもレストランとかに使われてるくらいだし。

「…ハーマイオニー」

「もしかしたらさ、君のご両親って」

「ニコラス・フラメルの事、知ってたかも…」

 なんかどんよりし始めましたな。

 んで、図書館行かんで良いの?

「!! 時間がもったいないわ、いきましょう!」

 グレンジャーちゃんの一声で、男の子達も動き出しました。

 私の菓子折り持って。

 良いのかね、お菓子持って図書館って。

 

 まあ良くなかったらしく、司書のイルマ・ピンス女史にしこたま怒られたとか。

 後からウィーズリー君に文句言われたけど知らんがなw

 

 その後、ハグリッドさんにクッキー渡そうと思って持っていこうとしたら、途中で当人にあった。

 なんか微妙に機嫌が悪そう。

「ハグリッドさ~ん」

 そう声をかけると、

「ん? おおマリーかぁ、どうだったぁクリスマス休暇はぁ」

 そう聞かれました。

 んで、パーティーに参加した時にウィーズリーさんご夫婦と合った事、そこでロン・ウィーズリー君の「トロール退治」の話をしちゃったこと、ウィーズリー兄弟の悪戯の数々、を暴露してしまった事を話しました。

 そうすると、

「む~ん、しっかりしとるように見えるマリーも意外とぉ抜けたとこがあるんだのぉぉ」

 との事。

 いや、私だって子どもだよ。

 そうそう全部しっかりってわけにもいかないって。

 とは言え、内心前世と合わせると三十以上入ってるんだよね、それだともうチョイしっかりしないと。

 どうも「男塾」の考えとかに引っ張られてる気がすんだよね。

 そんならそういった如才ない所こそ藤堂兵衛に影響されればいいのに。

「はぁ~、しっかしどうしたもんかのぉ。

 あいつら、どうも人を突っつき回しよる…」

 ほっほう、あいつら、ってもしかしてポッター君達三人組?

「…オレは何も言わんぞぅ」

 ってなんかあったっての丸分かりなんだけど。

「むぐうぅ」

 まあ詳しくは聞かないけどさ、ハグリッドさんってダンブルドア校長先生から信頼されてるわけでしょ。

 その信頼を裏切ることがないようにね。

「…分かった」

 ほんとに分かったんかね。

 前世で内心納得いかない時の自分の顔を見ているようだw

「ほんとに困ったら相談してね」

 と言い残して、私はハグリッドさんから離れていったのでした。

 もちろんクッキーはちゃんと渡して。

 

 

 

 さて、寒い日が続き、勉強に遊びにみんなとの交流と楽しく日々を過ごしていると。

「マリー、すまんがぁちょおぉいと頼まれてくれんかのぉ?」

 ハグリッドさんがそう言ってきました。

 どうしたのかしら、と思って話を聞いてみる、なんの事はないただの荷物運びでした。

 これならフィルチさんに頼めばいいんじゃないかと思うんだけど、

「フィルチじゃぁ駄目だ、力が足らん」

 だそうで。

 出来るだけ少人数で運びたいんだと。

 ってなんか不穏な匂いがするんだけど大丈夫かな。

 ふむふむ、夜の12時過ぎに、ってそれアウトでしょ。

 寮監のスネイプ先生に怒られるわ。

 という事でお断りしようと思ったんだけど、すでにスネイプ先生には話が通してある、と。

 まあそれなら問題ないかなあ。

 しかし、その時間に作業となると、次の日の修練は別の時間に動かした方が良いかな。

 そんなことを考えてその場はハグリッドさんと別れました。

 

 一応確認の為にスネイプ先生の所にも行きます。

 やっぱりちゃんと話が通ってたようです。

「…しかし、今後管理人は複数雇うべきなのかもしれん。

 ミスター・フィルチだけでは、見回りならば十分でも力作業となるとさすがに足らんか」

 などと言ってらっしゃいます。

 しかし、魔法が使えればその辺り簡単に埋められるのでは?

 と、スネイプ先生に聞いてみると。

「フィルチもハグリッドも都合があって魔法の使用を認められていない。

 実際、彼らが杖を持っているのを見た事がなかろう」

 そう返されました。

 確かに、フィルチさんが杖を持っているのを見た事がありませんし、ハグリッドさんは…、ええっと杖の代わりにピンクのかわいらしい傘持ってたっけ。

 ハグリッドさんも魔法使ってんの見た事ないなあ。

 魔法族の人達で杖を持ってないのは魔法族から生まれたけど魔法の力を持ってない「スクイブ」か、何らかの罪で「杖を折られた」人なんだよね。

 その辺りは深く突っ込むと人間関係にひびが入りかねないからやめとこうと思います。

「ふん、それが賢明だな」

 相変わらずうちの師匠は一言嫌味追加しますなあ。

 

 

 

 んで。

 

 ぐるるるるぅっ……

 

 なんか凄いのが目の前にいますよ!?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。