かなり盛り上がった(私見)歓迎会、その後みんなばらっばらな曲でとっても変な校歌を歌い(私は男塾校歌をアレンジして歌ってた、意外に合ってて笑った)そこからみんなで寮へ移動した。
階段を降りて降りて、どうやら城砦の地下に移動中らしい。
で、今私がいるのがむき出しの石が並ぶ壁。
そこで監督生の方々が合言葉を言うと、その石壁がごごごごごっと開いていく。
むう、これはこれでかっこいいなあ。
中に入ってちょっと地下迷宮みたいな石の通路を歩いていくと、えっらい居心地のよさそうなサロンが!
ちょっと暗い感じだけど、落ち着いた感じだ。
…だけど、ここ地下だよね、なんで窓あるんだろ?
まあ魔法で光を取りこんでんのかも知んないね。
で、そこで先輩である監督生の方からお言葉が。
食事が終わって眠たそうな人も多いけど、しっかり聞かないと後が大変よ、ほれ起きなさいってゴイル君。
さて、先輩の話はなかなか心に掛かるものでありました。
どうやらスリザリン寮は他の寮と確執がある感じです。
やはり10年ほど前にいたヴォルデモート卿およびその手下である死喰い人のほとんどがスリザリン寮の出身と。
それがまだ響いてるってのは確かに大変かも。
それに、やっぱりグリフィンドールに対するライバル心が強い。
やっつけるて…。
どうせならやっつけるじゃなくて上を行く、にしたいところだねえ。
しかしマーリンってスリザリンだったんだ。
なかなかに盛り上がる事実じゃないか。
なら偉大なる先達の上を行こう、それくらいの気概はないとね、なんて。
いやあわくわくしてくるねえ。
その日はみんな電池が切れたように眠り、そして早朝。
「くぅ~っ」
私が目を覚ますと、みんなまだ寝ていた。
だろうね。
体感で4時半くらいかな。
まだ若干空が暗い感じだ。
ささっと私物の運動着に着替えて、談話室を通る。
探し人をっと…、あ、いた。
「血まみれ男爵」
探し人?はこの方。
この時間、個人的に運動の出来そうな場所を聞いておこうかと。
まあ寮監であるスネイプ先生は徹夜でもしてない限り起きてないと思うんだよね。
で、寮からそんな離れていない所にある空き部屋を教えてもらって。
軽く柔軟、自重トレーニング、それから。
「ふうぅぅぅっ…」
ゆったりしたリズムで拳法の型を繰り返す。
南朝寺教体拳という、拳法界において奇拳と呼ばれる代物。
蝙蝠を操り、遠当ての奥義のある奇怪な拳法であるけれど、ただそれだけだと言う訳でもない。
動物を操る拳法は意外にあるし、遠当てもまあ珍しくはあるが唯一という訳でもない。
この拳法が奇拳と呼ばれる所以、それは通常の拳法の体術の常識を「ほんの少し」逸脱するような動きをするから。
他の拳法からは無駄と呼ばれるような動き、それらを型の中に少しずつ取り入れ、全体として拳法使いをかく乱するような動きが出来るようになるからだ。
もちろんそれは読み切られればただの無駄と見えるだろう。
だけど、蝙蝠によるサポート、
…まあ桁外れの才能の前には中ボスとしてあっさりのされる羽目になるんだがw。
とは言え、子どもの頃(今もそうだけど)からの習慣で、一日一回は
私の場合、この南朝寺教体拳と実戦ボクシングが喧嘩の基礎になってる。
蝙翔鬼さんとJさんには頭が上がりませんよ、ほんと。
そして今日からは新しい武術を修練に取り込んでいく。
「ふぅぅ~っ、ふっ!」
手には私の魔法の杖(?)。
これを振りまわしつつ「槍」の型稽古をしていく。
色々試してはみたけど、この奇妙な形の魔法の杖に適した武器格闘の技術って「男塾」の中の技術だと応用できそうなのがこれだったりする。
まあ、特殊な槍使って、伸縮させたり蛇腹蛇みたいに操作したり、というのが奥義にあるけど、それを除いてもかなり有用だったりする。
これもまた暫く振りまわし、刺突、と体になじませていく。
じっくり1時間以上体を動かして、良い汗かいて寮に戻ろうとすると。
「何をしている」
という声。
「あ、おはようございます、スネイプ先生」
寮監のスネイプ先生だった。
なかなかに厳めしいお顔をしていらっしゃる。
で、早朝の日課であるトレーニングを行っていた事、その場所は血まみれ男爵に紹介してもらったということを説明した。
それで了解を得て、この時間にその部屋を使ってトレーニングを行う許可を先生からもらった。
それから、朝のうちに荷物から先生に届ける漢方系の本(私の翻訳付き)と、漢方の原料を先生の部屋に持っていくので場所を教えて欲しいといったところ、ここで待つとのことで。
それだとさっさと着替えてこな…、汗かいてんだよねえ。
ささっと拭いてから戻ってこよう、そう考えた時。
「
先生が杖を一振りすると、私の周りを杖から飛び出た光がぐるっと纏いついて、それが消えると。
「おおっ!」
何かさっぱりしてる!?
お掃除魔法か! 凄いな!!
私が感動してると、先生は「さっさと着替えて、資料を持ってこい」とのこと。
アイアイサー!!
着替えて、漢方の資料や原料をかばんに詰め、ひょいと担いでまだみんな寝ている部屋をさっさかと出て。
「お待たせしました」
「うむ、では行くぞ」
先生と一緒にホグワーツ城砦の中を歩いていく。
石畳の回廊を歩いていくと、
「ここだ」
そんなに離れていない所に先生の部屋はあった。
てか、私がトレーニングしてた所とそんなに離れてないな。
「入りたまえ」
先生がそう勧めてくれ、私は魔法薬学の教授室に入っていった。
中は、かなり几帳面に整理整頓されている。
机の上ではこぽこぽと薬入った鍋がアルコールランプで煮詰められている。
壁際にある暖炉の中にも大き目の鍋が火に掛けられていて、部屋全体にハーブ独特の匂いが充満している。
ん~、落ち着く。
この匂い好きなんですよねえ。
私がきょろきょろとしていると、
「何をしている、そこに座りたまえ」
先生が椅子を指している。
で、そこに座ると、
「コーヒーと紅茶、どちらにする」
「それでは紅茶で。
実家では朝に揃って紅茶と朝食を頂いてましたし」
「ふむ、朝食はもうしばらく先だ。
茶だけで我慢しなさい」
それはもちろん。
あ、
私はポケットから数個の飴玉を出し、
「先生もいかがですか? クエン酸入りの奴で疲労回復効果があるんだそうですよ、まあ魔法ほど劇的じゃないですけど」
そう言うと、
「ふむ、レモンや酢の酸味成分か。
マグルの世界ではこういうのも分離できるようになっているのか…」
なんか考えてらっしゃいます。
暫く漢方の話で盛り上がり、みんなが起きてくるだろう時間になりました。
今日はまだオリエンテーション的な内容で、前日にダンブルドア先生が言っていた禁則事項を細かく説明したり、授業の内容説明などを行う事になっています。
それに、昨日着いたばっかで荷物の整理とかしないとね。
そして私はやっぱり図書館に行ってみたい!
魔法の知識に関するものならやっぱりいろいろ知っておきたいしね。
まだ買ってない参考書とか、読んでみたい本とかいろいろあるし。
もうワクワクが止まりませんな。
何ぞと考えてると、
「一つ言っておく」
スネイプ先生から、
「お前は、こと薬学関係の事に関しては新入生どころか7年生すら上回るだろう。
だから、我輩はお前に対して手加減を加えん。
落第したくなければ、喰いついてくる事だ」
そのような「挑戦状」が。
…上等っ!
私は先生を睨みつけながら、
「楽しみっす」
そう言ったのでした。
楽しみな「種」:魔法薬学教授セブルス・スネイプの言
ホグワーツにて魔法薬学を教えるセブルス・スネイプ講師。
まだまだ30代の若輩であるが、ホグワーツ魔法魔術学校で教鞭をとる優秀な人物である。
もっとも、魔法界において優秀とは「変人」の代名詞でもある。
彼もまた本人が思っているほど冷静な人物ではなく、はたから見ると十分にエキセントリックな性格をしている。
それはさておき。
彼にはこの年に入学してきた新入生、その中で数人、気に掛ける者がいた。
一人はドラコ・マルフォイ。
敬愛する先輩であるルシウス・マルフォイの一粒種であり、スネイプにとっても大事な子どもだ。
一人はハリー・ポッター。
彼にとっては愛憎渦巻く何とも言い難い感情を想起させる輩だ。
そして、本来なら気に掛ける人物ではないのが、マリー・ウェリントン。
彼女の場合、スネイプにとっては「同業者」の印象が強い。
スネイプにとっても未知の領域に踏み込む「漢方」という東洋薬学。
軽く触れた感想としては、よく出来た「魔法排除」の薬学と言ったところか。
一部意味不明な部分もあったが、これは中国の魔法族の魔法薬学をマグル用の薬学に落とし込む際に発生した誤解ではないかと思われた。
こと丹砂などの水銀化合物の扱いは、ただ扱うだけでは明らかに人体に影響が出る代物も多かった。
魔法薬学で精製するならばそれこそ「賢者の石」の原料のまた原料になるような重要な代物なのであるが。
そういったスネイプとって「未知の知識」を垣間見せてくれたマリーに彼は興味を持っている。
今後どのような未知を見せてくれるのか。
そう考えながら、彼は自身の研究室、魔法薬学の教室に隣接した準備室を兼用している、でこぽこぽと薬品を作っていた。
スネイプは研究熱心で、ついつい睡眠を忘れて薬品の精製に没頭してしまうこともままある。
夜に新入生の歓迎会があったため、作業が若干遅れている。
普段はそれも考慮しつつ作業するのでこのような事はないが、マリーから渡されていた漢方を流用した薬剤の抽出法を試しているうちに好奇心に火が付き、予定がずれ込みずれ込み気が付けばこんな事に。
誰が悪いといえばやはりここまで自分の好奇心をかきたてる文献を持ってきたマリーあろう、うむ。
そう言い訳をしつつ、こぽこぽと、今度は紅茶を入れるために湯を沸かしているスネイプ。
そうすると、部屋の外でなにやら物音がしたような気がする。
はて、今は…、まだ午前の六時前、子どもたちが起きてくるような時間ではないし、幽霊たちはこのような物音は立てない。
侵入者、ということもあるまいが、どこかの寮が早速問題でも起こしたのだろうか。
部屋の外に出て、薄ぼんやりとした魔法の明かりのついた地下通路を歩き始めた所で、女生徒の後ろ姿が見えた。
特徴的な魔法の杖を持ち、体操服を着た栗色の髪の女生徒。
マリー・ウェリントンであった。
流石に起きるには早すぎる時間だ。
「何をしている」
スネイプはそう声を掛けた。
彼女は足を止め、振り返ると、
「あ、おはようございます、スネイプ先生」
そう言うとぴょこりと頭を下げた。
なんでも子どもの頃からの習慣で、早朝に鍛錬をするのだそうだ。
柔軟や基礎トレーニングではなく、
魔法使いとしては珍しい、そう思うスネイプだが。
中国の魔法使いである
確かに道士は生命エネルギーのコントロールに長けるらしいと魔法知識に長けた人物から聞いた事はあった。
だが、実際にそう言ったトレーニングを積んでいる者を見るのは初めてだった。
少々見てみたい、そうスネイプは思ったが口に出すのはやめておいた。
それよりも、
「先生のお部屋ってどこです? 持ってきた漢方の資料とか、今のうちに持っていきたいんですけど」
という用事の方がよほど重要であった。
スネイプがマリーを伴って自室として使っている魔法薬学準備室へと戻って来ると。
確かに良い資料であった。
基本的に漢方の本は古い書体の漢字で書かれているのだが、マリーが翻訳した副読本が付いており、非常にありがたいものだった。
スネイプは翻訳に関する魔法が使える。
だが、これは細かいニュアンスなどが抜けることが多く、本格的に魔法書を読み込むためにはやはり言語を学ぶ必要があった。
シュメール語や古代ガリア語、ヘブライ語などは堪能だが、残念なことにインドより東の言葉はスネイプは門外漢だった。
これならば中国語も押さえておくのであったかと若干後悔したが、後後学ぶのも良いかと気分を入れ替えた。
そうして漢方についてマリーと話しこみ、そろそろ部屋に戻っておいた方が良い時間になった。
「それじゃあ失礼します」
そう言って退出しようとするマリー。
と、スネイプは彼女に一言言っておかなければならない事に気が付いた。
彼女にとって、初歩の魔法薬学は非常につまらないものかもしれない。
彼女の技量はマグルの薬剤師(この場合は漢方の、という意味)として十分にやっていけるものだ。
しかし、魔法薬学を学んでいくならば、それで満足してもらっては困る。
マグルの薬学にはない技法、同じ原料で全く違う効果をもたらす薬の製法、魔法界とマグル界双方の技術を習得しなければならない。
混同したりすることは非常に危険な状況になる可能性もあるのだから。
スネイプは学問に対して非常に真摯な想いを持つ男だった。
だからこそ、
「一つ言っておく。
お前は、こと薬学関係の事に関しては新入生どころか7年生すら上回るだろう。
だから、我輩はお前に対して手加減を加えん。
落第したくなければ、喰いついてくる事だ」
そう告げた。
彼女はどう反応するか。
それは、
「楽しみっす」
不敵な、いっそ凶暴と言って良い彼女の笑みで返された。
想定外であり、
「そうか、行け」
「はい」
セブルス・スネイプにとってはとても楽しみな数年間になることとなった。
南朝寺教体拳の術理に関しては筆者のねつ造です。
ただ蝙蝠を操る、だけだと中国三大奇拳とは呼ばれないのでは、と思いまして。
また、セブルス・スネイプの言語能力に関しても「魔法ワールド」において言及はされていないはずです。