アザゼルSIDE
流れるような動作で新八をマットレスの上に寝かせ、そっと毛布を掛けてから宮白は振り返った。
「じゃあ巻いていくぞー」
「既に死屍累々なんだけどぉ!? 貴重なツッコミ役と当事者がぶっ倒れてるんだけどぉ!?」
銀時のツッコミが飛ぶが、宮白は肩をすくめてスルーした。
「いや、話が脱線しそうだからそろそろ倒れた方がいいだろう。ここで失神する者は此処からのおっぱいによる奇跡のつるべ打ちにはついていけないからな」
「……いや、なんでさ。本当になんでさ、そのおっぱいによる奇跡ってどういうことだよ!?」
衛宮がツッコミを入れ始めるが、宮白は諦観の視線を向けてきた。
「……非常にムカつく事に、途中まで
「通るの? おっぱいで奇跡を起こすとか言うのに通るの?」
「何がどうやって通すんだよ。どうやったら通せるんだよ?」
ノーヴェと左がそろそろいっぱいいっぱいだが、宮白は死屍累々が続く事を決意したのか、速攻でホワイトボードに戻った。
「さっきも説明したが、
と、力強く宮白はバンとならす。
「……ちなみにその二大巨頭であるイッセーが持つ
「因みに激突の余波で山が消し飛ぶやら島が消し飛ぶやらって大騒ぎにも困らねえな。ま、
俺が茶化すと、何て言うか結構な連中がげんなりしていた。
「……なんか、兵藤……いや、イッセーか。なんだかまともな気がしてきたぞ?」
「そうですね。なんていうか、変態だけどそこ以外は案外まともっていうか……?」
「左とスバルの言うとおりだ。ぶっちゃけイッセー、エロが絡まない限りグレモリー眷属ではツッコミ寄りで、時折エロが絡んでもあさっての方向にいくとツッコミに回るからな。―――主に君達の場合だぞ、教会三人娘」
と、左とスバルにうんうん頷いてから宮白は鋭い視線をゼノヴィア達に向けた。
「む、失礼だぞ宮白。私はイッセーとの子供を作りたいから頑張ってモーションをかけているだけだ。桐生のアドバイスもちゃんと参考にしている」
ゼノヴィアの反論に宮白はため息を盛大についた。
「うん、まずあいつは耳年魔なうえ愉快犯だから真面目に受け取るな。……そういえば俺の世界線だと「エロゲは裸でやるのが作法」とか言われたそうだが違うからな? それは一部の変態のトチ狂った作法でありイッセーは違うからな? そもそも自分の女とエロゲーやるとか、一部の好事家の趣味であって、あいつはその辺ノーマルだからな? エロゲは基本、一人でこっそりやる物だ」
と、しっかりと反論した。
……そんなことやってんのか。
と、そこでアーシアが愕然としていた。
「そんな!? イッセーさんを一人にするなんて酷い事できません!」
「ハイそこー。むしろそこは一人にしない方が酷いからねー。イッセーの心の羞恥心をバリバリ傷つけてるからねー」
なんか宮白のツッコミがおざなりだった。
なんだろう。あいつも色々フォローで苦労してるんだろうなぁ。
「そうだよー。男にしろ女にしろ、自分だけの時間ってのは必要だからねー。そんな風に束縛する女はきらわれるぞー。エッチな生活に困らなくたってエッチな本を読みたい時とか、一緒にいるからこそ言えない不満の一つや二つあることだってあるんだからな~」
「おのれそこの若白髪め! イリナ、お前も援護の時だぞ!?」
「私天使なんですけど!? エロゲとかしたら堕天するんですけど!?」
伏兵銀時の攻撃にたじろいだゼノヴィアによってイリナが巻き込まれた。
当然の反論ではあるが、ミカエルの
と、宮白がため息をついた。
「イリナさーん。京都の修学旅行で天使の輪っかを子づくり用の照明にしてる時点で論外ですからねー。そんなんだからエロゲ案件で言いくるめられて一緒に全裸になるんですからねー。あとこの時期からノーブラの時が増えてると聞きましたけど、仮にも信徒から天使になったのならもうちょっと貞淑とかそういうのを持ってくださいねー」
「なんで知ってるの!?」
「そりゃイッセーの親友やってたらエロ談義やエロの愚痴やら聞かされるからな。……イッセーにエロい出来事の愚痴を聞かされるとか、俺の人生でも有数の衝撃だぞ。マジでもうちょっと落ち着けお前ら特に
そこまで言ってから宮白はため息をついた。
「……自称天使? イリナさんは天使を名乗っているんですか?」
「脱線するがヴィヴィの質問に答えると、和平成立後に天界は、転生悪魔の技術を流用して転生天使
ヴィヴィオがぽつりとつぶやいた疑念に答えてから、宮白はため息をついた。
「そしてイッセーの幼馴染の純日本人だが、天使としての威厳に欠ける残念な発言と言動から、魔王サーゼクス・ルシファーの嫡男であるミリキャス様にも知られるほど自称天使と失笑されている。更に日本人でありながら弱肉強食の意味を頓珍漢な答えで間違えた事から自称日本人と言われている。とどめに幼馴染という事すら忘れられる残念ぶりから自称幼馴染ともいえるだろう」
「なんでそんなにぼろっかすなの!?」
イリナの絶叫を宮白はスルーしていた。
そして銀時と神楽はこそこそと横目でイリナを見ながら話し始めている。
「銀ちゃん。こいつらかぶき町でもやっていける芸人集団ネ。残念過ぎるヨ」
「しっ! かぶき町の住民と言われても違和感ねえけど、こんな残念な奴を態々入れてやる必要ねえだろ。ここは黙っとけ」
「聞こえてるんですけど!?」
「じゃあ話戻すぞー」
イリナの絶叫をため息交じりにスルーしながら、宮白は話を進め始める。
「まあ本格的なところ、
そういうと、宮白は白龍皇ヴァーリ・ルシファーの部分に指を突きつける。
「寄りにもよって戦争再発の危機を止めたこの白龍皇ヴァーリが、「
心底からため息をついた宮白だが、まあため息はつきたくなるだろう。
「宿命のライバルがあまりにも神滅具以外に特別な能力の要素を持ってない事に残念と告げた挙句、「なら復讐者という来歴ぐらいつけた方がいいだろう。平凡なままで死ぬよりはいい死に方だろう」とかイキりまくってイッセーに両親を殺すと挑発。キレたイッセーはアザゼルから貰っていた緊急用のアイテムで疑似的に禁手に至って二天龍同士の激突が始まったわけだ」
「なにそれイキりっぷりが酷過ぎるアル。私のバカ兄貴張りにアホなイキり方アルよ」
「盛大にぶちのめしてだいぶ牙抜けたけどな、あいつ。まあ、あの頃の神威*1と馬が合いそうだねーそいつ」
神楽と銀時がそんな事を言うが、宮白はそこに同情的な視線を向けていた。
「そっちも大変だな。まあ実際、あらゆる面でヴァーリに劣っていたイッセーだが、相手が調子ぶっこいていた事などから機転を利かせて意外と善戦。更に破壊した鎧の宝玉を取り込む事で白龍皇の力すら取り込んだイッセーだが、此処でヴァーリがギアを数段あげてとんでもない技をぶちかます」
と、そこで何故か俺に視線を向けてきやがった。
それもジト目だ。
「この世界の白龍皇は対象の力を半減させてその分を自己強化に当てるという力を持っているんだが、ヴァーリはそれを空間に作用させるという事をしたんだ。……だが理解の追い付いていないイッセーに、
なんだと?
聞き捨てならねえな。流石に黙っちゃいられねえ。
俺は立ち上がると、リアスの胸に指を突きつける。
「何も嘘は言ってねえ! 実際に喰らえば半分になるんだから「リアス・グレモリーの胸が半分になる」って例えは問題ねえだろうガルムフィン!?」
「セクハラだろうがマダオぉっ!!」
こ、後頭部に神楽の奴がドロップキックを入れてきやがった。
「この教え子にしてこの教師ありネ。姐御がいたら一緒にミンチにいてるところアル! カーッペッ!」
こ、この
「てめえ何処のスケ番だコラ。教師として親御さん呼び出して三者面談すっぞコラ」
「やれるもんならやってみろアル。パピーもバカ兄貴もマダオ程度なら片手で捻れるネ」
「はいはい場外乱闘は後でしてねー。ほらアザゼルは痰をこれで流せー。神楽は地金はいいんだからそんな汚いこと人前でしないようにねー」
と、俺の水の入ったペットボトルを渡しながら宮白が仲裁し―
「―――そして結果としてブチギレたイッセーは、一時的にしろヴァーリを圧倒。ボロボロになったヴァーリは
「……いやちょっと待って?」
滑り込むように説明を再開して、ゴルドルフに待ったをかけられる。
「両親を殺すといわれて切れてなお善戦止まりだったのに、おっぱいを半分にされると思って圧倒って何?」
「ゴっさん。……理性による怒りより本能に直結した憤怒の方が、ドラゴン系神器との相性と爆発力では上なんだ」
視線逸らしながら言っても説得力がねえよ。
「そして時は流れて夏休み!」
「おいコイツ強引に話進めてきやがった。このままごり押しで行く気だぞ」
「やーねーフォローできないからって強引な真似。女の子にモテないよねぇ」
左と銀時のツッコミを完全に無視して、宮白は禁手の部分を指で刺し―
「―敵とエンカウントし毒霧に包まれた中、リアス姫の乳首をつついて見事正式に
「……ちょっと待って?」
思わず高町が手を上げた。
「……えっと、禁手って世界の均衡を崩すぐらいの強い意志が必要なんだよね?」
「ええ。一生懸命鍛えて禁手に体が耐えられるようになったイッセーは、禁手に到達しかけた事で神器がちょっとバグってしまい窮地に陥った中、姫様の乳首をつついてその域に至りました。俺の世界線では「宇宙の始まり」とか抜かしてました」
宮白は盛大にため息をついた。
「……童貞卒業でもすれば至るとは思ってたが、まさか乳首つついただけで至るとは流石に想定外だった。なんでそんな余計な知識を教えたんだ、アザゼル」
「「お前が言ったんかい!」」
銀時と左がオレに矛先を向けやがった。
「……アザゼルさんだっけ? あの、さっきからあんたが余計な事してこんな事になってる印象があるんだけど?」
「あながち間違ってないのが酷い所ですわ」
ノーヴェまで酷い事言ってくるし、なんで朱乃まで便乗する。
宮白も何か言いたげな視線をお前に向けてるぞ朱乃! っていうかこれは反論するべきだな。
「馬鹿野郎! 男にとって女の乳首はブザーだ! 俺はスケベな男として、イッセーの未熟をたしなめて導いただけだ! 戦闘中になるほど気にするなんて思ってなかっただけだ!」
「その教えを授けた露天風呂で、女湯に突貫するのが一流とか言ってイッセーを女湯に投げ込んだあんたも大概だ、馬鹿」
後ろから宮白の攻撃が襲い掛かる!
くそ、女性陣からの視線が冷たい!
「……さて、そして俺側の世界線とちょっと違うが、夏休みが終わった後に起きた旧魔王派との決戦に移るぞー」
しかも攻撃するだけして話を進めやがった!
「旧魔王派のテロの根幹を
かなり過酷な事を言っているが、宮白の表情はちょっと微妙だった。
そして周りの連中も、それとなくイッセーにちらりちらりと視線を向けていた。
「その後、たまたま別件で次元の狭間に来ていたヴァーリチームがたまたまアーシアちゃんを発見したので回収し、イッセーの
「おい、なんかニュアンスが違くないか?」
俺がちょっと聞くが、宮白は完全にスルーして―
「作曲サーゼクス・ルシファー様、ダンス振り付けセラフォルー・レヴィアタンさまの四大魔王の半分に、更に
なんか殆どの連中が俯いてるんだけど。
「あの歌詞は自信作でな。あいつなら絶対に聞くと確信してたもんだ。実際効果は覿面だしな!」
「だから皆頭痛を覚えてるんだよ」
宮白うっさい。少しぐらい自慢させろ。
「……何を提案してるネ。仮にも自分の主に何つーこと要請してるネ」
神楽に至っては朱乃にドン引きの視線を向けている。
「……私だって自分の乳首で止めれるならしたかったわ。でも、イッセー君を止められるとするなら禁手のきっかけともなったリアスのおっぱいしかないもの。……本当に、残念ですけれどね」
朱乃は目じりに涙を浮かべてそう言った。
「はい。イッセーさんの力を覚醒させるのは、いつだってリアスお姉さまのおっぱいです。ちょっとうらやましいですけど、こればっかりはどうしようもないんです」
「グレモリー眷属の切り札はリアス部長のおっぱいとイッセーだからな。私もちょっとはしてみたいと思わないでもないが」
「そうね。イッセー君とリアスさんのおっぱいは無限の可能性を秘めているわ。……う~ん。ミカエル様のAとして、天使のおっぱいでイッセー君に加護でもあたえられないかしら?」
アーシアもゼノヴィアもイリナもうんうんと頷いて、悔しさ二割自慢八割でそう断言する。
「そうです! リアス部長のおっぱいはいつだってイッセー先輩と一緒に僕たちに勝利を運んでくるんですぅ!」
ギャスパーの力強くそれに応える。
「……えっと、いつもこんな感じなの?」
「……事実です。いえ、残念な展開ではあるんですけど、事実です」
高町の頬を引きつらせた質問に、小猫がそう頬を若干引きつらせながら答えた。
まあ、嘘偽りない真実だしなぁ。
「……まあ、慣れてない人からすれば色々ときつい所がありますよね。私もちょっと戸惑う事は多いですが、イッセー君は常におっぱいを追い求めてますから」
「……
比較的その辺りが薄いロスヴァイセと木場もこういうところがあるしな。
「ああ。イッセーが戦闘中において、おっぱいで動揺しながらこっちに相談するのは勝利フラグだ。グレモリー眷属の必勝パターンだとも」
「……ついていけないところはあるだろうけど、
「あえて反論はしないけれど、並行世界のとはいえ自分の親友に容赦ないわね」
俺がうんうんと頷いていると。宮白とリアスがなんかそう言い合ってる。
そして宮白は水を取り出すと一口飲んでのどを潤して―
「……ここまではまだ理屈が通っている段階だ。こっからレベルが上がるから覚悟しろ―」
なんて?
多くの連中の心がハモったと思わせるような、残酷な言葉をぶちかました。
ほんと、思いに応え禁手という覚醒がちゃんと存在しているため、ここまではまた理屈がつけられるっちゃ付けられるのです。
しかし英雄派との戦いに入れば、前代未聞のつるべ打ち!
さあ、ジャブで慣らしたメンタルで、ストレートを耐えきるのだ!!!
そしてそれが終わったら一気にシリアスだ。急激な(精神的)環境変化も耐えるといいぞ!!
あと、クロスオーバーの醍醐味は「双方を混ぜ合わせる」にあると思っている今日この頃。
二次創作は特にそのあたりの縛りも緩いので、うまくいろいろな作品の要素を混ぜ合わせた要素を出したいと思っております。