混界魔龍大戦駒王町―銀の風が呼ぶ運命   作:グレン×グレン

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 と、そんな感じで18話です。




 あと意外とスルーされてましたが、アルターエゴがバーサーカーにあそこまで圧倒的な戦いができたのには理由がいくつもあります。

 そも前提条件として指摘してほしかったのですが。「なんでヘラクレスの十二の試練をやすやす突破しているのか」、此処に着目するとヤバさが別の意味で高まるでしょう。


十八話 純度百パーセントの真剣さでおっぱいについて語る。これがハイスクールD×Dなり

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

『おパンティーパワー! ドライグ、なーおれ』

 

 こんな気の狂ってる治療法がどこにあるんだろうか。

 

 そんなドライグの治療を待ちながら、俺は天を仰いで思わず拳を握り締めた。

 

 増援が来てくれた! それも、サーゼクス様が眷属総出何て最高じゃねえか!

 

「……君には聞きたいことが色々とある。戦闘行為を止めている間は、少なくともそれを聞くまでは手を出さないことを約束しよう」

 

「……いい駆け引きだ。こっちが仕切り直す為の時間を欲しがってるの理解したうえで、必須な情報を得ようってか」

 

 サーゼクス様と睨み合うフィフスは、なんかよく分からないけど話に乗ったみたいだ。

 

 まあ、サーゼクス様の攻撃で魔獣や駆動鎧は壊滅してる。いくらフィフスとアルターエゴとかいうのが強いからって、俺達に加えてサーゼクス様達を同時に相手するのはきついからな。

 

 でも、相手が仕切り直せちゃったら万が一がありそうだ。サーゼクス様も分かった上でやってるんだろうし、何か考えはあるんだろうけど、何なんだろうな。

 

 俺がちょっと首を傾げていると、アザゼル先生が俺達の耳元に通信用の魔方陣を繋げてきた。

 

『全員、今のうちに呼吸を整えろ。……サーゼクスは増援だが、あくまで前座だ。ミカエルも直下の御使い(ブレイブ・エンジェル)を連れてこっちに来ているし、周辺をあのディハウザー・ベリアルが固めている。気づかれなければこっちの勝ち目がでかくなるぜ?』

 

 マジか!

 

 ミカエルさんがイリナ以外の御使いを連れて援護に来てくれるってのは最高に嬉しい情報だし、あの皇帝(エンペラー)まで連れてきてくれてるなら百人力だ!

 

 誰も彼も俺より強い人たちが何人もいるだろうし、これなら―

 

「―まあ聞きたいことは一つだろう? リゼヴィム・リヴァン・ルシファーと俺が繋がっているのかどうかだ。違うか?」

 

 ―フィフスの奴、思ったよりペラペラとしゃべる気だな。

 

「……宮白だっけ? フィフスの奴は何を考えてるか分かるか?」

 

「フィフスとは因縁の相手だから多少は分かる。気をつけろ、あいつは引き際を弁えてるし、逃げる為の手段も確保している口だ」

 

 宮白は一切油断せずに、周囲を警戒している。

 

「……必ずもう一波乱ある。それまでにドライグが復活してくれるといいんだがな」

 

 なるほどな。

 

 いつでも戦えるように、気合だけは入れておかないとな。

 

「答えはイエスだ。俺とリゼヴィムは魔術的に違反できない形で契約している。まあこれぐらいしないと、並行世界で謀殺した相手との同盟なんて結べないしな」

 

 フィフスは特に隠す必要を感じてないのか、結構あっさりと話し始めた。

 

「契約内容は単純。俺はあいつに異世界侵略活動を行う為に必要な物資関連の援助を行う。代わりにあいつは異世界侵略が軌道に乗り次第、絶乳楽土を構成する為に世界をある程度分け与える。あとはそれを徐々に広げていくってのが、語っても構わない契約内容だ」

 

「ぜつにゅうらくど……?」

 

 あ、サーゼクス様もかなり精神的に喰らってる!

 

 まあ確かに。

 

 絶乳楽土ってなんだよ。いや、世界中のおっぱいを奪い取るような真似をしてくるのは正直ドン引きで絶対許せないけど。

 

「世界中の人間に対する精神干渉と……何故かおっぱいが小さくなっていることに関連性はあるのかね?」

 

「もちろん。俺の絶乳魔法(バストコンシューマー)によるものだ。理由は大きく分けて三つほどある」

 

 三つもあるのかよ。

 

 サーゼクス様も真面目に聞くの大変だな。

 

 スルト・セカンドさんとかベオウルフさんとか、めっちゃ遠い目してるし!

 

 真剣さを保つのも大変だなぁ。いや、俺もおっぱいで事態を打破するから人のこと言えないのかもしれない。

 

「一つはそれこそが我が絶乳楽土の基本骨子だからだ。遍く乳が存在しない、永劫に乳が絶たれた世界こそ、絶乳楽土だからな」

 

 ―曇りなき真っすぐな目で、なんてふざけたことを言ってやがる。

 

 おっぱいこそ、人類の希望で安らぎで至宝なんだ。それが絶滅した世界に何の価値があるっていうんだ。

 

 あいつとは絶対に分かり合えない。不倶戴天の怨敵ってのはあいつのことを言うんだと確信した。

 

 凄く殴りたいけど今は我慢だ。魔王様の前であまり暴走するわけにはいかないしな。

 

「もうひとつは敵の力をそぐことさ。兵藤一誠を敵に回している以上、味方以外のあらゆる乳房は、皆無にしておくに越したことは無い」

 

「……リアス以外のおっぱいを無力化しても、イッセー君の怒りを買うだけではないだろうか?」

 

 それは俺もそう思った。

 

 っていうか、なんでサーゼクス様達と俺以外の人達をは今ので視線を逸らしているんだろう。

 

 宮白に至ってはスマホの画面を見せてきているし。なんだよ「後で説明する」って。文字打つの速いな。

 

 っていうか、最後はなんだ?

 

「最後は簡単だ。絶乳魔法によって奪い取り続ける乳房こそが、俺がリゼヴィムに物資提供を行う為に必要なエネルギー源だからだ」

 

「あ、やっぱり」

 

 え、どういうこと!?

 

 フィフスは何を訳の分からないことを言ってるんだ! 後宮白はなんで納得してるんだ!?

 

「サーゼクス様、そちらについて補足説明をさせていただいてもよろしいでしょうか?」

 

「……君が宮白兵夜くんかね? どういうことなのだろうか?」

 

 今のわけのわからない言葉にどうやって理屈をつけるというんだ?

 

「では僭越ながら。魔術師(メイガス)において、願望を叶える能力を持つ特殊な礼装を聖杯と呼称することがあります。そしてフィフス・エリクシルが属するアインツベルンを筆頭にした御三家と呼ばれる魔術師(メイガス)達は、莫大な魔力を利用することで願いを叶える聖杯戦争という形の願望成就手段を確立しました」

 

 ふんふん。

 

 あ、なんかゴルドルフさん達がマジな顔になってる。

 

 あの人達も魔術師(メイガス)だから、それで理解したのか?

 

 そして宮白は、なんか凄い遠い目をしていた。

 

「……つまりフィフス(この馬鹿)は、絶乳魔法によって乳を代償として得られるエネルギーを利用することで、聖杯という願望機を常時使用することで各種物資を用意しているということなんでしょう」

 

「ああ。理解が早くて助かるぜ」

 

 即答だった。何の躊躇もなく、フィフスは全肯定した。

 

 ………嘘だろ?

 

「冗談だよね? 冗談だよね?」

 

 俺は心からそう願ったけど、宮白は目を伏せながら首を横に振りやがった。

 

「残念だが間違いなくマジだ。願望機としての冬木式聖杯を利用することができれば、金、資材は確実に手に入るし、その時間をショートカットすることも可能だろう。それこそ中級悪魔クラスの邪龍の数千ぐらい、用意用意するのに一日もかからないだろう」

 

 ……嘘だろ?

 

「いやいや、俺がリアスのおっぱいを犠牲にエネルギーを回復できるのは、俺がおっぱいドラゴンだからだろ? リアス以外のおっぱいをそれ以外の奴がエネルギーに変換できるなんてそんなバカな」

 

 何故か俺と志村以外の、宮白の話を聞いていた人達が軒並み俯いた。

 

 いや、なんで!?

 

「絶望しろ。少なくともお前は地球上に存在するすべての女性のおっぱいをエネルギーに変換することが可能な存在だ。……それを疑似的に再現している以上、変換効率は悪いだろうが莫大なエネルギーを運用できるのは確定だろう」

 

 こ、これはかなりマジっぽいなオイ。

 

 っていうか、嘘だろ?

 

 俺は本当に真剣な理由でそう思った。

 

 中級悪魔クラスの邪龍数千を数時間で用意とか、下手に時間をかけられるようなことがあったら、冗談抜きで一勢力程度ならすぐに滅びちまうじゃねえか……っ!

 

 下手しなくても魔獣騒動よりヤバい事態が毎週ぐらいで起こせるはずだ。

 

 リアス達も顔色が悪くなってるけどフィフスは肩をすくめると苦笑していた。

 

「安心しろ。こっちにも事情があるから地球征服をすぐにできるって程じゃない。……まあ、異世界侵略なんてするには相応の手間暇ってのがいるんだよ」

 

 そ、そうなのか。

 

 俺はちょっと安心するけど、逆に宮白の雰囲気が怖くなった。

 

「そういうことか。やってくれるな、フィフス……っ」

 

「……どういうことかね?」

 

 サーゼクス様がそう聞くと、宮白は眉間にしわを寄せた。

 

「……こいつは他の世界の危険因子とも渡りをつけ、支援物資の提供などで味方に付けています。そっちに対して協力の見返りとしての物資供給をする都合上、どうしてもリソースの数割を割かれているということでしょう」

 

「……ま、ここまでは隠す必要もないな」

 

 あっさり肯定しやがった!?

 

「時空監理局はその方針上、一定数の不満分子を作りやすいから案外楽でな。また天人(あまんと)業界もそちらの天然パーマが言った通り、協力できる奴は数多いから、楽だったなこれが」

 

 や、やろう! そこまでするか!?

 

「……ミュージアムの残党とかにも色々やってそうだな、てめえら……っ」

 

「おいおい勘弁してくれよ。おたくは俺達の世界を世紀末にしたいんですかー! 宇宙全体P.D(ポスト・ディザスター)にでもしたいんですかー!」

 

 左さんと銀さんにそんな風に非難されても、フィフスは一切動じない。

 

 不敵な笑みを浮かべて、胸まで張った。

 

「ふっ。我が絶乳楽土の為なら、世界の百や二百滅びても一向構わないからな。……流石にエネルギーの無駄遣いだからしないし、抑止力的なあれがこの世界にあるかもしれないしな」

 

 ………え~。

 

 いや、ちょっと、え~。

 

 俺達がちょっとまじで微妙な気分になってるなか、フィフスは凄い本気の目を向けた。

 

「絶乳楽土はただ作るだけじゃ駄目だ。完全に成立すれば外部からの襲撃で壊されることがないようにする備えがあって初めて完成だ。その必要性を考慮した時、俺が真っ先に思い付いたのがリゼヴィムだった」

 

 なんか語り始めてる。

 

「俺はかつて並行世界のリゼヴィムを謀殺したが、根源到達などどうでもいい今の俺にとって、絶乳楽土を作り上げ、可能な限り安全リソースも作り上げたい以上、より多くの世界に大きな影響を与えられる奴と連携を取り、その支援の見返りに絶乳楽土を磐石な体制にすることが最適解だった。……となると、異世界の存在を知れば侵略を願うリゼヴィムとの同盟を結ぶことが、俺にとっての最適解だ」

 

 え~。こいつ謀殺した奴と同盟組もうって思ったのかよ。マジか。

 

 組むことを決めたリゼヴィムって奴もリゼヴィムって奴だけど、こいつも大概じゃねえか、オイ。

 

「その為にはもちろん協力の対価が必要だ。俺はそれを願望器たる聖杯を利用するつもりだったが、あれを願望機として利用し続けるには相応のリソースが必須だった」

 

 そういうと、フィフスは今度は俺に鋭い目を向けてくる。

 

「そしてもう一つの脅威は乳乳帝だ。下手な刺激を入れるのは、準備が整うまでは逆に理不尽を発生させかねなかったが、いずれ俺達と敵対すれば、世界の乳房を束ねて対抗してくると考えるべきだからこれが。必然的に俺たちは、まずグレートレッドを確殺できる程度では全く足りない戦力を確保するべきだが、それを準備することがまず異常なまでの苦労になる」

 

 ……え、そういえば俺ってそんなことしたらしいけど、なんでそこで世界のおっぱいを束ねるって方向になるわけ?

 

 軽く俺は引いたけど、フィフスはそんなこと考慮しちゃぁくれない。

 

 むしろ天啓が降りてきた表情になってきた。

 

「……だからこそ、逆転の発想に思い至ったのさ。あまねく乳房を力に変える男対抗する力を得るのならば、そも力の供給源たる乳房を利用する方法で挑めばいい。絶乳楽土を作り上げる手段の獲得にもなり一石二鳥どころか三鳥だと!」

 

 むしろなんでその発想に至ったんだよ。

 

「その結果として俺が編み出したのが、この絶乳魔法(バストコンシューマー)だ!」

 

 きりっとした表情で何言ってんの!?

 

「やってくれたな、フィフス……っ」

 

 宮白もなんで真面目な表情でフィフスを睨んでるの!?

 

「龍神すら確殺できるあの時の3コンボを相手に、たった一人で五分にまで持ち直した乳乳帝。それをリソースを消費するどころか逆に獲得できる方法で封じるとは……っ」

 

「滅竜魔法を参考に、代価となる物をありとあらゆる手段で乳に設定するのには半世紀近い時間がかかった。毎日全部をそれに注いだわけじゃないが、それでもこの困難を乗り越えることができたからこそ、こうして俺は決行したのさ、これが」

 

 すいません。俺でもシリアスにはなれないんですけど。

 

 俺達がなんかついていけなくなっていると、フィフスはどこか遠い目をして涙を浮かべている。

 

 そんなに苦労してたのかよ。そんなにひどい目にあったのかよ。

 

 というか、龍神すら確殺できる3コンボ相手に俺が五分って、そっちの世界の俺はどんだけインフレしてますか!?

 

 っていうか宮白もちょっと遠い目をしてるし。え、俺って何をしたんだ?

 

 俺ですらついていけてない俺の話で、フィフス()宮白(味方)をどっちも振り回すとか勘弁してくれよ。俺のことって言われても困るぜ、マジで。

 

「……だが分かっただろう? もはやお前達の勝利は無い。トライヘキサは既に封印状態のままだが確保しているし、俺の体を構成する超獣鬼(ジャバウォック)の応用で、時間をかければ業獣鬼(バンダースナッチ)程度なら製造できる。もちろん幻想兵装(ファンタズム・アーミー)も製造できるから、その気になればサマエルの毒も確保できる

 

 めっちゃくちゃ得意げに、フィフスはそう言うと俺達を見渡した。

 

「絶乳魔法を受け入れて隷属し、絶乳の徒となるか。素直に降伏して呪詛を受け、異世界侵略の先兵となるか。もしくは無駄な抵抗を試み、無様な死によって終焉を迎えるか。選択肢はこの三つだ……どうする?」

 

 そう上から目線で、フィフスの奴は言い切った。

 

 俺達が今からどう頑張っても勝てないってか? ふざけやがって……っ

 

 俺は一言文句を言ってやろうかと思い―

 

「おいおい言ってくれるじゃねえか。だが選択肢何て二択だ二択。三つもねえよ」

 

 ―銀さんが、そう言い切った。

 

「……へぇ? 具体的には?」

 

 興味深そうにフィフスがそう尋ねる。

 

 それに対して、めんどくさそうに耳垢を指で採りながら、銀さんは気だるそうに口を開いた。

 

「奇跡つかみ取っててめえらに勝つか、できずに死ぬかの二択だろ? 真面目に考えてから物言えよバカヤロー」

 

「……負けを認めるなら、生き残る節があるから四択にはできるんじゃないか? まあ、現状で勝てるという根拠がない自信を加えるならだがな」

 

 そう言われて、銀さんは肩をすくめた。

 

「アホかてめえ。俺達を敵とみなして呼んだんなら、不勉強だな。幼稚園からやり直せー」

 

 そうはっきりと、銀さんは言い捨てる。

 

「そんなふざけた言い分素直に従った時点で(おれら)は死ぬんだよ。てめえの守りてぇもんもてめえの大事な柱もなくして、何が生きてるだ笑わせんな」

 

 そして木刀の切っ先を真っ直ぐに突き付けて、宣言する。

 

 ずっと死んだ目をしていたくせに、何故か妙にぎらついた目で、フィフスに敵意を突きつけた。

 

「侍なめんな、バカヤロー。特にこちとら、宇宙一馬鹿やってる万事屋銀ちゃんだぞ、目ん玉ひん剥いて学びなおせやコノヤロー」

 

「よく言ったじゃねえか、銀さんよぉ」

 

 そして、左さんも―――仮面ライダーWも前に出る。

 

「なら俺達からも言っておく。仮面ライダーを舐めるなよ?」

 

『全くだ。君達の悪意が僕達の風都()を泣かすのなら、例え相手が誰だろうと僕達はそれを許さない』

 

 フィリップさんの声も続いて、そしてWの左手がフィフスに突きつけられる。

 

「お前の罪はしっかり数えさせてやる。リゼヴィムって奴にも伝えておくんだな……っ」

 

 ……やばい、かっこいい。

 

 いや、そうじゃない。そうじゃないよな。

 

 ここは俺達の世界なんだ。なら、まずやるべきことは俺達がやらないとな。

 

「……てめえが何を考えてるのか、俺は馬鹿だからいまいち分からねえ。だけど、お前は俺にとって許せないことをいくつも犯した」

 

「まあ文字通り、数十億のおっぱいを台無しにしてるからなこれが」

 

 それもだけどそれだけじゃねえ。

 

「お前の行動は、世界中の子供達から泣くことすらも奪ってる。そしてそれは冥界の子供達や九重達他の種族の子供達も泣かすことになるんだろう? だったらおっぱいドラゴンが見過ごすわけにはいかねえよなぁ?」

 

 拳を握り締めて、同時に思い出す。

 

 おっぱいドラゴンの歌で笑顔になっている子供達を。俺が来てくれるって思って、魔獣騒動の時も怖がらずに期待してくれた子供達を。そして子供達が歌って、グレートレッドが届けてくれた皆の歌声を思い出す。

 

 そして、俺は皆を見渡した。

 

 ……ああ、十分だ。

 

 勝ち目のあるなし何て、関係ない。

 

「仲間の為、愛するリアス達の為、そして何より未来を生きる子供達の為に! 俺は何があろうとお前を滅ぼす。……ドライグがアルビオンと一緒に言ったらしい例の言葉を、ちょっとアレンジして言ってやる」

 

 ああ、ちょっとあれかもしれないけど、はっきりと言ってやるよ。

 

……たかが神や魔王に喧嘩売れる程度の奴が、二天龍達(俺達)の楽しみを邪魔するなよ? 魂ごとぶち壊すぞ、この野郎」

 

 自分でもちょっと驚いてるぜ。

 

 ああ、俺ってここまで怖い声が出せるんだな。

 

「……ふん。二天龍如き前座なんかにとやかく言われる筋合いはない。だが返礼として言ってやる」

 

 それに真っ向から向き直り、フィフスも俺に指を突きつける。

 

たかがドラゴン(蛇やトカゲ)風情が、俺の野望の邪魔をするなよ? お前の魂全てを使って、お前の楽しみとやらを踏みにじってやるから覚悟しな」

 

 ああ、俺達は此処で初めて、この世界でお互いを認識した。

 

 乳乳帝と絶乳帝。俺達は文字通り不倶戴天の怨敵だ。

 

 俺達は、お互いを敵だと認め合った。

 

 

 

 

 

 

 

「うっひょぉ~! いい殺意をビンビン向けてるねー。気に食わない正義の目だぜ♪」

 

 ―その時だった。

 

 フィフスの後ろ、それも斜め上。

 

 その空間が割けると、一人の悪魔がそこから潜り抜けてきた。

 

 今サーゼクス様が着ているのと酷似した、赤が銀になった服を着た、髭を生やした銀髪のオッサン。

 

 そしてよく見ると、俺のライバルであるヴァーリ・ルシファーにどこか似ている。だけど、その眼の狂気はヴァーリとは似ても似つかない。

 

 一目見ただけで、俺は理解した。

 

 こいつが、さっきフィフスが言っていた……っ!

 

「……来たか。正直私は驚いているよ。何事においても積極性を見せなかったお前が、寄りにもよって異世界侵略などという酔狂に走るとは、とね」

 

「俺も正直びっくりだぜ。まさか俺に、君が冥界の子供達を守りたいとか言うようなあほくさいことに向けるのと同じぐらいの、それ以上の熱意ってのが胸に宿るだなんてさ」

 

 サーゼクス様と真っ向から視線をぶつけ合い、サーゼクス様の強い敵意にお茶らけた悪意で返している。

 

 

 

 

 

 

 

 

「異世界に悪意を向けるという所業、断じて見過ごすわけにはいかない。ここで滅ぼすつもりで行こう、リゼヴィム・リヴァン・ルシファー……っ」

 

「そういうわけにはいかないねぇ。いい歳こいてからの中二病だけど、ようやくできた夢をあっさり奪われたくなないからさ。返り討ちだぜサーゼクス・ルシファーくん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 こいつが、リゼヴィム・リヴァン・ルシファー………っ

 

「初めまして! 禍の団を取り込んで聖杯を悪用する、異世界侵略組織クリフォトのボスやってます、初代ルシファーの息子のリゼヴィムでーす! 4649ぅっ!」

 

 それが、俺が初めて対峙した、他に言いようがない邪悪な男との出会いだった!

 




 と、壮絶なぶつかり合いになりそうなところで引きです。







 そして、此処で明言しておくことがあります。

 この作品は「ハイスクールD×D」の二次創作であり、ケイオスワールドの続編ではありません。

 兵夜やフィフスはあくまで要素であり、メインの主人公は原作D×Dキャラにしたいと常々思っております。可能な限り兵夜視点で書かないのも、そのための努力のつもりです。

 ……ではここで質問です。

 この原作キャラの魔改造も割とよくやるグレン×グレンが。

 原作四章はリゼヴィムに最後までラスボスでいてほしかったと思っているこの私が。

 リゼヴィム・リヴァン・ルシファーがフィフスより脅威度を低くするなんて、そんなことをすると思いますか?
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