混界魔龍大戦駒王町―銀の風が呼ぶ運命   作:グレン×グレン

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 はい、とりあえず一旦再開の終幕です。

 FGOの衝撃的展開にたいし、正式な発表が出る前に出すことで「お前後追いかよ」と言われないようにするための対策と思いください


第三話 まさかFGOで今更再開するとは思わなかったお話

 イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして数日後、俺達は旧校舎の……一階の部屋に集まっていた。

 

 今は深夜だけど、万が一を考慮した荒事の警戒ってことで、結構な人数が集まってる。

 

「……一応聞くが、ヴィヴィオ達は大丈夫なのか?」

 

「そうだね。人が結構集まってるから、いきなり不意打ちを喰らったりとかしたらとか……不安かな」

 

「それは大丈夫ですよ。宮白は万事屋のメンバーを残してますし、お目付け役にスパロが衛宮と間桐を連れて残ってますし、何よりオーフィスがいますし」

 

 俺は左さんやなのはさんにそう言うけど、その万事屋がちょっと心配。いや、情操教育的な意味で。

 

 戦闘能力面だとオーフィスがいるから大丈夫だろうけど、スパロ達で銀さんや神楽ちゃんの暴走を止められるんだろうか……。

 

「ふふ、安心しなさいイッセー」

 

 と、そこでキャスターがそう自慢げに言ってきた。

 

「可愛い女の子は世界の宝。迂闊に教育に悪いことをした瞬間、あの坂田銀時とかいうだらしない男は二度と甘みを感じないように事前に呪詛をかけてることを伝えているもの。真面目にやろうと思えばできる男でしょうし、一夜ぐらいは大丈夫よ」

 

「「「鬼か!?」」」

 

 俺と左さんとノーヴェのツッコミが同時に入った。

 

 あと、真面目に言ってるところ悪いんだけど―

 

「……あと、なんで私となのはさんはこんな格好してるんだよ!?」

 

「私の趣味よ! 可愛い女の子が可愛い恰好をしているところを見るのはきっちりと報酬に入っているわ。もちろん貴女達にも褒美はあげると言ってるじゃない?」

 

「え、あ、うん。私一応二十代なんだけど……?」

 

「高町なのは。貴女は自分が奇跡を体現している存在だと自覚しなさい。貴重なのよ、若さというリソースは………っ」

 

 ……そんな感じで、暇を持て余したキャスターはノーヴェ達を着替え対象にして撮影会をしてる。

 

「正直、見てるだけでちょっとこっぱずかしいんだが」

 

「いえいえ。これめちゃくちゃ眼福ですヨルムンガルドっ!?」

 

 俺が左さんの信じられない発言に反論しようとしたら後頭部が痛い!?

 

「……もう少し本能に抵抗してください、変態先輩」

 

 こ、小猫さま……。一瞬の隙も見逃さないのですね。

 

「イッセーさん! 私達だけじゃ足りないんですか!? うぅ……変態さんですぅ」

 

「いや、元々イッセーは変態だろう? 今更だぞアーシア」

 

 と、同じくコスプレをして着替えに行ってたゼノヴィアとアーシアが戻ってきた。

 

「えっと……あの、私に合うかな?」

 

「とてもよくお似合いですわ、スバル様。キャスター様の見立ては的確かと」

 

 ………うん、レイヴェルの言う通りすっごく似合ってますスバルさん。

 

「キャスターさん。貴女の見立ては正しかった……っ! 眼福です!」

 

「ならレフ板を調整しなさい。右から二番目のを五度下向きにね」

 

 イエスマム!

 

 俺はそうしてレフ板を調整しながら、ちょっと上を見上げる。

 

「でもリアスやギャスパー達、大丈夫かなぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 今吸血鬼からの使者がリアス達に接触している頃か。

 

 元々宮白からの情報提供で「まず間違いなくクリフォトと繋がっている連中がクーデターを起こす」と分かってるから、これはその裏取りでしかない。

 

 それが分かった瞬間に、かなりの規模の部隊がツェペシュ領に侵攻作戦を開始する予定だし、カーミラ側においても警戒の為に部隊を割いているって話だ。

 

 同時にカーミラに「クリフォトが内通しているらしいカーミラの吸血鬼達」の資料を提供して、カーミラの動きを制御するとのこと。少なくとも不満を抱いている連中だから、カーミラは絶対にそっちに人員を割くことになると言われてる。

 

 何つーかえげつないけど、宮白は「万が一に備えて」結構人を集めたうえで「あまり多くと向き合ったら要らない警戒心を生む」ということで、下に待機することになってる。

 

 ちなみに人選には「三大勢力から代表になれる人」ってことで、アザゼル先生とイリナは参加。だけど「肥溜めから糞のにおいがするのは当然だけど、だからって態々嗅いで不快になることは無い」ってことで、結構な人数が下で待機することになった。

 

 ……だけどこのコスプレ撮影会、ちょっと緩すぎね?

 

「……緩すぎるよな?」

 

「あ、やっぱりそう思います?」

 

 俺が左さんと頷き合っていると、テーブルにお茶とスコーンが置かれた。

 

「ふむ、とりあえず何か食べながら待っているとしよう。女性陣も一旦食事休憩にしたまえよ」

 

 と、ゴルドルフさんがお茶とお菓子を作って持ってきてくれた。

 

 おお、いい匂い。

 

「そういえばゴルドルフさんだっけか? あんたは参加しなくていいのか?」

 

「構わんよ。こちらの世界の政治には疎いのでね。周囲の警戒はエ……アーチャーがやっておるし、何よりロードとして(まつりごと)の経験がある二世が聞いていれば、後で話をまとめる時にいれば問題あるまい」

 

 お、おお。

 

 信頼してるのか丸投げなのか。

 

 感心すればいいのか呆れればいいのか分からないけど、ゴルドルフさんはそのまま席に座るとお茶をすする。

 

「……ふぅ。まあ何より、私は二人なら責務を果たせると判断し、その上でカルデア所長として指示を出したのだ。これで失敗するようなら、それは私の判断ミスだろう」

 

 つ、つまり丸投げするのはできると判断したからで、失敗した時は自分の判断ミスとして責任は取ると。

 

 あれ? この人、もしかしてすっごい大物?

 

 俺はちょっと感心したけど、何だろうか不思議な人だなぁ。

 

 あ、でもリアス達は大丈夫だろうか―

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ぃやぁああああああああっっっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ってなんだぁあああああ!?

 

「悲鳴!? グレモリー達か!?」

 

「ううん! 聞き覚えがない声だよ!」

 

 左さんとスバルさんが反応するけど、俺はそんなことを気にしてる余裕もない。

 

 全力疾走で俺は走り出して、リアス達がいる部屋に突入する。

 

「リアス、みんな!?」

 

 大丈夫なのか。

 

 そう思った時、急に倒れていく女の子が見えた。

 

「って危なっ!? だ、大丈夫かよ!?」

 

 慌てて支えたけど、見覚えないな。

 

 えっと、流れから言って吸血鬼の子か何か?

 

 あ、周りを見るとあと二人ぐらい、失神している人がいる。

 

「イッセー……。いえ、でもファインプレーかしらね」

 

 そう呟くリアスは、苦笑すら浮かべて。

 

 立ち上がる。

 

 なんだろう、ストレスが溜まっているというよりは、疲れてるというしかない表情なんだけど………?

 

 というより、参加している人達が全員、すすけてるというか弱ってるというか。え?

 

「あの、何があったんですか先生」

 

 困った時は先生に相談しよう。そんな軽いノリで、俺は先生に質問する。

 

 そして先生が、遠い目をした。

 

「………イッセー、よく聞け」

 

「はい」

 

 俺が頷くと、先生は俺の両肩を掴んでマジな表情を浮かべた。

 

 あ、これマジな話だけど、俺のおっぱい並みにあれな展開だ。

 

 そう確信して、俺はちょっと寒気すら覚え―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――吸血鬼の貴族連中が軒並みドルオタになって両派閥が連合政権を設立した。今堂々とエリザベート吸血連合国として、各勢力に堂々と宣告してきやがったぞあいつら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんじゃそりゃぁああああああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぶっちゃけ俺達が疲れて説明する気力がなかったから、次の日の朝にメンツを集めて緊急会議を開いた。

 

「おいおいアザゼルさんよー。敵さんめちゃくちゃ先手打ってるじゃねえか。これもうバーゲンセールとかいうレベルじゃん」

 

「全くだ。俺達も何かしてくるとは思っていたが、ここまで派手にやるとは思ってなかった」

 

 いやほんと、坂田の言う通りなんだがどう反応したらいいか分からねえよ。

 

 まあ、こいつらも流石にあの光景を見たら呆気にとられるだろうがな。

 

「そ、それで孔明。どういう状況なのかね? 四半日寝込んでたけど大丈夫かね?」

 

「大丈夫だゴルドルフ殿。……まさかここまでの展開をぶち込んでくるとは思っておらず、精神的に少し参っていただけだ。……フラットで鍛えられた僕のメンタルはこの程度じゃ死なない……っ」

 

 ゴルドルフが心配になるのも分かるぐらい、二世も大概追いつめられてるな。

 

 たぶん地はそっちなんだろうが、一人称が僕になってるぞ。精神的に余裕がなくなっていて、(ガワ)を被れてねえ証拠だ

 

「……トンチキ特異点を初期の頃から見てきているはずの、二世がここまで追い詰められている……だと?」

 

 アーチャーも動揺してる当たり、これはあいつ等でもとんでもない展開だってことか。ことなのか。

 

 俺は映像を再生しようとして、ちょっと本気で抵抗があった。

 

 え、これ流すの? ここで?

 

 いや落ち着け俺、これは流さないと話が進まねえ。

 

「気合を入れろ、俺ぇえええええ!」

 

 俺は渾身の力を込めて、本能が押しとどめる指を押し込んで映像のスイッチを入れる。

 

「え、そんな気合い入れないと流せないの、その映像!?」

 

「見れば分かる……見れば」

 

 宮白がイッセーにさらりとそう呟く気持ちも、嫌って程分かるから始末におえねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんなー! 吸血()ってるー?」

 

『『『『『『『『『『いぇーい!』』』』』』』』』』

 

「今日はツェペシュとカーミラの記念すべき融和の日! 私も本気で歌うわよー!」

 

『『『『『『『『『『エリちゃーん!!』』』』』』』』』』

 

「じゃあ、今からエリザベート吸血連合王国、建国記念ライブの全世界放送、スタートぉ!」

 

『『『『『『『『『『わぁあああああああっ!』』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「恋はドラクル(朝は弱いの)優しくしてね♪ 目覚めは深夜の一時過ぎ♪」

 

『『『『『『『『『『はいっはいっはいっはいっ♪』』』』』』』』』』

 

「お腹は空くの♪ 生きてるライフ(トースト一つじゃ足りないの)♪」

 

『『『『『『『『『『トーストっ一つじゃっ足りないのっ♪』』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、耳に地獄だからとりあえず音楽は切るぞー」

 

 宮白が的確な対応を取ってくれた奇跡の一撃で、俺達は正気に戻った。

 

 ただ殆どの連中が白目をむいている。

 

 これが映像の所為なのか、それとも音痴の所為なのかはさっぱり分からないがな。

 

 いやほんとなんだ。あの地下アイドルのライブ会場みたいなノリを東京ドームでやるかのような暴挙。

 

 あと吸血鬼の貴族共が男女問わず肩を並べてやらかすオタ芸ってなんだよ。

 

 しかも法被と鉢巻きとか完全にドルオタのテンプレじゃねえか。団扇やサイリウムまで両手に握ってやがるしよぉ

 

 ある意味地獄絵図としか形容できないこの光景に、どいつもこいつもドン引きだったが、問題はあの女の後ろにある光景だ。

 

 ……西洋のお城の上にピラミッドが上下逆に突き刺さり、とどめにピラミッドの底の部分に日本式の城が鎮座してる。

 

 いやほんと、なに?

 

「こ、こ、こここここ……これは―」

 

 ゴルドルフが痙攣じみた声になるのも無理はねえ。

 

「気持ちは分かる。だがこれは現実―」

 

「これはチェイテピラミッド姫路城!? 藤丸がトラウマになったというチェイテピラミッド姫路城……エリザベート案件ではないか!? ハロウィンは過ぎているぞ!?」

 

『『『『『『『『『『知ってるの!?』』』』』』』』』』

 

 思わず絶叫がシンクロしたぜ。

 

 っていうかハロウィンってギリギリすぎてるよな? え、どういうことだ?

 

「え、えっと……ちょっと待って? あの、姫路城ってあの姫路城で、ピラミッドってあのピラミッドだよね? あとチェイテって……?」

 

 高町が狼狽するのも無理はねえ。

 

 だが、なんだかんだで俺は年の功。エリザベートという名前とチェイテですぐに繋がったぜ。

 

「チェイテってのは一番下の西洋風の城だろう。エリザベート・バートリーって女の城だ」

 

「エリザベート・バートリーっていうと……あの?」

 

 どうやら高町も気づいたらしい。

 

 俺は素直に頷いた。

 

「ああ。血の伯爵夫人と称される、一種の連続殺人をやらかした女の名前だ」

 

 そう、エリザベート・バートリーとはそういう女。

 

 何人もの少女を殺して生き血を浴びた、吸血鬼のイメージすら持たれている女のことだ。

 

 流れから言っておそらくサーヴァントだろう。たぶん滅神英霊の一角とか、そんな感じか?

 

 まあそれはそれとしてだ。

 

「もっとも、当時の貴族からすれば領民なんてしゃべる家畜も同然として教育されることだってある。夫の影響を受けたという説もあるし、奴さんは間違いなく悪いが奴さんだけが悪いというのもあれかもしれねえが……」

 

 俺がそう言うと、アーチャーの奴もうんうんと頷いた。

 

「まあ気にすることは無い。彼女や彼女の大人の姿が吸血鬼物語に出てくる「カーミラ」を襲名する形で召喚されることはあるが、基本的に自分の行動が悪逆であることは死後自覚してはいる。……むしろ少女の姿で召喚される彼女は、どこかでその辺りを痛感したのかことさら積極的に悪事を引き起こす類ではないの……だが」

 

 そしてアーチャーに釣られる形で、俺達は映像を見る。

 

 ノリノリで歌うエリザベートは、はっきり言ってあほというかオタサーの姫一歩手前というかなんというか。

 

 正直軽く思う。

 

 ……どうしてこうなった?

 

「……英霊の座からの知識で知ったのか、彼女はアイドルになるという目的を持って活動している。カーミラの方は凄い勢いで自己嫌悪しており、結果的に不倶戴天だが……同一人物でいがみ合うのはカルデアではよくあることだ

 

『『『『『『『『『『よくあるんだ』』』』』』』』』』

 

 正直ちょっと引いた。

 

「……まあ、悪逆を犯した事実は変わらないしカルデアでもトラブルメーカーだが、同時にカルデアでは善良な部類だろう。しかし敵対した場合、舐めてばかりでもいられない」

 

 と、精神安定目的で葉巻をぷかぷかふかしながら、二世がそこで続けてきた。

 

「まず彼女の家系はどうも竜の因子が混ざっていたらしく、それが一種の風評被害が根強く残って影響を与えた無辜の怪物スキルと併用され、サーヴァントとしてのステータスは割と高い部類だ。また幼少期の環境もあってなんだかんだで学ぶ意欲はあり、とどめに凶行やテンションに任せた暴走さえなければ為政者として割と真面目に仕事もできる。ポンコツだが能力は高いのだ……ポンコツだが」

 

 そんなにポンコツなのか。

 

「そしてそんな彼女が聖杯を獲得してしまった結果生まれた微小特異点チェイテ城。……その翌年、オジマンディアスがクレオパトラに対する荒療治を兼ねてピラミッドを降下したことで発生した第二弾。……更に悪だくみをしてなかったことからつい暴発したモリアーティが刑部姫を唆して姫路城を降臨させたメカエリチャン事件を経て、ハロウィンチェイテ城三部作ともいえる出来事は終焉……したはずだったのになぁ!?」

 

 盛大に机を叩く二世からは、凄い苦悩が漏れている。

 

「……そうだ。新作のオーブンを注文したいのだがいいかね? なに、ちょっと練習の為に一日貰いたいだけだが―」

 

「此解決したらただで買ってやるから今は参加しろ。絶対に

 

 アーチャーが逃げようとしたので逃げ道を塞いでおく。

 

 逃げるな専門家。お前ら抜きで対処できる自信がねえよコレは。

 

「あ、あの藤丸ですらガチのトラウマになったエリザベートのライブだからなぁ。……皆、胃薬をちゃんと用意したまえよ? 私も錬金術でちょっと錬成するから」

 

 ゴルドルフはそう言うが、何故かちょっと安心している感じだった。

 

「……まあ、今回は増築されてないようだからまだ安心だろう。規模は別の意味で不味いが、特異点案件でないから人材も大量に送れるから―」

 

「―甘い。甘すぎるぞゴルドルフ殿」

 

 そんなゴルドルフに、二世がそう呟いた。

 

 ああ、そこは仕方がない。知らないってのは恐ろしいな。

 

 今の映像だけでも既に胃がもたれる。だからこその勘違いだろう。

 

 美声のすべてを台無しにする音痴と歌詞。更にノリノリでオタ芸をする吸血鬼の貴族(男女込)に、生き生きとしながら売り子をする吸血鬼の美少女達。

 

 これで既にインパクトがでかいから、うっかり勘違いしてるんだろうな。

 

 だが、ここからが本番なんだよ……っ

 

「ど、どういうことかね!? 上に何も乗ってないよ? 増築されてないよね?」

 

 嫌な予感に気づいて顔を真っ青にするゴルドルフだが、逃がす気はねえ。

 

 お前も胃痛を感じるがいい……っ

 

 俺はその一心で、腹をくくって映像を早送りする。

 

 そして一気に上昇していくカメラ視点。

 

 どうやらドローンを使っているらしいそれが上に上がっていくに連れて、事態がもっと酷いことをどいつもこいつも痛感し、頬が引きつっていく。

 

 まず、周囲を警備する頑侍どもまでエリザベートカラーでオタ芸をしている光景。

 

 次に、毒々しいカラーで彩られ、「ERI☆ちゃん」やら「ドラ♡クル」やらペイントされている街並み。

 

 これだけでも十分ヤバい。だが、とどめがここで来る。

 

 一気に急上昇して、白や街並みを映し出したそれが、その場所の全景を映し出す。

 

 川と湖、そして森。

 

 それらが映し出されるその巨大な場所は、ツェペシュ領でもカーミラ領でもねえ………っ

 

 そう、それは―

 

「………浮いてる?」

 

 ぽつりと、左が呟いた。

 

 そう、あの島は空高くに浮いてやがる。浮いている島なんだ。

 

 まあ、異形的な観点から言うとそれはそれである。

 

 冥界にはアグレアスがあるし、時空監理局の技術でもそういった場所は作れる。だからそこは……いいわけねえ。

 

 そんなものを地球のど真ん中で作っているという、もうどこから突っ込んでいいか分からないこの光景は―

 

「………ねえ、二世にアーチャー? これ亜種特異点案件で、フィネクスに唆されたシェヘラザードが宝具と聖杯フルスロットルで作ったとかいう、ラピュタだよね?

 

「ああ。奴らツェペシュ領とカーミラ領の間に、ラピュタを浮かべやがった………っ」

 

 ドン引きのゴルドルフから目を逸らしながら、二世は胃の辺りに手を当てながら引きつり気味の声で肯定した。

 

 そう、これこそが奴らの挑発ポイント。

 

 チェイテピラミッド姫路城on theラピュタ………っ!

 

 あいつら、発想を変換して下を強化しやがった!

 

「「なんでさ!?」」

 

 アーチャーと衛宮がシンクロしてツッコミを入れるのも仕方がねえ。

 

 これはねえ。これはねえだろ。

 

 何考えてんだよ。冥界の芸能を代表するアグレアスに喧嘩売ろうとしてんのか、オイ。

 

「……正直真面目に考えたくないけど、これ、技術的にちょっと凄まじいことになってるよね? これだけの規模の浮島とか、どう考えてもロストロギア級の代物が必要だよ?」

 

「同感だね。ここまでの技術力があるというのは、二重の意味でゾクゾクするよ。おそらく単純な挑発だけでなく、他の勢力に対する牽制も兼ねているんだろう」

 

 高町とフィリップが比較的冷静に対応しているが、実際そうなんだよな。

 

 一見するとただのあほだが、それでも油断できることじゃねえ。

 

 それを理解できる奴からすれば、これは笑いたくても笑えねえ展開だ。

 

 そして―

 

「はーい♪ 今日は(アタシ)のデュエット担当、ヴァレリーも参加するわよ♪」

 

「はーい。エリザベート吸血連合国の女王、ヴァレリー・ツェペシュです♪」

 

 ―目標を堂々と見せてきやがってるから、無視するわけにもいかねえんだよなぁ………っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな、頭痛以外の何物でもない案件に、俺達はかなりこう……お通夜状態になった。

 




 ……はい。この章の題名は完璧に回収されました。石は投げないでくれると嬉しいです。







 いやぁ、この部分は次期的にハロウィンをちょっとすぎるし、吸血鬼でカーミラだし、あと新八(ドルオタ)が出るということもあって、エリちゃんを出して銀魂レベルの高いギャグをぶっこもうと思ってたんですよ。あとリゼヴィムとかああいうふざけたノリを知ってたら再現して挑発すると思ったから、上ではなく下を増設する形でハロウィンを強化する方向はかなり初期に決めてました。

 というか、昔自作品と他複数の作品を巻き込んでのコラボを妄想していた時からチェイテピラミッド姫路城Ontheラピュタは考えておりまして、いつか出したいとは思ってたので出すつもり満々でやっていたら、FGOでハロウィンが正式に復活する動きが出てきたもんでさあ大変。

 一年以上前から設計していたこれを原作が先取りするのだけは避けたいと思い、急遽書き溜め部分を解放することにしましたです、ハイ。

まさか題名がこんな意味だと思ってたか?

  • 吸血鬼やらカーミラやらでなんとなくは
  • わかるわけがないだろうが、ぼけぇ!
  • ……呼んでみれば納得できましたわぁ
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