混界魔龍大戦駒王町―銀の風が呼ぶ運命   作:グレン×グレン

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 そういうわけで、当分の間会議という形のお互いの紹介会となります。


第三話 こういう多重クロスオーバーだと、どうしてもお互いの世界説明とかに時間がかかるものである。

イッセーSIDE

 

 

 

 

 

 

 

 

 九州まで特別バージョンのエロゲーを買いに行ったら、なんかとんでもないことに巻き込まれて、いきなり自分の家の地下に転移した時はびっくりしたぜ。

 

 転移したのは地下の広い空間だけど、それだって限度があるもん。室内だから当然壁がある。しかも転移ゲートは端じゃなくて真ん中側だったから、出てきてすぐにブレーキを掛けないと激突するタイミングだった。

 

 ……危なかった。俺はともかく普通に人間な人達が事故死するところだった。

 

 時速150kmぐらい出てたから、ブレーキが間に合わなかったら即死もありえた。実際ちょっと激突したから、衝撃でゴルドルフのおっさんと癖っ毛の男が失神してたし。

 

 で、そんなうっかりをぶちかまして食い殺されかけてたやつが、今地下の会議用多目的ルームで俺たちを集めて事情の説明をするといってきていた。

 

「……それで、俺まで来るように連絡したのはどういうことなのですか、アザゼル元総督殿」

 

「ああ、事情を説明してくれる宮白って奴のオーダーだよ。お前さんは関係者に入れていいってな」

 

 と、いまアザゼル先生と話をしているサイラオーグさんまで呼びつけてだ。

 

「……さて、ヴァーリ・ルシファーを呼べなかったのは残念だが、まあすぐに来るだろう」

 

 と、宮白っていう奴がなんかホールケーキを大量に持って来ながら入ってきたんだけど。

 

「漸く準備が整ったのかね。全く、待ちくたびれたりおなかをすかせた者がたくさんいるだろうに」

 

「とはいえ、きちんと予定時間に間に合わせてくれたのは感謝するべきだろう、Mrゴルドルフ。おかげでこちらもお茶の準備が整っているからな」

 

 と、ゴルドルフのおっさんとアーチャーとか言われた人までなんか色々持ってきたんですけど!

 

 っていうかそれ全部できたて!?

 

「お、お茶菓子の準備も万端とは気が利くじゃねえか。しかも甘いもんとは分かってるな」

 

「けっ。銀ちゃんみたいに甘けりゃいいと思ってんじゃないヨ。薄っぺらい飾り立てばっかりので私が満足すると思ったらいけないね!」

 

 銀髪天パとチャイナ娘がめっちゃ上から目線!

 

 あと此処俺の家だからね? あんたらもよそ者だからね!?

 

 ……あ、でもリアスも既に俺と自分の家って認識だし、もしかしてこの家、そういう宿命?

 

「安心したまえ。それぞれの趣味が分からないから中華の胡麻団子や和の羊羹などそれ相応に取り揃えている。甘いだけでは口がだるくなると判断し、スナック菓子や煎餅といった塩気のある物も多少用意した。お茶に関しても紅茶だけでなく緑茶やウーロン茶、麦茶と用意し、精神安定効果のあるハーブティを彼が用意している」

 

「実に手際が良くて本当に助かった。時間がかかるからそれなりの物も用意しないとと思ったんだが、洋風に拘っていたからその辺りの塩梅が甘かったよ。礼を言う……アーチャー」

 

 ………なんで何かに通じ合った感じで不敵な笑みを浮かべてるの、宮白とアーチャー。

 

 あ、ゴルドルフのおっさんが何か言いたそうにしている。よし、何か言っていいです!

 

「ふっふっふ。ちなみに菓子類系統だけではというものの為、私がふわっふわのクロワッサンやサンドイッチを用意している。神霊にすら通用した自慢のクロワッサンだから、ぜひ食べてくれたまえ」

 

 あんたもかい!

 

「さあ、まずは一口食べるといいイッセー。お前の好みに完全合致した自信作だ。お前用にワンホール丸々用意している」

 

「確かに俺、チーズケーキ好きだけどね!? え、なんで知ってるんだよお前は俺のファンか!」

 

 ちょっと怖いんですけどこの人。

 

 後なんで得意げに不敵な笑みを浮かべているんだこいつ。

 

「……まあいい。ただチーズケーキは研究に研究を重ねたイッセーの好みに特化した仕様だから、口に合わないものもいるかもしれない。一応チョコレートケーキとショートケーキも作っているから、チーズがアウトな人はそっちを食べてくれ」

 

 そして気遣いも完ぺきだった。

 

 まあケーキだけだったりしたみたいだけど、そこはアーチャーとゴルドルフのおっさんがフォローしてる感じだけどね。

 

 もしかしてコイツ、かなりうっかりなのか? 二世もなんか心当たりがあるっぽいけど、どういうこと?

 

「……とりあえず、詳しい説明をそろそろ聞いてもいいかしら?」

 

「そうだね。この事態が想定以上って言っていたけど、ある程度は想定の範囲だっていうことだよね? どこまでが範囲内なのかな?」

 

 と、リアスと高町ってお姉さんが促した。

 

 それに対して、宮白はホワイトボードの前に立って真っ直ぐにこっちを見る。

 

「具体的に言えば、俺やスパロがここに来る原因となった並行世界と逆算しての想定だ。少なくともこの世界と時空管理局側が把握している次元世界が巻き込まれる可能性はまず確実。……その上でいくつかの世界から何らかの要素が流れ込むという予想を立てていたが、呼び込まれる世界の辺りと規模が完全に想定外だな」

 

 と、そこで銀髪天パの人とか室内でも帽子を被っている人に視線を向けている。

 

「そちらさん方の世界は完全ノータッチと言っていいだろう。少なくとも、俺とスパロの知りえる知識では幻想種とも違うそこのでかい犬や、ガイアメモリという名称にはノータッチだからな」

 

「……あ、その辺りの確認も取れました」

 

 と、そこでスパロって子が入ってきた。

 

 何故かサイラオーグさんと、あと癖っ毛の奴に視線を向けたけど、すぐに気を取り直したのか資料をめくる。

 

「兵夜さん。フォード連盟関連の現状を聞いたところ、エイエヌ案件の発生確率はまずなさそうです。挟撃される可能性はないかと」

 

「………本当に良かった。こっちでも起きてたら心労で倒れてる自信がある」

 

 なんかすっごいほっとしてるけど、エイエヌって誰?

 

「……ふむ、つまり君の考えている最悪は、会話の節々に出てきたフィフスという男がこちらの世界で暗躍し、また時空管理局とやらに関連するフォード連盟という組織にエイエヌという存在が関わっていることを踏まえていたということかな? ただし、僕達やそっちの人達が関与している時点で明後日の方向に規模が広がっていると」

 

「正解だ。最も想定外が起きることを大前提に立ち回る身としては、むしろこの短期間にある程度の説明が聞けそうな人物と渡りをつけれたのは不幸中の幸いだけどな。……あ~……ミスター?」

 

 あ、そういえばごたごたしてたから、まだ自己紹介をやってなかったっけ。

 

「あ、じゃあ一応自己紹介とかした方がいいんじゃないか? 俺は兵藤一誠」

 

 話をするならその辺りが分かってた方がいいからな。

 

 宮白に推測を語ってた人もすぐに気づいてくれたみたいだ。

 

「それもそうだね。僕はフィリップ、隣の彼は僕の相棒の―」

 

「左翔太郎。ある街の涙をぬぐう探偵さ」

 

 帽子を深く被り直しながら、左さんが自分のことをそう言った。

 

「……銀ちゃん、痛い奴よアレ。中二病よ」

 

「言ってやるな神楽。ああいうのはかっこいいと本人は思ってるんだよ。そっとしてやれ」

 

「聞こえてるぞぉ! っていうか聞こえるように言ってるだろ!」

 

 し、締まらない……。

 

「余計な茶々入れんなぁ! ……すいませんおバカ二人がご迷惑を。あ、僕は志村新八です」

 

「気にしないでくれ。この翔太郎はハードボイルドに憧れているけど成り切れないハーフボイルドな人物なんだ」

 

「フォローする気ねえな!?」

 

 眼鏡をかけてる新八ってのにフィリップがそう返すけど、まあフォローになってないから翔太郎さんが当然反論してきた。

 

「あ、その辺りは大丈夫です。ほら銀さんも神楽ちゃんもその辺で。あのハードボイルドを口調と外見以外何もできてない小銭形さんよりは百倍マシでしょ?」

 

()っつぁん。あんなハードボイルドを冒涜しているなんも分かってない底辺を比較にする方が失礼ネ」

 

「マジ返しやめてぇ! っていうか話が進まないでしょう! あ、僕達万事屋(よろずや)銀ちゃんって何でも屋やってまして僕は志村新八です。で、この二人が―」

 

「坂田銀時でーす。元々所長だったけど再編時に下っ端にされてまーす。あと甘いもの大好きです」

 

「副所長の神楽アル。素昆布とか卵賭けご飯とかお茶漬けある。腹にがっつりたまり味のある奴が大好きヨ」

 

「さらりと食い物の要望入れるなやぁ!!」

 

 ……凄い、何かが本当に凄い。

 

「あーはいはい。あとでかつ丼とみたらし団子用意するから、とりあえずグダグダなボケで引っ掻き回すのはよしてくれよなー」

 

 そして宮白がおざなりに切り捨て……。

 

 あのすいません。何時の間に後ろに団子焼く奴とか豚肉のブロック出してんの?

 

「このように、明らかに二桁作れる材料が目に入ったな? 話を進めてくれたらこれらはお前らの胃の中に入ってくるからな?」

 

「「かしこまりましたぁっ!!」」

 

 直立不動で座ったぁ!?

 

「一瞬で飼いならしてる。餌の釣る手際が良すぎるけど、あんた本当に真っ当な人物なんですか!!」

 

 志村のツッコミも鋭いけど、宮白は得意げな表情を浮かべていた。

 

「大丈夫だ。根幹的に見ると良い奴だが基本どうしようもないダメな側面が出まくる連中のいなし方は心得ている。いいか、釣る為の餌はケチらずまめに用意することが肝だ」

 

「発言がもう真っ当じゃないわぁあああああ! あんた完璧に真っ黒だよ! 絶対に堅気じゃないよ!」

 

「失敬な。俺は地元のやくざと警察署に不可侵条約を中学生の頃に結び付けたほどのやり手だぞ。基本戦力で選ばれる転生悪魔業界において政治力で評価を受けた男だからな」

 

「ヤクザの時点で真っ黒じゃねえかぁああああ!? いや、僕達もヤクザと警察が肩を並べた戦いに参加しましたけどね!? 状況が状況だから不可侵条約とか結んでないからね!?」

 

 問題発言とツッコミが乱舞してるよ。完全にギャグマンガのノリだよコレ!

 

「おい新八。お前が場を引っ掻き回してどうすんだよ。あの五十本は作れるみたらし団子の材料が駄目になったらどうするんだ」

 

「黙ってるヨ眼鏡。あの美味しいかつ丼になってくれる豚肉が腐ったら責任取れるアルか?」

 

「お前ら食いもんのことしか頭にねえだろ! 下手すると僕ら犯罪組織の片棒を担がされますよ!?」

 

 銀時さんと神楽って子にツッコミを入れる光景を見てよく分かった。

 

 ああ、志村って奴は苦労してるんだなぁ。

 

 宮白も同じことを思ったのか、何て言うか凄い慈しみの表情で彼のところに近づくと、どこからともなくある物を取り出して差し出した。

 

 ……何あのハリセン。

 

「使うといい。八百万の神々にいる芸能神から採取した血液利用して作った草木を使用した、ツッコミ限定特化の疑似宝具とかしたハリセンだ。ボケに対するツッコミが成立すればボケた奴は半日は悶絶する、ボケ殺しの最終兵装だ」

 

「何作ってるの? 神様から血液採取して何作ってんの!?」

 

「……これがいつか必要になる思ったものだ。……いや本当に下手すると必要になるから、そのツッコミセンスを見込んで持っていてくれ。特別手当出すからマジで持っていてください」

 

 なんか凄い真剣な表情だった。

 

「……どんな奴がいたらこんなもの必要になるんですか!? どんな魔境で戦ってきたんですかアンタ」

 

「ボーボ〇時空じみた領域を作り出し、最上級クラスすらいる天使の群れや歴戦の悪魔祓い(エクソシスト)と悪魔の共闘すらかく乱する恐ろしい相手だ。……いやほんと恐ろしい相手なんだマジで」

 

 新八のツッコミに、宮白は目が座っている。

 

「お前に分かるか? ギャグマンガ特有のピンボールじみた連続反射吹っ飛びを逆手にとってモールス信号で詠唱をかまさなければならない奴の気持ちが。愛する女に「ギャグ適性が高いから足止めできます」なんて言われて、ゴム風船から作られたガトリングガンをコサックダンスやフラダンスで回避して時間を稼ぐ羽目になった俺の削れて行くSAN値の気持ちが。……本当に冗談抜きで奴が関与してくる可能性があるから、マジで持っていてくださいツッコミ属性(希望の星)

 

「目が座り過ぎ何だけど。そんな奴がこの世界襲ってくるの? っていうかそれボーボ〇というかMU〇K! 澤井啓〇じゃなくてイプキ〇・スタンリー!! 特別手当出すとかどんだけヤバい奴なの!?」

 

「シリアスにギャグマンガの世界を強引に押し付ける悪夢の権化だ。一度でも奴の流れに乗れば、徹底的にギャグに走らない限り奴に引っ掻き回し続けられる悪夢の権化と言っておこう。……本当にその時はお願いします!」

 

 ……え、ちょっと待って。

 

 俺達の世界にそんな奴がいるの? 最悪じゃねえか。

 

「……まさかチェイテピラミッド姫路城や聖杯うどんに匹敵するトンチキに巻き込まれることになるとは。何度も乗り越えた藤丸がいないことを嘆くべきか、」

 

「まあ、ノウム・カルデア(我々)はひとたびギャグに走るとどこまでも突き抜けかねんからな。英霊になるような輩など、暴走力も超一流ということだろう」

 

「……確かに」

 

 ゴルドルフのおっさん達も大変な目に遭っているんですね!

 

「べ、別の意味でとんでもないことが起きそうだ……へぶっ!?」

 

 俺が思わずおののいたら、隣の小猫ちゃんがわき腹をどつき倒した。

 

 何故ですか小猫ちゃん!? 今俺何かした!?

 

「……この世界(ウチ)も人のことは言えませんよ。というか筆頭が失礼なことを言わないでください」

 

 そんな!? 俺はいつだって真面目に頑張って………。

 

 いや、おっぱいゾンビは流石にあれか。

 

「……あの、また脱線してるんだけどそろそろ話を戻してくれない?」

 

 あ、ノーヴェとか言ってた人が指摘してくれた。

 

 宮白も我に返ったのか、ハリセンを新八にきちんと渡してからホワイトボードに戻ってきた。

 

 そのハリセンは渡すんだ。どんだけそのギャグ補正警戒してるんだろう。

 

「……失礼。で、そちらの女性陣は時空管理局の職員。速攻でこの世界のメンバーに度肝を抜かされる説明をすると、数十の異世界で構成される特殊な組織のメンバーだ」

 

 ……なんだって!?

 

 そういえばそんなことを言っていた気もするけど、マジかよ。

 

「……それってつまり、乳―」

 

「そっちはノータッチです姫様。その辺りの情報は別の段落にするので、今はご了承ください」

 

「……そう、気になることを言っていたけど、それも話してくれると思っておくわ」

 

 リアスの言いかけた言葉を遮って、宮白がそう言った。

 

 そういえば乳神とは関係ないって言ってたね。

 

 でも別の段落には言うんだ。

 

 確かにインパクトはあるけど、別に話さなくても誤魔化せる話な気がするんだけどなぁ。

 

「最年長の女性は地球(この世界)出身で時空管理局で教導隊に属している高町なのは一等空尉。隣の青い髪の人は一等空尉が別の部隊に属していた時の元部下で、今は特別救助隊に属しているスバル・ナカジマ防災士長。隣の赤い髪の女性はその義理の妹にあたるノーヴェ・ナカジマで、最後の金髪の女の子は高町一等空尉の義理の娘にあたる高町ヴィヴィオだ。……なんでそんなに詳しいのかの説明は後で回すので、長い本題の為にもそちら側の自己紹介をしてもらうべきだろう」

 

 そして、ゴルドルフのおっさんたちに視線を向けてきた。

 

「……で、申し訳ないが自己紹介を頼む。Mrゴルドルフ」

 

「……うむ。とはいえ、我々の場合はちょっと複雑なので手間はかかるが―」

 

「なら私がしよう。いいかね?」

 

 あ、二世さんが引き継いだ。

 

「いいのかね、孔明?」

 

「ああ、隣の三名も含めた説明は私が一番適任だろう。少々ややこしいことになるが、アーチャーもそれでいいな?」

 

「ああ。私だと余計な毒が出てきそうだからな」

 

 ……なんだ? 赤毛達三人は怪訝な表情を浮かべているけど、どういうことだ?

 

「ではまず私達だが、とある並行世界において「人類の存続を保証する」為に設立された組織フィニス・カルデア……の壊滅後、ある事態の解決を行う為に活動している組織、ノウム・カルデアという集団の一部だ」

 

「人類の存続を保証ぅ? また胡散臭いっていうか、どんな事すればそんなことができるんだよ」

 

 あ、銀時さんがそんな揶揄を入れてきた。

 

「あの銀さん、確かに気になりますけど、今そこを突っつきますか?」

 

「いや、彼の言うとおりだ。確かにフィニス・カルデアは人理保証の為に設立され、表向きには隠されているが国連からも承認を受けた組織ではある……が、規模が大きくなりすぎた組織にはままあることとはいえ、魔術師(メイガス)というものは業が深い奴らでね。……それを踏まえても私が内情を知っていたら、さっさと解散させるように進言していたとも」

 

 え、マジで?

 

「まあ、どんな組織でもでかくなると腐敗した連中やら隠れ蓑にして悪事を働く奴は出てくるもんだ。……五大宗家(この国)の一部や神の子を見張る者(うち)も、はねっ帰りが暴走して豪華客船一つ沈没させて実験体を確保とかやったことがあってなぁ」

 

「あーあるある。頭の中身が腐った狸親父とか、そういうことしたがるしよぉ」

 

「おいそこのマダオ共。かつ丼の材料が腐ったらどうするね。話進めるヨロシ」

 

「「誰がマダオだ!」」

 

 ……シンクロしてるよ。

 

 あと神楽ちゃんだっけ? 食い意地張ってるなぁ。

 

「ま、でかい組織に腐った寄生虫は付き物アル。で、そのアンポンタン共の後釜がお前らアルか?」

 

「そういうことだ。こちらのゴルドルフ殿は三代目所長に値するが、腐敗部分は全部初代所長の独断といってもよくてね。諸事情あって初期からのメンバーは二十人もおらず、本部も現在は放棄している為、調べたくてもできないのが現状だ」

 

 な、なんか大変なんだな。

 

「まあ私たちの諸事情は極めて特異なケースである為、説明はまたの機会にだ。で、隣の三名についてだが、ある意味では本人達より詳しいので私が説明しよう」

 

「……はぁ? 僕達の事情に僕達以上って、会ったこともない奴になんでそんなこと言われなきゃいけないわけ?」

 

「そうね。アインツベルン(私達)の内情をおじいさまが時計塔に知らせてるとも思えないけど?」

 

 癖っ毛と白い子が反論するけど、二世さんは不敵な笑みを浮かべて返した。

 

「知っているとも。アインツベルンの最高傑作にして奇跡の産物。第五次聖杯戦争の小聖杯、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

 

「……どうしてそこまで」

 

 え、当たり?

 

「そしてアインツベルンと並び立つ御三家が一角、間桐家出身の間桐慎二」

 

「な、なんでそんなこと知ってるんだよ!?」

 

 こっちも!?

 

 そして二世さんは、最後の戸惑っていた赤毛の少年に視線を向けると、感慨深げな表情を浮かべた。

 

「そして第四次聖杯戦争を終わらせた男にして魔術世界の異端児でもある魔術師殺し(メイガス・マーダー)衛宮切継の養子、衛宮士郎」

 

「……は? なんで俺だけじゃなく爺さんまで? っていうか、メイガスマーダー? なんだよその物騒な名前」

 

 ほ、本当に色々知ってるっぽいな、コレ。

 

「……色々と聞きたいことはあるだろうが、それはまず彼の説明を聞いてからでいいだろう。そしてその前の前段階として、我々の名前を名乗るべきだろうね」

 

 なんかめっちゃ気になるけど、二世はどうも話を先に進める感じらしい。

 

「まずこちらの方がカルデア三代目所長であるゴルドルフ・ムジーク氏。そして私と彼は人間ではなくサーヴァント……過去の英雄といった者が死後招かれた英霊の座から降臨された影だ。……最も此処にいる私と彼は、かなり特殊なケースなので、全く参考にならない類だが」

 

 ………はい?

 

「………え、ちょっと待って? 死後……死後っていった?」

 

 あれ? 銀時さんがなんか顔を真っ青にして震えているんだけど。

 

 もしかして。

 

「え、もしかして幽霊ダメとぅぁばぁ!?」

 

「―黙れぇえええええ! 幽霊なんぞこの世にはいねぇえええええ!!!」

 

 いらんこと言いかけた宮白の顔面に木刀が!?

 

 しかも瞬時にとびかかってがっくんがっくん首を揺すってきやがったのあの天パ!

 

「幽霊なんぞ非科学的なものがこの世にいるかぁああああああ!? これはあれだ、スタンドだスタンド! Stand by meとかStand up toとかぁあああああ!?」

 

「その場合はディスク的な奴を使った遠隔自動操縦型が近いな」

 

「うるせぇええええええ!? なんでJOJO知ってんだぁあああああ!?」

 

「アイズオブヘブンは中々面白かったぞ」

 

 異世界でもJOJOってあるんだ!

 

 じゃなくて! 宮白は大丈夫か!?

 

 宮白はかなりグロッキーだったけど、とりあえず立ち上がりながら銀時さんの肩に手を置いた。

 

「お、落ち着け……。サーヴァントは厳密には死後の幽霊本人じゃない。例えるならマスターというガラケーに英霊の座というスパコン直結のサイトからコピペしたアプリだ」

 

 なんて分かり易い……いや、そのデジタルな例えってどうよ?

 

「電子機器で例えられるのかよ!? なに、ハッキングとかできるの!?」

 

 銀時さんもマジ返ししたし!

 

 そりゃオカルト的な話と思ったら、いきなり最新機器で話が出てきたら驚くよなぁ。

 

「まあ、一流の魔術師なら最新型のスマートフォン程度の機能は片手間で自力再現できるな。道具なしで」

 

「っていうか、研究してみたらマジでできるようになったぞハッキング。……あ、良かったら今後の資金稼ぎ用に譲ろうか? ……法政科辺りが目の色を変えて欲しがるレベルだが」

 

 なんか二世と宮白の間で話が通じ合っているし。

 

「……っと、話がずれた。私はサーヴァントの中でも非常に特殊だが、何故か目の前に更に二人もいる疑似サーヴァント……聖杯戦争に深く関与した者を依り代として顕現するサーヴァントだ。本来私を依り代にした諸葛亮孔明は単独で召喚できそうなのだが、「力を十全に振える者がいるなら自分でなくてもいい」とか言ってよこしてきている。私自身はロード・エルメロイ二世というが、そちらの方で呼ぶなら二世だけは忘れないでくれ」

 

 ……なんかややこしいな。

 

「ってあんたがロード・エルメロイ二世なのか!? 時計塔抱かれたい男ランキング1位を取った、グレートビックベンロンドンスたわらばぁ!?」

 

「なんでそれを選んだぁ! フラットの親戚か何かかおまえは!?」

 

 あ、宮白が今度は二世にアイアンクローを叩き込まれた!?

 

「……ちなみにカルデアに召喚された陳宮の孔明*1評から推測するに、己の欠点を自覚しているからそこを埋めれる人材を選んだと私は踏んでいる」

 

「人材の幅が広いなカルデア。……まぁ、教え子全員大成させてる教導の傑物として有名だからな、ロード・エルメロイ二世」

 

 赤い人と宮白がそんなこと言ってるけど、天才講師なのかぁ。

 

「話を戻すぞ! ……で、こちらの赤い方はサーヴァントの一人でアーチャー。かなり特殊な来歴なので、無銘、もしくはアーチャーと呼んでくれ」

 

 ……無銘?

 

「無銘とはどういうことなの? サーヴァントというのは歴史上に実在する人物なんでしょう?」

 

「確かにそうなのだが、あえて雑に言うと英霊の座は割とがばがばでね。物語の登場人物の名前で似通った行動をしたものがその真名で登録されたり、称号とでもいうべきもので登録され、その中の一人が呼ばれるというケースが少なからずあるのだよ」

 

 リアスの質問に二世が答えると、今度はスパロって子が手を上げた。

 

「たたた例えば、アサシンのサーヴァントの場合、召喚する時にそれなりの手間暇を加えない場合、その語源ともいえる暗殺教団の長であり、彼らの世界線では長の字となった「ハサン・サッバーハ」の名を持つ十数人から誰か一人が召喚されます」

 

「あと、物語の登場人物でもその元ネタと言える人物がいた場合、その元ネタとなったものが召喚されるケースもある。最も、私を無銘と差すのは極めて特殊なケースだ。こちらも本題から遠のくから後回しでいいだろう」

 

 で、アーチャーさんがそう言って、話が戻る。

 

 と、二世が咳払いをして注目を集め直した。

 

「……話を戻そう。ただ私達ノウム・カルデアは時間軸で計算するならば西暦2018年代だが、そちらの彼ら……というより第五次聖杯戦争は西暦2004年の時代に行われたものだ。本来時系列から見てもズレがあるのだが―」

 

「その辺については、俺から説明できる」

 

 と、そこで宮白が立ち上がった。

 

「この世界はとある特殊な事情故に、そういう時間軸のずれが発生するのさ。いうなれば並行世界を含めた世界の軸を木のようにする場合、別の木々に移動しているようなものだ。おたくらの場合もそういうことだろうな」

 

 ……俺達の注目が一気に集まった。

 

「さて、では本題の前にこの世界について説明しよう。最も、それは俺がいうより現地の方々が直々に説明するべきことなんだろうけどな?」

 

「……なら、ここは私とアザゼルが担当するべきね」

 

「だな。俺は元は一組織の長だし、リアスもこの地の管轄だしよ」

 

 リアスとアザゼル先生が立ち上がって、注目が一気に集まった。

 

「んじゃ、俺は補足に回るからお前が言うべきだろうさ。年よりは精々楽させてもらうぜ?」

 

「ええ。次期公爵として、これぐらいの説明はさせてもらうわ」

 

 ……あ、これかなり長くなりそう

*1
曰く「人を見る目がなく弟子にも恵まれなかった」




 まあこの手の作品は全部について知識のあるやつを前提にするものなので、本格的な説明とかは小出しになっていくことになります。

 あとケイオスワールドは自作品のオリジナル設定になるので、一話ぐらいぶっこむレベルで出したいのだが、この調子だとあと三話ぐらい後になってようやく説明会を入れそうになるレベルだったりなかったり。
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