そもそも前回が長かったのは説明が多かったんですよね。目とかダイアゴン横丁とか。ダイアゴン横丁は分けたほうが良かったかもしれません。分けませんけど
それと今回は会話文多めですのでご了承ください
「なあ、ハリーとはどんな話をしたんだ?」
俺は部屋に行きデルフィニの話を聞くことにした。今までずっと一緒で、一時的にでも別れることはなかったから、少し寂しかった。あの町では1人だと危ないもの…
「そうだなぁ…まず双子なのか聞かれて、マルフォイのときと同じような受け答えをしたかな」
「それはちらっと聞こえた。」
「そう?あーと、それからハリーが『羨ましい』みたいな感じのことを言って、私が『兄弟いないの?』て言ったはず」
確かにハリーからすれば親しい相手がいるのは羨ましいのだろう。ハリーはあの家だと常に隔離され、愚痴を言う相手もいないのだから。友達とか居たのかなぁ、居ないんだろうなぁ。
そんな感じでデルフィニから、ハリーとハグリッドとした会話を聞いた。結構仲良くなっているようで、少し寂しく思った。お前は俺の兄妹だろ?
「なんでそんな顔してるんだ」
「少し寂しくって…。」
「意味がわからない…別にハリー達と仲良くなっても兄さんが寂しい思いをする必要はないだろう」
「んだってさあ、なんか…デルフィニのことを知っているやつが増えるの嫌だなぁ。」
あの町ではお互いに関心を示すこともなかった。たまにバイトしていたら英語を教えてくれるおっさんもいたが。だが、それでも俺達のことを単体ではなくセットで覚える人ばかりだった。一人分の給料を貰い、二人で働く。そんな働き方を常にしていた。
「よく分からないけど…じゃあ私スリザリン入るよ」
「なんで?」
なんで?いきなり決まったじゃん。俺もスリザリン入るのかな
「スリザリンで低級層とか話しかける人いないでしょ」
確かに低級層とか穢れた血くらいに言われそう。低級層はなんていうんだろう?地下のトロール?ありそう。でもデルフィニが虐められて泣いてるとこ想像できない。そいつぶん殴って鼻へし折ってそう。
「別に好きなとこに行きなよ…。」
「もう決まったことだから。兄さんはグリフィンドールとかハッフルパフに行きなよ」
俺グリフィンドールとハッフルパフ?忍耐はないな。勇気もないな。レイブンクローじゃない?知恵なら…知恵もねぇわ。ハリポタだ、て分かったの今日だもんな。
「同じじゃないのぉ……?」
「同じだとつまらないだろ」
そう言ってデルフィニかニヤッと笑った
「別に寮が別れていても何ら問題はないだろ?ここがハリー・ポッターなら好きなようにやってみたいことをする」
「そっかぁ…。」
覚悟決まってんだなぁ…俺も、好きなようにやろうかな
「じゃあ、俺、グリフィンドールに入る!」
「ん。ま、寮が対立してても好きに話しかけてよ。私に話しかける物好きはスリザリンにいないだろうし」
まあ貴族様が話しかけてくれるとは思わないからな。マグル産まれの可能性高いし。
「マルフォイは?」
「私達はかろうじてクイーンズ・イングリッシュで話していたからなんとかなっただけでコックニー話しだしたらもうだめでしょ」
そういえばマルフォイのときクイーンズ・イングリッシュだけで話せ、て言ってたな。俺としてもマルフォイの前でコックニー話そうとは思わなかったが。
「そうだよな…まあ別にどうでもいいが。それより名前決まった?」
俺は決まってない。残念ながら。デルフィニの聞いて決めよう。多分決まってるだろ。
「話している間に決めた」
「何?」
「ポルックス」
「ぽるっくす。」
「双子座の弟の星」
「兄の星は?」
「カストル」
「カストルにしよう。」
デルフィニが呆れたように言ってきた。カストルは呑気に爪研ぎをしていた。
~~~~~
猫やふくろうを愛でて寝て、服を着替え荷物を全て持って部屋を出る。トムさんに鍵を渡し、お礼を言う。それから既に来ていたマクゴナガル先生の腕に掴まった。
「ここです」
家の外観が変わっていた。レンガの囲いに、その中には大きな庭。赤色の屋根がお洒落な家。俺達の薄汚れた家とは大違いだった
「これは……?」
「家を修復し、綺麗にしました。マグル避けも掛かっています」
「ほえぇ……中に入っても?」
「ええ、構いません。あなた達の家ですから」
中に入ると、広々とした部屋が広がっていた。床は砂だらけの白っぽい板ではなくツヤツヤのニスが塗られた暖かい色の木の板。壁は白く薄くしい。窓があり光がさしている。レンガの壁の中にある美しい庭が映っている。
部屋にはソファや椅子、本棚など様々な物がおいていた。確実に俺達の家には無かったものだ。そのまま進むと俺達の寝室についた。
「ここはミスター・ルイスの部屋です。隣が、ミス・ルイスの部屋です。あの扉はミス・ルイスの部屋と繋がっているもので、間には勉強机や本棚が置いてあります」
「待ってください!こんなに広くなかったですよね?!それにこの家具は……?!」
「魔法ですよ、ミスター・ルイス。さて、部屋は後でじっくり見てください。2階に上がりますよ」
手すりがしっかりついた階段を上がると、廊下があり、サイドに扉がついていた。
「ここはバスルームです。お手洗いは別室にあります。あなた達の部屋にもお手洗いはありますよ」
「2階は完全に物置だったのに……」
「物は分別して私が捨てておきました。残したものはあちらの部屋に置いてます」
部屋に入るときっちりと整理された物置があり、かなりすっからかんだった。あるのはアルバムや本などであった。
「さて、最後にあの暖炉ですが、あれに上においてあるパウダーを投げ入れ、行きたい場所を言うとそこに行くことができます。間違えた場所を言うと変なところへ飛んでしまうので気をつけるように。
それでは案内は終わりです。また9月1日に会いましょう」
そう言ってマクゴナガル先生は姿くらましをして消えた。
俺達は取り敢えず部屋を見て回ることになった。部屋に戻りタンスを開けると服と手紙が入っていた。手紙には、
“次からは自分で買いなさい。これはプレゼントです”と書かれていた。デルフィニの方もそう書かれていたらしい。
取り敢えず俺らはバイトをしつつ入学を待った。そしてついにその日が来た。9月1日。ホグワーツへ行く日だ。俺達は早起きをし、だいぶ早めに駅に行った。
「どこらへんだ?」
「あっちな気がするけど未来を見ればいいだろ」
「確かに。ちょっと待って。」
9番線と10番線を見つける為に未来を見る。そこではデルフィニが指し示した方向に行って見事着いていた。
「デルフィニが指した方で合ってる。」
「行くぞ」
俺はデルフィニにカートを押してもらいながら目的地を目指した。今思ったんだがハリーが苦戦していたカートをゆうゆうと2つ同時に押せるとか凄いな。でも心苦しくなってきたから俺の分を自分で押すことにした。するととんでもなく重い。全く前に進まなくなってきた。
「何をしてるんだ…」
デルフィニが呆れたように言い、俺のカートを一緒に押してくれた。ぐんぐん進んだ。お前のガリガリな体のどこにそんな力が……?
デルフィニの力に戦慄していると、9番線と10番線の間についた。
「ここだよな?」
「ここだよ」
俺達は覚悟をし、周りを見渡す。誰も見ていない。俺から先に柵に突っ込む。ぶつかる、となるところで俺のカートはそのまま柵など無かったかのように進んだ。俺は柵を通り過ぎると横に避け、今通ってきた道を確認する。デルフィニが来た。俺の方に向かって速度を落として、来る。
「無事で何より」
「合っててよかったな」
俺達はお互いの無傷を確かめながら真っ赤なホグワーツ特急へ向かう。早めに来ていたがチラホラと何人かいるのを確認できた。適当に車両に乗り、無人のコンパートメントに乗り込む。
デルフィニに荷物を上げてもらった。
「楽しみだな。」
「先に着替えておこう」
旅を満喫するため先に着替えることになった。コンパートメントのカーテンを閉め、ぱっぱと着替える。
「似合ってる」
「ありがとう。」
列車が出発するまで本を読んだりポルックスやカストルと遊んだり、トランプをしていたら、誰かが俺らがいるコンパートメントをノックした。
「ねえ、ここ空いてる?」
ロナルド・ウィーズリーだ。俺らと比べてだいぶノッポ。俺らは栄養なかったから…きっと来年には伸びてる
「ああ、空いてる。」
「荷物、上にあげるよ」
「ありがとう!」
デルフィニがロンの荷物を上にあげる。
「僕、ロナルド・ウィーズリー。ロン、て呼んで」
「俺はフィレンツェ・ルイス。フィレンツェでいいよ。」
「デルフィニ・ルイス。何でもいいよ」
なんでも……?
「フィーニちゃん。」
昔おばあさんが呼んでた名前だ。デルフィニは嫌がっていたが。なんか子供っぽいしな。
「それはやめろ。普通にデルフィニ、て呼んで」
「うん、分かった」
和気あいあいと3人でトランプをしていたら、またコンパートメントがノックされた。
「ここ空いて、あ!フィレンツェ!デルフィニ!」
「お!ハリー。空いてる空いてる。入ってきていいぞ。デルフィニ。」
「はいはい荷物上げるよ」
「わ、ありがとう」
そうしてハリーが中に入ってきた。
「僕、ロナルド・ウィーズリー。ロン、て呼ばれてる」
「俺達は別にいいよな?」
「知ってるしね」
「うん、僕はハリー・ポッター」
「君、ハリー・ポッター!?」
原作でも見た流れだ。ハリーが傷跡を見せ、ロンがすっげぇ…!と目を輝かせていた。落ち着いたところで4人でトランプをしていると、車内販売が来た。
「何買う?」
「僕はこれがあるから…」
ロンがサンドイッチを見せる
「全部買おうかなぁ…」
「やめとけ。他のやつが買えなくなる。食べれる分だけにしろ」
「分かった」
そうしてハリーが全てを買う、ということはなくなった。ロンがおすすめしたカエルチョコを4人分、百味ビーンズを1つ、かぼちゃパイを買っていた。俺達はロン同様サンドイッチを持ってきていたので何も買わなかった。
「はいこれ」
ハリーがカエルチョコを配る。開けてみるとチョコのカエルがいた。カードは要らなかったのでハリーに渡した。
「わあ、動く」
デルフィニはガッチリカエルを捕まえていた。ハリーのが逃げ出しそうになっていたから足を捕まえていた。
「これ、ダンブルドアだ!」
ハリーがチョコを受け取りながらカードを見る。俺とロンとデルフィニはチョコを食べ始めていた。
「いなくなっちゃった!」
「そりゃいなくなるよ。ずっといるわけないだろ?」
ハリーがカードに驚きロンが当たり前のことのように言う光景を俺達は微笑ましく見ていた。チョコうめぇ
百味ビーンズで俺が豪運を発揮したりロンがはなくそ味を出して盛り上がっていたら誰かがコンパートメントをノックして入ってきた。
「ごめんね。ぼ、僕のヒキガエル見なかった……?」
ネビル・ロングボトムだ。メソメソと泣いている。
「うーん…見てないな。」
「私も」
2人も首を横に振った。見てないらしい。
「いなくなっちゃったんだ……僕から逃げてばっかり!」
ネビルは涙で濡れた顔にくしゃりとシワを寄せ、そう叫んだ。
デルフィニがハンカチで顔を拭ってあげた。ネビルは小さくお礼を言った。
「きっと出てくるさ。」
「うん…もし見かけたら…」
「君に届けるよ」
ネビルは残念そうに去っていった。アクシオが使えればなんとかなったが、俺は全く魔法を使ったことがないので多分使えない。
それから、魔法の話題になった。
「僕、1つだけ知ってる。見てて」
そう言うとロンはぼろぼろの杖をデカいねずみに向けた。その時、またコンパートメントの扉が開いた。
「ねえ、カエルを見なかった?ネビルのカエルが逃げたの」
栗色の髪を持つ美少女だ。少し前歯が大きかったが、それすらもチャームポイントになっている。
「見てない。」
「さっきカエルを探している子が来たよ」
「さっき見なかったって言ったよ」
答えたが美少女は話を聞いていないらしい。ロンの杖に気を取られていた。
「あら、魔法をかけるの?見せてもらうわ」
そう言うと少女は完全にコンパートメントの中に入った。少し狭い。密だ。ロンは少し戸惑っていた。
「んー…いいよ」
ロンが咳払いをした。
「お陽さま、雛菊、溶ろけたバター。デブで間抜けなねずみを黄色に変えよ」
そんな呪文あるわけ無いだろ。思わずすっこみたくなる。デルフィニもぽか~んとしてる。頭に何も入ってないときの顔だ
もちろん何も起こらなかった。
「その呪文、間違ってない?
私も練習のつもりで簡単な呪文を試して見たことがあるけど、全部うまくいったわ。私の~~~」
マシンガントークで聞き取れなかった。デルフィニは頑張って聞き取っていた。
「~~私、ハーマイオニー・グレンジャー。あなた方は?」
言いきったらしい。デルフィニ以外唖然とした顔をしていた。教科書の暗記とかマシンガントークとか唖然としてしまう。
「デルフィニ・ルイス」
「…俺はフィレンツェ・ルイスだ。」
「僕、ロン・ウィーズリー」
「ハリー・ポッター」
「本当?私、もちろん~~~~」
またマシンガントークか?
「~~~なんかに出てるわ」
さっきよりは短く終わった。俺としてはよくここまで本を読んだなと感心してしまう。ほとんど聞いてないが
「僕が?」
「まあ、知らなかったの?私が~~~」
まだあったらしい。俺はデルフィニと脳内しりとりをしていた。りんご、ゴリラ、ラッパ…………
「~~~もうすぐ着くはずだから」
着替えるらしい。デルフィニとネビルを連れたグレンジャーが外に出た。
「どこの寮でもいいけど、あの子がいないところがいいな」
杖を直しながらロンが言った。
「ヘボ呪文め……」
ロンがジョージさんへの文句を言う。
「多分呪文自体が間違ってるだけだぞ。」
「君のお兄さんたちってどこの寮なの?」
ハリーがロンに聞いた。
「みんなグリフィンドール。ママもパパもそう。もし僕がそうじゃなかったら、なんて言われるか。レイブンクローだったらマシだけど、スリザリンだったらそれこそ最悪だ」
ロンが落ち込みながら言った。
「そこって、ヴォル…例のあの人がいたところ?」
「あぁ」
ロンはそう言うと、席に座り込んだ。ハリーはロンを元気付けるため、他のことを話始めた。
「大きいお兄さんたちは卒業してから何をしているの?」
「チャーリーはルーマニアでドラゴンの研究。ビルはアフリカでグリンゴッツの仕事してる」
そう言うと、ロンは俺達にに向き直った。
「グリンゴッツのこと、聞いた?誰かが、特別警戒の金庫を荒らそうとしたらしいよ」
ハリーは目をまん丸にした。
「日刊予言者新聞に出てたな。」
「ほんとう?それで、どうなったの?」
俺が答える
「なにも盗られてないぞ。」
ロンが繋げるように言う
「だから大ニュースなのさ。捕まらなかったんだよ。あの、グリンゴッツに忍び込めるんだから、きっと強力な闇の魔法使いだろうって、パパが。でも、何も盗っていかなかった」
「そこが変なんだよな。当然、こんなことが起きると、影にあの…あーあれ、あの人がいるんじゃないか、てみんな怖がるらしい。」
「例のあの人」
「それだ。」
ハリーが少し怖がるような表情を見せた。それを見て、ロンが誤魔化すように話題を変えた。
「そうだ、君達、クィディッチはどこのチームのファン?」
「僕、どこのチームも知らない」
「俺も知らない。」
「ひえー!」
なんて話をしていたら、コンパートメントがノックされた。
「いつまで待たせる気?」
「おわっすまん。もう着替え終わってる。入ってきてくれ。」
「ごめんね…」
「ごめん…」
特に読まなくていいオリキャラ同士の関係設定。キャラ設定もいずれ書きたいね。能力設定も書きたい。
フィレンツェはデルフィニにとんでもねぇほど期待というか、《俺のことを絶対に護ってくれる》《俺の為に戦ってくれる》《俺から絶対に離れない》という考えを持っています。無意識下で。実際そうなんですが。裏切られることも絶対にないと考えています。
デルフィニは護ってくれなくとも、戦ってくれなくても、離れていっても別にいいと考えています。実際フィレンツェが離れても特になにか思うことは無いでしょう。こいつはフィレンツェのことを護ることができたらそれでいいので。
まあフィレンツェも離れることはないのですが。
そういえば本編で書くことでもないのでここで言いますがフィレンツェやデルフィニの英語の発音はクイーンズ・イングリッシュとコックニーが混ざっています。
クイーンズ・イングリッシュに関しては日本で知っていた、学んでいた分でコックニーに関しては完全に勉強して覚えてしまったぶんですね。なので階級が初対面の人に分かりづらいようになっています。低級層なのは間違いないですが
そしてデルフィニのことを終盤忘れていました。原作を見ながら書いていたのですが、あれ?着替え終わった描写どこ?となり、あれ?ギリギリで着替えてる、となり、こうなりました。