ダメ提督と艦娘達   作:冷やし冷麺

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ネタは新鮮なうちにとか考えてたら寿司食いたくなりました
今回はあらすじにもある問題のある子の回です


第2話 時雨とベッド

「……はぁ」

 

 なんとか日が変わる前に執務が終わった俺は、自室の電気を付けながら疲れを出すように溜め息をつくと

 

「おかえり提督。ベッド、しっかりと温めておいたよ」

 

「あぁ、ありが……とうじゃねえわ。早く自分の部屋に帰れ」

 

 何故か時雨がベッドに座ってお出迎えしてきた。

 

「…………??」

 

「なんだその反応は……俺がおかしいみたいだろ」

 

「だって提督と僕は結婚する予定じゃないか。夫婦が部屋を分ける理由がないだろう?」

 

「知らぬ間に籍が入れられる恐怖」

 

 本来問題しかないはずなのだが、時雨がすらすらと話を進めるせいで実はこっちが間違えてるのではと本気で迷ってしまう。

 

「てかこのベッド一人用なんだが」

 

「努力すれば二人で寝れるさ」

 

「努力する時点でダメなんだよ」

 

 ……こいつのペースに乗っては駄目だ。

 こんな風に部屋に侵入してきたときはいつも夕立が連れていってくれるのだが……。あのぽいぽいマスコットはやく来てくれねえかな……

 

「今夕立が来てくれたらって思ったよね?」

 

「ナチュラルに地の文読むのやめよ?」

 

「ふふっ残念だったね。僕がそう何度もなんの対策もなしに来ると思ったのかい?夕立なら昨日オールでゲームに誘ったおかげで今頃部屋でぐっすりさ」

 

「なにしてんだお前は……てかあいつそれなのに今日の演習でMVP取ってたのかよ……すげえな」

 

「僕のことも誉めていいんだよ?」

 

「どこら辺をどう誉ればいいんだ俺は」

 

 しっぽの幻覚が思わず見えてしまいそうなほど期待する時雨に少しの呆れをもらすが、このままだと話も進まないのでちょっとだけ頭を撫でると、嬉しそうに笑みをこぼす。

 

「てかそれならお前もねみいだろ。明日は遠征なんだし部屋帰って早く寝ろ」

 

「それには及ばないよ。提督が来るまでこのベッドで寝てたからね!」

 

「いやでもお前俺が来たとき起きてただろ」

 

「それは僕の提督センサーが引っ掛かったから速攻で起きただけだよ」

 

 そういえば電気消えてたな、と理解できない納得を得る。

 

「なんだそのピンポイントで使いにくそうなやつは。もっといい電探にしとけ」

 

「まさに愛の力ラブパワーだね……!」

 

「そのふりがな必要か?」

 

 またしても時雨に話の主導権を奪われてしまった。……ほんとストッパーである夕立は必要なんだなとひしひしと感じる。

 

 んなこと考えていたら、時雨が先程とは別ベクトルに真剣な声と瞳で話を始めた。

 

「……提督、僕はね。解体予定だった僕と夕立を引き取ってくれた提督にとても感謝してるんだよ」

 

「……」

 

「そんな提督だからこそできるだけ離れたくないんだ……駄目……かな?」

 

「時雨……」

 

 

 

「駄目だろ流石に。良い話風にしても無理があるぞ。風紀の問題とかやっぱベッドが狭いとか」

 

 その俺の返答に予想通りと言うように、だよねーと悔しさを感じさせる声色で返す。

 

「えぇーいいじゃないか。寝たら楽になるって。一緒に寝よ?ね?」

 

「雑になってきたなおい」

 

「僕の最終作戦であるシリアス作戦が破綻してしまったからね」

 

「作戦て……まあそんなことだろうとは思ったが」

 

「あ、でもさっきの感謝も一緒に寝たいのも本音だよ」

 

「それも分かってたよ……まあ後者はなくてよかったんだがな」

 

「夜だぁあああ!!!!!夜戦だぁぁぁあああ!!!!!!」

 

「「!?」」

 

 時雨の雑なごり押しををいなしていると、部屋のなかであるにも関わらず廊下からとんでもなく大きな声が響き渡り動きが止まる。

 

「……あぁそういや最近あいつ夜戦やってなかったな」

 

「夜の哨戒で軒並み敵と会わなかったときになる禁断症状だね、あれは」

 

 あの状態になった夜戦バカ川内を制御できるやつはほとんどいない。

 

「……耳がいてえ」

 

「大丈夫かい?」

 

「ああ。まあ慣れたもんだ。……それにしてもあいつほんと元気だな」

 

「……まあでもそろそろ静かになるだろうね」  

 

 俺の中身のない発言に、時雨は静かな雨のようにぽつりと呟く。

 

「あ、加賀じゃん?どうしたの?え?これからどこにってそりゃあ提督に出撃許可を……え?皆の迷惑?安眠妨害?やだなぁこんなにいい夜なんだから皆起きてるに決まって……いたたた!!ご、ごめん!寝るから!耳を引っ張らないでえ!痛い痛い!」

 

「……ほらね」

 

「……ああ」

 

 さっきまでの臨戦態勢とは違って互いに向かい合って苦く笑い合う。

 

「でも好きなものと離れるとああなっちゃうの僕にもわかるよ……」

 

「あー……そうなのか」

 

 正直嫌な予感しかしねえから続きを諭したくはなかったが、聞いてほしそうに癖毛をいじる時雨を見て流石に無視は出来なかった。  

 

「うん。僕も提督成分を一時間以上摂取しないと手の震えが止まらないんだ……」

 

「なにそれ怖……てかお前いつも遠征のときどうしてんだよ」

 

「もちろん提督の隠し撮り写真を見てるんだよ」

 

「もちろんじゃねえよ。なにさらっと盗撮報告してんだ」

 

 まあほとんど冗談さ、と笑いながら言う時雨に対してほとんど真実だろと思ってしまうのはこいつの日頃の行い的に仕方ないだろう

 

「さて……気を取り直して。寝ようよ提督」

 

 またしても始まりかけた攻防戦はコンコンとノックの音で遮られる。

 

「……入っていいぞ」

 

「お邪魔するっぽい!」

 

 訪ねて来たのはまさかの夕立だった

 

「あ!やっぱりここにいた!帰るよ時雨!」

 

「な、なんで夕立がここに……!」

 

 時雨も予想外だったようで、今日初めての動揺を見せる。

 

「さっきの川内さんのおかけで目が覚めたっぽい。そんで部屋を見たら時雨がいなくてなんとなく察したっぽい」

 

「僕の……僕の完璧な計画が……そんなイレギュラーで……」

 

 時雨は絶望という2文字が似合う状況に合った声をもらすと、ニヤリと笑いこちらを向いた。

 

「……提督。僕を倒そうとまた第2第3の僕が現れるだk」

 

「はいはい帰るっぽい。提督さん、おやすみなさい!」

 

「……おう。おやすみ」 

 

 いーやーだー、という声が聞こえてくるが気にしないようにあくびをする。

 

「ねみい……」

 

 ああ……着替えるのだりい……でも軍服のまま寝るのはなぁ……

 

「……もういいか」

 

 乱入者に疲れはてた俺はそのままベッドに入り込み眠りにつくのだった。




軽いキャラ設定
霞・・・普段は冷静だが前の提督の話になると五感をカットして愚痴りだす

時雨・・・不法侵入の常習犯
時雨の前では提督もツッコミに回らざるおえない。今回の件から新たな夕立対策を考えている

夕立・・・時雨のストッパー
自分も提督に甘えたいが、まずは姉の奇行を止めることなど、その他諸々のせいで甘えることがあまりない
規則正しい生活が仇となり今回時雨の計画に嵌まった

この鎮守府には現在6人しか艦娘がいないため、一応(名前だけも含めて)全員出ました。
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