まあ作者は始めて3ヶ月のぺーぺーなので、難度丙なんですけどね。
とりあえず長鯨は出たのであとは宗谷狙いたい……
あ、今回は新たな問題ありの子が出ます。そしてあるキャラが妖精としてゲスト出演します
「朝です司令。起きてください!」
「……ッ」
萩風の声がぼんやりした俺の世界に鳴り渡る。
「なんじ……?」
「いつも通りの6時ですよ。朝食は今から作りますので……」
「……二度寝」
「え?」
「二度寝する……」
「またそんなこと言って……!今日もお仕事なんですから起きてください」
「わかって"るー……」
「全然分かってないです!」
今日の秘書艦が萩風なら話は早い。他の奴等……霞と加賀は実力行使、川内と夕立は耳元で笑えない声量の叫び、そして時雨は無防備を晒せば何をされるか分からない恐怖。
それに比べて萩風は無理矢理起こしにこないので、こんな風に時間を稼げば二度寝は普通に成功するのだ。
「え、えっと……あ!見てください司令!とってもいい朝ですよ。起きなきゃ損です」
「俺はやこうせいなんだよ……」
「それも嘘ですよね!?こ、こうなったら仕方ありません」
なにかを決意した声をもらす萩風。まあその決意も俺に届くことは
「……もしもし時雨さん。今なら司令を好き放だ――」
「おはよう。確かにいい朝だな」
あったわ。洒落にならない方法を取られたわ。回りから妖精の笑い声が聞こえてきたのでとりあえず把握できたやつらを睨むと、すぐさま逃げろ逃げろと消えていった。
……相変わらず気まぐれなものだ。
「や……やりました」
「……誰の入れ知恵だ?」
「加賀さんです。司令が起きなければこうすればいいとおっしゃってました」
「……ちきしょう」
携帯を持ちながら小さく控えめにガッツポーズを取る萩風に、先程の笑い声を加味するととてつもない敗北感を感じる。
……てか携帯あるから昨日カップ麺食ってたこともチクられてそうだな。まあそこは霞の良心に祈るとして……いやでも怖いな。
いっそのことこいつらの給料……もとい金額的にはお小遣いで携帯を買うのを禁止に……するのは横暴だな、うん。
「って司令それ軍服じゃないですか!シワがすごいことになってます!」
「……まじじゃん。風呂も忘れてたし、色々とやらかしてるわ俺」
「もう……」
寝起きの頭でバカみたいなことを考えながら被っていた掛け布団をどかすと、萩風がいかにもこの人ダメだみたいな声をこぼす。
「とりあえず司令はシャワーを浴びて来てください。その間に私は朝ごはんを作っておきます」
「サンキュー」
「あと軍服は私がクリーニングに出しておくので渡してください」
「そんくらい自分でやるんだが」
「そういって司令がちゃんとした覚えがありませんから」
「……信用ねえな」
まあこれも日頃の行いのせいかと思い直し、脱衣場へと直行する。
寝起きから少し覚醒した頭でぼーっとこれからなにかイベントがあったかなと考える。
……そういやそろそろ鎮守府に問題がないかをチェックする監査があるな。1年に一回なので俺は今回が初だ。
確か監査では艦娘の給料は人数分貰えるからという理由で数をちょろまかせたり、異常に働かせていないかとか、とにかく問題を調べる……らしいが霞が言うにはわりとザルとのことだ。
まあその理由っていうのがそもそも艦娘を人として見ているやつが多くないということがある。
まずまず人として見ている人達ばかりなら艦娘の給料は少し多いお小遣いレベルの金額にはならない。
あとはそういう調査系は確たる証拠がなければ動けないとか、そもそも隠すやつはとことんうまかったり、監査官はやる気がないやつもいたりと色々な問題があるらしいが……
「ってシャンプーの換え部屋に置きっぱじゃん……なにやってんだ俺は」
んな俺がどうしようも出来ねえことより目先のシャワーが優先だ。
つまらないことを考えていた自分になにしてんだと思いながら脱ぎかけていたシャツを着なおし、もう一度部屋に戻る。
「えへへ……」
「……なにやってんだお前は」
脱衣場の扉を開けるとそこには、俺の渡した軍服を掛け布団のようにして床に寝転がるニコニコした萩風だった。
「え!?し、司令!?ま、まだ1分もたって……」
「シャンプーの換えを取りに来ただけだ。で?それはなんの真似だ?」
「こ、これは……あの……」
目が泳ぎまくっているが大丈夫だろうか。
「そ、そ、そうです!これをするとシワが取れやすくなるんです!」
「そうなのか?」
「……はい」
少し目をそらしながらそう答える萩風に疑問を抱く……が、こいつがつまらない嘘をつくとは思えないな……
「……まあいいや。とにかく今度こそシャワー浴びてくるわ。朝食任せたぞ」
「……!はい!萩風にお任せください!」
買い物袋からシャンプーを取り出しそう告げると、萩風は気を取り直したように全力で返事をしてきたのでそれを聞きつつ俺は今度こそシャワーを浴びに行くのだった。
「きゃあっ!」
「おい大丈夫か……ってこりゃあ」
風呂場から上がり、服も着てドライヤーをかけようとしたとき、こけている……確かカタパルトの整備が得意とか言っていた、瑞鶴という艦娘に似ている妖精に心配になり声をかける……のだが持っている妖精用の小型カメラに視線を奪われる。
「えっとこれは……そのぉ……」
……この反応から見るに確実に黒だろう
「あー……みなまで言うな。どうせ俺の写真が欲しいとか言われたんだろ?」
「……はい」
「時雨に」
「え?」
俺の完璧な予想に瑞鶴妖精はすっとんきょうな声を上げる。
「ったく……妖精を使って撮るのはこれで4回目だぞ……」
「あいつにはちゃんと言っておくから安心しろ。もうこんなことすんじゃねえぞ」
今度妖精の好物な甘物買ってやるからという旨を伝え俺は部屋へと向かった。
「え、ちょ」
てーとくさんが話を勝手に円滑に進めた結果、結局何も言えずに一人取り残されてしまう。
……でも言えないよね。まさか犯人が
《ずいかく妖精's脳内回想》
「そこの五航戦のそっくり系モノマネ芸人」
「……もしかして私のことですか?」
「ええ」
「モノマネもしてないしげーにんでもないですよ!?」
悪びれもなく涼しい顔で言う加賀さんに結局げーにんさんのツッコミみたいな返しをしてしまう。
「あら、そうなの。そんなことよりあなたに折り入って頼みがあるのだけれど」
「そんなことって……それでその頼みというのは」
「提督の写真を撮ってきて欲しいの」
「?てーとくさんの写真くらいなら頼めば撮らしてくれるんじゃないですか?」
「いえ。私が欲しいのは普通のではなく、お風呂上がりの提督よ」
「えぇ……」
これまた涼しい顔で加賀さんは話を続ける。
「湯気立ち水が滴る提督……流石に気分が高揚します」
「えぇ……」
「正直あなたくらいしか頼めそうな子がいないのよ」
「ええっと……拒否権は……」
「……」グスッ
(半泣き!?)
「分かりました!やります!やらせてもらいます!」
「……ありがとう」
本当に感謝しているのが声色で分かるので、さっきのは嘘泣きではなかったのだろう……いやそれも問題だけど
「あの……撮ってるのがばれた場合はどうすれば」
「そこは安心しなさい。確実になんとかなるわ」
「えぇ……」
《ずいかく妖精's脳内回想終了》
……なんとかなるってそういうことだとは。というか時雨、前科三犯だったんだ……
「やっぱお前の料理はうまいな」
「ありがとうございます、司令」
萩風の作った味噌汁を飲みきりながら称賛の言葉をかける。
ちなみに他の料理は麦ご飯、さんま、きのことほうれん草のソテーと、バランスの良い献立になっている。
「ここには間宮がいないからな。俺は料理がからっきしだし、毎朝作ってくれるお前らには感謝しかねえよ」
「この鎮守府では司令だけが料理出来ませんからね……。司令も練習してみますか?」
「あぁ……遠慮しとく」
「まあそうですよね……」
「おかわりいりますか?」との声に首を頷きつつ、その言葉になんか小さな定食屋の看板娘のような印象を受ける。
……世話焼きな萩風が看板娘か。料理もうまいし、顔も可愛い……売上がうなぎ登りだろうな。
「……ふふっ」
稼げるんだろうな、なんていい夢を見ていると、いつもなら一品一品の説明をしてきそうな萩風が何も言っていないことに気づき違和感を覚える。
「ご機嫌のところ悪いのですが……」
「ん?」
「これ……何ですか?」
そんな夢見心地な俺に叩きつけるように机に置かれた袋には隠しておいたインスタントやポテチなどのおかし兼夜食たち。
「……?見たことないな。これは提督として放っておくわけにはいかねえな。しっかりと管理を」
「霞さんから昨日のことについて聞きました。没収です」
「ちょっ!頼む待って!それだけは勘弁してくれ!」
あいつまじで言ってたのかよ……悪魔め
「その言葉は何度目ですか。司令は1日に食べ過ぎなんでよ。だから管理してたのに……まさかまだ隠し持ってたなんて」
「あぁぁ……俺の……俺の楽しみが……おのれ……霞……」
「霞さんは悪くないですからね……」
萩風はそのままおかわりの味噌汁を置き、俺の楽しみたちを持ち去っていくのを、自分に非しかないと分かっているので下手な抵抗も出来ず、俺は指をくわえて見ることになるのだった。
少し多めのキャラ設定
提督・・・実は盗撮についてはそこまで怒ってない。しかし前回の時雨のように自信満々に言ってきたら流石にツッコミを入れる。
今回もずいかく妖精のカメラの写真を消すように命令していなかったのはあまり気にしてないから。
萩風・・・まじめで世話焼き。
提督の生活能力が低くて自分達がいないと野垂れ死ぬ可能性すら最近考えてる。
本編の軍服を被ったのは魔が差してやったことなので少し後悔している。
加賀・・・時雨ほどではない問題ありの艦娘
ずいかく妖精とは普通に仲良くしたいと思っている。
時雨が目立ちすぎているので、提督には問題ありと思われていないので今回はそれを利用した。
たまに提督に写真を撮ることを要求している。
ずいかく妖精・・・手っ取り早く終わらせるために特攻したらばれた子。
このあとしっかり提督の写真は加賀に届けた。