TS転生転生したから貴族を辞めて冒険者になる事にしたけど、何故か前世の親友が付いてきた。 作:ポテふ
『なぁ1度でもさ、女に生まれてたらって思ったことないか?』
学校帰り、俺は親友である村瀬明と実にくだらない話をしていた。
『…あるけどさぁ、実際なったら大変そうじゃね?いろいろと』
『やっぱそうだよなー...じゃあー、男の記憶持ったままTS転生とかなったらどうするよ?』
『は?そんなん決ってんだろ』
『…だな』
『『取り敢えず胸を揉む』』
実に、くだらない話をしていた。
そして。
むに...と俺はベットに腰かけながら2つの豊満な果実をそっと持ち上げそのやわらかさを確認した。
そして思う。
いや、思ってしまった。
「…村瀬、どうやら自分の体じゃ興奮しないみたいだ」
俺、佐々木実、今世私、ベラミン・クライスはどうやら異世界でTS転生してしまったようだった。
ホロりと涙が頬を伝う。
「…嬉しい、胸揉めたのは嬉しい…けど!!なんだこれは、なんで興奮しないんだ!?…あれぇ?…あぁそうか、自分のチンコガン見して興奮しない!とか頭のおかしいこと考えてるのと同じことか、そういうことか…テカナンカキモチワルクナッテキタ…おぇっ」
はぁ、と溜息をつき、状況を整理することにした。
俺、いや私はベラミン・クライス。
侯爵家の三番目の娘で、上に兄2人と姉が2人、下に弟が1人いたはずだ。うん、ちゃんと覚えてる、大丈夫だ。
目が覚めたら知らない少女に憑依してたたんてことは無かった、本当によかった。
ということはだ、俺はなんで前世の記憶を思い出したのか。はて、俺は何をした?こんな突発的に思い出すものなのか?
不思議に思うものの、お腹がすいてきたので下に降りることにする。
俺は、部屋で着るようなシンプルな洋服に着替えてから部屋を出た。
すると…
「お嬢様!?」
ドアのそばで控えていたのだろうメイドらしき女性が、俺の登場に慌てふためいていた。
「お嬢様?もうお体は大丈夫なんですか?」
「ん?体?…うん、大丈夫だけど」
俺がなんでもないようにそう言うと、目の前で心配そうにこちらを眺めているメイドが…いや待てこいつは確かエレインと言ったか。エレイン…エレイン?…あー、そうか、そういうことか、納得だ。
赤毛のおさげに、そばかすが特徴の日に焼けた肌。
そうか、こいつが。
俺は今、このエレインというメイドの顔を見て、自分がどうして今になって前世の記憶を取り戻したのかを、しっかりと理解することが出来た。
何故ならば…
「エレイン、毒にうなされる私の顔はさぞかし滑稽だったか?」
「…!!」
俺の言葉に、目の前のエレインの顔が強ばったのがわかった。…うわ、ポーカーフェイス下手くそだなこいつ。
「お、お嬢様?毒、とは、何のことでしょうか、失礼ですがまだ眠気が覚めていないのでは?それとも体調が優れないのであればお医者様を及び致しますがいかが致しましょうか?」
息継ぎなしのノンストップの誤魔化し、俺でなきゃ見逃しちゃうね☆
っていうのは置いておいて、こいつ分かりやすすぎだわ。
てか最初に「お嬢様?もうお体は大丈夫なんですか?」って聞いちゃってるし、はぁ、いったい誰がこんなお馬鹿の子に俺の暗殺を頼んだんだ?あ、依頼したやつもバカなのか。そっか、そういうことか、類は友を呼ぶって言うしな、ふむふむ。
ということは、だ。
2番目の姉、つまり次女のエカテリーナの仕業だな。