TS転生転生したから貴族を辞めて冒険者になる事にしたけど、何故か前世の親友が付いてきた。 作:ポテふ
「…ゴブリン25体で1500G、小魔石25個で3750Gで、合計で5250Gになります、お疲れ様でした。」
ジャラリと音のする麻布の小袋を差し出される。
俺はそれを受付嬢から受け取り、アイテムボックスへと仕舞った。
ゴブリンはクソほど稼げなかったけど、魔石はたとえ小ぶりでも1個で150Gだと分かったので、これからは数倒して魔石を集めようと思う。そうすればその日暮らしはできるだろうし、ランクが上がればオークなどの討伐が出来るようになるだろうから、これからはランク上げを目標に魔石を集めていこうと思う。
そうと決まれば明日に向けて体を休めよう!
そう思い入口に向かった時だった。
「…てめぇッ!!!何しやがんだッ!!!!」
真っ赤なモヒカン頭に、筋骨隆々のイカついオッサンが、ドカンッ!!と突然目の前に降ってきた。
内心「どひぁあッ!!」と叫んだが、口から出たのは声にならない声だけだった。
それと同時に輪になっていた人混みがザッと割ける。
えっ!?と口から出る前に、さささっと周りにいた奴らが俺とモヒカンを避けるように離れていく。
(まだ終わってなかったのか…)
心の中で毒づく。
査定で少々時間が経った思っていたのに、それと同じくらい騒ぎも続いていたようだ。俺がギルドに来る前からやっているようだし、もうけっこう時間が経ってるはずだがまだ解決していなかったようだ。
「…」
は、早くどいてくれないだろうか…?(汗)
日本で暮らしたひ弱な俺と、むさい男に免疫の無いベラミンが心の中で言っている。
「…勝手に転んだだけだろ」
人混みで見えないが、お相手の男がそう言う。
「なんだとてめぇ!!お前がぶん投げたんだーがよ!!!」
そしてまた怒鳴り散らすモヒカン。
「…お前が後ろにいたから、ついだ」
「何がついだ!!わざとだろ!!!!」
「…」
もう早く終わってくれ、出ないとギルドから出られない!!と、行く手を阻むモヒカンを見ながら願う。
「…もう俺に関わるな」
「おいちょっと待てぇえええ!!!まだ話は終わってねーぞ!!!!」
モヒカンが立ち上がりお相手に掴みかかろうとするも、それよりも早くお相手の男がギルドを出てしまったようで、こうしてギルドの騒ぎは終わりを迎えた。
後ろを向いていたから顔は見ることは出来なかったが、チラリと見えたお相手の男の髪は特徴的な、それこそこの世界じゃ珍しい意図的に染めたような不自然な金髪をしていた。
俺はそれを少々訝しく思いながらも、まぁいいかと早々に頭から追い出し、ようやく空いた通路を通って宿屋に向かったのだった。