第6の勇姿 真実の問題
「ん?」
俺が歩いてる時、誰かがジンさんと話していた。
「…盗み聞きだが、いいだろう」
俺は二人の話を聞いた。
「それが我々の立場だ」
「直ちに魔龍を滅ぼすことが出来ないのなら、モンドの防衛を『ファデュイ』に渡した方が良いかと」
何かの取引?それとも…忠告か?
「モンドの龍災は何とかなる。我々があのケダモノを…」
ケダモノ‥?俺の脳から聞こえた声は、友達みたいだった。
「ケダモノ‥?」
ジンさん、何か様子を伺ってるな。
「おや?代理団長殿は違うとでも?」
何か、挑戦的だな。
「はぁ‥貴国の外交官には、もう少しまともな態度を示していただきたい」
ああ‥。何か挑戦的だもんな。
「モンドの四風守護、その一つを『処理』したいだと?」
そういえば、あの時3つって言ってたな。4つ目は何だったんだ?
「西風騎士の前でそういう戯言はやめていただきたい」
何か…空気が悪いような…。
「はっ‥はははっ‥戯言など滅相もない」
ていうか、あの仮面…。何?
「よかろう、今日の協議はここまでだ」
人多くいろよ!
「今回の成果は『双方が誠実に建設的な意見を交わした』、それでいいかな?」
いや‥それは違くね?
「事実通りに…記録させてもらう…」
うわぁ、嫌な奴だ。何で自慢げに言うか知りたいよ。
俺は、話が終わる数秒後にジンさんの所に歩いて行った。
「ああ、リンク。おかえり」
「協力ありがとう。お陰でモンド周辺の元素循環はやっと落ち着いた」
「いえ、俺は当たり前なことをやっただけですよ」
あの話は…しないでおこう。広げたくないしな。
「そうか。君は…本当にいい人だ。それに、もう一度の風魔龍の襲撃による余波も、一段落ついた」
「しかし…使節団側の圧力はもう無視できない程大きくなっている…」
あの仮面の人か?
「使節団って…?」
俺は一つ、気になる事を聞いた。
「ああ、スネージナヤだ。七神のなか氷神を祀る国家からだ」
国家って…国もあるのか…?
「その使者には名前があるんだ。『ファデュイ』、聞いたことあるか?」
「『ファデュイ』…」
聞いたことある。何かと悪いイメージが多かったな。
「風魔龍を殺す事が正しいと、私は思わない」
「それに、氷の神が率いる『ファデュイ』は風神眷属の力を望んでいる…」
力を欲しがってるのか?
「それが見え見えなんだ…」
「そういえば…」
俺はポーチを探った。
「これだ…!」
「どうした?」
「騎士団に見せたい物があるんです!」
「そうか…なら本部に戻ろう。ここで話すのは流石に不味いからな」
っと俺とジンさんは本部に戻った。
「これです」
俺は赤い結晶を見せた。
「これはある力が含まれた結晶だ…リサ、これの構造分析を頼めるか?」
「ええ、ちょっと確認するわね」
リサさんが触りながら…何かを感じた。
「結晶の中に
「ごめんなさい、今はまだ結論を出せないわ。少し時間を頂戴、禁書エリアで資料を探しにいくから」
何か危ない事いってない?
「ああ、ではリサ。その研究を任せた」
「ええ、何か進展があったら、みんなに知らせるわね」
「まぁ、あまり古代の文献に期待しないで。それに———いたっ!」
「結晶の中の不純物に近づくと、痛みが…」
「成程…これは『神の目』との相互排除ね」
神の目…?何だそれ?
「この穢れの力は、私たちの体内になる元素の力と相殺し合うの」
あ、ああ。だから痛みを感じたのか。
「でも可笑しいわ。リンクも元素の力を使いこなせるのに、影響も受けないわね」
…ああ、まさか。
「あの時か…」
俺は、ボソッと言い…自分が転移した事によって影響が無かったと言う事を知った。
「とにかく、この結晶は可愛い子ちゃんに持っていてもらうかしら。私たちが持っていても痛みが増すだけですもの」
何だろう…。何かデジャブを感じる。
「不思議な現象だ。これら君自身の特殊性について、何か心当たりは?」
「いや…ありますけど〜…言いたくない…」
マジで…原因が分かった気がする。勘だけど。
「そうか」
「リンク、無理な願いではあるが…君には、西風騎士団の栄誉騎士の爵位と…代理団長の感謝の気持ちを受け取ってくれ」
「え…?」
俺、当たり前な事したよな‥。いいのか?栄誉騎士をもらって…。
「いやいいです…。俺はそんな称号似合いませんから」
勇者として選ばれて…何か疲れてるからな。称号とかもらったら変な自己紹介になる。
「そうか」
何か残念な雰囲気で言わないでよ!
「それから…この謎の答えを探すのに、もう一度力を貸してほしい」
「魔龍の暴走、変わった結晶…その答えはきっとモンドの平和とも関係があると思う」
要するに謎を解き明かす為に手伝えだろ。
「真実に辿り着けるように、風の加護が君に在らん事を願っている」
「何か新しい発見があったら、ここに来てくれ」
っと言い、俺は謎を解く為の手伝い人として選ばれた。