だから書いた。
それだけ。
神の血が背中に垂れる。
これはいわば、儀式だ。
二度と外界に出ないという確固たる意志。その確認のための。
そして、神々のおもちゃに身をやつす覚悟を見出すための。
「ハイ、コレで君も冒険者だ。じゃ団長殿、あとヨロシクゥ!!」
染めたような茶髪に、軽いノリの神。
彼こそがこのファミリアのあるじ、GOだ。
「あいよ。」
そして、その言葉に無愛想に返事をするのはこのファミリアの団長、レベル7の冒険者『闘神』アキヨシだ。
後に聞いたが、神々からわざわざ『神』の一字を預かる者はそうはないらしい。
「起床ー、起きろー。」
ユサユサと体を揺すられる。
思ったよりすぐに済んだな。
オレは起き上がり、そして言った。
「FOO!!キモチィー!」
これが、オレのはじまり。
始まりの一歩だった。
〜それから数年後〜
こ↑こ↓オラリオには知らない者がいない三つのファミリアがある。
ひとつは欺瞞の神にしてトリックスター、悪神とも称されるロキ率いるロキ・ファミリア
ひとつは絶世の美貌により、実力者をかき集め気まぐれに動くフレイヤ・ファミリア
そして、太陽神にして、ホ○の守護神GO率いるGOファミリアである。
各ファミリアの神及び団長達はこの均衡を保ちつつ、譲歩すべきは譲歩し合いながら暮らしていた。
しかし、そんな最中、事件が起こる。
何の気まぐれかフレイヤがGOファミリア団長、アキヨシにオッタルをけしかけたのだ。
不意打ち気味ながら、すかさずアキヨシも反撃。
両者一進一退の攻防は周囲を巻き込み、いくつかの建物が壊されたという。
最強同士の闘いはついぞ決着を見なかった。
負傷者が出なかったのは不幸中の幸いであったが。
その翌日。
「断固報復すべきだ。」
そう頑というのはカツラギ。GOファミリア副団長である。
憤懣やる方ない様子で拳を握りしめ、こめかみに血管が浮かび上がり、わなわなと震えている。
その抜刀術の冴えはオラリオ一と称えられ、神々から『剣聖』と呼ばれるレベル6の強者の一角で、他ファミリアから交友を兼ねての稽古を頼まれるほどの人格者でもある。
「しかし、しらを切られるのは火を見るより明らか。ここは穏便に解決し、フレイヤに貸しひとつツケておくのも悪くはないのでは?」
そう言ったのはヒラノ。GOファミリアが誇るもう一人の副団長であり、紛う事なき実力者。カツラギと同じくレベルは6で『緊縛師』の二つ名で知られ、その気になれば相手に何もさせずに勝利出来る周到な知将でもある。
「ハッ、それこそ反故にされて終わりなんじゃねぇのか?
“アナタ達が勝手にやったことを何で借りと思わなければならないの?”
なんて言われるのが目に見えて笑っちゃうゼ。」
わざとらしく
「まま、そう焦んないで。」
血気にはやる子どもたちを前にして、しかし主神GOは慌てない。
彼も彼で、フレイヤに対して、何ならロキに対してもとっておきの手札がいくつかある。
今はただ、安穏とした日々を楽しみたい神ゆえに。ひとまずは子供たちを落ち着かせる。
「ダイジョーブだって、安心しろよ。」
瞬間、喧騒は鎮まり、皆安堵の目を自身の主神に向ける。
その言葉が嘘になったことは、未だかつて、一度としてないのだから。