とある昼下がり、オレはダンジョン探索も早めに切り上げ、メシ屋を探してウロついていた。
ちなみに、キムラとミウラさんとは別行動だ。
なんでも期間限定のクーポンが切れそうとかなんとか。
見慣れた街中を歩き、しばらくすると見知った顔があった。
金髪に金の眼、寡黙でミステリアスと言われるが、実際はただ人見知りなだけという。
そしてその近くに、なにやらストーカーらしき人影も見えた。
建物の陰に隠れて、行こうか行くまいか悩んでいる様子は明らかに挙動不審だ。
後ろから見た特徴としては白髪というか、銀髪というか、なかなか見ない髪色のヒューマンの少年だ。
「おう、どうした?」
一瞬ビクッと跳ねたかと思ったらおもむろに少年は振り返る。
「ヒッ!?ビックリしたぁ。えぇっと、どなたですか?」
赤い瞳が驚いたように、というか驚いてこちらを振り返る。
ああ、そういやぁ名乗ってなかったな。
「オレはタドコロ。GOファミリアの団員だ。まあ、野獣とでも呼んでくれや。で、アイツになんか用でもあんの?」
「あ、アイツって、お知り合いなんですか?」
「まぁ、昔馴染みだな。」
「むかしなじみ?」
「まあ、一人でいるところは珍しいよなぁ。大抵褐色ゴリラかソッチ系のエルフ娘と一緒だもんな。」
「え、そっちけいってなんですか?」
うわぁ、今日日こんなピュアな子いたんだぁ。
「まあ、後で主神様にでも聞いてみな。」
ククク、誰か知らんが慌てふためくがいい。
純粋培養なんざ、あとから苦労するだけだっての。
「んで、アイツと話すキッカケでも欲しいの?」
ガワは良いもんなぁ。
アホほど人見知りするけど。
「えっ、お願いできるんですか?」
「まぁ、構わねえけど。」
「…………………。」
おっ、悩んでる悩んでる。
いきなり人に頼らないのはポイント高いぞ〜。
「す、すいません、今日のところは帰ります……。」
ヘタレなだけかい。
まぁいいや。
「おーい、アイズー。」
オレはせっかくだし声をかける。
久々に水入らずのメシってのも悪かない。
「あっ、お兄ちゃん。」
おっ相変わらず楽しそうだな。兄貴分としては嬉しい限りだ。
「メシ食い行こうぜー。」
「うん。」
コクリと頷くアイズ。
レベルはこいつの方が高いが、なんやかんや気兼ねなく話せる。
「おっ、髪飾り変えたのか。」
「……!」
「いや、分かるっての。なに赤くなってんだ。」
「ぅん。」
「いや、似合ってるぞ?」
「………♪」
「いや、じゃがまるくんはメシじゃねえだろ。」
「あぅ………。」
「別にそこまで落ち込まなくても良いだろー。」
そうしてオレ達はメシ屋に着いても色々と会話に花を咲かせるのだった。
◇
「アイズの奴、一人でどこに行ったのかと思ったらわざわざ街中であの男を探してキョロキョロしていただと?」
「でもけっこー良い人そうだよー?」
「ぬぐぐ…アイズさんをたぶらかす悪魔めぇ〜。」