なんだって!それは本当かい⁉️
じゃあ僕が今マスターデュエルでBFを握っているのもゴルゴムの仕業か‼️ぜってぇ許さねぇ‼️おのれディケイドー‼️
要約:遊んでたらいつの間にか2ヶ月以上経ってました。遅れてしまって本当にすいませんm(_ _)m
Side香織
進化体。それは複数のバーテックスがまるで粘土細工のように合体し、巨大かつ強固なものへと変わったモノ。種類は現在若葉達が確認しただけでもハリネズミのように全身に矢のようなものを発生させた姿、ムカデのような長身と多足を持つもの、そして─今目の前に居るような、巨大な角となったものがある。
情報が少なく、詳しい動きや攻撃方法は不明だが確実に言えるのは、『3年前の若葉が敗走を選択せざるを得なかった相手』という事だ。確かに、3年前と今では若葉の強さは段違いだ。だが、こと防衛戦に関しては昔の若葉の方が上手だった。
私と若葉が出会った時は防衛戦と強行軍の嫌なハイブリッドで、常に背後を気にする必要性があった。しかしなんの皮肉か、四国で得た
…話が逸れたが、要はかつての若葉が彼我の力に圧倒的な差があると判断した相手だと言う事だ。
しかもメンバーには今回が初戦闘の者も居て、チームワークのチの字も無い。下手を打てば互いの足を引っ張り合う、最悪の連携になる可能性も高い。
「まずは私が…‼️」
このまま座して待っていてもなんともならないと判断したのか、アンちゃんが連続で矢を射掛ける。
するとカン、カンと音を立てて標的に当たるはずだった矢が跳ね返り、アンちゃんのもとへと降り注ぐ。
「危ねぇっ!」
「でやぁっ!」
間に私とタマちゃんが入り、タマちゃんは旋刃盤で、私は鎖を前方で円を描くように振り回し、即席の盾として防ぐ。跳ね返ってきた所を注視してみると、半透明な赤い板があるのが分かる。どうやらあれで跳ね返したようだ。
私も走り回り、様々な角度から苦無を何度か投げてみるも、いずれもカンカンと跳ね返る。どうやらどの方向もあの板…反射板によって守られていて、遠距離からの攻撃は意味をなさないようだ。
そうなると接近して叩くしかない訳だが、敵は僅かにだが浮遊している。飛びながら攻撃するのも簡単では無い。仮に出来たとしても、跳ね返らないだけで砕ける保証もない。
どうしたものかと頭を悩ませていると、いつの間にか跳躍していた「やあっ‼️」と気合一閃、友奈が拳を反射板に打つ。
波の相手なら即座に崩壊するであろうそれを反射板は鈍い音を立てるもののなんと無傷で受け止める。
続けざまに若葉の神速の居合いと郡さんの連撃で反射板に攻め立てるも、やはり傷1つつかない。
…なにか手は無いのか?私たちに出来ることはもう、ただただ死を受け入れることだけなのか?
─嫌だ。まだ死にたくない、今度真鈴ちゃんと2人打ちの麻雀を打つって言ったんだ、ついさっきアンちゃんとタマちゃんと一緒に骨付鳥を食べに行くって約束したんだ…まだ何一つ償えていない‼️まだ死にたくない、死ねない、死ぬわけにはいかない‼️
だから‼️
「あき、らめて…たまるかァァァァァァ‼️」
疲労で震える体にムチ打ち、鎖で跳んでからハンマーを上から反射板に打ち付ける。
ガァン!と鉄同士がぶつかったような低い音を響かせながら凄まじい振動が全身を襲うが、それにかまわず振りおろそうと力を込める。しばし拮抗するが、やがて弾かれてしまう。しかしよく見てみると、さっきまで真っ直ぐだった板が少しだけ、ほんの少しだけ歪んでいる。
…なんだ、やっぱり無敵じゃないじゃないか
思わずニヤリ、とほくそ笑む。今の一撃で確実に反射板の耐久を減らせたのだ、私たちに壊せない道理などどこにも無い。攻撃し続ければ勝機はある。
その事に気付いたのか、友奈も「一回でダメなら…百回、千回だって叩き続ければいい‼️」と叫び、手札を1枚切る…それも、取っておきの1枚を。
「来い‼️『一目連』‼️」
私を除く全ての勇者の力の根源は神樹にある。そのため、神樹の中にある膨大なデータベースにアクセスし、その力の一端…精霊を身に宿す事が出来る。
直接身体に作用するものはその危険性故に180秒の時間制限があるが、それでも状況をひっくり返すのに事足りる、一発逆転のまさに
友奈の髪色が若干ピンク寄りになり、左目がバイザーのようなものに覆われる。
彼女が身に宿した精霊は『一目連』。稲光や暴風をもたらすとされる龍にして神の一柱だ。その能力は─
「はぁぁぁっ‼️」
空に舞った友奈の拳が、絶え間なく反射板に撃ち込まれる。最初の方はなんともなかった反射板も、徐々にダメージが蓄積され、軋んでいく。
─これが『一目連』の能力。過去には建物1つを廃墟に変えたことのある竜巻の勢いと力を宿した者の拳に与える。
ズドドドド、と擬音が聞こえるほどの連打によって板はひび割れていく。このままなら押し切れる、と勝利を確信して進化体にざまぁ見ろと嘲笑する為にそちらを見て…驚愕から目を見開く。
そうなれば切り札は時間制限によって自動的に解除、板が再生されれば壊す手段が無くなり、完全に詰みだ。
どうする、どうする⁉️思考が定まらず、頭の中をループする。生憎と私はパッと策が思いつくような灰色の脳細胞を持ち合わせていない。強いて言うなら、自分の犯した罪に目を瞑り、でもひとりぼっちになりたくないというお花畑な脳細胞の持ち主だ。
…ならば、それを持っている仲間に頼ればいいだけの話だ。
「アンちゃん‼️」
勇者チームのブレインことアンちゃんは私の言いたい事にすぐ気がついたようで、ハッとした表示の後、難しそうな顔をする。
「まさかあの状態でも移動できるなんて…」
「だね…ぶっちゃけ、友奈が失敗したとしても皆の切り札でなんとかなったりしない?」
前にも言った通り、私の勇者システムには切り札が存在しない。そのため、精霊の力は分かっていてもその細かい能力や強さの上限は分かっていないのだ。その知らない部分になにか使えそうなものは無いかと思ったんだけれど…
「…多分、無理だと思います。若葉さんやタマっち先輩のものは相性が悪いですし、これが初陣の私や郡さんはそもそも使えるかどうか…」
と、あっさりと望みは絶たれた。
「このままだとアイツは友奈ちゃんの拳を避けてタイムアウト」
「ですが私たちの遠距離からの支援は反射されて、むしろ友奈さんを害してしまう可能性の方が高い」
「切り札を使ってる友奈ちゃんの攻撃なら届けば倒せる、だからこそあの進化体は逃走を図ってる」
「なら、私たちのやるべき事は反射板を壊した友奈さんがそのまま本体に攻撃出来るようにすること」
「だったら今、私たちの用意するものは…」
「「足場」」
同じ結論にたどり着いた私とアンちゃんは顔を合わせ、頷き合う。しかし足場と言ってもいくつかの複雑な条件がある。
まず1つ目に友奈が現状に気付いていない為、ある程度目立つ必要がある点だ。しかし反射板を叩き割る前にこちらに意識が向いた結果、割れないという最悪な事態は避けないとならない。そのため、目立つ必要があるのは反射板が割れてから本体への攻撃へと踏み込むまでの一瞬だけ、それより前でも後でもダメだ。
2つ目に強度がしっかりとしていないといけない点。友奈の追撃の為にあるのに強度不足でその脚力に耐えきれずに踏み込み前に崩壊、なんてシャレにもならない。
そして最後に、周りの立地だ。普通ならば私が鎖を作り、それを手近な樹海の一角に巻き付けて即席のスラックラインを作ることも出来るが、生憎と近くに高低差のある樹が無い。
「…大きくて、一瞬でも固定できるようななにかがあれば…」
私が漏らしたその言葉を聞いたアンちゃんがはっと目を見開き、「香織さんの鎖…進化体のサイズ…反射板の性質…これなら!」となにやらボソボソと呟くと、
「香織さん、もしかしたら足場を出せるかもしれません‼️」
と言い放った。
SideOut
「うぉぉぉお‼️」
ズガガガガと激しい音をたてながら友奈の拳が反射板に突き刺さる。徐々にすり減って行く板を見て、友奈は勝利の確信をよりいっそう深める。進化した最初こそ絶望的だったが、香織の行動を皮切りに突破口が開いていった。何事もなせば大抵なんとかなるものだ、と思いながら攻撃を続ける。
進化体を見てみると、どういうわけかこちらを嘲笑っているように見えてくる。なにを笑っているのか、もう少しでその鉄壁の防御も崩れ去ると言うのに。
そう思い、攻撃を続けながらも進化体をよく見ていると、徐々に後退していることが見て取れる。
ほら見たことか、逃げることしか出来ないくせに…ちょっとまって、
ここに来て、友奈もようやく進化体がこちらを嘲笑っている理由が分かった。アイツは自らの防壁を一度は捨てて退却し、こちらに割る術が無くなったところで2枚目を引っさげてやってくるつもりなのだ。
どうしよう、どうしよう、どうしよう‼️
友奈の中で焦りが加速していく。胸の水晶の制限時間を表示されている数字は残り40を示している。目の前の板は、これまでのひびが入った時間から考えると、あと20秒で砕くことが出来る。しかし、残った20秒で着地してから距離の離れた進化体を追い、トドメを刺すと言うのはあまりにも非現実的な考えだ。
となれば更なる切り札…大社から使用を禁じられている『酒呑童子』の力も使うべきだろうか?だが、友奈はそもそも『一目連』を使うこと自体今日が初めてだ。切り札の力に体が慣れてないのに、いきなり上位の『酒呑童子』を使うのは、最悪の場合いきなり倒れて永遠に戦線離脱の可能性もある。なんとかしてこの30秒でケリをつけるしかない‼️
「うっ…ぉぉぉおお‼️」
きしむ身体を雄叫びで誤魔化して、友奈の拳は先程までの限界を超えて加速していく。音もより重厚なものとなり、板のひび割れる速度も上昇する。みるみるうちにひび割れは広がっていき、制限時間が残り22秒となったところでついに割り切ることが出来た…だが、たった2秒の差で何かが変わるほど現実は有情では無い。離れてしまった進化体との距離を埋めることは最早不可能だろう。
もう、どうしようもないの…⁉️
友奈の心中にじわじわと絶望が広がって行く。空中から落ちていく間に、制限時間はとうとう10秒となったその時‼️
「今です‼️」
今までで聞いたこともない程の杏の大きな声がこだまする。そしてそれに呼応するように、球子が動く。
「見タマえ、これがタマの…全力だぁ‼️」
そう叫んで球子が投げたのは、巨大な分同鎖の先端だ。その太い鎖は、ジャラジャラジャラ‼️と音を立てながら真っ直ぐ飛び、進化体の真横スレスレを通っていく。
「そこはタマ
巨大な鎖の根元を持っている香織は、そう愚痴を吐きながらも巧みに鎖を操り…
これに驚いたのは友奈だ。放たれた鎖はてっきりまた反射板が現れて防がれると思ったからだ。しかし事実として、鎖は寸分の隙間もなくピッチリと進化体の体を締め付けている。
その理由を知るためには、時を香織と杏の作戦会議の時まで巻き戻す必要がある。
「…それで、足場を出すって具体的にはどうするつもりなの?近くには巻き付けられそうなものは無いけど…」
そう香織は問いかける。確かに香織が扱える物の種類は千差万別、ありとあらゆる状況に対処が可能…とは言え、ある程度の立地条件があるのも確かなのだ。
「巻き付けられるものならあるじゃないですか。とても大きくて、頑丈なやつが」
そう言って杏が指さす先に居るのはとても巨大で、多少の攻撃は歯牙にもかけず、そして最も忌むべき存在…進化体だ。
「い、いやいやいや‼️そもそもの問題があいつの反射板を突破できない事なんだよ?巻つけようとしたらまた新しい反射板が出てくるだけじゃ…」
「いえ、その防御の姿勢が弱点なんです」
一拍置いて、杏は進化体の弱点を語り出す。
「あの進化体の出す反射板は、攻撃したポイントに現れる凄まじい精密性と並の攻撃を受け付けない、圧倒的な防御力を持っています…が、逆に言えばあの反射板は攻撃した場所にしか現れないんです」
そう言いながら思い出すのは、自身が撃ち込んだ矢と香織が投げつけた苦無の軌道。その多くは、反射板によって凡そ水平に打ち返された…だが、例外的に軌道が変化しなかったものもある。それが進化体に「当たる軌道では無かった」ものだ。当たり前と思われるかもしれないが、その軌道というのは
ここまで話を聞いた香織は、杏の言わんとする事を理解し…同時に、やるべき事の難易度の高さを理解して頬を引き攣らせた。
「…えっと、アンちゃんまさかとは思うけど…」
「はい、そのまさかだと思います」
「だよねぇ…でも、あの進化体に巻き付けて安定させるとなるとかなりの太さと重量になる。私だけだと、投げることか巻き付ける操作をするかのどっちかしか出来ないよ?」
「大丈夫ですよ。だって、ここには勇者の中で1番投擲が上手い人が居るじゃないですか‼️」
そう言う杏の視線の先には、バーテックス相手に旋刃盤を投げつける球子の姿。
なるほどね。と香織は笑い、球子の方へと駆けていった。
…かくして行われた作戦はこうだ。まず、杏が進化体の
それに合わせて、前もって香織が出しておいた巨大な分同鎖の先端を球子が進化体が反射板を出さない、
仕上げに香織が鎖を操り、反射板を出すのが間に合わないゼロ距離で拘束する。
…はっきり言って、この作戦はほぼギャンブルだと言っていい。杏の「反射板は進化体自身に直撃する攻撃以外には現れない」という『仮説』、球子の「進化体に当たらないように横スレスレを狙う」という高い『技量』、そして香織の「他人が投げた鎖を完璧に操れる」という『前提』があって初めて成り立つものだ。とうてい策と呼べるものでは無いだろう。
…だが、彼女たちは自分たちの力で、それを成功させた。
進化体に絡みついた鎖はその動きを止め、友奈と進化体を繋ぐ足場となった。
「「「せーのっ‼️」」」
そして3人が精一杯の力で引っ張ってピンと張ることで、足場は強固な道と化す。
アンちゃん、タマちゃん、香織ちゃん…ありがとう。
友奈は胸の中でそう礼を言うと、鎖の上を疾風の如く駆けて行く。
ものの7秒足らずで進化体の元へと辿り着くと、猛烈なラッシュを浴びせる。
…反射板への攻撃と合わせて通算999発目、一目連の残り時間はあと2秒。
後ろの3人がとうとう鎖を支えきれなくなり、生じた弛みによって不安定になった足場から友奈は即座に跳び上がる。
遂には動きを封じていた拘束さえも外れ、自らの勝利を確信した進化体は存在しない顔に下卑た笑みを浮かべる。
「千回ぃ…」
しかし、友奈もただ何も考えずに跳んだ訳では無い。
「連続っ‼️」
上空からの拳は一目連の力に重量の力も加わり、
「勇者ぁ…」
進化体をも打ち砕く、強力無比な弾丸と化す‼️
「パァァァンチッ‼️」
反射板を失った、進化体にそれを耐えられる道理なんてある訳もなく、進化体は粉々に砕け散った。
その様子を見ていた香織たち3人は喜びとお互いの健闘を称えてハイタッチし、星屑を倒しながらちらりと確認した若葉はふっ、と笑う。
「…‼️乃木さん、後ろ‼️」
そんな若葉の後ろに密かに迫る生き残った最後の星屑を見て、千景は思わずと言った感じで叫ぶ。
しかしもう遅い。死なば諸共と言わんばかりに若葉を喰らおうと星屑が迫り…
ブチリ、と肉が千切れる音が鳴る。
しかし喰われたのは若葉ではなく…星屑の方だ。
「…まずいな、食えたものではない」
まるで級友を喰われた意趣返しとばかりに食いちぎった肉片を呑み込み、体の一部を抉られながらもまだ生きている星屑を─この戦い最後の敵を両断する。
その様を見ていた千景がボソッと、
「乃木さんは迷宮の奥深くに置いていかれた冒険者かなにかかしら…?」
と、最近プレイしている魔物の肉を食べて強くなるゲームのストーリを思い出しながら呟いたところで、樹に覆われた幻想的な風景が元の街並みに戻って行く─勇者たちの初陣の勝利を伝える、神樹からの合図である。
ゆゆゆいだとUR高奈ちゃん(一目連)の必殺技名は千回«連続»勇者パンチなのに、小説本編や大満開だと千回勇者パンチなんですよね…大満開はそもそもが酒呑童子の状態で撃ってたので余計に分かりずらい
そして切り札に大満開と同じく時間制限を付けましたが…この残り何秒で攻撃が間に合う、という展開をやりたいが為に採用しただけなので酒呑童子や七人御先、大天狗を使った時にどうなるのか考えてないんですよね…
あんな1発毎に全身から血が吹き出す戦いを書ける気がしない…
多分ですけど切り札を使った戦いの描写は水晶の時間制限以外は小説版や漫画版に沿って書くと思うので、ご了承ください
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